「激闘☆枕投げ 9」

激闘☆枕投げ 9

二宮 央



「慧理奈さん、悪く思わないで下さいね!」
「…えっ!?」
急に攻撃の矛先を向けられた慧理奈は戸惑いを隠せない。
枕を受けたり投げたりと、戦う司令塔・藤とは逆に、慧理奈は指示のみに専念していた。
誰にも枕を投げていないし、投げられてもいない。
今まさに枕をこちらに投げようとしているはなめの姿に驚き立ちすくんだ。
「お姉さまぁ!」
とっさに口をついたのはいつも自分を守ってくれている姉、京を求める言葉だった。
「!!」
それが効果絶大。
枕を投げかけていたはなめの脳裏に、一瞬ロサ・フェティダの顔が過ぎった。
とっさに投げるのを止めようとした為に、前に倒れ込む羽目になった。
「きゃっ!」
ばたーん、と派手な音をたてて絨毯に沈むはなめを横目に、
「お姉さま、ありがとうございます……」
慧理奈は遠く離れた姉の愛を感じ、感謝するのだった。


 ※自動発動アビリティ 『お姉さまの加護』
   お姉さまを持つ生徒のみ使えるアビリティ。
   攻撃を1回だけ回避できる。


「かずらさん隙ありっ!」
フラットスリーの間を縫ってBチームリーダーかずらの基へ辿り着いた蘭香が、ゲームを終了させようと枕を投げかけた時も、
「助けて、お姉さま!」
と言うかずらの一言で撃沈。
(竹刀を構えた玲さまの姿が浮かんでしまった)
枕を投げようとして止めた反動で仰向けに倒れ込んだ。
「蘭香さん隙あり!」
しかもそこをゆんに攻撃される憂き目に遭った。
(ああ、私も早くお姉さまを作らなきゃ駄目だ……)
ゆんの投げた枕を顔で受け止め、真っ暗な視界の中蘭香はしみじみ思うのだった。


『お姉さまの加護』、大活躍!


最終更新:2006年01月26日 22:46
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