「山百合会劇・衣装部買い出し編act5」

山百合会劇・衣装部買い出し編act5

一ノ瀬 ひめ乃



問題は王様である。
ああ、ここに自宅のバレエのビデオがあれば・・・
と思わず苦悩したけれど、もちろんここにある筈もなく。

「ひめ乃ちゃん?頭いたい?林檎食べる?」
なんと朔耶さま、鞄から林檎。
思わず綺羅さまと顔を見合わせてしまった。
「いえ、頭痛ではないんですよぉ」
朔耶さまには悪いけれど苦笑しながらお断りした。

「そうだよね、ここで食べるわけにもいかないし。
林檎見たら日向ぼっこしたくなってきちゃった」
朔耶さまはつくづく謎な人だと綺羅とひめ乃は思った。

綺羅さまは思いついたように言葉を紡ぐ。
「王様ならやはりファーのついたマント、そう思いませんか?」
「綺羅さま、それナイスアイディアです。
では金色の合皮にフェイクファーを縫い付けてマントにしましょう」
「王様っていったらちょうちんみたいなズボンですよね、
ひめ乃ちゃんあれ作れますか?」
「あ、はい。シャーリングを寄せればできますよ」
とにっこりと答える。

「では中は詰襟のようなジャケットに王子と同じく、
金のブレードを縫い付けて、色は赤の綿素材いいですよね、
中ならマントに隠れてあまり見えませんし、安くあがった方がいいですから」
「そうですね、聖香さま女らしいですし、中は赤がいいと思います。
中の服はあまり見えませんからね」
「うんうん」頷く朔耶さまとわたし。
王様用の生地も取り置きしてもらい、次はカラボスの生地。


最終更新:2006年01月27日 18:08
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。