さくら姉ちゃん 3話

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私は才葉さくら、OLです ついに彼氏ができました 「…まあ相手は子供なんだけどね…」 別に私はショタコンとかではない ただ私が求められていることがわかったから その子に母性を与えてあげたいと思った、それだけ ……話をすれば 「おーい!大波くん!」「あ!さくら姉ちゃん!」 彼氏の名前は大波、この間世界大会を制した立派な野球小僧だ 魔球を投げた事からマスコミにも注目されていて 年齢不相応の態度で対応している…のが表向き 「お姉ちゃん~♪」「よしよし」 本当は産まれたときから母親とは別れて暮らしていて 心のどこかに「お母さん」を求めている甘えん坊 河川敷の下で出会ってから、私はこの子を甘えさせている 「お姉ちゃん~お姉ちゃん~♪」「はいはい」 私といるときくらいは年齢相応でいてほしいからね と言い大波君の頭を撫でてあげる 大波君は頭を撫でられるのが好きらしいのだ 「~♪」可愛い、とても試合中には見られなき顔だ この顔が見られるだけでも役得ってもんである 合流してからとりあえず私のうちにいくことにした 部屋に上がらせて一緒にお菓子を食べる 何気無いようだけと、大波君はとてもこの時間が好きらしい お菓子を食べる時は大波君の頭は私の膝の上 ソファーに座る私の膝の上 「お姉ちゃんの太もも大好きなんだ」 「太いからとかじゃないでしょうね」 もちろん時々頭を撫でてあげる 私は大波くんを甘やかすだけなのだから 「今日のおやつも美味しいねえ~」 「才葉グループのお菓子開発の新作だからね!」 私も今はOLであることを忘れて、一人の親みたいな気持ちでここにいる 大波君はこの時間はいつもにこにこしている 本人いわく「野球してるときは野球だけに頭がいくし、それ以外のときもマスコミがいたり、学校ではクラスメイトと関わったりするから、自分でいられない」 私も最近はそんな感じだったなあ~ でも自分ってなんなんだろう 昔「いろんな人格を持つことができる人」が居たらしいとお兄ちゃんに聞いた その人じゃないけど…人間はいろんな私がいるから 本当の私って言うのを時々見失いそうになる だから私は大波くんがそれをなくさないようにしてあげたい 大波君とはいつもたわいない話で盛り上がる 「それでさ~聞いてよお姉ちゃん!山田父さんったらまた俺の事を叱るんだよ!」今日はお父さん「たち」のお話がしたいらしい 「お父さんはどこでもそんなもんだよ~」 「いいや違う、うちの親父たちだけは違う アニメ好きでマニアで野球バカなんだ!」ん? 「みゃは、野球バカなのはお父さんたちから受け継いだみたいだねえ♪」「むむう…お姉ちゃんのお父さんは?」ギクリ 「うちのお父さん…は、ねえ~融通利かないの!頑固だし厳しいよ?……でもうちのお父さんも野球バカなんだ!」「そうなの!?」それで一回おうち燃やしちゃうほどには… 「どこでもみんな何かにバカなんだよ!だから心配しないの!」そう、男の人はみんなそう! 小浪くんもむだくんも他のみんなもそうだったなあ… ……… お姉ちゃんはいつでも俺の話をちゃんと聞いてくれて それで相づちも打ってくれる 「お姉ちゃん~♪」と いくら甘えても「んも~甘えん坊さんだな!みゃは♡」とかしか言わない なんか一緒にいるとふんわりと今まで感じなかった感じに包まれるんだ 別に父さんたちが嫌いな訳じゃあない むしろここまで野球ができるようになったのは父さんたちのおかげだ それでも…「ねえ湯田父さん…」「なんでやんすか?」 「……いやなんでもないよ、ごめん」「……そうでやんすか」 俺だって甘えたい いつも「クール」とか「一人狼」とかレッテル張られてるけど それは環境が作り出した「俺」であって 本当の俺じゃないんだ お姉ちゃんといるときは自分のままでいられてる気がする「お姉ちゃん~♪」「どうした?今日は一段とわがままさんかな?」 このふんわりとした感じになにかほぐされていくようで、そしてこれがきっと「恋」とか「愛」なんだろうなって… 「世界大会を頑張ったかいがあったよ~」「こらこら、みんなにもそれは言ってあげなさいな~」 そんなこんなでもあっという間に時間は過ぎていく もう大波くんをおうちに帰さなくちゃいけない 「大波くん、そろそろ帰ろっか…」 大波くんはいつもこのときしょんぼりするけど 「帰りたくない…」とかは言わない 「うん、わかったよ」と言って支度をする そこは嬉しいのか寂しいのやら… 家に送るまでの帰り道も話はつきない 「今日も帰ったら特訓だよ~」「頑張れ!大波くん!」「お姉ちゃんが言うなら今日は二倍できる気がする!」「みゃはは、そっか……さて、着いたよ」 大波くんのおうちもかなり敷地は大きい、まだお父さんたちには会ったことないけど…きっとお金持ちなのかな? 「それじゃあ!お願いまたね!」「うん!またね~」 引き返す車にも大波くんはずっと手を降っている 私の車が見えなくなるまでやっているのだろう 「…ふーえ、大波くん可愛かったにゃー」 今日もたくさんの大波くんの笑顔に出会えた 満足満足です! 「ただいま~!」家に帰るとお兄ちゃんがいた 「おう、今日も彼氏の送迎かい?ごくろーさん」 お兄ちゃんは真に受けてないからただの知り合いと思ってくれている 「もしばれたらヤバイよね…(ボソリ)」「?」 「…でもなあ」 まだ今はいい、でも大波君にはもっとこれから先がある それを私が塞いで他の可能性を潰してしまっていいのだろうか 「ふんにゅー…難しい」「なんだ?さくらが考え事って …」「…未来のお話ー」「?まあ頑張れ…」 そう、未来 大波君は多分恋愛と母性愛を勘違いしている だから私に恋人になってほしいと言ったんだとおもう でももしそうならいつかこの関係には終わりの時が来る 「…大波君を好きになるこだっているよねえ」「なんだ、さっきの子に恋愛相談でもされたのか?」「…まあそんなとこ、部屋に戻ってゆっくり考えるよ~」 大波君にはもっと広い世界を見てもらわないといけないんだ 私との出会いはその過程でしかなくてはならない そこでとどまらせてはいけない人間だからだ 「んにゃ~!」 とりあえず私はまだ先の話だと送らせて この事について考えるのをやめた 実はすぐ近くだとは知らないで

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