「山百合会劇・衣装部買い出し編 ~綺羅視点~ Act3」

山百合会劇・衣装部買い出し編 ~綺羅視点~ Act3

三条 綺羅



次はお妃さまの衣装。ひめ乃さんのイラストだと、とても優雅。
色は3者相談の上、茶色と赤がいいという事に決定した。

値段と相談するとなかなか良い生地が見つからない。
目に付いたのは落ち着いた赤の布。これなら使えるかもしれない。
「ねぇ、ひめ乃さん、この生地どうかしら?とても素敵だと思うんだけれど」
そして朔耶さまはアンダースカートに茶色のシャンタンを見つけてきてくださった。
「ひめ乃ちゃん、これなんていう生地なんですか?」
「ええと、記憶が正しければシャンタンの筈です。あ、朔耶さま、書いてあるじゃないですか、生地名」
くすくすと笑うひめ乃さん。
「あら、ほんとだわ。」
私も気付かなかったことは秘密にして、微笑んでおく。
ごめんなさい、朔耶さま。
そして少々罰の悪そうな朔耶さまは、
「うーん、やっぱり私抜けてるんでしょうかねぇ」
といいつつ頭を掻く仕草をした。
ごめんなさい、朔耶さま。(もう一度心の中で謝っておく。)

「あとはレースですね。舞台だからあまりよく見えないし、ここは妥協して安めのラッセルレースにしましょう」
「ひめ乃さんって本当に詳しいんですね。やっぱり洋裁がお好きなのね」
「私はレースなんてどれも一緒だと思っていましたよ」
私も正直言って違いが良く分からない。
中学校の頃に生地屋で頭を抱えた思い出がある。
「いえいえ、わたしの知識なんてそんな大したことありませんわ」
ちょっと声が上擦っていて、照れているらしい。
可愛いと思ってしまった。
王妃様用の生地は4m取り置き。
現在の量は16m+4m=20m。
いったい全部でどれくらいになってしまうんだろう・・・?


最終更新:2006年01月27日 18:18
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。