「山百合会劇・衣装部買い出し編 ~綺羅視点~ Act2」

山百合会劇・衣装部買い出し編 ~綺羅視点~ Act2

三条 綺羅



「私は生地の種類あまり詳しくないんだけど、ひめ乃さんは詳しそうね。」
「お恥ずかしながら、家庭科と音楽だけは得意ですので大丈夫ですよ。デザインも書いて、生地の量も計算しましたし」
ひめ乃さんは本当に家庭科が得意らしい。デザイン画まで描けるのは尊敬してしまう。

「えーと、生地ってメートルでないと買えないんですか?」
物珍しそうに店内を見回す朔耶さま。
「ええと、お店に寄りますけれど、1m以上は10cm単位で売ってくれるお店が大半ですわ。」
「そうなんですか。ひめ乃ちゃんの中にはもう大体構想はあるんですよね」
「ええ、一応ですけれど、やるからにはきちんとしなければいけませんし」
会話をしながら生地を探していく。
私の目に止まったのは綺麗なシフォン生地。
「ひめ乃さん、妖精さんの生地こういうのどうかしら?確か昨日の会議でシフォン素材がいいって言ってらしたような気がしますし」
「そうですね、妖精さんは、シフォンとオーガンジーで作ろうと思っているんです、綺羅さまはどう思われます?」
「ええ、それがいいと思うわ。妖精さんはふわふわした印象だものね」
シフォンとオーガンジーならきっととても可愛い妖精のイメージになるだろう。
想像して思わず嬉しくなる。
「勇気が水色、鷹揚が白、呑気が薄い黄色で、元気も薄いオレンジ、やさしさはやっぱり薄ピンクでリラは藤色がいいと思うんですけれど」
「でも薄ピンクだと姫役の衣装と被っちゃわないかな?新緑色とかどうかな?自然のやさしさって感じでいいと思いますけど。あ、年中日向ぼっこしてるからそう言ってる訳ではないですよ」
「そうですね、ではひめ乃さん、やさしさは新緑色にしましょう、きっと華央梨さまもお似合いになると思いますし、あとリラの精は少し丈を長めの方がいいですよね」
朔耶さまのご指摘で衣装の色は一色変更。
危うく色が被るところだった。また朔耶さまに感謝。
「ではとりあえず普通の妖精の分の生地は一人あたり2m50cmで、リラの精はプラス1mで取り置きしてもらって次を見てみましょう」
(妖精6人×2m50cm)+1m=16m。
やっぱりかなりの量になりそうだ・・・。


最終更新:2006年01月27日 18:16
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