リリアン女学園付属図書館 「山百合会劇・衣装部買い出し編act3」

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山百合会劇・衣装部買い出し編act3

一ノ瀬 ひめ乃



次はお妃さま。エレガントでロココ調の衣装にするつもりでデザイン画を書いてきた。
後ろがふんわりするようにバッスルを入れる予定。
慧理奈さまにひめ乃の私物を使ってもらう事になっている。
ティアラもバレエの舞台で使ったものがあるから、
それを慧理奈さまにつけて頂く事になった。
やはり優雅な王妃さまのドレスといえば色はワインレッドか、ボルドー。
問題は生地だ。

アンダースカートとオーバースカートのデザインで、
アンダーは3者相談の上、上品な茶色がいいという事になった。
なかなかいい生地が見つからずうろうろとする3人。
値段と照らし合わせながら物色していると、
綺羅さまからお声がかかった。

「ねぇ、ひめ乃さん、この生地どうかしら?
とても素敵だと思うんだけれど」
見てみると優雅なボルドーのグログラン。さすがです、綺羅さま。
そして朔耶さまはアンダースカートに茶色のシャンタンを選んできてくれた。
優雅なドレスに仕上がりそうな気がしてきた。

「ひめ乃ちゃん、これなんていう生地なんですか?」
「ええと、記憶が正しければシャンタンの筈です。
 あ、朔耶さま、書いてあるじゃないですか、生地名」
くすくすと笑うと、「あら、ほんとだわ」と綺羅さまも少し微笑んだ。
そして少々罰の悪そうな朔耶さまは、
「うーん、やっぱり私抜けてるんでしょうかねぇ」
といいつつ頭を掻く仕草をした。

「あとはレースですね。舞台だからあまりよく見えないし、
 ここは妥協して安めのラッセルレースにしましょう」
「ひめ乃さんって本当に詳しいんですね。
やっぱり洋裁がお好きな のね」
「私はレースなんてどれも一緒だと思っていましたよ」
綺羅さまに続き、朔耶さま。
なんだか上級生のお姉さま方に誉められるととても気恥ずかしい。
恥ずかしさを隠してついオーバーリアクションをしてしまう。
うーん、未熟な一年生の受難。

「いえいえ、わたしの知識なんてそんな大したことありませんわ」
自分でも声がうわずっているのがわかって恥ずかしい。
ひとまず王妃様用の生地は4m購入する事にして、取り置きしてもらった。