リリアン女学園付属図書館 「ミックス☆ジュース」リメイク版 第七話

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ミックス☆ジュース リメイク版 第七話

私市 朔耶



「彩さーん、休憩ですよ~」
「はーい」
 少しだが、人の波の引いた剣道部ジュースバー。
「じゃ、何を飲みます?」
「もちろん、りんごジュースですよ^^」
「私の特製ですか?
 それとも、唐辛子を混ぜて、ですか??」
「ん~と・・・唐辛子を混ぜて♪」
「はいはい(^^;」
「(ごきげんよう~朔耶さま~)」
 テントの、多分裏の方角。
 設置した台より少し低いところから、女の子の声がする。
「ん?
 あら、まぁまぁ、こんなところに可愛い猫ちゃんがいますよ」
「はい?猫ちゃん?」
「あの・・・私を何だと思ってます?」
「あ、何だ央さんか」
「なんだとはなんですか、彩さん?」
「いえいえ、別に。」
「ちなみに、今は普通に出てきて大丈夫ですよ。
 京さん、いないですから」
「あ、そうだったんですか?」
 京を警戒して、正面からではなく裏からやってきたのは、二宮央。
 現在のリリアンの紅薔薇さまだ。
 テニスで焼けた小麦色の肌とショートの髪、持ち前の気さくな性格で、学園1、2を争う知名度と人気を誇る。
「うん。
 実はついさっき、芽衣子さんが来てね?」


「ごきげんよう!!
 ロサ・フェティダはいらっしゃる!?」
「あ、あれ?さっきまではそこにいたんだけど・・・
 どうかしたの、芽衣子?
 まさかまた薔薇の館から走って・・・」
「どうしたもこうしたも、アレがこんなびっくり箱だったとは思いもしませんでした!」
「(芽衣子さんて、元気ですよねぇ・・・)
 ・・・ジュースに、なんか仕掛けがあったんですね?」
「聞いてくださいよ!
 ヨーグルトの下にわさびが敷いてあったんですわ、たっぷりと!」
「おお、そんなところに隠し場所が!」
「ううう、くやしい、文句のひとつも言ってやらないと、収まりませんわ!」
「でも、ここにはいないよ?」
「片っ端から当たっていきます!
 お騒がせしました、ごきげんよう!」


「てな事がありまして?」
「はぁ~・・・
 芽衣子さん、ご愁傷さまです。。」
「だから、今は私か、香クンか、玲さんしかいないけど、誰にします?」
「え?
 彩さんは作れないんですか?」
「うん、わたしはこれから休憩だから」
「・・・なら、ジュースは朔耶さまに作ってもらうんでしょう?」
「・・・?
 央さん、何でわかったんです?」
「この子ってば、剣道部の話になると必ずさ(むぐ)」
 彩は得意の俊足でがっしと央の口を押さえると、頭を抱え込み、2・3歩距離をとる。
「ヒソヒソ(央さん、余計なことを口に出したら・・・!)」
「む、むぐむむーむ(わ、わかりました)」
「???」
 はてなマーク全開の朔耶を尻目に、少女二人の格闘は幕を閉じた。
「いえ、なんでも・・・おほほほほ(^^;
 そうですね、ホストになったら彩さんを指名してあげるって言う約束があったんですけど・・・。
 朔耶さま、玲さまは大丈夫ですか?」
「剣道部の中では、いろんな意味で一番大丈夫だと思いますよ?」
「では、その方向でよろしくお願いします。」


「央さんまで、私に?」
「さすがに疲れてきましたか?」
「いや、なんと言うかな・・・」
「あぁ、もしかして、かずらさんの事ですか?
 それなら大丈夫ですよ、あの子は、ちゃんとわかってくれますって(^^)」
「・・・まぁ、そうだろうな。
 ものわかりがよすぎるのも、すこし複雑なんだが・・・」
「・・・承りました」
「ん?なんだって?」
「いえ、独り言です♪
 じゃ、作業を始めましょうか」


「あ、ちょっと彩さん、胸元空けすぎですってば!」
「え~?
 大丈夫よ央さん、多少開けてたって。
 女子高なんだから。」
「わかってないのはあなたです(^^;
 わたし、一応風紀委員なんですよ?」
「げ、しまった」
「・・・まぁいいです。
 せっかくの朔耶さまのアイディアなんですし・・・」
「元々言い出したのは、『あたし』だし?」
「え!?
 な、なぜそれを!??」
「?
 なによ、剣道部で何をしようか?って相談したときに、
 真っ先に『ホスト』って言い出したの、央さんでしょう?」
「え!?
 あ、そ、そうでしたわね、ほほほほほ(^^;」
「・・・?(何か、ひっかかるなぁ)
 いや~でもね、あたしホントにこういう服着て央さんの前に姿を出すとは夢にも思わなかったわ。」
「彩さん、なにげに着こなしがいいですもんね?」
「・・・まぁ、おかげさまで」


「はい、彩さん。
 特製、唐辛子りんごジュースです。」
「央さん、待たせたね。
 オレンジとリンゴのミックスジュースだよ」
『あっ、ありがとうございます』
 まるで双子のごとくハモった央と彩。
 二人も意外な出来事だったらしく、目が合うと、互いに笑い出した。
「では、いただきまーす♪」
 先に飲みだしたのは央だ。
 ちう~~~~~。
「あ、さっぱりしてて、おいしい」
「ふふっ、喜んでもらえた?」
「はい、ありがとうございます、玲さま♪」
 にこっ、と言うより、にぱっと言った感じで明るく笑う。
 快活な彼女らしい、ひまわりのような笑顔だった。
 が、隣を見て少しひまわりが曇る。
「・・・ねぇ彩さん、ちょっとそれ、赤すぎない?」
「そーお?
 そんなことないと思うけど?」
「いや、作っておいてなんですが、私は赤いと思いますよ」
「なぁ朔耶、そのジュースの唐辛子とリンゴ、どのくらいの比率で入れたんだ?」
「ふっふっふ、玲さま、それは私と朔耶さまの企業秘密ですわ」
「いつから企業になったの、彩さん(^^;」
「(央を無視しつつ)では、いただきまーす♪」
 ちう~るるるるる。
「んん~~~♪
 やっぱりこの味がいいのよねー(^^)
 どう?央さんも飲んでみない?」
「いや、わたしは結構です(^^;」
「じゃ、私のジュースなら、飲んでくれるのよね?」
「っ!」
 後ろからかかった声に、一瞬のどを詰まらせる央。
「ロ、ロサ・フェティダ!!」
 ガバッと振りかえって顔を確認すると、緊張のあまり声が上ずった。
「も~、みんな揃っておんなじリアクションするんだもんなぁ(苦笑)」
 登場すれば驚かれる、を連続して味わうと、もはや苦笑いしか出てこないらしい。
 ゆったりと、右手に剣道部のジュースパック・・・おそらく中身入りを持って、央の正面、玲の隣に並ぶ。
 外野から見れば、黄色、紅、黒の3色が一同に会した、とても華やかな場なのだが、内情はそうもいかないらしい。
「京さん、いつの間に戻ってきたんですか?」
「ついさっき。
 央さんが来るかもしれないって、芽衣子に聞いたのよ」
「ってことは・・・」
「そうよ、私も居るの」
「ひっ!」
 方向的には一回目の京と一緒だったが、距離が近かった。
 左耳の真後ろから、それも至近距離で言葉をつむいだのは雪村芽衣子嬢。
「芽衣子ちゃん、その登場はちょっと怖くないかい?」
「うん、知っててやったんだもん♪」
 そして、内側に居るはずなのに、ついに外野化した朔耶と彩。
「うわー、すごい、朔耶さま、4色ですよ?」
「白はつぼみだけど。
 でも確かに、すごい顔ぶれ・・・」
 ・・・二人とも・・・ちょっとは事態の展開を見ろって。
「央さ~ん、まさかここで、上級生のロサ・フェティダのお誘いを断ったりなんて、しないわよね・・・?」
「は、ははは、いやーまさかーそんなー・・・失礼します!!(←必死でダッシュ)」
「あ、逃げた」
「待ちなさい!
 ロサ・キネンシス!!(←超・必死で追走)」
「央さん、芽衣子、待ってよ!(←とっても楽しそうだが凄い速い)」
 ・・・新聞部って、こう言うのを追っかけてるんだろうなぁ。
 朔耶の頭には、明日の号外で『文化祭の珍・事件簿!!疾風の三薔薇』と言う新聞記事が、とてもリアルに想像できた、と言う事だ。


「・・・じゃ、朔耶、仕事の続きをしようか」
「そうですね」
「え?
 このまま放置ですか?」
「だって、私たちに何かできるかい?」
「・・・ん~と・・・」
「私は、さわやかなのど越しのりんごジュースを作っておくことができます」
「・・・何の役に立つんです?」
「少なくとも、京さんは戻ってくるでしょう?
 その時の栄養補給に。
 役に立たなければ、私が飲みます♪」
「朔耶、ホントは後に言った方が目当てなんじゃないの?」
「あ、バレました?
 ぎゅぎゅ~~~~~~・・・(りんごを絞っている)」
「・・・央さんも、大変よねぇ・・・(しみじみ)」


あとがき



これは私の作品と言うより、実際にそういう風に話が伸びていったと言いましょうか。
お茶会でですね、どうしましょうと話していたら、央さんはもちろん飲みますよね?と芽衣子さん。
そしたら央さんは、全力で逃げますから、とお返事を(笑)