カルメン山百合に還る 2
中司 春菜
とはいえ、やっぱり気が重い春菜。とはいえ、芽衣子さんはこの時間ならと考え、薔薇の館に赴く。
偶々だろうか、館には芽衣子しかいなかった。芽衣子にさっそく今年の椿組のテーマを伝える。
「ふーん、そうなんだ」
あまり興味がありそうにない返事を返していたが、芽衣子も踊って欲しいといわれると、
「わたし、踊れないよ」
「練習すればいいじゃない」
「でも」
やはり渋り出す芽衣子に、説得を始める春菜。芽衣子は暫く渋っていたが、春菜自身も踊るといったら、
「じゃ、相手役やる」
いきなり乗り気になった芽衣子。とうとう、
「どうせならカルメンの寸劇ふうに春菜さんにふられたい」
と、言い出すほどに。あまりの態度の変わりように春菜があわて出すくらいに。
最終更新:2006年01月26日 19:24