「山百合会劇・衣装部買い出し編 ~綺羅視点~ Act1」

山百合会劇・衣装部買い出し編 ~綺羅視点~ Act1

三条 綺羅



体育祭も終わるとだんだん風が涼しくなってくる。
そうすると近づいてくるのはリリアンの一大イベント、学園祭。
綺羅は学園祭で山百合会の劇の衣装係をすることになった。

しかし、豪華な顔触れだ。
3年菊組の朔耶さまは剣道部で、非常に身長の高い凛々しい方。
1年桃組のひめ乃さんは今回の劇で主役のオーロラ姫をやる、とても可愛い方。
そんな中にごく普通の生徒である私が混じっていても良いのだろうかと、少々不安になる。

ひめ乃さんの提案で生地の買出しは日暮里の繊維街に行くことに。
「へぇ~、日暮里って本当に生地屋さんが多いんですね。私家庭科は苦手だから、買出しした物を運ぶくらいしかできないけど…」
「そうですね、朔耶さまが持ってくださったら助かります。ねぇ、ひめ乃さん?」
上級生の方に荷物を持っていただくのはちょっと申しわけ無く思いながらも、ひめ乃さんに同意を求める。
「ええ。わたしもこれだけの人数分の生地だと持って帰れるか不安でしたし、ありがとうございます、朔耶さま」
「いえいえ、むしろそれしかできなくて本当にすいませんね」
朔耶さまは少し苦笑い気味だったが、これは本当にありがたかった。
何せ劇の人数は11人。
大雑把に1人2mと計算しても22m。確実に20mは下らないだろう。
20mともなれば小柄な私とひめ乃さんではちょっと大変である。

三人で会話をしつつ数件回ったのち、一番安いお店に入った。
量が多いため、いかに安く買うかということはかなり大切なことである。


最終更新:2006年01月27日 18:15
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