さくら姉ちゃん 5話

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私は才葉さくら、OLです 先日出会ったカズさんと言う人の紹介でジナイダさんって人と会うことになってるんですが… 「……みゃはは…」「どうした?ジナイダの外見になにか問題があるのカ?」 ううーん…これがカズさんの世界… 「いえ、なにも……こにゃにゃちは、才葉さくらです」 「そうか、私はジナイダダ、カズの紹介でお前に現実を叩きつけに来たゾ」 やっぱりかあ… 「お手柔らかに…」「ウム、では最初に聞くが、お前はヴァルハラを信じるカ?」「ヴァルハラ?」「簡単に言いますと地獄ですな」「……あると思いますよ?」ボール親父さんの事もあったし…って思ってたらジナイダさんが驚いたと言わんばかりに大袈裟にコケる 「お前みたいな凡人がヴァルハラを認知するなんて思ってなかったゾ」 「いやだって、死んだらその先にあるのは天国と地獄でしょ?」「ウ、ウム…」 おかしな人だなあ… 「ヴァルハラの世界の時間で考えたら、お前とあの小僧が関わってられる時間なんて僅かなもんだ、ジナイダはカズほど年数の差を気にしないのだ」 「はい…あれ?」時間の差なんて気にしない? 「問題はそこじゃないのダ、凡人は 凡人は自分を持ってないから、駄目なのだ、固定観念を持ってないから」 「固定観念……?」なんなんだろ? 「お前は恐らくひとつの対象にたいして10年かけて攻撃をすることなんて出来ないだろう?」「10年!?」 「ジナイダはそれをできる人を知っていた」「凄いです…ね」誰なんだろ… 「つまりだ、言いたいことはだな お前は覚悟を持てる人間か?」 覚悟を持てる人間…でも多分 「あなたが言う覚悟って並大抵の物じゃないですよね?」「……お前は察しがいい、ジナイダが言う覚悟は「死」にも等しいだろうな」この人たちはどんな世界にいるんだ… 「ジナイダは子供の時から戦場にいた、いつ死んでもおかしくない世界にいた、だから何回も体を変えたのダ」 「貴方はそれでよかったんですか?」 「……ジナイダは人間で無くなったときにそれを考えるのを一切拒否した、今のジナイダはただの兵士ダ」 この人と価値観を知り合おうだなんて、全く思えないけど カズさんにしても、ジナイダさんにしてもなぜこうも悲しい方に前向きなんだろう 「ジナイダやカズがおかしいと思うか?」「いいえ?なんで?」「え」 少しだけでも前を向いてほしい そう思いなぜか私の口は勝手に動いていた 「ジナイダさんがそうなりたくてそうなったんなら、別に悪いことじゃないですか、私と小波くんだって……彼女と彼氏でありたいと思うから一緒にいるんです、ちょっと違うかもしれないですけど…」「……お前は優しいな」 「へ?そうですか?」 「だから、カズはお前に現実を教えようとしているのだな、嫉妬混じりの」「……?」 ジナイダさんもまたトーンを変えて話し出した 「ジナイダは、兵士となったことを迷っている、だが引き返せないだけなのダ」 「ジナイダは今ハタチだ、だが人並みにはなれない、これがわかってるから思考を拒否しているだけなのダ、でももし…普通なら、恋をしたりスイーツに舌鼓をうったりしたのだろうな」 「それがどう関係してくるんですか?」 「……お前も思うように私も、あの小僧も、普通じゃない」……一体何の事…? 「えっと」聞こうとしたその前にジナイダさんは話し出していた 「あいつはまもなく宇宙に行く、お前にはまだ内緒にしてるだろうがな」 なんだって…? 私の脳が理解するのを拒否しようとしている 止めどなく考えが止まらなくなる 「……おい、深呼吸をシロ」 「スハーッ…スハーッ…そんなこと、聞いてないよ…」 「当たり前だろう、そんなことを知らせれば、別れられるかもしれないんだから、当然の防衛行動と言える」 「……」「あいつは魔球を投げたときからずっと孤独の中、そんな中で純粋に話しかけたのがお前だったと聞く」 「……」「……お前は悪くない、だがあいつには必要ないのだ、あいつが求めていようが関係なくダ、お前といる時間も本来あいつは世界に貢献しなくてはならないのだ」…小波くんがすごい人間だってことは自覚してた、それでも、私は付き添っていていいんだと思ってた、でも…でも 「……私は小波くんにとってのなんだって言うのよ…」 「あいつの輝かしい道の前に現れた、一枚の毛布ってところダ 仮にお前が宇宙から帰還した小波を待っていて、再び行動を共にしたとしても、お前はお前としてみてもらえない、そんな人生を後悔しないでいられる覚悟は持てるか?あいつの毛布として人生を終わる覚悟が」 「悪いことは言わないから今のうちになんとか別れておけ、お前の人生でいたいなら……と伝えておくぞ」 ……ジナイダさんと分かれてから 私は小さな喫茶店に入っていた いや、カレー屋さんかな 店の中には私以外にカップルらしき二人組がいた 緑の髪の女の人と無精髭の男の人 「……はあ…」いかにもマイナスなオーラを出す私を見かねてか 緑の髪の女の人が私に近づいて話しかけてくる 「ちょいとそこのお姉さん?せっかくのかわいいお顔がオーラで台無しになってますよ?」「そうれすか…」 「お話だけでも聞かせてくださいな」 「おいおい維織、一人になりたいのかもしれないだろ」「女の勘ってやつよ」何となくやけっぱちになってた私は維織と言う女性に話してみることにした 「…付き合い始めた彼氏が実はすごい人物で、周りの人から釣り合わないって言われて、正直へこんでます…」 「へー…どのくらい釣り合わないって?」 「私は彼氏の毛布程度の存在だとか」 「うっわ…キッツいこといわれましたね…」「私も自覚してる分…」 「でもそれがなんだってんですか?」 維織さんはあっさりとそれを退けて見せる 「なんだってって…釣り合わないならもう付き合ってても」「……」維織さんがおおきく息を吐くと後ろの男の人も私の席の方に来る やけにイケメンオーラを振り撒いてるが自覚はなさげだ 「えっとなお嬢さん、俺は昔……まあフリーターってやつだった、そしてこいつは大社長の娘さんでな、まさにあんたが言う「釣り合わない」カップルだったよ」「そうそう、昔はカブトムシ臭かったんだよこの人」 カブトムシ臭いのは関係ないような… 「それで一旦離れたんだけどな、こいつはずっと俺を探してたらしく、こないだ数十年ぶりに捕まった」 数十年ぶりに…!? 「釣り合わないとか釣り合うとかはね、世間から見た感想であってね、本人達からしたら関係ないんじゃないかな?現に私はそう思ったから探し続けたよ」「大事なのはお嬢さんがその彼をどう思ってあげてるか……だと俺は思うぞ?」 この人たちに昔どんなことがあったかは知らないけど、今この人たちはとても仲が良さそうに私に話しかけてくる 確かにこうしてみれば端からはわからないだろう 「お!少し顔が元気になったね、うん、あなたとってもかわいいよ、だから大丈夫!」「そ、そうですか?維織さんの方こそ……」維織さんは「超美人」の部類の顔立ちに見えるんですけど… と思ってたら 「ふふっ、好きな人といると女は数倍に磨かれるんだよ、」と心を見透かされたように言われてしまった「はい!ありがとうございました」「うん!頑張ってね!」 しばらくして二人が消えたあと、私は頼んでいたカレーを口に含みながら考えていた 「待つ覚悟…かあ…」 小波くんに宇宙のことは問いただすとして…それがどの程度であるのかとか いろんな事を聞いておかなくちゃだね… ………… 「どうやらまだ、その気にはなってないみたいやな」「ジナイダは悪くない気もしてきたぞ、あの凡人なにかある」 「アホ!これはさくらちゃんのためでも小波のためにでもあるやろ!」「……お前の個人的嫉妬が含まれていないか?そう言えるカ?」「!!」 「ジナイダはあの凡人がお前みたいになるとは到底思えないが…」 「アホ抜かせ、世間ってのはな、そう甘くないんや……次はホンフーかミーナに頼んでみるかな?」 「やれやれ、ジナイダはこれで失礼するゾ」「はいはい、お疲れさーん ……女と男はそう簡単やないんや…」

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