さて、三島由紀夫といえば、「ホモセクシャル」や「ナルシスト」
といわれる。文学者としての三島にとって、上記二つのものは、いったい
どう影響を及ぼしていたかについては、研究者諸氏にまかせて、
われわれ一般読者は作品を読み、再評価する必要があるように思えてならない。
心理学者ユングが
といわれる。文学者としての三島にとって、上記二つのものは、いったい
どう影響を及ぼしていたかについては、研究者諸氏にまかせて、
われわれ一般読者は作品を読み、再評価する必要があるように思えてならない。
心理学者ユングが
作家諸氏がナルシストであることと、作品とは何も関係ない
といっているように、芸術家イコールナルシストという構図は
成り立たないと思う。
それは、彼の最期、市ヶ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺したところに、
集約されてしまうからだ。
映画『憂国』で見事な割腹シーンを演じた三島であるが、
当時は「予行演習をした」などの評価を受けた。
成り立たないと思う。
それは、彼の最期、市ヶ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺したところに、
集約されてしまうからだ。
映画『憂国』で見事な割腹シーンを演じた三島であるが、
当時は「予行演習をした」などの評価を受けた。
澁澤龍彦に「絶対を垣間見んとして」(「新潮」昭和46年2月)
のなかで、
永遠の肉体を得るための荒療治であった。死んでしまった肉体は、
健康であり続ける。
といっている。
のなかで、
永遠の肉体を得るための荒療治であった。死んでしまった肉体は、
健康であり続ける。
といっている。
自殺の理由なんて、本人以外に解り得ないものであるが、
少なくとも、「憂国の士」などではないと、私は思うのである。
少なくとも、「憂国の士」などではないと、私は思うのである。