※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

去年は三島由紀夫が亡くなって、35周年だった。
映画春の雪
が公開され、話題を呼んだ。
根強い三島ファンの松枝清顕像があるなどして、賛否両論あったろうが、
私は、それなりによいものであったと思う。

さて、三島由紀夫といえば、「ホモセクシャル」や「ナルシスト」
といわれる。文学者としての三島にとって、上記二つのものは、いったい
どう影響を及ぼしていたかについては、研究者諸氏にまかせて、
われわれ一般読者は作品を読み、再評価する必要があるように思えてならない。
心理学者ユングが
作家諸氏がナルシストであることと、作品とは何も関係ない
といっているように、芸術家イコールナルシストという構図は
成り立たないと思う。
それは、彼の最期、市ヶ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺したところに、
集約されてしまうからだ。
映画『憂国』で見事な割腹シーンを演じた三島であるが、
当時は「予行演習をした」などの評価を受けた。

澁澤龍彦に「絶対を垣間見んとして」(「新潮」昭和46年2月)
のなかで、
永遠の肉体を得るための荒療治であった。死んでしまった肉体は、
健康であり続ける。
といっている。

自殺の理由なんて、本人以外に解り得ないものであるが、
少なくとも、「憂国の士」などではないと、私は思うのである。