リリアン女学園付属図書館 「リリアン七夕祭・笹団子編」

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リリアン七夕祭・笹団子編

大河内 香



夕方になり、団子作りが始まることになった。

「いよいよエプロン発表会ね」
そう言って朋子が取り出したのは、女の子の憧れ!白いフリルエプロンだった。
「素敵ですわ、お姉さま」
隣で微笑む妹のひめ乃もまたおそろいのエプロンである。
「ペアルックなんて本当に仲がいいわよね」
ひめ乃の隣の春菜が羨ましそうな声を上げる。
「お二人ともよくお似合いですわ。私、昔作ったエプロンだから…私もそういう可愛らしいのを用意すればよかったわ」
溜息をつきつつ聖香が着衣したのは小さなパンダが散りばめられたエプロンである。
「まあ、聖香さまのエプロンも可愛らしいじゃありませんか」
「そ、そうかしら?」
「ええ。とってもお似合いですわ」
邪気のない笑顔を向けられ満更でもない様子の聖香である。
「春菜さんはどんなエプロンを持ってきたの?」
「私のは普通よ」
取り出したのはシンプルな青いエプロン。
「春菜さんらしいわね」
「私のも似たようなものよ」
朋子の隣にいたつなみが着ていたのは東○ハンズに売っているようなデニム生地のエプロンだった。
「りなさまのエプロンとちょっと似ているわね」
デニム生地のつなみと似た色のエプロンをしたりなに視線が集まる。
違うところといえば、りなのエプロンにはたくさんのポケットがついておりとても機能的だ。
「ついに私達の出番ですわね」
「え、ええ、そうですわね」
先ほどまで隅でコソコソしていたプロ野球愛好会コンビがそれぞれのエプロンを皆の前に披露した。
栗実は一見普通の割烹着かと思いきやYG(読売ジャイアンツ)のマーク入りであるし、央の方はドラゴンズのマスコット、ドラポンくんのエプロンである。
「プロ野球愛好会をよろしくw」
ちゃっかり愛好会の宣伝までしてしまう強かさ。それにしても何処で手に入れてくるのだろうか。



七夕といえば笹団子だが、製造の関係上今回は簡単な月見団子をつくることになった。
「それじゃ、材料を配るよ」
アイボリーのエプロンをした香が仕切る中、山百合会役員で昼間分量を量った材料を支給していく。
ちなみに今回は一人につき上新粉80g、白玉粉20g、砂糖50gで作る。
「完成したら黄な粉とこしあんが用意してあるからね」
「私黄な粉大好きv」
「私もですわ」
「私は絶対こしあん~」
朋子の言葉に色々な反応が返ってきた。

「ではまず材料をボールに入れて混ぜ合わせてください。混ざったらお湯100ccを入れて全体に混ぜ、よくこねてください」
「お湯を入れて、混ぜるっと」
お菓子作りが得意というだけあってひめ乃は迷いなく作業を進めていく。
「どのくらい混ぜたらいいものなんでしょう?」
「目安は耳たぶくらいの硬さだよ」
「耳たぶ耳たぶ……」
呪文のように唱えながらこね続ける栗実。
「耳たぶ…なかなか難しいな」
いつもは竹刀を振り回す手で慎重に生地をこねていく玲。
「こんなもんかなぁ…」
料理が得意なりなは早くもコツを掴んだ様子だ。

「他の人の耳たぶ触っちゃ駄目ですよ」
シンプルにきれいな球を形作っていた春菜が突然声を上げた。
「ギクっ」
「自分の触りながらやってますよ?」
どうして?と言った様子で答える栗実だったが、春菜の目の前で固まる人を観て頷けた。
「もしかして聖香さん、他の人の耳たぶ触ろうとしてた?」
「あ~ん、央さんの耳たぶ狙ってたのに~」
「お触りは禁止よ、聖香さん」
そういうと央は聖香の隣を離れてしまった。
「ううっ、央さんに逃げられてしまった…」
「お姉さまったら!」
ついでに妹の芽衣子にまで叱られてしまうのであった。

「こういうの、楽しいですわね」
一連の様子を見ていたひめ乃がくすくすと笑いながら言う。
「小学校のお楽しみ会を思い出しますね」
既に立ち直った聖香が合いの手を入れる。
「そうね、皆で何かを作るなんてあまりない事だものね」
頷きながらりなも話に加わっていく。



「耳たぶくらいの硬さになったら10~15等分くらいにして、種を好きな形にしちゃってください」
香から新たな指示が出されると、本当に好きな形でいいんでいいのか?という質問が飛び交った。
「丸ばかりじゃつまらないからね。分厚すぎると火が通りにくくなるからその辺だけ注意してね」
嬉々とした返事が上がるとるとまた辺りは騒がしくなった。
「とりあえず、丸の形に」
「種といえば、ガ○ダムでも作っちゃおうかしら」
「ガ…、ハロなら作れるかもね」
「ガンプラなら得意ですけど、団子の種でガン○ムは至難の技…」
まずは基本とばかりに分けていく朋子。
それとは正反対にとんでもないものを作ろうとする聖香。
そんな聖香に呆れ気味の香と央。
「じゃあハロどうぞ」
そんな聖香のフォローを買って出たのは朋子だった。
「わぁ、朋子さま、ありがとうございます。ハロ~ハロ~」
「お姉さま、私もハロ(?)欲しいです~」
月の形を作っていたひめ乃がハロが何なのかよくわからないながらおねだりを始めた。
単純に大好きなお姉さまに作って欲しかったのか、聖香に焼き餅を焼いたのか、それは定かではない。
「でも、白いハロ?」
ハロといえば、特に最近はピンクなどと色とりどり、というイメージからつなみが横やりを入れる。
「ヨモギを混ぜたら緑になったかな~」
朋子はひめ乃に与えるためのハロ2号を作りながら想像に頭を働かせた。

「スラ○ムでも作ろうかしら」
何にしようか迷った挙句、出てきたのは某人気ゲームのキャラクターだった。
「かわいいかもしれませんよ、りなさま」
今度は丸に耳をつけたクマを作ろうとしていたひめ乃がりなの思いつきにGOをかける。
「うーん、なんだか玉ねぎと区別がつかないわ」
「これで顔も描いてあげたら?」
と、香が差し出したのは爪楊枝の入った容器。
「あ、いいですね、描いてみましょう…」
爪楊枝を一本抜き取って目と口を描いてやる。
「これならみえますわ。かわいい」
よかったね、と和んでいるところに神田を愛でる会の会長でもある栗実がやってきた。
「りなさん、一緒にティ○キャンピー作りません?」
「ティムは大丈夫かしら。ボロぞーきんのように……」
「大丈夫よ。せっかくだから挑戦しましょうよ」
「ええ、そうね。作りましょう」
屈託のない栗実の笑顔に元気付けられ共同作業に取り掛かった。

「リアル『だんご三兄弟』」
朋子が掲げたのは竹串にさした団子。少し古いが、一世を風靡した『み○なの歌』の楽曲である。原作に充実に顔が描かれている。
「すごいな、朋子さん」
そう言う玲の手元には以外にもファンシーな世界が広がっていた。
「星さん、明日スタメンかな~」
団子を丸めながら明日の野球のスターティングメンバーを予想をする栗実。その手は無意識に団子を星の形にしていった。
「栗実さま、おそろいですね」
ひめ乃が自分が作っていた星を見せた。
「本当だわ。『巨人の星』とか、好きな選手の名前も星っていうから知らずに作っていたみたい」
恐るべし、野球ファン心理。
「つなみ先輩、ミッフィーちゃんですか?」
「ええ、そうよ。そういう聖香は何を作っているの?」
「色々いじってるうちに、ラスカルになりました」
「お姉さまは名作好きですものね」
そう言う芽衣子はちゃっかりリラックマを作っていた。


登場人物



3年生 貴水朋子 大河内香 月城玲 椎名つなみ
2年生 正木聖香 二宮央 今岡栗実 久保りな
1年生 一ノ瀬ひめ乃 雪村芽衣子 中司春菜

(七夕祭・夜の部参考)