「激闘☆枕投げ 8」

激闘☆枕投げ 8

二宮 央



「右、守備が薄いわ。明日香さん行って!」
「はい!」
Aチーム司令塔、五条慧理奈も藤に負けない頭脳派である。
「明日香さん来るわ!郁弥さんブロックして!」
「了解!」
Aチームのあまりの猛攻に、藤の指示は防御に対応するので精一杯。
その間、BチームFWの央とはなめは自己判断の基敵陣へ突っ込んでいた。
「えい!」
「やっ!」
十花がはなめの投げた枕をキャッチして投げ返す。
「蒼さん覚悟!」
「させません!!」
央が投げた枕を栗実がガード。
強大な攻撃力の反面、守備が手薄と思われたAチームだが、なかなか手強いものである。


ぼふっ、ばふっ。
「痛っ!やりましたわね、彩さん」
「勝負の世界は厳しいんですわ、りなさん」
次々に飛んでくる枕に防戦一方のBチームDF陣。文字通り身体を張ってかずらを死守している。
フラットスリーは最終防衛ライン。
ここを突破される事は負けを意味するのだ。
Aチーム4トップの攻撃は激しく、そしてスムーズ。
綺羅が落ちている枕を集めて他の3人のFWに渡すという補給体制が整っている。
お陰で、彩・明日香・蘭香は攻撃のみに専念出来るのだ。
Bチームリーダーかずら陥落も時間の問題であった。


「ここは、攻撃の要である補給部隊綺羅さんと司令塔慧理奈さんから攻撃した方が良さそうね」
「私もそう思いますわ」
なかなかBチームリーダー蒼に近づけない央とはなめは、枕を拾いながら会議を行った。
「では、私は綺羅さんを。慧理奈さんは任せましたわ」
「了解」
そう言うと、央はくるりと方向転換して混戦している自チーム防衛ラインへ逆走した。
「あら?央さんも防御に回るの?攻撃は諦めたのかしら」
AチームDF十花が一息つく。
「残るFWははなめさん一人。守るのも楽になるわね」
栗実もほっとした表情を浮かべる。この2人としても必死に蒼を守っているのだ。
そして敵陣にたった一人残ったはなめは、作戦通り慧理奈へと攻撃目標を変更していた。


最終更新:2006年01月26日 22:45
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