リリアン女学園付属図書館 「図書室のティーパーティー」

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図書室のティーパーティー

中司 春菜



望が教室の自分の席に着くと、机の中に1枚の封筒が入っていた。深い緑色の封筒に望は見覚えがなかった。取り敢えず、封を開けてみる。その中に入っていたのは、

『親愛なる望さま
  本日放課後、高等部図書館図書準備室にご来訪願います。
 是非お忘れ無く来られるようお願い申し上げます。』

 入っていたのは1枚の桜色のカード。差出人は書かれていない。かなり変なメッセージだったけど、何となく筆跡に覚えがあるような気がして、望はこの不思議な招待を受けてみる気になった。

 放課後、望は図書館へやって来た。準備室の扉をそっと開くと、『パーン、パーン』とクラッカーの音が、
「きゃあ!」
「誕生日おめでとう!望さん!」
 クラッカーの音に驚く望に、数人の少女達の声が。
「え、え。ありがとう」
 戸惑いつつも返事する望。
「だから、クラッカーは止めといた方が良かったんじゃ」
「さすがに図書室の隣で鳴らすのは。薔薇の館のつもりだから買ってきたのに」
「でも驚いたから、成功じゃない?」
「あ、あの。どういう事?」
 話の蚊帳の外におかれてしまった、本日の主役こと望はおずおずと尋ねる。
「あ、ごめんなさい」
 望に対して謝る春菜。そして、説明を始める。
「先日、聖香さまが望さんの誕生日のことを思い出されて。それで望さんには内緒で誕生日会の準備をしてたの」
「そうだったんだ」
「じゃあ、改めて。せーの」
「「「「「望さん、お誕生日おめでとう御座います!」」」」」
「ありがとう」

「さぁ、望さん。席について」
「ええ」
 望が席につくと
「それじゃ、望さんのお誕生日を祝して、カンパーイ!」
「カンパーイ!」
 乾杯といってもそれぞれのコップに入ってるのは紅茶やコーヒー。
「さぁ、お菓子もどうぞ。お菓子は春菜さんが作られたんですよね」
「ええ、全部ではないですけど。それに、味は保障しませんよ」
 聖香の台詞に春菜が答える。
「もしかしてわさびとか入ってる?」
 その台詞に反応したのは芽衣子。いかにも手作りなクッキーやドーナッツを見ていう。
「まさか、普通に作ったわよ。でも料理は普段しないから」
 苦笑を浮かべる春菜。
「さぁ、望さんどうぞ」
「あ、美味しいですよ」
「良かったぁ。ちょっと自信がなかったのよね」
 ほっとした表情を浮かべる春菜。その横で、
「春菜さん、これ端が焦げてる」
「芽衣子さーん……」
「あはは」
 暫くお茶と共に雑談していたが、
「じゃあ、そろそろプレゼントを渡しましょうか」
「そんな、プレゼントまで」
「じゃあ、あたしから。授業に使うようなので悪いんだけど」
 と春菜が手渡したのは、リリアンの校章が入ったスケッチ帳。
「ありがとう」
「わたしからはこの栞を」
 ひめ乃が渡したのは、天使の羽がモチーフになったデザインの水色リボンがついた栞だった。
「ありがとう」
「私の愛用の栞と同じデザインなの」
 ひめ乃は望に渡したのとは別の同じ心中の栞を見せる。
「有り難う大事にするね」
 ひめ乃のプレゼントが終わると聖香が立ち上がり、
「それじゃぁ、私たち姉妹からは水彩絵の具セットと、パステルのセットね」
 白薔薇姉妹から渡されたのをみて驚く望。
「こんなすごい物よろしいんですか?」
「大丈夫よ、ちょっとした伝手で安く手に入れたものだから」
 気にしないでと笑う聖香に改めて御礼を言う望。
「あと、わたしからはこの本を」
 芽衣子が渡したのは「芸術・デザインの平面構成」という専門書。
「これこそ本当に良いの?」
「ちょっと反則だけど、これ300円」
「え?」
「古書店で偶々見つけたのよね」
 という芽衣子のとぼけて見せた口調にみんな笑う。
そして更に何人か、プレゼントを渡す。

 そして、ティーパーティーは楽しく進んだのでした。


後書き



望さん、お誕生日おめでとう御座います。急いで仕上げたのであちこち漏れがあるかもしれませんけど、楽しんでいただければ幸いです。