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「Riders Fight!(後編)」(2008/06/21 (土) 00:22:33) の最新版変更点
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*Riders Fight!(後編)
戦線から離脱した真司たち四人は、まず互いの自己紹介からはじめるが、その過程でそれぞれの話に食い違いが出てきた。
真司の住む世界では猛士という組織は知られていないし、ヒビキの世界にはワームなどという化け物も存在していない。
ましてや、大介のいた世界に、ミラーワールドなどという別の世界はあるはずも無かった。
「引っかかりますね……ヒビキさんと話をしたときもそうですが、こうも話が違ってくるなんて……」
大介の言葉に真司とヒビキが頷く。どうやらこの二人はどこか気が合うようだ。
そんな中で、あすかはたった一人で考え事をしていた。早くも見つけた、憎き恋人の仇を。
すぐにでも引き返して殺しに行きたいが、生憎一人で敵う相手でもないし、何より信頼を勝ち取っている。
ちらりと本郷と一緒にいた真司を見る。単純そうで、人から聞いた話はすぐに信じそうだ……が、その中には誠実さが見え隠れする。
せめて何か強い道具さえあれば……あすかは理想通り行かない現実に歯噛みする。何故罪の無い克彦が殺され、罪人の本郷がのうのうと生きているのか。
(……道具? そうだ、支給品!)
ふとした切欠で可能性にぶち当たる。力の差を埋め、殺し合いを加速させる鍵。それこそ支給品だ。
「そういえば、城戸さんの支給品はなんだったんですか?」
「ん? ああ、俺はこれ。」
真司がデイパックからアタッシュケースを取り出し、開いて三人に中身を見せる。
なぜデイパックにアタッシュケースが納まるのかという疑問もあるが、それよりも中身に不自然さに眼を奪われた。
見た者に機械的な印象を持たせるその外観。黒を基調とするそれは、デルタギアと名づけられたものだった。
「何これ?」
「だよなー、俺もよくわかんない。」
ヒビキが真っ先に手を伸ばし、デルタギア本体を掴み取ると、ベルトの帯がひらひらと中に揺れた。
試しに巻いてみるが、特にこれといった変化は無い。むしろ金属で出来ているためか普通のベルトより重く感じられた。
ずっと着けているのも面倒だし、何より機械が苦手なのでベルトをアタッシュケースに戻しておいた。
はらりと落ちた紙を拾い上げ、大介がそれに眼を通した。
「ライダーズギア初号機……全く分かりませんね……ただ分かるのはこれがスマートブレインが作ったものだという事、そして……」
少し間を空け、一呼吸。眼を開いて内容を淡々と口に出す。
「そして……信じがたいですが、これを使えば私たちと同様に変身出来るようですね。しかも人を選ばないと来た。」
「おお、風間さんスゲー!」
「いや……凄いも何も書いてある事を読み上げただけですが。」
変身、その単語にあすかの眼が光った。人を選ばないという事は、自分でも力が手に入る………本郷を、殺せる!
「多分、あいつが志村さんの言っていた白い怪物だ。今からちょっと俺戦ってくる!」
「待てって、これの強さも分からないのに行くのは無謀だ。今は待った方がいい。」
戦いに向かおうとする真司をヒビキが嗜める。駄目だ、ベルトを持っていかないでくれ。
もう迷っている暇はない――――ベルトを奪い取り、この力で本郷を殺す。
(……本当にいいの?)
何処かで誰かの声が聞こえる……嗚呼、これは誰だったか。顔も名前も思い出せない、この声。
だけれども、今はそんな事は微々たる物。今の自分には、本郷を殺すことしか頭に無いのだから。
例えるなら、これは罰。悪行を重ねた罪人、本郷猛に対して緑川あすかが下す、正しき裁きの鉄槌。
(……この馬鹿。)
――――ああ、そうか。あすかは今頃になって理解する。
この声は自分だ。ココロの何処かで殺人を否定する、緑川あすかの良心だ。
でもごめんなさい、今は私であって私でない。言わば――――そう、鬼。復讐の鬼が宿っている。
声に耳を貸す事は無く、私は私である事を、私自ら……放棄した。
「うわっ!!」
「あすかさん!何をするんですか!?」
不意をついて真司からアタッシュケースごとデルタギアを奪い取る。当然大介がそれを止めに入った。
差し伸べてくる手をケースの端で落とし、一目散に本郷の元へと走った。が、その前に立ちはだかるのはヒビキだ。
「一体どうしたの、眼が怖いよ?」
「どいてください!!」
いつもの軽い口調でヒビキが止めようとする。だが今は逆に神経を逆なでするだけだ。
逆の手に持っていた剣で一閃。どうやら顔に入ったのか、斜めに切り傷が入り真っ赤な血が流れ出た。
ヒビキが蹲っているうちにベルトを身に着け、説明書の変身のページを頭に叩き込む。
「ヒビキさん!大丈夫かよ!?」
「くっ……大丈夫、鍛えてるからこんなん大丈夫だよ。」
「あすかさん、何だってこんなことを……ッ!」
ヒビキを抱きかかえた真司と大介があすかを睨みつける。大してあすかはとても冷めた顔をしていた。
覚悟を決めたからか、あるいは純粋にどうでもよくなったのか。その眼に光は一切無い。
「ごめんなさい、私どうしてもやらなきゃならない事があって……変身。」
――standing by――
手にしたデルタフォンが音声を認識し、それに対応した電子音声が答える。
ゆっくりと腰のデルタムーバーに差し込み……白い閃光が体中を駆け巡った。
――Compleate――
光が止んだ時……そこには既にあすかの、いやデルタの姿は無かった。恐らくは激戦地に向かったのだろう。
三人は呆気に取られるが、いつまでも突っ立っている訳には行かない。
「城戸さんはここでヒビキさんを頼みます。」
「ああ、わかった。」
「待った、その必要は無い。」
大介の提案に異議を唱えたのはほかでもないヒビキ自身だった。
見れば顔の傷は塞がりかけている。鬼としての超回復能力があってこそなのだが、それでも傷跡は残りそうだ。
「よし、急いで追いかけるぞ!」
「よしって……なんですかその人間離れした傷が治る速さは!?」
「鍛えてますからっ!」
「流石ヒビキさん!」
「流石って、それじゃすまないでしょう!」
自分とあまりに違いすぎるテンションの二人に、突っ込み疲れが出たのか大介は大きな溜息をついた。
それと一緒に気疲れも抜けて行ったのか、その後の顔を上げた大介には凛々しい表情が写っていた……単に諦めただけかもしれないが。
「兎に角、動けるようなら彼女を追いますよ。尤も、変身した足に追いつけるか……ですが。」
◆
―― SWING VENT ――
エイの尾を模した鞭を振るい、ライアは龍騎に飛び掛る。サソードヤイバーで防ぐが鞭が絡みつかれ、接戦に持ち込まれた。
背後からナイトが襲うも体を器用に曲げて回避、鞭を持っていないほうの手で拳を浴びせた。
「きゃっ!」
拳の直撃を食らったナイトは地を転げ、中のハナも衝撃に声を出してしまう。
女性に手を出してしまった事に少し戸惑うが、すぐに頭を攻撃へと切り替える。
龍騎は刃を引き抜き、半ば無理やりにエビルウィップから引き抜く。対してライアは続く斬撃をバイザーで防いで、再びカードをベントイン。
―― COPY VENT ――
サソードヤイバーに鏡像の影が重なり、それが宙に浮いたかと思うと実体化してライアの手に治まった。
まったく出鱈目な物だと内心呆れつつ、龍騎はライアに刃を向けた。金属音と共に二つのサソードヤイバーが交差する。
「もう一度だけ言う、そのデッキを城戸に返せ。そうすれば今は見逃してやる。」
「……その声、一文字か!?」
「誰だそれは!」
本郷の勘違いをよそにライアの回し蹴りが命中、思わず体制が崩れる龍騎。
「城戸さんの名前を知ってるって事は、あなたも城戸さんの知り合いなんだろう! 何で殺し合いなんかにのって……」
隙を突いてライアのサソードヤイバーが襲うが、それを阻むのはナイトの持つダークバイザーの刃。
「話を聞く気がないのなら……運命を変えるため、死んでもらう!」
「ふざけないで!」
―― STRIKE VENT ――
龍騎もドラグクローを持ち、徐々に構えを取っていく。
構えに合わせてドラグレッダーが回り、さらにその口に炎のエネルギーを収束させ狙いを定めた。
「ハァァァァァァ……」
一度だけ手前に引き、天を裂く叫びと共にライア目掛けて――――力いっぱい突き出す!
「……ッダアアアアアアアアッッ!!」
押さえつけられ、収束した炎を突きと共に開放。ドラグレッダーが吐くエネルギーが真っ直ぐライアに向かう。
すぐさま退路を取ろうとするが、ナイトがそれを防ぐ。背にダークウイングが着いたままと言う事は、ライアに着弾した時点で飛び立つつもりなのだろう。
「ファイア!」
―― Burst Mode ――
――――しかし、物事はそううまく進まない。
突如黒いライダーが割って入ったかと思うと、炎に向けて高エネルギー弾を何発も発した。当然炎はかき消され、その弾は龍騎にも襲い掛かる。
「ッ!?」
「本郷オオオオオオッ!!」
紙一重でそれを避ける龍騎だが、続けてやけに派手な剣――デンカメンソード――での斬撃が飛んでくる。
思わずサソードヤイバーで流すが、それよりも相手が自分の名前を呼んで来た事に驚く龍騎。
確かにこの場に知り合いはいるけれども、このように叫びながら切りかかってくる知り合いは居ない。
「ちょっと待ってください! どうして俺の名前を……」
「危ない!」
会話の途中でナイトに突き飛ばされる。視界の端に龍騎の居た場所がライアのサソードヤイバーで切り裂かれているのが見えた。
ライアとデルタは互いを邪魔者と認識し、二人をよそに争い始めた。
「邪魔をしないでください!」
「それはこっちの台詞だ!」
ライアの拳がデルタの脇腹を捉え、間を空けることなく柄を使った頭部への打撃。さらにエビルウィップでの一撃を食らわせる。
動きにキレがない、素人だ。とライアは確信した。しかし、素人だからこそ凶器を持つと何をしでかすか分からない。
デルタムーバーから滅茶苦茶に発射される光弾。弾数が多すぎて軌道を読みきれず、その内の一つが装甲を掠めていく。
ただ、銃ならエビルウィップでも捌ききれる。問題は剣だ、刃筋が立たぬ以上斬り裂けはしないがそれだけに集中できない。
ちなみに飛ばされた龍騎とナイトは、少しだけ置いてけぼりを食らっていたが、デルタを見ていてあることに気付く。
「あの剣……あすかが持っていたやつだわ!」
「それにあのベルト、城戸さんに支給されたものだ!」
デルタの装備が自分らの知るものだと分かると、途端に二人は動き出した。
考えたくはないが、もしかすると襲撃者に会って装備を奪われたのかもしれない……それに、安全という保障も出来ない。
ならばどうする――――――――決まっている。さっさとこの場を切り上げて皆の下に戻るだけだ!
二人は同時にカードを引き抜き、それぞれのバイザーに差し込む。
―― FINAL VENT ――
―― FINAL VENT ――
「GAAAAAAAAA!!」
咆吼と共にドラグレッダーが、そしてその陰に隠れてダークウイングが飛来する。
ナイトが一足早く飛び、ダークウイングと合体。その翼が体を包んだかと思うと、しなやかな布に変化し、何物をも貫く刃と化す。
グルグルグルグルとその身を回転させ、やがて螺旋を描くように落下していく。
続いて龍騎が構えを取り、その腕の動きと共にドラグレッダーが周囲を旋回。そして、地を蹴り一気に飛び立つ。
空中で捻りを加えて一回転。右足を前に突き出し、龍の口から放たれた灼熱の炎と共に突き進む。
「何!?」
「クッ!!」
―― FINAL VENT ――
ライアは迫り来る二人の必殺技に対処すべく、同じく自分の必殺技で対処した。
威力の上ではナイトの技と同じ5000AP。だがこちらにも負けられぬ意地がある、通して見せる。
現れたエビルダイバーに飛び乗り、飛翔。鋭角化した鰭を構えて特攻する。
一方デルタ。向かってくる烈火の蹴りに対抗する手段が見つからず、咄嗟にデンカメンソードの盾の部分を構えた。
――――本当ならルシファーズハンマーでも対抗できたのだろうが、生憎あすかは最後まで説明書を読んでいなかった。
「「「「オオオォォォォオオォォオッッ!!」」」」
四重にも重なる雄叫び。ぶつかり合う衝撃と衝撃、意地と意地。
ピシリ、と何かが砕ける音がし、四人の視界に移る物全てが――――――――白く、輝いた。
◆
刀と刀が触れ合い、鮮やかな火花を何度も散らす。
グレイブの持つグレイブラウザーが二号の首を狙うが刃先を取られ、逆方向に向けられる。
それに気を取られる間もなく二号のアッパーが飛び、グレイブの頭部を強く揺らす。
グレイブも受けるばかりではなく、回転蹴りで二号の左腕を打つ、打つ、打つ!!
何度か拳をあわせているうちに左腕を庇う仕草が何度か見られた。ならば、弱点となり得る箇所を集中攻撃するのが道理という物。
卑怯などという論理感は存在しない……全ては勝つため、生き残るため。グレイブはそのためだけに刃を動かしていた。
折角策を労したのに、こんなところで潰されては適わない。故に邪魔者は排除するのみ。
二号の拳が腹部を打ち抜く。が、飛ばされる直前にグレイブラウザーを土に突き立てそれを軸として回転。
眼を見張る二号を尻目に、一周した勢いをつけて、逆に零距離からの蹴りをお見舞いした。
「グゥ……ッ!」
腹を押さえ唸る二号。その間に体制を持ち直したグレイブは剣を取り、左腕への攻撃を再開する。
一つ一つは小さくても、確実に切り傷は増えていき、二号の体力を奪っていく。しかし二号もやられるわけにはいかない。
刀で猛攻を止め、反撃。だが切っ先は僅かにグレイブの仮面を掠るのみで、傷一つつきはしなかった。
「クソッ、この鈍ら刀が!」
いいつつその隙にカブトエクステンダーへと戻り、起動。ランプが光りその場に排気音が木霊する。
ハンドルを握って、駆けた。眼にも留まらぬ速さでグレイブに突進し、半ば轢き逃げのような形で疾走する。その被害者ことグレイブは今だ引きずられたまま……であるが。
「チィッ!!」
何とか身をよじって無理やりに車体を切りつける。が、怒りで頭に血が登ったグレイブにはそれが無駄な行為だという事に気付かない、気付けない。
カブトエクステンダーは所有者である天道総司ことカブト――――彼は既に居らず、カブトも『現時点では』存在しないが――――と同様にキャストオフシステムを備えている。
ライダーのマスクドフォームに相当するマスクドモードは、エクスモードとしての機能を守る鎧としての役割も持っている。
……ただ、制限のためにエクスモードへの変形が出来ないだけでもあるが。
ようやく刃が通らないと悟ったグレイブは攻撃目標を二号へと切り替え――――られなかった。二号がハンドルを切り、その衝撃で弾き飛ばされたのだ。
「ガァ、ハッ」
「どうした? おねんねするにしても、もう朝だぜ。」
「ぬかせ!」
グレイブの仮面の下で、志村は歯軋りする。まだ余裕綽々な一文字に対しての怒りもあるが、一番はこの苦渋を受けている自分自身への憤り、だ。
だが志村も馬鹿じゃない、自分と相手の差ぐらい理解している……機動力だ。自分は足、相手はバイク。追いつく訳がない。
だから奪えばいい。強者が弱者を蹂躙するが如く、食物連鎖の流れを直接味合わせてやろう。
ラウザーを構え、自分が持つ唯一にして最強のカードをラウズ。鳴り響く電子音声が終わる前に駆け出した。
―― MIGHTY ――
蒼く浮かぶ絵柄を剣に纏わせ、渾身の力でバイクの上の二号へと衝撃波を放つ。これぞ必殺、グラビティスラッシュ。
腹部に技を受け、バイクが横転。衝撃でマスクが吹き飛び二号の手から刀が落ちる。
――――――――否、落ちたのではない。落としたように見せかけ、地面に突き刺したのだ。その剣を左腕で握り締めて、回転。
グレイブはその光景に既視感、一種のデジャヴを覚える。それもそのはず、なぜならこの戦法は――――
「俺の策を、真似しただと――――ッ!!」
先ほど二号に与えた衝撃が、今度は自分の元へと跳ね返ってくる。いや、それにホッパーとしての脚力が加わっているのだ、先程の比ではない。
回避行動を取ろうとするが、もう遅い。技を返されると思って居なかったので、動くよりも早く二号の足が迫ってくる。
「……ヤァァァーッ!!」
技の二号が必殺技、ライダーキック。仮面ライダーの装甲を持つ怪人に向け、消して挫けぬ本物の蹴りが直撃する。
意識が途切れる寸前、グレイブの赤い瞳は、二号の素顔が――――一文字隼人が笑みを浮かべているのを認識した。
金色の装甲が爆ぜ、地面を二度三度転がり、体中から火花を散らせ――――
「……ッ、ガァアァアアァァァアアア!!」
――――仰向けに倒れ、やがては周囲を巻き込む大爆発を起こした。
思わず閃光に眼を閉じてしまうが、一文字はすぐさま踵を返してもう一つの戦いの地へとバイクを走らせていった。
◆
眼が覚めたあすかがまず最初に感じたのは、静寂だった。
何分ほど気を失っていたのかを確認するが、既に日が昇り始めていることとまだ変身が解けていない事からそう長い間眠っていた訳ではないらしい。
自分を守った剣……いや盾はあの衝撃に耐え切れなかったのだろう、各部がひび割れ――――特に仮面が装着されていた場所は粉々に砕け散っていた。
現に変身の解けた本郷とハナ、ついでに見知らぬ男が横たわっている……いや、見知らぬ男などではない。この顔は片時も忘れたことがない。
「克、彦……?」
そんな、確かに死んだはずなのに、
嘘。
嘘嘘。
嘘嘘嘘。
嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘。
確かに殺された、今隣で寝ている本郷の手によって無残にも殺されたはず。でも……生きていた?
「克彦、克彦なの!?」
体を強く揺らす。すると自分の手の先から赤い電流が迸り、服を軽く焦がした。
男は苦痛に顔を顰めるが、あすかの注意は一瞬だけ別のところに移ってしまう。体中を覆っていた装甲が消えてしまったのだ。
変身制限の十分が経ったのだが、当のあすかはそんな事知る訳がない。特に変身が解けた事に疑問もなく男を抱きかかえた。
「ウゥ……ウ」
「克彦、ねえ起きて!」
眼を覚ました男は、訝しげに服の焦げを払うと、あすかに向かって口を開いた。
お前は、誰だ? と。
「――――――――え?」
様にならない声が漏れる。だがあすかの思考は大パニックを起こしていた。
克彦が自分を忘れた?馬鹿な、記憶喪失か?克彦に限ってそんな事はない。
そういえば世界には三人同じ顔が居る、という噂を聞いたことがある。宇宙には五人いるだとかも聞いたがその辺は割とどうでもいい。
だけど名簿には克彦の名前はなかった……ああ、そうか、そういうことか。
「アハハハハハ!! そう、そうなのね克彦……いいえ、克彦の皮を被った偽者さん!」
突然あすかが笑い出したのもそうだが、その拍子に抱きかかえていた手が離れて地面に強く打ち付けられる。
すぐさま距離をとって、男――――手塚はデッキを構えるが、Vバックルが現れる気配はない。当たり前だ、彼にも等しく変身制限は課せられているのだから。
「聞いたことがあるわ……何でしたっけ、ドッペルゲンガー? あなたもそうなんでしょう?」
思わず手塚は身震いした。彼もドッペルゲンガーの噂くらいは聞いたことがある、だがそれでも今の状況が理解できなかった。
わかる事は一つ、「目の前の彼女は自分を誰かと勘違いしており、尚且つ狂っている」という事だけだ。
変身できないなら……どうする?生身でも負ける気はないが、一番の危惧は――――いや、今その危惧がこちらに向かっている。
「本郷さーん! あすかさぁーんっ!」
手塚の耳は確かに、自身が守ると誓ったお人好しの叫びを聞いた。
今城戸に気取られる訳にはいかない、思うと同時に駆け出してあすかの視界から逃れる。
運良くここは丘陵地帯と森林エリアの境。死角になるようななるような場所は幾らでもあり、すぐさま手塚の姿は見えなくなってしまった。
「おおーいっ……って、あすかさん! これは一体何が……」
「ハナさん! 大丈夫ですか!?」
「さて、訳を聞かせてもらおうかな?」
ああ、煩わしい。
答える気もなく、その場を立ち去ろうとしたが何物かに腕を捕まれる。誰だと振り返ったが、そこに立っていたのは本郷だった。
何も言わないが、眼が強く語りかけてきた。それがどうしようもなくあすかの気に障り、思わず電撃を出させた。
「ッ!」
予想以上に強かったのか、本郷が再び倒れる。その隙に全速力であすかは走って逃げた。
「待て!」
背後から真司の叫ぶ声があすかを貫く。だがあすかはそんなことを露ほども介さず、あの偽者は何処にいったかなどを考えていた。
自分の目の前で克彦を侮辱したのだ、本郷よりも先に殺す。首を本郷に持っていって自分が本気だと知らしめるのも悪くない。
――――そんな事を考えながら、緑川あすかは姿を消した。
「大丈夫ですか!?」
「……アンタ、は?」
「私は風間ですが……何処かでお会いしましたか?」
「風間……風見の間違いじゃないか?」
「……いえ、風間ですがそれが何か。」
――――他人の空似か。でもさっきの一文字と似たような声の奴も、別人とは思えない。
再び勘違いが起こり本郷が頭を抱える横で、けたたましいバイク音が鳴り響く。その場に赤い車体が割り込んで、急ブレーキ。
驚く本郷が見つけたその顔は、心配していた友の姿。ホッパー二号――――一文字隼人。
「一文字……お前なのか!?」
「……あれ、手塚?」
「俺以外に誰だって言うんだよ、手塚?誰だそいつ。」
眼を丸くする本郷と真司に対し一文字はかなり落ち着いた態度を見せる。だがイカデビルやグレイブとの戦いで負った傷はそう浅くはなかった。
それでも尚、余裕が消えない――――あるいは弱さを見せない――――のは、彼なりの心遣いだろうか。
「一文字、折角合流できたところで悪いが彼らを任してもいいか?」
「は?」
「バイク、借りるぞ!」
言うが早いか、本郷はカブトエクステンダーに跨り、ハンドルを握って走り出そうとする。
「待てッ!」
静止の言葉をかけられ、振り返る本郷に黒くて丸い何かが投げつけられた。落ち着いて見ると、それは普通のフルフェイスのヘルメットだった。
それを持ってきたらしい真司と、それを投げたらしいヒビキが柔らかい表情を作る。大介も帽子を脱ぎ腕を組んでいたが、本郷は口元に浮んだ笑みを見逃さなかった。
「何があったかは知らないが、後悔だけはするなよ。」
一文字からの激動を胸に、ヘルメットを被る本郷。
バイクが鳴らす音は、戦いを仕組んだ者達へ向けた反逆の誓い。
このヘルメットは、戦いに乗った者達へ翳す黒き輝き。
そして――――胸に持つのは、戦いに抗う友の言葉と正義の炎。
**状態表
【早朝、放送直前】【D-5】
【一文字隼人@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:FIRST終了後。
[状態]:左腕に強い衝撃、リジェクションによる負荷と苦しみ、二時間変身不可(二号)。
[装備]:特殊マスク
[道具]:基本支給品、猛士の刀@仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼
【思考・状況】
基本行動方針:バトルロワイアルからの脱出
1:頑張れよ、本郷。
2:出来る限り、戦闘は避け状況を把握する。
3:後ほど本郷、及びあすかとの合流。
4:俺や本郷と同じ名前……偽者か、それとも?
5:余裕があれば首輪を回収に行く。
[備考]
※死神博士の事を自分を改造した老紳士だと思っています。
※FIRST終了後の参戦のため、風見志郎の存在を知りません。
※変身解除の原因が、自身のリジェクション(改造手術による後遺症)によるものだと考えています。
※猛士の剣は現在誰が持っても切れ味の悪いただの剣ですが、本来の持ち主である日高の手に渡れば、あるいは――――?
※首輪について:
金属製のフレームに吸音用の穴と紅いダイオードが一つ。詳細不明。
さほど重くなく、表面にはスマートブレインのロゴがプリントされている。
無理に外そうとしたり禁止エリアに入ると起動、装着者は灰になる。
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:劇場版、レイドラグーンへの特攻直前
[状態]:全身に激しい痛み、二時間変身不可(龍騎)
[装備]:カードデッキ(龍騎)
[道具]:支給品一式
【思考・状況】
1:戦いを止める。絶対に。
2:スマートブレインに対する強い怒り。
3:大介たちとの情報交換。
4:志村の後を追い、長田結花との合流を目指すついでに話を紐解く。
5:手塚に似てるなぁー。
[備考]
※志村を信用しています。彼から『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という話を聞きました。
白い怪物はダグバのことだと思っています。
※名簿に手塚、芝浦、東條、香川の名前がある事、連続変身出来なかった事に疑問を感じています。
【日高仁志(響鬼)@仮面ライダー響鬼】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:最終回前
[状態]:軽い疲労、顔面に傷、二時間変身不可(響鬼)
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈火
[道具]:基本支給品一式(着替え2着と元の服を含む)、野点篭(きびだんご1箱つき)、釘数本、ハイパーゼクター、不明支給品x1
【思考・状況】
基本行動方針:出来るだけ多くの仲間を守って脱出
1:青年よ、励むのだ!
2:何で鬼になれない?
3:もっと仲間を捜す。
4:あすか、どうしたのかな。
【風間大介@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:ゴンと別れた後
[状態]:軽い疲労、二時間変身不可(ドレイク)
[装備]:ドレイクグリップ、ドレイクゼクター
[道具]:支給品一式、オロナミンC2本(ぬるめ)
【思考・状況】
基本行動方針:戦いはなるべく回避し、できるだけ早く脱出する。
1:今回ばかりは出番を譲りましょうか。
2:何故変身出来ない?
3:移動車両を探す。
4:脱出派と合流。
5:影山瞬に気をつける
【ハナ@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:劇場版・千姫と入れ替わっている時
[状態]:軽い疲労、気絶、二時間変身不可(ナイト)
[装備]:冥府の斧@仮面ライダーアギト、カードデッキ(ナイト)
[道具]:支給品一式、洗濯ばさみ、紙でっぽう、戦国時代の衣装、ミニカー7台
【思考・状況】
基本行動方針:脱出する
1:気絶中。
2:仲間を探して一緒に脱出する
3:イマジンに対する自分の感情が理解出来ない
4:本郷猛、牙王、影山瞬に気をつける
◆
あすかの頭の中は、今や逃げる事しかなかった。
追いかけてくるのは自分の敵。追いつかれると殺されるぞ、と防衛本能が命令を出す。
故に走る。足がとっくに限界を超えているが、知った事ではない。
本郷猛は、一人で敵うほど強くなかった。だから、強い、強い仲間を得なくては。
出来れば自分のいうことを何でも聞いてくれる人がいい。何より手駒のしても使いやすさを最優先だ。
それに恋人の偽者も居る。だからそいつも併せて殺さなきゃ、忘れないうちに。
本郷の方には少しだけ痛みを与えたけれど、克彦が味わった苦しみはこんなものじゃなかった。
……! バイクの音が迫ってきた。走る速度を上げ、追いつかれないように急ぐ。
(待っててね克彦、もうすぐあなたの仇をとってあげる――――!)
あすかは心の中で、今は亡き恋人に囁く。それは、あすかの決意でもあった。
「そうよ、本郷を、偽者を殺さなきゃ…………あは、アハハハハハハハハハハハハハハ!」
彼女は、自分が狂っている事に気付かなかった。
自分の今の思考が、デルタギアのデモンズストレートによって齎された、狂気の産物であることに――――。
**状態表
【早朝、放送直前】【D-6】
【本郷猛@仮面ライダーTHE-NEXT】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-6エリア】
[時間軸]:THE-NEXT終盤(ショッカー基地壊滅後)
[状態]:全身に激しい痛み、二時間変身不可(一号、龍騎)、カブトエクステンダー起動中。
[装備]:特殊マスク@仮面ライダーTHE-NEXT、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト
[道具]:フルフェイスのヘルメット、カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
基本行動方針:戦いには乗らない。目指すは脱出。
1:あすかを追いかける。
2:戦いを止め、主催と対決。
3:スマートブレインに対する強い怒り。
4:志村の後を追い、長田結花との合流を目指す。
[備考]
※志村を信用しています。彼から『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という話を聞きました。
※名簿に自分の名前と一文字の名前が二つずつある事、連続変身出来なかった事に疑問を感じています。
※サソードゼクターに認められていないため、ゼクターは現れません。
※カブトエクステンダーはキャストオフできないため武装のほとんどを使えません。
今の所、『カブトの資格者』のみがキャストオフできます。
【緑川あすか@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-6エリア】
[時間軸]:本郷を疑っている時(トラック事故後)
[状態]:軽い疲労、精神汚染(軽度)、二時間変身不可(デルタ)
[装備]:デルタギア@仮面ライダー555
[道具]:なし
【思考・状況】
基本行動方針:本郷殺害後、脱出するか生き残る
1:逃げる、逃げる、逃げる!
2:本郷をはじめとした仮面ライダーに復讐
3:護身のために仲間を増やす
4:牙王、影山瞬に気をつける
[備考]
※精神汚染は凶暴化、被害妄想などです(ストレスなどで悪化する危険性も)。
※D-6エリアのどこかにデンカメンソードの欠片が散乱しています。
※電撃を出す能力を得ましたが、威嚇程度にしか使えません。
※本郷よりも先に手塚を先に始末しようと考えています。
◆
最初に結論から言ってしまうと、志村純一は辛うじてその命を繋いでいた。
体中を人外の証である緑色の血で染め上げていても、その眼はまだ死んではいなかった。
実はあの時、爆炎からその身を守るためにグレイブの中で人間時よりも防御が堅いアルビノジョーカーに変化し、二重の変化でその身を守っていたのだ。
普通は不死生命体として、その名の通り死ぬ事はないのだが……今は遊戯の最中、首輪の制限はその不死の命にまで行き届いていた。
つまり、文字通り死の危険も背負っている、志村はこの戦闘でそう確信した。以前ほど無茶な戦闘は出来ない。
ならば取るべき行動は一つ、この忌々しい首輪を外す事。サンプルが必要なら参加者から取ればいい。
だから――――今は休もう。休んで、目覚め次第行動を取ろう。思考がそう結論付けたと同時に、志村は深い眠りに着いた。
――――志村が犯した過ちは、たった一つ。
――――この遊戯で主催側から伝えられる唯一の情報である放送が、もう間近に迫っているのに眠りについた事。
――――道化の眠りは、深い。
**状態表
【早朝、放送直前】【C-5】
【志村純一@仮面ライダー剣・Missing Ace】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:C-5エリア】
[時間軸]剣崎たちに出会う前
[状態]気絶、二時間変身不可(グレイブ、アルビノ)
[装備]グレイブバックル@仮面ライダー剣・Missing Ace
[道具]支給品一式、ラウズカード(クラブのK)@仮面ライダー剣、蓮華のワイヤー内蔵型指輪@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
基本行動方針:人間を装い優勝する。
1:移動して集団に紛れ込む。(市街地に拘らない)
2:橘チーフに合流。
3:『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という情報を流す。
4:誰にも悟られず、かつ安全な状況でならジョーカー化して参加者を殺害。
5:他の参加者の戦力を見極めて利用する。自分の身が危なくなれば彼らを見捨てる。
6:『14』の力復活のために、カテゴリーKのラウズカードを集める。
[備考]
※デネブの放送について(長田が聞いた範囲で)知りました。 また桜井侑斗は危険人物(?)、デネブは生きていると考えています。
※志村は橘から『仮面ライダーブレイド』の存在は聞いていますが、ライダーシステム資格者が『剣崎一真』という事は知りません。
ですが、志村は此処に連れてこられる前に独自に調査を行い、剣崎一真がブレイドであるいう事、彼の顔なども知っています。
※城戸、本郷(R)に『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』と話しました。
※『自分の協力者、長田結花が東方の人間に協力を求めるために行った』と城戸と本郷に話してあります。
※長田結花は市街地の方へ向かったと思っています。
◆
さて、最後に。先ほど手塚が消えた理由だが、これは手塚本人も与り知らぬところで偶然が待ち構えていたのだ。
それは、川。逃げる事に気が取られて川があることに気付かなかった。つまり――――川に、落ちた。
流れる水の冷たさは、疲れきった手塚の体から容赦なく意識を奪っていった。
そして、手塚が流れていく脇をゆっくり追いかけていく白い青年、彼はさっきの戦闘から離脱した後その場で様子を見ていた。
クウガと同じようなリントの戦士なのに、同じリントに牙をむく。この行為がほんの僅かではあるが、彼の興味をそそったのだ。
後から来た方も同じような事をしていたが、彼女は何故か気に入らなかった。全身から滲み出る狂気が気に入らなかったのだろうか。
ブルルル、と携帯が震えた。放送のときは、もう間もなく。
**状態表
【早朝、放送直前】【E-5】
【手塚海之@仮面ライダー龍騎】
【一日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:E-5エリアの川の中】
[時間軸]:死亡直後
[状態]:全身打撲。精神・肉体的に強い疲労。二時間変身不可(ライア)。気絶。
[装備]:カードデッキ(ライア)
[道具]:基本支給品、マシンガンブレード@仮面ライダーカブト、救急箱
【思考・状況】
基本行動方針:城戸を脱出させ、自身は在るべき処へ。
1:脱出の障害となる存在は全て排除する
2:あくまでゲームには乗っていないように振舞う
3:ゲーム乗っている奴は後回し。但し城戸に危害を加える場合は容赦しない。
4:出来るだけ城戸とは会わない方向で。
[備考]
※城戸が自分と同じ時間軸から連れてこられたと思っています。
※その為、城戸が死ぬ事は運命を変えられなかったことに相当すると考えています。
※川は下流に向かって流れていきます。
【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】
【1日目 現時刻:放送直前】
【現在地:E-5エリア川沿い】
[時間軸]:47話、クウガアメイジングマイティに勝利後。
[状態]:脇腹に刺し傷、二時間戦闘不可(ダグバ)
[装備]:無し
[道具]:基本支給品×3 ラウズカード(スペードA~9、ハートQ~K)、不明支給品×1
【思考・状況】
1:究極の闇を齎す。
2:強くなったクウガと再戦
3:後で龍騎と戦う。
4:ライアに若干の興味
※自身の戦闘能力に制限がかかっていることを何となく把握
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|投下順|41:[[正義のためなら鬼となる]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|時系列順|41:[[正義のためなら鬼となる]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[志村純一]]|056:[[枯れぬ策謀]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[ン・ダグバ・ゼバ]]|055:[[The flames of destiny/炎の果てに]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[本郷猛(リメイク)]]|045:[[狂気と侠気]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[城戸真司]]|048:[[傷付いてもいい、強く立ち上がれ]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[日高仁志]]|048:[[傷付いてもいい、強く立ち上がれ]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[風間大介]]|048:[[傷付いてもいい、強く立ち上がれ]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[ハナ]]|048:[[傷付いてもいい、強く立ち上がれ]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[緑川あすか]]|045:[[狂気と侠気]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[一文字隼人(リメイク)]]|048:[[傷付いてもいい、強く立ち上がれ]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[手塚海之]]|055:[[The flames of destiny/炎の果てに]]|
*Riders Fight!(後編)
戦線から離脱した真司たち四人は、まず互いの自己紹介からはじめるが、その過程でそれぞれの話に食い違いが出てきた。
真司の住む世界では猛士という組織は知られていないし、ヒビキの世界にはワームなどという化け物も存在していない。
ましてや、大介のいた世界に、ミラーワールドなどという別の世界はあるはずも無かった。
「引っかかりますね……ヒビキさんと話をしたときもそうですが、こうも話が違ってくるなんて……」
大介の言葉に真司とヒビキが頷く。どうやらこの二人はどこか気が合うようだ。
そんな中で、あすかはたった一人で考え事をしていた。早くも見つけた、憎き恋人の仇を。
すぐにでも引き返して殺しに行きたいが、生憎一人で敵う相手でもないし、何より信頼を勝ち取っている。
ちらりと本郷と一緒にいた真司を見る。単純そうで、人から聞いた話はすぐに信じそうだ……が、その中には誠実さが見え隠れする。
せめて何か強い道具さえあれば……あすかは理想通り行かない現実に歯噛みする。何故罪の無い克彦が殺され、罪人の本郷がのうのうと生きているのか。
(……道具? そうだ、支給品!)
ふとした切欠で可能性にぶち当たる。力の差を埋め、殺し合いを加速させる鍵。それこそ支給品だ。
「そういえば、城戸さんの支給品はなんだったんですか?」
「ん? ああ、俺はこれ。」
真司がデイパックからアタッシュケースを取り出し、開いて三人に中身を見せる。
なぜデイパックにアタッシュケースが納まるのかという疑問もあるが、それよりも中身に不自然さに眼を奪われた。
見た者に機械的な印象を持たせるその外観。黒を基調とするそれは、デルタギアと名づけられたものだった。
「何これ?」
「だよなー、俺もよくわかんない。」
ヒビキが真っ先に手を伸ばし、デルタギア本体を掴み取ると、ベルトの帯がひらひらと中に揺れた。
試しに巻いてみるが、特にこれといった変化は無い。むしろ金属で出来ているためか普通のベルトより重く感じられた。
ずっと着けているのも面倒だし、何より機械が苦手なのでベルトをアタッシュケースに戻しておいた。
はらりと落ちた紙を拾い上げ、大介がそれに眼を通した。
「ライダーズギア初号機……全く分かりませんね……ただ分かるのはこれがスマートブレインが作ったものだという事、そして……」
少し間を空け、一呼吸。眼を開いて内容を淡々と口に出す。
「そして……信じがたいですが、これを使えば私たちと同様に変身出来るようですね。しかも人を選ばないと来た。」
「おお、風間さんスゲー!」
「いや……凄いも何も書いてある事を読み上げただけですが。」
変身、その単語にあすかの眼が光った。人を選ばないという事は、自分でも力が手に入る………本郷を、殺せる!
「多分、あいつが志村さんの言っていた白い怪物だ。今からちょっと俺戦ってくる!」
「待てって、これの強さも分からないのに行くのは無謀だ。今は待った方がいい。」
戦いに向かおうとする真司をヒビキが嗜める。駄目だ、ベルトを持っていかないでくれ。
もう迷っている暇はない――――ベルトを奪い取り、この力で本郷を殺す。
(……本当にいいの?)
何処かで誰かの声が聞こえる……嗚呼、これは誰だったか。顔も名前も思い出せない、この声。
だけれども、今はそんな事は微々たる物。今の自分には、本郷を殺すことしか頭に無いのだから。
例えるなら、これは罰。悪行を重ねた罪人、本郷猛に対して緑川あすかが下す、正しき裁きの鉄槌。
(……この馬鹿。)
――――ああ、そうか。あすかは今頃になって理解する。
この声は自分だ。ココロの何処かで殺人を否定する、緑川あすかの良心だ。
でもごめんなさい、今は私であって私でない。言わば――――そう、鬼。復讐の鬼が宿っている。
声に耳を貸す事は無く、私は私である事を、私自ら……放棄した。
「うわっ!!」
「あすかさん!何をするんですか!?」
不意をついて真司からアタッシュケースごとデルタギアを奪い取る。当然大介がそれを止めに入った。
差し伸べてくる手をケースの端で落とし、一目散に本郷の元へと走った。が、その前に立ちはだかるのはヒビキだ。
「一体どうしたの、眼が怖いよ?」
「どいてください!!」
いつもの軽い口調でヒビキが止めようとする。だが今は逆に神経を逆なでするだけだ。
逆の手に持っていた剣で一閃。どうやら顔に入ったのか、斜めに切り傷が入り真っ赤な血が流れ出た。
ヒビキが蹲っているうちにベルトを身に着け、説明書の変身のページを頭に叩き込む。
「ヒビキさん!大丈夫かよ!?」
「くっ……大丈夫、鍛えてるからこんなん大丈夫だよ。」
「あすかさん、何だってこんなことを……ッ!」
ヒビキを抱きかかえた真司と大介があすかを睨みつける。大してあすかはとても冷めた顔をしていた。
覚悟を決めたからか、あるいは純粋にどうでもよくなったのか。その眼に光は一切無い。
「ごめんなさい、私どうしてもやらなきゃならない事があって……変身。」
――standing by――
手にしたデルタフォンが音声を認識し、それに対応した電子音声が答える。
ゆっくりと腰のデルタムーバーに差し込み……白い閃光が体中を駆け巡った。
――Compleate――
光が止んだ時……そこには既にあすかの、いやデルタの姿は無かった。恐らくは激戦地に向かったのだろう。
三人は呆気に取られるが、いつまでも突っ立っている訳には行かない。
「城戸さんはここでヒビキさんを頼みます。」
「ああ、わかった。」
「待った、その必要は無い。」
大介の提案に異議を唱えたのはほかでもないヒビキ自身だった。
見れば顔の傷は塞がりかけている。鬼としての超回復能力があってこそなのだが、それでも傷跡は残りそうだ。
「よし、急いで追いかけるぞ!」
「よしって……なんですかその人間離れした傷が治る速さは!?」
「鍛えてますからっ!」
「流石ヒビキさん!」
「流石って、それじゃすまないでしょう!」
自分とあまりに違いすぎるテンションの二人に、突っ込み疲れが出たのか大介は大きな溜息をついた。
それと一緒に気疲れも抜けて行ったのか、その後の顔を上げた大介には凛々しい表情が写っていた……単に諦めただけかもしれないが。
「兎に角、動けるようなら彼女を追いますよ。尤も、変身した足に追いつけるか……ですが。」
◆
―― SWING VENT ――
エイの尾を模した鞭を振るい、ライアは龍騎に飛び掛る。サソードヤイバーで防ぐが鞭が絡みつかれ、接戦に持ち込まれた。
背後からナイトが襲うも体を器用に曲げて回避、鞭を持っていないほうの手で拳を浴びせた。
「きゃっ!」
拳の直撃を食らったナイトは地を転げ、中のハナも衝撃に声を出してしまう。
女性に手を出してしまった事に少し戸惑うが、すぐに頭を攻撃へと切り替える。
龍騎は刃を引き抜き、半ば無理やりにエビルウィップから引き抜く。対してライアは続く斬撃をバイザーで防いで、再びカードをベントイン。
―― COPY VENT ――
サソードヤイバーに鏡像の影が重なり、それが宙に浮いたかと思うと実体化してライアの手に治まった。
まったく出鱈目な物だと内心呆れつつ、龍騎はライアに刃を向けた。金属音と共に二つのサソードヤイバーが交差する。
「もう一度だけ言う、そのデッキを城戸に返せ。そうすれば今は見逃してやる。」
「……その声、一文字か!?」
「誰だそれは!」
本郷の勘違いをよそにライアの回し蹴りが命中、思わず体制が崩れる龍騎。
「城戸さんの名前を知ってるって事は、あなたも城戸さんの知り合いなんだろう! 何で殺し合いなんかにのって……」
隙を突いてライアのサソードヤイバーが襲うが、それを阻むのはナイトの持つダークバイザーの刃。
「話を聞く気がないのなら……運命を変えるため、死んでもらう!」
「ふざけないで!」
―― STRIKE VENT ――
龍騎もドラグクローを持ち、徐々に構えを取っていく。
構えに合わせてドラグレッダーが回り、さらにその口に炎のエネルギーを収束させ狙いを定めた。
「ハァァァァァァ……」
一度だけ手前に引き、天を裂く叫びと共にライア目掛けて――――力いっぱい突き出す!
「……ッダアアアアアアアアッッ!!」
押さえつけられ、収束した炎を突きと共に開放。ドラグレッダーが吐くエネルギーが真っ直ぐライアに向かう。
すぐさま退路を取ろうとするが、ナイトがそれを防ぐ。背にダークウイングが着いたままと言う事は、ライアに着弾した時点で飛び立つつもりなのだろう。
「ファイア!」
―― Burst Mode ――
――――しかし、物事はそううまく進まない。
突如黒いライダーが割って入ったかと思うと、炎に向けて高エネルギー弾を何発も発した。当然炎はかき消され、その弾は龍騎にも襲い掛かる。
「ッ!?」
「本郷オオオオオオッ!!」
紙一重でそれを避ける龍騎だが、続けてやけに派手な剣――デンカメンソード――での斬撃が飛んでくる。
思わずサソードヤイバーで流すが、それよりも相手が自分の名前を呼んで来た事に驚く龍騎。
確かにこの場に知り合いはいるけれども、このように叫びながら切りかかってくる知り合いは居ない。
「ちょっと待ってください! どうして俺の名前を……」
「危ない!」
会話の途中でナイトに突き飛ばされる。視界の端に龍騎の居た場所がライアのサソードヤイバーで切り裂かれているのが見えた。
ライアとデルタは互いを邪魔者と認識し、二人をよそに争い始めた。
「邪魔をしないでください!」
「それはこっちの台詞だ!」
ライアの拳がデルタの脇腹を捉え、間を空けることなく柄を使った頭部への打撃。さらにエビルウィップでの一撃を食らわせる。
動きにキレがない、素人だ。とライアは確信した。しかし、素人だからこそ凶器を持つと何をしでかすか分からない。
デルタムーバーから滅茶苦茶に発射される光弾。弾数が多すぎて軌道を読みきれず、その内の一つが装甲を掠めていく。
ただ、銃ならエビルウィップでも捌ききれる。問題は剣だ、刃筋が立たぬ以上斬り裂けはしないがそれだけに集中できない。
ちなみに飛ばされた龍騎とナイトは、少しだけ置いてけぼりを食らっていたが、デルタを見ていてあることに気付く。
「あの剣……あすかが持っていたやつだわ!」
「それにあのベルト、城戸さんに支給されたものだ!」
デルタの装備が自分らの知るものだと分かると、途端に二人は動き出した。
考えたくはないが、もしかすると襲撃者に会って装備を奪われたのかもしれない……それに、安全という保障も出来ない。
ならばどうする――――――――決まっている。さっさとこの場を切り上げて皆の下に戻るだけだ!
二人は同時にカードを引き抜き、それぞれのバイザーに差し込む。
―― FINAL VENT ――
―― FINAL VENT ――
「GAAAAAAAAA!!」
咆吼と共にドラグレッダーが、そしてその陰に隠れてダークウイングが飛来する。
ナイトが一足早く飛び、ダークウイングと合体。その翼が体を包んだかと思うと、しなやかな布に変化し、何物をも貫く刃と化す。
グルグルグルグルとその身を回転させ、やがて螺旋を描くように落下していく。
続いて龍騎が構えを取り、その腕の動きと共にドラグレッダーが周囲を旋回。そして、地を蹴り一気に飛び立つ。
空中で捻りを加えて一回転。右足を前に突き出し、龍の口から放たれた灼熱の炎と共に突き進む。
「何!?」
「クッ!!」
―― FINAL VENT ――
ライアは迫り来る二人の必殺技に対処すべく、同じく自分の必殺技で対処した。
威力の上ではナイトの技と同じ5000AP。だがこちらにも負けられぬ意地がある、通して見せる。
現れたエビルダイバーに飛び乗り、飛翔。鋭角化した鰭を構えて特攻する。
一方デルタ。向かってくる烈火の蹴りに対抗する手段が見つからず、咄嗟にデンカメンソードの盾の部分を構えた。
――――本当ならルシファーズハンマーでも対抗できたのだろうが、生憎あすかは最後まで説明書を読んでいなかった。
「「「「オオオォォォォオオォォオッッ!!」」」」
四重にも重なる雄叫び。ぶつかり合う衝撃と衝撃、意地と意地。
ピシリ、と何かが砕ける音がし、四人の視界に移る物全てが――――――――白く、輝いた。
◆
刀と刀が触れ合い、鮮やかな火花を何度も散らす。
グレイブの持つグレイブラウザーが二号の首を狙うが刃先を取られ、逆方向に向けられる。
それに気を取られる間もなく二号のアッパーが飛び、グレイブの頭部を強く揺らす。
グレイブも受けるばかりではなく、回転蹴りで二号の左腕を打つ、打つ、打つ!!
何度か拳をあわせているうちに左腕を庇う仕草が何度か見られた。ならば、弱点となり得る箇所を集中攻撃するのが道理という物。
卑怯などという論理感は存在しない……全ては勝つため、生き残るため。グレイブはそのためだけに刃を動かしていた。
折角策を労したのに、こんなところで潰されては適わない。故に邪魔者は排除するのみ。
二号の拳が腹部を打ち抜く。が、飛ばされる直前にグレイブラウザーを土に突き立てそれを軸として回転。
眼を見張る二号を尻目に、一周した勢いをつけて、逆に零距離からの蹴りをお見舞いした。
「グゥ……ッ!」
腹を押さえ唸る二号。その間に体制を持ち直したグレイブは剣を取り、左腕への攻撃を再開する。
一つ一つは小さくても、確実に切り傷は増えていき、二号の体力を奪っていく。しかし二号もやられるわけにはいかない。
刀で猛攻を止め、反撃。だが切っ先は僅かにグレイブの仮面を掠るのみで、傷一つつきはしなかった。
「クソッ、この鈍ら刀が!」
いいつつその隙にカブトエクステンダーへと戻り、起動。ランプが光りその場に排気音が木霊する。
ハンドルを握って、駆けた。眼にも留まらぬ速さでグレイブに突進し、半ば轢き逃げのような形で疾走する。その被害者ことグレイブは今だ引きずられたまま……であるが。
「チィッ!!」
何とか身をよじって無理やりに車体を切りつける。が、怒りで頭に血が登ったグレイブにはそれが無駄な行為だという事に気付かない、気付けない。
カブトエクステンダーは所有者である天道総司ことカブト――――彼は既に居らず、カブトも『現時点では』存在しないが――――と同様にキャストオフシステムを備えている。
ライダーのマスクドフォームに相当するマスクドモードは、エクスモードとしての機能を守る鎧としての役割も持っている。
……ただ、制限のためにエクスモードへの変形が出来ないだけでもあるが。
ようやく刃が通らないと悟ったグレイブは攻撃目標を二号へと切り替え――――られなかった。二号がハンドルを切り、その衝撃で弾き飛ばされたのだ。
「ガァ、ハッ」
「どうした? おねんねするにしても、もう朝だぜ。」
「ぬかせ!」
グレイブの仮面の下で、志村は歯軋りする。まだ余裕綽々な一文字に対しての怒りもあるが、一番はこの苦渋を受けている自分自身への憤り、だ。
だが志村も馬鹿じゃない、自分と相手の差ぐらい理解している……機動力だ。自分は足、相手はバイク。追いつく訳がない。
だから奪えばいい。強者が弱者を蹂躙するが如く、食物連鎖の流れを直接味合わせてやろう。
ラウザーを構え、自分が持つ唯一にして最強のカードをラウズ。鳴り響く電子音声が終わる前に駆け出した。
―― MIGHTY ――
蒼く浮かぶ絵柄を剣に纏わせ、渾身の力でバイクの上の二号へと衝撃波を放つ。これぞ必殺、グラビティスラッシュ。
腹部に技を受け、バイクが横転。衝撃でマスクが吹き飛び二号の手から刀が落ちる。
――――――――否、落ちたのではない。落としたように見せかけ、地面に突き刺したのだ。その剣を左腕で握り締めて、回転。
グレイブはその光景に既視感、一種のデジャヴを覚える。それもそのはず、なぜならこの戦法は――――
「俺の策を、真似しただと――――ッ!!」
先ほど二号に与えた衝撃が、今度は自分の元へと跳ね返ってくる。いや、それにホッパーとしての脚力が加わっているのだ、先程の比ではない。
回避行動を取ろうとするが、もう遅い。技を返されると思って居なかったので、動くよりも早く二号の足が迫ってくる。
「……ヤァァァーッ!!」
技の二号が必殺技、ライダーキック。仮面ライダーの装甲を持つ怪人に向け、消して挫けぬ本物の蹴りが直撃する。
意識が途切れる寸前、グレイブの赤い瞳は、二号の素顔が――――一文字隼人が笑みを浮かべているのを認識した。
金色の装甲が爆ぜ、地面を二度三度転がり、体中から火花を散らせ――――
「……ッ、ガァアァアアァァァアアア!!」
――――仰向けに倒れ、やがては周囲を巻き込む大爆発を起こした。
思わず閃光に眼を閉じてしまうが、一文字はすぐさま踵を返してもう一つの戦いの地へとバイクを走らせていった。
◆
眼が覚めたあすかがまず最初に感じたのは、静寂だった。
何分ほど気を失っていたのかを確認するが、既に日が昇り始めていることとまだ変身が解けていない事からそう長い間眠っていた訳ではないらしい。
自分を守った剣……いや盾はあの衝撃に耐え切れなかったのだろう、各部がひび割れ――――特に仮面が装着されていた場所は粉々に砕け散っていた。
現に変身の解けた本郷とハナ、ついでに見知らぬ男が横たわっている……いや、見知らぬ男などではない。この顔は片時も忘れたことがない。
「克、彦……?」
そんな、確かに死んだはずなのに、
嘘。
嘘嘘。
嘘嘘嘘。
嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘。
確かに殺された、今隣で寝ている本郷の手によって無残にも殺されたはず。でも……生きていた?
「克彦、克彦なの!?」
体を強く揺らす。すると自分の手の先から赤い電流が迸り、服を軽く焦がした。
男は苦痛に顔を顰めるが、あすかの注意は一瞬だけ別のところに移ってしまう。体中を覆っていた装甲が消えてしまったのだ。
変身制限の十分が経ったのだが、当のあすかはそんな事知る訳がない。特に変身が解けた事に疑問もなく男を抱きかかえた。
「ウゥ……ウ」
「克彦、ねえ起きて!」
眼を覚ました男は、訝しげに服の焦げを払うと、あすかに向かって口を開いた。
お前は、誰だ? と。
「――――――――え?」
様にならない声が漏れる。だがあすかの思考は大パニックを起こしていた。
克彦が自分を忘れた?馬鹿な、記憶喪失か?克彦に限ってそんな事はない。
そういえば世界には三人同じ顔が居る、という噂を聞いたことがある。宇宙には五人いるだとかも聞いたがその辺は割とどうでもいい。
だけど名簿には克彦の名前はなかった……ああ、そうか、そういうことか。
「アハハハハハ!! そう、そうなのね克彦……いいえ、克彦の皮を被った偽者さん!」
突然あすかが笑い出したのもそうだが、その拍子に抱きかかえていた手が離れて地面に強く打ち付けられる。
すぐさま距離をとって、男――――手塚はデッキを構えるが、Vバックルが現れる気配はない。当たり前だ、彼にも等しく変身制限は課せられているのだから。
「聞いたことがあるわ……何でしたっけ、ドッペルゲンガー? あなたもそうなんでしょう?」
思わず手塚は身震いした。彼もドッペルゲンガーの噂くらいは聞いたことがある、だがそれでも今の状況が理解できなかった。
わかる事は一つ、「目の前の彼女は自分を誰かと勘違いしており、尚且つ狂っている」という事だけだ。
変身できないなら……どうする?生身でも負ける気はないが、一番の危惧は――――いや、今その危惧がこちらに向かっている。
「本郷さーん! あすかさぁーんっ!」
手塚の耳は確かに、自身が守ると誓ったお人好しの叫びを聞いた。
今城戸に気取られる訳にはいかない、思うと同時に駆け出してあすかの視界から逃れる。
運良くここは丘陵地帯と森林エリアの境。死角になるようななるような場所は幾らでもあり、すぐさま手塚の姿は見えなくなってしまった。
「おおーいっ……って、あすかさん! これは一体何が……」
「ハナさん! 大丈夫ですか!?」
「さて、訳を聞かせてもらおうかな?」
ああ、煩わしい。
答える気もなく、その場を立ち去ろうとしたが何物かに腕を捕まれる。誰だと振り返ったが、そこに立っていたのは本郷だった。
何も言わないが、眼が強く語りかけてきた。それがどうしようもなくあすかの気に障り、思わず電撃を出させた。
「ッ!」
予想以上に強かったのか、本郷が再び倒れる。その隙に全速力であすかは走って逃げた。
「待て!」
背後から真司の叫ぶ声があすかを貫く。だがあすかはそんなことを露ほども介さず、あの偽者は何処にいったかなどを考えていた。
自分の目の前で克彦を侮辱したのだ、本郷よりも先に殺す。首を本郷に持っていって自分が本気だと知らしめるのも悪くない。
――――そんな事を考えながら、緑川あすかは姿を消した。
「大丈夫ですか!?」
「……アンタ、は?」
「私は風間ですが……何処かでお会いしましたか?」
「風間……風見の間違いじゃないか?」
「……いえ、風間ですがそれが何か。」
――――他人の空似か。でもさっきの一文字と似たような声の奴も、別人とは思えない。
再び勘違いが起こり本郷が頭を抱える横で、けたたましいバイク音が鳴り響く。その場に赤い車体が割り込んで、急ブレーキ。
驚く本郷が見つけたその顔は、心配していた友の姿。ホッパー二号――――一文字隼人。
「一文字……お前なのか!?」
「……あれ、手塚?」
「俺以外に誰だって言うんだよ、手塚?誰だそいつ。」
眼を丸くする本郷と真司に対し一文字はかなり落ち着いた態度を見せる。だがイカデビルやグレイブとの戦いで負った傷はそう浅くはなかった。
それでも尚、余裕が消えない――――あるいは弱さを見せない――――のは、彼なりの心遣いだろうか。
「一文字、折角合流できたところで悪いが彼らを任してもいいか?」
「は?」
「バイク、借りるぞ!」
言うが早いか、本郷はカブトエクステンダーに跨り、ハンドルを握って走り出そうとする。
「待てッ!」
静止の言葉をかけられ、振り返る本郷に黒くて丸い何かが投げつけられた。落ち着いて見ると、それは普通のフルフェイスのヘルメットだった。
それを持ってきたらしい真司と、それを投げたらしいヒビキが柔らかい表情を作る。大介も帽子を脱ぎ腕を組んでいたが、本郷は口元に浮んだ笑みを見逃さなかった。
「何があったかは知らないが、後悔だけはするなよ。」
一文字からの激動を胸に、ヘルメットを被る本郷。
バイクが鳴らす音は、戦いを仕組んだ者達へ向けた反逆の誓い。
このヘルメットは、戦いに乗った者達へ翳す黒き輝き。
そして――――胸に持つのは、戦いに抗う友の言葉と正義の炎。
**状態表
【早朝、放送直前】【D-5】
【一文字隼人@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:FIRST終了後。
[状態]:左腕に強い衝撃、リジェクションによる負荷と苦しみ、二時間変身不可(二号)。
[装備]:特殊マスク
[道具]:基本支給品、猛士の刀@仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼
【思考・状況】
基本行動方針:バトルロワイアルからの脱出
1:頑張れよ、本郷。
2:出来る限り、戦闘は避け状況を把握する。
3:後ほど本郷、及びあすかとの合流。
4:俺や本郷と同じ名前……偽者か、それとも?
5:余裕があれば首輪を回収に行く。
[備考]
※死神博士の事を自分を改造した老紳士だと思っています。
※FIRST終了後の参戦のため、風見志郎の存在を知りません。
※変身解除の原因が、自身のリジェクション(改造手術による後遺症)によるものだと考えています。
※猛士の剣は現在誰が持っても切れ味の悪いただの剣ですが、本来の持ち主である日高の手に渡れば、あるいは――――?
※首輪について:
金属製のフレームに吸音用の穴と紅いダイオードが一つ。詳細不明。
さほど重くなく、表面にはスマートブレインのロゴがプリントされている。
無理に外そうとしたり禁止エリアに入ると起動、装着者は灰になる。
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:劇場版、レイドラグーンへの特攻直前
[状態]:全身に激しい痛み、二時間変身不可(龍騎)
[装備]:カードデッキ(龍騎)
[道具]:支給品一式
【思考・状況】
1:戦いを止める。絶対に。
2:スマートブレインに対する強い怒り。
3:大介たちとの情報交換。
4:志村の後を追い、長田結花との合流を目指すついでに話を紐解く。
5:手塚に似てるなぁー。
[備考]
※志村を信用しています。彼から『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という話を聞きました。
白い怪物はダグバのことだと思っています。
※名簿に手塚、芝浦、東條、香川の名前がある事、連続変身出来なかった事に疑問を感じています。
【日高仁志(響鬼)@仮面ライダー響鬼】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:最終回前
[状態]:軽い疲労、顔面に傷、二時間変身不可(響鬼)
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈火
[道具]:基本支給品一式(着替え2着と元の服を含む)、野点篭(きびだんご1箱つき)、釘数本、ハイパーゼクター、不明支給品x1
【思考・状況】
基本行動方針:出来るだけ多くの仲間を守って脱出
1:青年よ、励むのだ!
2:何で鬼になれない?
3:もっと仲間を捜す。
4:あすか、どうしたのかな。
【風間大介@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:ゴンと別れた後
[状態]:軽い疲労、二時間変身不可(ドレイク)
[装備]:ドレイクグリップ、ドレイクゼクター
[道具]:支給品一式、オロナミンC2本(ぬるめ)
【思考・状況】
基本行動方針:戦いはなるべく回避し、できるだけ早く脱出する。
1:今回ばかりは出番を譲りましょうか。
2:何故変身出来ない?
3:移動車両を探す。
4:脱出派と合流。
5:影山瞬に気をつける
【ハナ@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:劇場版・千姫と入れ替わっている時
[状態]:軽い疲労、気絶、二時間変身不可(ナイト)
[装備]:冥府の斧@仮面ライダーアギト、カードデッキ(ナイト)
[道具]:支給品一式、洗濯ばさみ、紙でっぽう、戦国時代の衣装、ミニカー7台
【思考・状況】
基本行動方針:脱出する
1:気絶中。
2:仲間を探して一緒に脱出する
3:イマジンに対する自分の感情が理解出来ない
4:本郷猛、牙王、影山瞬に気をつける
◆
あすかの頭の中は、今や逃げる事しかなかった。
追いかけてくるのは自分の敵。追いつかれると殺されるぞ、と防衛本能が命令を出す。
故に走る。足がとっくに限界を超えているが、知った事ではない。
本郷猛は、一人で敵うほど強くなかった。だから、強い、強い仲間を得なくては。
出来れば自分のいうことを何でも聞いてくれる人がいい。何より手駒のしても使いやすさを最優先だ。
それに恋人の偽者も居る。だからそいつも併せて殺さなきゃ、忘れないうちに。
本郷の方には少しだけ痛みを与えたけれど、克彦が味わった苦しみはこんなものじゃなかった。
……! バイクの音が迫ってきた。走る速度を上げ、追いつかれないように急ぐ。
(待っててね克彦、もうすぐあなたの仇をとってあげる――――!)
あすかは心の中で、今は亡き恋人に囁く。それは、あすかの決意でもあった。
「そうよ、本郷を、偽者を殺さなきゃ…………あは、アハハハハハハハハハハハハハハ!」
彼女は、自分が狂っている事に気付かなかった。
自分の今の思考が、デルタギアのデモンズストレートによって齎された、狂気の産物であることに――――。
**状態表
【早朝、放送直前】【D-6】
【本郷猛@仮面ライダーTHE-NEXT】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-6エリア】
[時間軸]:THE-NEXT終盤(ショッカー基地壊滅後)
[状態]:全身に激しい痛み、二時間変身不可(一号、龍騎)、カブトエクステンダー起動中。
[装備]:特殊マスク@仮面ライダーTHE-NEXT、サソードヤイバー@仮面ライダーカブト
[道具]:フルフェイスのヘルメット、カブトエクステンダー@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
基本行動方針:戦いには乗らない。目指すは脱出。
1:あすかを追いかける。
2:戦いを止め、主催と対決。
3:スマートブレインに対する強い怒り。
4:志村の後を追い、長田結花との合流を目指す。
[備考]
※志村を信用しています。彼から『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という話を聞きました。
※名簿に自分の名前と一文字の名前が二つずつある事、連続変身出来なかった事に疑問を感じています。
※サソードゼクターに認められていないため、ゼクターは現れません。
※カブトエクステンダーはキャストオフできないため武装のほとんどを使えません。
今の所、『カブトの資格者』のみがキャストオフできます。
【緑川あすか@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:D-6エリア】
[時間軸]:本郷を疑っている時(トラック事故後)
[状態]:軽い疲労、精神汚染(軽度)、二時間変身不可(デルタ)
[装備]:デルタギア@仮面ライダー555
[道具]:なし
【思考・状況】
基本行動方針:本郷殺害後、脱出するか生き残る
1:逃げる、逃げる、逃げる!
2:本郷をはじめとした仮面ライダーに復讐
3:護身のために仲間を増やす
4:牙王、影山瞬に気をつける
[備考]
※精神汚染は凶暴化、被害妄想などです(ストレスなどで悪化する危険性も)。
※D-6エリアのどこかにデンカメンソードの欠片が散乱しています。
※電撃を出す能力を得ましたが、威嚇程度にしか使えません。
※本郷よりも先に手塚を先に始末しようと考えています。
◆
最初に結論から言ってしまうと、志村純一は辛うじてその命を繋いでいた。
体中を人外の証である緑色の血で染め上げていても、その眼はまだ死んではいなかった。
実はあの時、爆炎からその身を守るためにグレイブの中で人間時よりも防御が堅いアルビノジョーカーに変化し、二重の変化でその身を守っていたのだ。
普通は不死生命体として、その名の通り死ぬ事はないのだが……今は遊戯の最中、首輪の制限はその不死の命にまで行き届いていた。
つまり、文字通り死の危険も背負っている、志村はこの戦闘でそう確信した。以前ほど無茶な戦闘は出来ない。
ならば取るべき行動は一つ、この忌々しい首輪を外す事。サンプルが必要なら参加者から取ればいい。
だから――――今は休もう。休んで、目覚め次第行動を取ろう。思考がそう結論付けたと同時に、志村は深い眠りに着いた。
――――志村が犯した過ちは、たった一つ。
――――この遊戯で主催側から伝えられる唯一の情報である放送が、もう間近に迫っているのに眠りについた事。
――――道化の眠りは、深い。
**状態表
【早朝、放送直前】【C-5】
【志村純一@仮面ライダー剣・Missing Ace】
【1日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:C-5エリア】
[時間軸]剣崎たちに出会う前
[状態]気絶、二時間変身不可(グレイブ、アルビノ)
[装備]グレイブバックル@仮面ライダー剣・Missing Ace
[道具]支給品一式、ラウズカード(クラブのK)@仮面ライダー剣、蓮華のワイヤー内蔵型指輪@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
基本行動方針:人間を装い優勝する。
1:移動して集団に紛れ込む。(市街地に拘らない)
2:橘チーフに合流。
3:『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という情報を流す。
4:誰にも悟られず、かつ安全な状況でならジョーカー化して参加者を殺害。
5:他の参加者の戦力を見極めて利用する。自分の身が危なくなれば彼らを見捨てる。
6:『14』の力復活のために、カテゴリーKのラウズカードを集める。
[備考]
※デネブの放送について(長田が聞いた範囲で)知りました。 また桜井侑斗は危険人物(?)、デネブは生きていると考えています。
※志村は橘から『仮面ライダーブレイド』の存在は聞いていますが、ライダーシステム資格者が『剣崎一真』という事は知りません。
ですが、志村は此処に連れてこられる前に独自に調査を行い、剣崎一真がブレイドであるいう事、彼の顔なども知っています。
※城戸、本郷(R)に『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』と話しました。
※『自分の協力者、長田結花が東方の人間に協力を求めるために行った』と城戸と本郷に話してあります。
※長田結花は市街地の方へ向かったと思っています。
◆
さて、最後に。先ほど手塚が消えた理由だが、これは手塚本人も与り知らぬところで偶然が待ち構えていたのだ。
それは、川。逃げる事に気が取られて川があることに気付かなかった。つまり――――川に、落ちた。
流れる水の冷たさは、疲れきった手塚の体から容赦なく意識を奪っていった。
そして、手塚が流れていく脇をゆっくり追いかけていく白い青年、彼はさっきの戦闘から離脱した後その場で様子を見ていた。
クウガと同じようなリントの戦士なのに、同じリントに牙をむく。この行為がほんの僅かではあるが、彼の興味をそそったのだ。
後から来た方も同じような事をしていたが、彼女は何故か気に入らなかった。全身から滲み出る狂気が気に入らなかったのだろうか。
ブルルル、と携帯が震えた。放送のときは、もう間もなく。
**状態表
【早朝、放送直前】【E-5】
【手塚海之@仮面ライダー龍騎】
【一日目 現時刻:早朝、放送直前】
【現在地:E-5エリアの川の中】
[時間軸]:死亡直後
[状態]:全身打撲。精神・肉体的に強い疲労。二時間変身不可(ライア)。気絶。
[装備]:カードデッキ(ライア)
[道具]:基本支給品、マシンガンブレード@仮面ライダーカブト、救急箱
【思考・状況】
基本行動方針:城戸を脱出させ、自身は在るべき処へ。
1:脱出の障害となる存在は全て排除する
2:あくまでゲームには乗っていないように振舞う
3:ゲーム乗っている奴は後回し。但し城戸に危害を加える場合は容赦しない。
4:出来るだけ城戸とは会わない方向で。
[備考]
※城戸が自分と同じ時間軸から連れてこられたと思っています。
※その為、城戸が死ぬ事は運命を変えられなかったことに相当すると考えています。
※川は下流に向かって流れていきます。
【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】
【1日目 現時刻:放送直前】
【現在地:E-5エリア川沿い】
[時間軸]:47話、クウガアメイジングマイティに勝利後。
[状態]:脇腹に刺し傷、二時間戦闘不可(ダグバ)
[装備]:無し
[道具]:基本支給品×3 ラウズカード(スペードA~9、ハートQ~K)、不明支給品×1
【思考・状況】
1:究極の闇を齎す。
2:強くなったクウガと再戦
3:後で龍騎と戦う。
4:ライアに若干の興味
※自身の戦闘能力に制限がかかっていることを何となく把握
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|投下順|41:[[正義のためなら鬼となる]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|時系列順|41:[[正義のためなら鬼となる]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[志村純一]]|056:[[枯れぬ策謀]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[ン・ダグバ・ゼバ]]|055:[[The flames of destiny/炎の果てに(前編)]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[本郷猛(リメイク)]]|045:[[狂気と侠気]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[城戸真司]]|048:[[傷付いてもいい、強く立ち上がれ]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[日高仁志]]|048:[[傷付いてもいい、強く立ち上がれ]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[風間大介]]|048:[[傷付いてもいい、強く立ち上がれ]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[ハナ]]|048:[[傷付いてもいい、強く立ち上がれ]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[緑川あすか]]|045:[[狂気と侠気]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[一文字隼人(リメイク)]]|048:[[傷付いてもいい、強く立ち上がれ]]|
|040:[[Riders Fight!(前編)]]|[[手塚海之]]|055:[[The flames of destiny/炎の果てに(前編)]]|
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