リリアン女学園付属図書館 「あなたといっしょにどこまでも。」(朔耶&彩さん姉妹)

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あなたといっしょにどこまでも。

月城 玲



 姉妹ができた。
 同じ剣道部の先輩の、りんご大王なんて呼ばれてる、どこか少年めいた優しい人。
 なんだか急に距離が近くなったみたいで不思議な気がするのは私だけなのかしら。
 姉妹の契りを交わしたことでのちょっとした変化。


 それは姉妹になってすぐのこと。剣道部の部活も今日は無くて、姉妹になったばかりだというのにお姉さまには会えないだろうと、なんとなく寂しい気分を味わっていたときだった。
「ごきげんよう、彩。一緒に帰りませんか?」
「えっ、お姉さま!?」
 教室の外からひらひらと手を振る長身の、その姿に気づいて彩はがばっと立ち上がる。
 彩のお姉さまである私市朔耶さまは、にっこり笑って言った。
「姉妹になったばかりだし、一緒に帰ろうと思いまして」
「はい、勿論ですっ」
 嬉しさに胸の奥がどきどきしはじめた。 一緒に帰れるんだ。やった!
「新婚さんはラブラブでいいですわねー」
 普段から仲のいい二宮央がからかおうとしたが、そんなことは気にならないほど彩の気分は高揚していたのだった。
「いいわよ。今日は央さんの挑発には乗らないから、存分にどうぞ」
「つまらないですわ…」
「私は幸せだけど?」
 うふふ、と笑いながら急いでかばんの準備をする。
 準備完了。央さんにごきげんようと手を振って、お姉さまのもとへ向かった。
「お待たせしました」
「いえ。いいんですよ」
 楽しそうににっこりと笑うお姉さま。その笑みに思わずどきどきしてしまう。
 ああ、この人が私のお姉さまなんだ、って。
 ちょっとした感慨と幸福を伴う再認識。
「あ。今日は早く帰らないといけなかったりしますか?」
「え、そんなことないですけど。何でですか?」
 彩が首をかしげると。
「うーんと。せっかくだから、姉妹になっての初デートと洒落込もうかと。寄り道していきませんか」
 お姉さまはゆっくりと歩きながら、彩を見つめて言った。
 デート。
 甘くて、ちょっとだけ胸の奥がきゅっとする言葉。
「―――はい」
 喜んで。 そう言って高い位置にあるお姉さまの顔を見上げる。
「そうですか! 嬉しいな」
 お姉さまは軽く笑って、何気なく彩の手を握った。
「わっ」
 瞬間、彩の体中の血が逆流する。今までのどきどきより格段に大きいどきどきが彩の胸の中を暴れだした。
「え、駄目ですか」
「だ、駄目じゃありませんけど」
「じゃ、良いじゃないですか」
 駄目じゃないけど反則です。
 こんなにどきどきさせないでくださいよ。
 …お姉さま。
「じゃ、行きましょう?」
 お姉さまはのんびり言って、彩の手をきゅっと握って歩き始めた。
 彩は高鳴る胸を押さえながらそれに従った。
 こんなにどきどきできるのは、お姉さまといるときだけ。
 このままずっと一緒に、どこまでも歩いていきたいと幸福の中で思った。


あとがき



朔耶と彩さんの姉妹が誕生したと聞いたときには驚いた。
同じ部に姉妹が居るのは少しうらやましいな(苦笑)

口調や行動など「これは私じゃない!」という点もあるかもしれないので、何か訂正したい点があったら、遠慮なく言いつけてくれ。
それでは。楽しんでいただければ幸いだ。