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撫嵐

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撫嵐(ブラン)

遥か古より続く練法師匠合緋の三者〉の筆頭導師。その評判はまだ一介の幹部だった頃から、〈八門守護〉の門主級と
名高い金門の術者で何故か門派違いの風門アゾームの師。

飛ぶ鳥を落とす勢いである聖刻教会練法師団の威勢と反比例して地に堕ちた〈緋の三者〉のかつての栄光を
取り戻すべく、東方から追われるように組織ぐるみで西方に渡り偉大なる(アハーン大陸にとっては最悪の)聖刻器
聖者の仮面〉を手に入れるために暗躍する。

東方時代は突晩快国に仕えていたが、その有能さに懸念を抱かれたのか重要機密からは遠ざけられ、賢人王磨宣条紀からは
あまり信用されていなかった。

ダハン失脚後混乱した組織の実権を握り西方に移った後は、南部シャルク法王国の豪商ジョレッケ・ビルン・カルガル
執事やダングス公王朝の摂政リクデン・ダングスの食客となり、スカード島では最も新参にも関わらずロデマス
側近中の側近として重用されながら、秘めたる真の目的のために用意周到に計画を推し進める。

……のだが、彼の野望はダカイト・ラズマ帝国の諜報機関〈紅の軍団〉にはしっかり察知されており、
筆頭マーレル・ジーソゥに告げ口されたシャルクの大僧正ビュンダー・ソルグレンはその聖刻世界へ及ぼす危険度に
全力を持って警戒し、企みを阻止するべく懐刀のニギザス・サリバンを渦中のカレグ・カーナや混迷極まるスカードへ
派遣する事になる。

外見は何の特徴もない小男(幻術あるいは手業で顔を弄っている)だが、この世のものと思えない薄い薔薇色の美しい仮面と、
古代(西方暦以前に栄えたモニイダスの時代頃)に作られた逸品である見る者の注意を逸らす魔力を秘めた外套を身につけ、
陰謀・策略のみならず、直接戦闘における練法の業前も超一流。

その練法師としての力量は秘装練法の達者である祖師ゴー・ゴーズが、〈秘装〉の法を扱えないながら「稀代の天才」と
称賛するほどで、手間と金をかけた秘術をアゾームやウィチ・レドレへ時機を狙いすまして最大限・効果的に使う。

人外が闊歩するアハーン東方で鎬を削る者として、術法だけでなく古い型ながらも、本職の武繰使いラバーサ・ロク・ノウ
迂闊に仕掛けられない程の体術を習得しており、それに加えて毒を塗った暗器を織り交ぜて攻撃するなど、肉弾戦においても
かなりの実力者。

あまりにも飛び抜けて優秀過ぎることと、弱体化した組織の数少ない幹部が再起不能になった際より権限が己に集中して意のままに動くため喜ぶなど人格的に相当難があるせいか、一度も対面していないながら清濁併せ呑む政治家や影の存在たる密偵には不安がられ出る杭として打たれる、更には身内である開祖に邪魔され弟子にも逃げ出され反抗されたりと、全方位から攻め立てられるが逆境にくじけず邁進して、自らの願望を叶えつつある。

…等々「聖者の仮面」編ではまさに悪役といった活躍を見せたが、過去の話となる若き日の「梗醍果の王」編では磨宣条紀の命令のもと
影ながらショク・ワン達一行を支援し、間一髪の危機から救出した儀象然士には散々口でやり込められ、明らかに
苛ついてくさった態度を見せたり(その後溜飲を下げる為か、コシワクをからかったり)と強かで隙のない今とは違う一面も見せている。

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