九世紀現在は世代を経るにつげて、自身は生まれながら南部の人間という矜持(特に旧王朝諸国では、支配層や知識人の祖先の多くは熾烈な政争に敗れ、流刑地や逃亡先として仕方なく南に都落ちしたので、先進国の北への憧憬が強かった)を持つ者達が増えてゆき、仕組まれた不平等の格差を埋める為にその知能を振り絞る優秀な人材が活躍する。
なお西方暦以前においては、未開ながら南北を分厚く遮るラ・ムクトのお陰で「軍神と巨人の戦争」の悪影響が無く、疎開した者(古の種族傍流とその眷属である魔道師、戦士、準戦士に、その規格に届かずも、現在より上位種の古代アハル人)たちによって早くに文明社会(古王朝)を興せた南部が西方の中心で、一旦壊滅した北部は僻地であったらしい。