リリアン女学園付属図書館 「袴競争出場手続きのおはなし 白薔薇編」

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袴競争出場手続きのおはなし 白薔薇編

中司 春菜



 春菜が薔薇の館に体育祭実行委員会の書類をもって来た時、館には聖香だけが居た。
「ロサ・ギガンティア、ごきげんよう」
「ごきげんよう、春菜さん」
 挨拶を交わすと、「いつも通り聖香さまで良いのに」と言う聖香に、
「でも、実行委員が山百合会に書類を持ってきたわけですし」
 そう言いつつ、聖香に数枚の書類を手渡す。
「もう、そんなに厳格にしなくとも良いと思うけど。ところで、春菜さん時間ある?」
 書類を受け取りつつ、聖香は春菜に尋ねる。
「はい、聖香さま。未だそんなに忙しいわけでは有りませんし」
「それじゃあ、私のお茶に付き合ってくださらない?ちょっと休憩したいんだけど独りでお茶と言うのもね」
「はい、お付き合いします、聖香さま。何を入れましょうか?」
「あら、私のお茶に付き合わせるのだから、私が入れるわ」
 その言葉に恐縮する春菜に「この方が気分転換になるわ」と聖香は微笑みながら行った。そして御茶が出来あがり、
「はい、春菜さん。お砂糖にミルクはこちらのを自由に使ってね」
「はい、聖香さま」
 ふたりはお茶を飲み出したが、
「ところで春菜さん。今年も袴競争は有るわよね?」
「ええ、ありますけど?」
「じゃあ、芽衣子と出たいんだけど、どうすれば良いかしら?」
「あ、出場手続きが要りますけど、それならあたしが代わりに手続きしておきますね」
「そんな。手間をかけさせて、春菜さんに悪いわ」
「いえ、お二人の名前を書くだけですし」
「そう、それならお願いするわね」
 春菜に出場の手続きを頼む聖香。これで白薔薇姉妹の参加が決まったのだが……

 その数日後。
「ごきげんよう」
「ごきげんよう、聖香さま。芽衣子さん」
「ねぇ、春菜さん」
「ん、何?芽衣子さん」
「実は、袴競争にお姉さまと出たいんだけど?」
「あら、袴競争は、わたしくしが、もう先に申し込んでますわ」
「えっ、そうなのお姉さま?」
 驚いた顔で聖香に向かい「なんで私に言って下さらなかったの」と詰め寄る芽衣子。
「え、わたしくし芽衣子に言ってなかったかしら?」
「言ってません、お姉さま」
 その後「しっかりして下さい、お姉さま」と続ける芽衣子。
「あ、あの。芽衣子さん」
「どうしたの春菜さん」
「ちょっと落ち着いて。結局ふたりで袴競争出きるわけだし」
「まぁ、そうだけど」
「なら良いじゃないの」
「それはそれ、だけど春菜さんの前でしてもしょうがないわね」
 芽衣子はそう言うと、
「それじゃあ、お姉さまとお話がありますから、春菜さんごきげんよう」
「あ、ごきげんよう……」
 そして春菜の目の前から去った姉妹が何を話したのかは別の話。