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流されぬ者は」(2009/10/08 (木) 19:08:21) の最新版変更点

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*流されぬ者は  時刻にして、午前十一時五十五分過ぎ。  沈黙を守る回廊の果て、男の歩行に合わせて靴が床を何度も踏みしめ、木霊する。  一見何も考えずにテンポ良く歩いているように見える彼なのだが、実は違うらしい。  彼が一歩を進める度に見られる無数の仕草は、死角を可能な限り減少させ、広範囲を彼の支配下においているのだ。  男――橘はぐるりと施設を一周し始めた過程で、一つの疑問を抱く。  それはこの放送局の位置付けについて、である。  放送局と言えば、テレビ局を筆頭とする放送関連の事業が、電波を発信する施設。  これが彼の認識だった。この放送局にも、島をどの程度カバーできるのかは不明だが電波塔がある。 (案外、ここで放送が行われていたりしてな……有り得ないか)  思考の最中、ポケットに忍ばせていた携帯から送られた唐突な振動に、橘は足を止める。  停止したことを彼は過ちだと理解。思った瞬間には、携帯から電子音が問答無用で流れだした。  持ち主に対しての主張としてはあまりに高音量なそれの解放にワンテンポだけ遅れて、彼の右が床板を蹴った。  左の視界に含まれている扉を開き、有無を言わさずに進入する。  放送が直に行われると悟った上で行動を開始したというのに、この様である。  自嘲気味にフッと笑うと、彼は室内を見渡す。  突入した先は、狭い空間だった。続けて、言い表しようのない悪臭が鼻孔を突いてくる。  ここがトイレだということは、彼の瞳に映る景観から容易に判断できた。  だからといって、トイレに飛び込んだことに対するリアクションをとる暇は無い。  放送は始まっているのだから。 ◆  放送を聞き終えた橘だが、改めてゾル大佐へ思いを馳せはしなかった。  これ以上何を思っても無駄なのだ。今更何を思ったところで、偉大なる軍人は戻ってこない。  剣崎も、三輪も、禍木も……戻らないのだ。  だからこそ、志村が未だ生存しているという事実は素直に喜ばしかった。  新世代ライダーの中にあっても、扱い辛いじゃじゃ馬二人を上手く纏めて戦っていた優秀な部下だ。  この島でも、志を同じくする参加者達と行動している姿が目に浮かぶ。  彼はそう思う一方、自分の立場に危機感を感じ始めた。  ――あまりにも、他の参加者達と面識がない。  橘がこの島でまともな会話を交わした相手は、ゾル大佐ただ一人だった。  更にその大佐に加え、関係者である本郷猛までもが死んだと放送されている。  二度本郷の名が呼ばれた以上、「死んだのは別人」という希望的観測を使うことも不可能だ。  しかし、面識を広げよう、と一口に言ってもどうするのが最良なのか、彼は図りかねていた。  単純に接触するだけならば、難しくはない。他の施設を目指せばよいのだが。  会うべき、会いたい参加者と接触できるのだろうかと聞かれれば。 (ノー、だな)  今回の放送でも七人の死者がコールされた。残り人数との関係を考慮すれば、前回と死亡者の出るペースは大差が無い。  スマート・ブレインの命令通りに殺しを行っている連中が、未だ複数残っているのだ。  安易に外をうろついていては、格好の獲物というものだろう。  ギャレンへの変身を行使したとしても、変身制限がある。  かと言えば、他に変身手段がある訳でも、武器を持っているわけでもない。  非常時のバックアップ無しで暴挙に出る程、今の橘は愚かではなかった。 (……せめて、こいつが扱えれば別なんだがな)  デイパックから橘が取り出したのは、相変わらず使い道の分からないトランクボックス。  詳細不明の一品とはいえ、各種支給品同様スマートブレインの刻印が刻まれている以上、意味のあるものなのだろうが。  気付いたことと言えば、ハードポイントが一箇所設けられていること。  そして、数字のキーボタンが支給された携帯と酷似したデザインだということまでだった。 (しかし、理不尽だ……)  現在参加させられているのは『殺し合い』である。  そのために、戦うために支給品は与えられていると考えるのが普通だ。  使ってもらうことを前提としながら、使用法を説いてこない……理解に苦しむ行為だった。  その気が無いなら、始めから使える奴に渡せなどと心の奥底でぼやく。 (始めから……待て)  ここで橘が、自身に『ラウズアブゾーバー』が支給されていない事実を思い出していれば、流れは変わったかも知れない。  ギャレンに対するアブソーバー同様、このボックスも他のライダーが持つことで真価を発揮するのだと気付いたかも知れない。 (そうか、これは――)  使用法は一切不明、適当な動作には反応せず、スマートブレイン製であることを示すロゴ。  放送前から持ち続けていた一つの支給品の扱いに対する疑念が、橘の中で確信へと変わる。 (――首輪の解除に必要不可欠なものという訳か)  全くもって、的外れな結論だったのだが。 (つまり、首輪を解除するには現物の構造をいくら調べたところで無駄。  このトランク・ボックスへ収められたデータを解析した者が、突破口を開けるということか)  橘が、スマートブレイン製のライダーズギアを一つでも目にしていれば。  この場に、スマートブレインと関わりを持つ参加者が一人でも居合わせていれば。  間違いなく、この結果は生まれなかったというのに。  どちらの要素も欠けているから、結局は勘違いに至る。  一つ救いだったのは、具体的な行動プランに欠けていた彼に、当面の目的を授けたことだろうか。 (協力者と共にこのボックスを調査し、首輪を解除する……  金居が、カテゴリーキングが本当に死んだのなら、その秘密も隠されている……ッ)  後はいかにして仲間を得、作業に入るか――放送局の探索を継続しつつ、身の振り方を厳選する。  橘の出鼻を挫くかの様に、『それ』はやってきた。  歯を食い縛り、デイパックもファイズブラスターもその場に置き捨て、彼はタイルを蹴っていた。  目の前にある便所内では大きめの――――バリアフリー仕様の、個室へと。  いかに悪食の橘朔也とて、限度が在る。  どの程度の期間開け放たれていたかも不明な無人のコンビニで、彼は朝方、寿司を食べていたのだ。  むしろ、違和感無くここまで過ごして来たのが可笑しい。可笑しすぎたのだ―― ◆   エレベータが、目的地への到着を示すベルを打ち鳴らす。両サイドへ展開するドアを見届けてから、橘は三歩前へ進んだ。  眼前の壁に貼付けられたボードに、3Fの案内が記されている。デイパックを彼はすとん、と落として、板を凝視する。  2F探索時に再び身につけたサングラスの、内側から。 「……」  『現在地』と示されたエレベータ前から、ゆっくりと人差し指をスライド。橘にとって、2Fに続いて二度目の行為だ。  自分が廊下を歩き、角で左に曲がる様子を想定するため、右に幾秒か動いた後に上方へターンしていたそれが、唐突に停止した。 「島内向け……放送室?」  常に周囲を警戒していた筈の自身により、あっさり一言漏れたことにすら、橘は気付かないでいた。  目を丸くしながら、再度の確認。『島内向け放送室』。見間違いではない。 (数刻前の考えが、現実に? いや、まさかな。……だが、本当に放送を行う場所なのであれば)  脳内を思案に費やす一方、デイパックを落としたっきり御役御免と化していた左腕は、瞬時にポケットへ突っ込まれていた。  別に、携帯を引き出してどうのこうのしようというつもりはなく、ただ『放送』という二文字に過剰反応しただけに過ぎなかったのだ。  彼はぞんざいにそれを開いて待受を表示させるが、そこまで。特にそこから起こせることもなく、あっさり閉じる。 (見てみる価値はある、か)  畳まれた携帯を元の位置に戻し、ポケットから抜き出された指先がデイパックを掴む。  流れるような動作を終えると、橘はようやく息を入れた。爪先を右へ向け、左足から歩み出す。  ボード上での指先を再現するように、両足が繊細な足どりを披露する。  暗色系のスーツにサングラスという姿は、否が応でも不審者というワードを見るものに連想させていた。  ――お目当ての一室は、案内通りの位置に配置されていた。銀のプレートに、黒く室名が彫られている。  異常なまでに厚みのある引き戸が、数秒の沈黙に続いて彼を認識すると同時に、自動でレールに沿ってスライドするに従い、内部の暗闇が解放される。  カーテンか何かで遮断されているのか、或いは窓がそもそも無いのか。廊下を照らす日光も届いていなかった。 (さて……)  取り出したギャレンバックルに、ダイヤのカテゴリー・エースに位置するラウズカード『チェンジスタッグ』を差し込む橘。  ロビーで休息を挟んだ時同様、有事の際に備えて万全を期した格好だ。バックルの装着を確認すると、彼は暗室へと侵入を開始。  やけに広いようだな、と彼はマグライトで足元を照らしながら部屋へ向けて、心中で一言。  死角を減らすため、隅へライトを当てながら近寄り、適当な荷台に自身の荷物を降ろす。 (この部屋も、やはり無人か)  橘は円形に形作られた明かりを更に踊らせると、割と身近にスイッチの存在を認識し、無表情のままにそれを押した。  部屋に光が満ちる。それでも仕様なのか、控え目な光源ではある。故にサングラスで防ぐ程の輝きではないが、外そうとはしなかった。  それまでは断片的にしか分からなかった暗室の全景が、点灯によって明確にされた。  やはりこの部屋には外界と密室を隔てる窓がなく、空調により室内の空気を安定させているということがまず一点。  続けて、四方の壁には無数の孔が開けられており、防音機能を持つこと。  床には無数のコードが束となり大蛇の如く這い回っていて、それは調整用機材に、更にはガラス張りを隔てたスペースに配置されたカメラへと伸びている。  橘は機材に備えられたモニターへと近づき、「よくできている」と評した。防音室という安心感が、彼に独り言の余地を齎している。  詳しくは分からないが、殆どの作業をこの機材が受け持ってくれるらしい。  放送室と謳っておきながら、調整室――コントロール・ルームの機能も兼ね備えた一室に、彼は好印象持つ他ないだろう。  その気になれば、今すぐにでもスイッチを入れてカメラの前に立ち、自らの主張を島中へ流すことが可能なのだ。  タッチパネルを操作していくと、携帯電話へのワンセグ放送すら成し得ることができることが明らかになった。  主催者側と同様の放送を行える設備を何故整えておいたままなのかが疑問ではあったが、これも挑発だろうと思考を打ち止め。  マニュアルに従い下準備を終えると、サングラスを吊り上げ、スイッチを眼下に臨む。 「……上手くいけば良いのだが」  呟き、橘はスイッチを入れる。島内に散らばる支給携帯群へと、同時に発信が行わ始めた。  受信をするという点において、彼のそれもまた例外ではない。  邪魔になるとの判断から、機材上に電子音を鳴らすそれを放置する。  前奏はスマートブレインの放送と同様だ。これならば皆反応を示すと彼は確信し、ドアを開く。  放送室のメインスペースから防音ガラス越しに写る彼の姿は、紛れもなく新生BOARDの指導者『橘朔也』であった。 ◆  スイッチを入れてからカメラの前に立つまで、七秒。そして三秒の後、レンズ付近のランプが色を変えた。 『まず、この放送を目にしている参加者の皆様に突然の無礼を詫びさせてもらう』  俺は一言吐いて、サングラスを改めて右中指で吊り上げる。  なんとなく、間が欲しかったのだ。それ以上の理由は無い。  次に、簡単な自己紹介を済ませようと思う。 『私……橘朔也は、君達と同様、このゲームの参加者だ』  参加者としての立場を明確にすることで、放送の主がスマートブレインではないと聞き手に理解させる。  突然の放送で混乱しているであろう者のためにも、ここで再び間を置く。 『君達の中には、既に私の名を聞いている者もいるかも知れない。  が、できることならばこれからの話はそれらによる先入観を持つことなく聞いて欲しい』  志村やアンデッド達が俺の情報をどれだけ明かしているかは不明だが、事前知識だけで判断を下す存在を求めてはいない。 『単刀直入に言わせてもらおう。……私は、ゲームの終了に必要な鍵を所有している』  ただ、事実を俺は述べた。わざわざ放送を行ってまで公表する『鍵』の存在を、「馬鹿馬鹿しい」の一言で切り捨てる存在もまた、求めてはいない。  それどころか、気付いて欲しい。俺は『鍵を持っている』に過ぎないと語っていることに。一人で鍵を解き明かすのは無理だというサインだ。  実際の所では解析の自信もあるが、同行者への欲に偽りは無い。頭は回れば回る程良いのだ。 『そこで、だ。……協力者を募りたいと思う。我々の結束なくして、脱出という悲願の達成は有り得ない』  今度は、伏せることなく本題を突きつける。馬鹿でも俺の言いたいことを察するに違いない。  また、脱出を望まず、純粋に殺しに乗っている者の存在は、敢えて無視しなければならない。 『こちらの現在地は――――君達も察しがついているだろう。……そう、放送局だ』  俺は『放送局』をやや強調して発音した。  この放送に当たって、『放送局』と『研究所』。これらのワードを、参加者達に意識付ける必要があった。  現在地としての放送局、鍵を解くがための施設としての研究所を示せば、この放送に対してアクションを起こす者の大半はこれらの施設へと向かう。  ――そして。少数の優れた者達が、真の合流地点へと気付く。  言葉の表面に踊らされる者達が向かうであろう二箇所でなく。  『鍵』を首輪の解除へと昇華させることが可能な設備を持ち。  俺の現在地、放送局から安全に向かえる範囲へ位置している。  ――会場においてただ一つ条件を満たす、『大学』の存在に。  少々話が先走ったが、後は研究所の名を放送の中に含めれば全てが上手くいく。 『ここから我々は――!?』  異変に気付いたのは、正に研究所の名を聴衆の脳裏に焼き付けようとした瞬間。  俺の姿を映していた筈のカメラから、ランプの灯が消えた。  反射的に調整器具へ視線を流す。モニターもまた、暗くなっている。  紛れも無く、放送が途絶えたことを示していた。 「どういうことだ」  声を荒げて俺は、元いたスペースへと踵を戻した。  パネルに接触をするが、反応の一切は見られなくなっている。  ならば、とスイッチを一度切り、再び起動。  数秒の沈黙が俺と放送室を襲い、空調音だけが弱弱しく室内を彩っていた。  俺は放送が失敗したと結論付けた。  放送局というワードの単発提示では、知恵者に研究所の選択肢を弾かせることができない。  それどころか、ただ俺の居場所を『放送局』とみすみす教えただけだ。  こうなってしまったからには、急いで此処を去る必要がある。  放送終了につき元の画面へと戻った携帯を掴み、デイパックを持ち上げると、入室の際跨いだ敷居へ向かう。  ――――その時、だった。 『いけませんよ~、そんなイタズラしたら。どうやら、社長さんもお怒りみたいです♪』  天井方面から響いてくる、嘲笑含みな女の声。一文字一文字が強調されている。  ――やかましい。それ以上のことを考えずに俺は躊躇せずドアの前へ立つ。  五秒程度待機すれば、認識音と共に道を開くはず……だった。 「何……?」 『勝手にお友達へ呼びかけちゃうおじさんには……罰を与えちゃいますよぉ』  罰……だと? ……「放送してください」と言わんばかりの用意をしておきながら、か?  完全に想定外――そう、今までの放送には、主催者側からの余裕が見て取れていたのに。  このタイミングで……唐突に、何故放送とはいえ介入する? (俺が、これを持っているからか?)  デイパックに眠る鍵を持つ俺が、放送することに問題があったのか? この場を発つと困るのか?  俺が自問自答に明け暮れる間にも、気色悪い女は続きを紡いでいく。 『あなたも参加者なら……罰ゲームの内容、分かりますよねぇ?』  『参加者なら』。参加者である証―― 「首輪……」 『正解で~す♪ ……ふふ、おじさんには、これから「あの二人」とお~んなじ目に、あってもらいまぁす』  俺に対して「あの二人」と言っているのだ。十中八九、三輪と禍木のことを指しているのだろう。  心の奥底から這い上がってくる死への恐怖心は、紛れもなく本物のソレだった。 「……………………」 『……なぁ~んて。ウソですよ、ウ・ソ。俯いてるとせっかくの凛々しいお顔が台無しです♪』  この言葉を聞いた時、俺はかつてない開放感と、行き場のない嫌悪感を同時に感じた。  加速していた胸中の鼓動が瞬時に落ち着き、上方のスピーカーを見やる。 『でも、イケナイことをしたことに違いはありません。なのでしばらく、ここで反省しててもらいます』  扉がいつまでもスライドしないのは、俺がここに閉じ込められることを意味しているらしい。 『お姉さんからのお叱りタイムはここまででぇす。心を入れ替えたら、しっかりゲームに参加してくださいネ。  あ、途中までの放送ですけど、ちゃ~んと皆さんに伝わってますから、ご心配なく♪』  ……この上なく不愉快な時間は、ここで終わりを告げた。  扉は閉ざされたまま、深い沈黙を守っている。  腰にはレバーさえ引けばすぐにでも変身可能な、ギャレンバックル。  強行突破する手もあるにはあるが、変身を使えば俺は二時間丸腰だ。  あくまでも俺の策は、戦力を温存した状態でここを出ることで成り立つ。  これは思惑を潰すがための挑発。安易に、乗るものか。 「とにかく、これ以上俺の邪魔立てはさせない……!!」 **状態表 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【1日目 現時刻:午後】 【現在地:G-3 放送局-3F、島内向け放送室】 【時間軸】:Missing Ace世界(スパイダーUD封印直後) 【状態】:悲しみ。顔・背中・腹部に打撲。生きる決意 【装備】:ギャレンバックル 【道具】:基本支給品一式、ラウズカード(スペードJ、ダイヤ1~6、9)、レトルトカレー、ファイズブラスター 【思考・状況】 基本行動方針:ゾル大佐への責任をとり、主催者を打倒する為、生き残る。 1:放送室からの脱出法を探る。変身は状況次第で使用。 2:信頼できる参加者と大学でトランク(ファイズブラスター)を解析する手筈を整える。 3:死神博士にゾル大佐の遺言を伝える。 4:アンデッドを死亡させたメカニズムの解明。 備考 ※自分の勘違いを見直しました。仮想現実と考えるのはやめることにしています。 ※牙王の生死を確認していませんが、基本的には死んだものとして考えてます。 ※ファイズブラスターを首輪解析に関連するツールだと考えています。 ※自身の知り得る参加者の立場について以下の様に位置づけています。(※付きに関しては名前を知りません) 味方(積極的に合流):志村純一 不明(接触の余地有):一文字隼人、城光、死神博士、※一文字隼人(R)、※ハナ 危険(接触は避ける):※東條悟、※牙王 ※放送室には個人で参加者の携帯、もしくは全島各所にあるスピーカーへの放送が可能な準備が整っています。 ※午後二時に各参加者の携帯へ向けて放送が行われました。 ※橘は自身の姿を映して放送を行ったつもりですが、主催者側の介入でスノーノイズが発生しています。ただし、音声はクリーンです。 ※放送室のロックがいつ解除されるかは不明です。後の書き手さんにお任せします。 |099:[[激突! 二人の王]]|投下順|101:[[藪をつついて黒龍を出す]]| |000:[[前の作品]]|時系列順|102:[[この言葉を知っている(前編)]]| |079:[[restart]]|[[橘朔也]]|105:[[病い風、昏い道(前編)]]| |088:[[LONG WAY HOME]]|[[スマートレディ]]|000:[[後の作品]]|
*流されぬ者は  時刻にして、午前十一時五十五分過ぎ。  沈黙を守る回廊の果て、男の歩行に合わせて靴が床を何度も踏みしめ、木霊する。  一見何も考えずにテンポ良く歩いているように見える彼なのだが、実は違うらしい。  彼が一歩を進める度に見られる無数の仕草は、死角を可能な限り減少させ、広範囲を彼の支配下においているのだ。  男――橘はぐるりと施設を一周し始めた過程で、一つの疑問を抱く。  それはこの放送局の位置付けについて、である。  放送局と言えば、テレビ局を筆頭とする放送関連の事業が、電波を発信する施設。  これが彼の認識だった。この放送局にも、島をどの程度カバーできるのかは不明だが電波塔がある。 (案外、ここで放送が行われていたりしてな……有り得ないか)  思考の最中、ポケットに忍ばせていた携帯から送られた唐突な振動に、橘は足を止める。  停止したことを彼は過ちだと理解。思った瞬間には、携帯から電子音が問答無用で流れだした。  持ち主に対しての主張としてはあまりに高音量なそれの解放にワンテンポだけ遅れて、彼の右が床板を蹴った。  左の視界に含まれている扉を開き、有無を言わさずに進入する。  放送が直に行われると悟った上で行動を開始したというのに、この様である。  自嘲気味にフッと笑うと、彼は室内を見渡す。  突入した先は、狭い空間だった。続けて、言い表しようのない悪臭が鼻孔を突いてくる。  ここがトイレだということは、彼の瞳に映る景観から容易に判断できた。  だからといって、トイレに飛び込んだことに対するリアクションをとる暇は無い。  放送は始まっているのだから。 ◆  放送を聞き終えた橘だが、改めてゾル大佐へ思いを馳せはしなかった。  これ以上何を思っても無駄なのだ。今更何を思ったところで、偉大なる軍人は戻ってこない。  剣崎も、三輪も、禍木も……戻らないのだ。  だからこそ、志村が未だ生存しているという事実は素直に喜ばしかった。  新世代ライダーの中にあっても、扱い辛いじゃじゃ馬二人を上手く纏めて戦っていた優秀な部下だ。  この島でも、志を同じくする参加者達と行動している姿が目に浮かぶ。  彼はそう思う一方、自分の立場に危機感を感じ始めた。  ――あまりにも、他の参加者達と面識がない。  橘がこの島でまともな会話を交わした相手は、ゾル大佐ただ一人だった。  更にその大佐に加え、関係者である本郷猛までもが死んだと放送されている。  二度本郷の名が呼ばれた以上、「死んだのは別人」という希望的観測を使うことも不可能だ。  しかし、面識を広げよう、と一口に言ってもどうするのが最良なのか、彼は図りかねていた。  単純に接触するだけならば、難しくはない。他の施設を目指せばよいのだが。  会うべき、会いたい参加者と接触できるのだろうかと聞かれれば。 (ノー、だな)  今回の放送でも七人の死者がコールされた。残り人数との関係を考慮すれば、前回と死亡者の出るペースは大差が無い。  スマート・ブレインの命令通りに殺しを行っている連中が、未だ複数残っているのだ。  安易に外をうろついていては、格好の獲物というものだろう。  ギャレンへの変身を行使したとしても、変身制限がある。  かと言えば、他に変身手段がある訳でも、武器を持っているわけでもない。  非常時のバックアップ無しで暴挙に出る程、今の橘は愚かではなかった。 (……せめて、こいつが扱えれば別なんだがな)  デイパックから橘が取り出したのは、相変わらず使い道の分からないトランクボックス。  詳細不明の一品とはいえ、各種支給品同様スマートブレインの刻印が刻まれている以上、意味のあるものなのだろうが。  気付いたことと言えば、ハードポイントが一箇所設けられていること。  そして、数字のキーボタンが支給された携帯と酷似したデザインだということまでだった。 (しかし、理不尽だ……)  現在参加させられているのは『殺し合い』である。  そのために、戦うために支給品は与えられていると考えるのが普通だ。  使ってもらうことを前提としながら、使用法を説いてこない……理解に苦しむ行為だった。  その気が無いなら、始めから使える奴に渡せなどと心の奥底でぼやく。 (始めから……待て)  ここで橘が、自身に『ラウズアブゾーバー』が支給されていない事実を思い出していれば、流れは変わったかも知れない。  ギャレンに対するアブソーバー同様、このボックスも他のライダーが持つことで真価を発揮するのだと気付いたかも知れない。 (そうか、これは――)  使用法は一切不明、適当な動作には反応せず、スマートブレイン製であることを示すロゴ。  放送前から持ち続けていた一つの支給品の扱いに対する疑念が、橘の中で確信へと変わる。 (――首輪の解除に必要不可欠なものという訳か)  全くもって、的外れな結論だったのだが。 (つまり、首輪を解除するには現物の構造をいくら調べたところで無駄。  このトランク・ボックスへ収められたデータを解析した者が、突破口を開けるということか)  橘が、スマートブレイン製のライダーズギアを一つでも目にしていれば。  この場に、スマートブレインと関わりを持つ参加者が一人でも居合わせていれば。  間違いなく、この結果は生まれなかったというのに。  どちらの要素も欠けているから、結局は勘違いに至る。  一つ救いだったのは、具体的な行動プランに欠けていた彼に、当面の目的を授けたことだろうか。 (協力者と共にこのボックスを調査し、首輪を解除する……  金居が、カテゴリーキングが本当に死んだのなら、その秘密も隠されている……ッ)  後はいかにして仲間を得、作業に入るか――放送局の探索を継続しつつ、身の振り方を厳選する。  橘の出鼻を挫くかの様に、『それ』はやってきた。  歯を食い縛り、デイパックもファイズブラスターもその場に置き捨て、彼はタイルを蹴っていた。  目の前にある便所内では大きめの――――バリアフリー仕様の、個室へと。  いかに悪食の橘朔也とて、限度が在る。  どの程度の期間開け放たれていたかも不明な無人のコンビニで、彼は朝方、寿司を食べていたのだ。  むしろ、違和感無くここまで過ごして来たのが可笑しい。可笑しすぎたのだ―― ◆   エレベータが、目的地への到着を示すベルを打ち鳴らす。両サイドへ展開するドアを見届けてから、橘は三歩前へ進んだ。  眼前の壁に貼付けられたボードに、3Fの案内が記されている。デイパックを彼はすとん、と落として、板を凝視する。  2F探索時に再び身につけたサングラスの、内側から。 「……」  『現在地』と示されたエレベータ前から、ゆっくりと人差し指をスライド。橘にとって、2Fに続いて二度目の行為だ。  自分が廊下を歩き、角で左に曲がる様子を想定するため、右に幾秒か動いた後に上方へターンしていたそれが、唐突に停止した。 「島内向け……放送室?」  常に周囲を警戒していた筈の自身により、あっさり一言漏れたことにすら、橘は気付かないでいた。  目を丸くしながら、再度の確認。『島内向け放送室』。見間違いではない。 (数刻前の考えが、現実に? いや、まさかな。……だが、本当に放送を行う場所なのであれば)  脳内を思案に費やす一方、デイパックを落としたっきり御役御免と化していた左腕は、瞬時にポケットへ突っ込まれていた。  別に、携帯を引き出してどうのこうのしようというつもりはなく、ただ『放送』という二文字に過剰反応しただけに過ぎなかったのだ。  彼はぞんざいにそれを開いて待受を表示させるが、そこまで。特にそこから起こせることもなく、あっさり閉じる。 (見てみる価値はある、か)  畳まれた携帯を元の位置に戻し、ポケットから抜き出された指先がデイパックを掴む。  流れるような動作を終えると、橘はようやく息を入れた。爪先を右へ向け、左足から歩み出す。  ボード上での指先を再現するように、両足が繊細な足どりを披露する。  暗色系のスーツにサングラスという姿は、否が応でも不審者というワードを見るものに連想させていた。  ――お目当ての一室は、案内通りの位置に配置されていた。銀のプレートに、黒く室名が彫られている。  異常なまでに厚みのある引き戸が、数秒の沈黙に続いて彼を認識すると同時に、自動でレールに沿ってスライドするに従い、内部の暗闇が解放される。  カーテンか何かで遮断されているのか、或いは窓がそもそも無いのか。廊下を照らす日光も届いていなかった。 (さて……)  取り出したギャレンバックルに、ダイヤのカテゴリー・エースに位置するラウズカード『チェンジスタッグ』を差し込む橘。  ロビーで休息を挟んだ時同様、有事の際に備えて万全を期した格好だ。バックルの装着を確認すると、彼は暗室へと侵入を開始。  やけに広いようだな、と彼はマグライトで足元を照らしながら部屋へ向けて、心中で一言。  死角を減らすため、隅へライトを当てながら近寄り、適当な荷台に自身の荷物を降ろす。 (この部屋も、やはり無人か)  橘は円形に形作られた明かりを更に踊らせると、割と身近にスイッチの存在を認識し、無表情のままにそれを押した。  部屋に光が満ちる。それでも仕様なのか、控え目な光源ではある。故にサングラスで防ぐ程の輝きではないが、外そうとはしなかった。  それまでは断片的にしか分からなかった暗室の全景が、点灯によって明確にされた。  やはりこの部屋には外界と密室を隔てる窓がなく、空調により室内の空気を安定させているということがまず一点。  続けて、四方の壁には無数の孔が開けられており、防音機能を持つこと。  床には無数のコードが束となり大蛇の如く這い回っていて、それは調整用機材に、更にはガラス張りを隔てたスペースに配置されたカメラへと伸びている。  橘は機材に備えられたモニターへと近づき、「よくできている」と評した。防音室という安心感が、彼に独り言の余地を齎している。  詳しくは分からないが、殆どの作業をこの機材が受け持ってくれるらしい。  放送室と謳っておきながら、調整室――コントロール・ルームの機能も兼ね備えた一室に、彼は好印象持つ他ないだろう。  その気になれば、今すぐにでもスイッチを入れてカメラの前に立ち、自らの主張を島中へ流すことが可能なのだ。  タッチパネルを操作していくと、携帯電話へのワンセグ放送すら成し得ることができることが明らかになった。  主催者側と同様の放送を行える設備を何故整えておいたままなのかが疑問ではあったが、これも挑発だろうと思考を打ち止め。  マニュアルに従い下準備を終えると、サングラスを吊り上げ、スイッチを眼下に臨む。 「……上手くいけば良いのだが」  呟き、橘はスイッチを入れる。島内に散らばる支給携帯群へと、同時に発信が行わ始めた。  受信をするという点において、彼のそれもまた例外ではない。  邪魔になるとの判断から、機材上に電子音を鳴らすそれを放置する。  前奏はスマートブレインの放送と同様だ。これならば皆反応を示すと彼は確信し、ドアを開く。  放送室のメインスペースから防音ガラス越しに写る彼の姿は、紛れもなく新生BOARDの指導者『橘朔也』であった。 ◆  スイッチを入れてからカメラの前に立つまで、七秒。そして三秒の後、レンズ付近のランプが色を変えた。 『まず、この放送を目にしている参加者の皆様に突然の無礼を詫びさせてもらう』  俺は一言吐いて、サングラスを改めて右中指で吊り上げる。  なんとなく、間が欲しかったのだ。それ以上の理由は無い。  次に、簡単な自己紹介を済ませようと思う。 『私……橘朔也は、君達と同様、このゲームの参加者だ』  参加者としての立場を明確にすることで、放送の主がスマートブレインではないと聞き手に理解させる。  突然の放送で混乱しているであろう者のためにも、ここで再び間を置く。 『君達の中には、既に私の名を聞いている者もいるかも知れない。  が、できることならばこれからの話はそれらによる先入観を持つことなく聞いて欲しい』  志村やアンデッド達が俺の情報をどれだけ明かしているかは不明だが、事前知識だけで判断を下す存在を求めてはいない。 『単刀直入に言わせてもらおう。……私は、ゲームの終了に必要な鍵を所有している』  ただ、事実を俺は述べた。わざわざ放送を行ってまで公表する『鍵』の存在を、「馬鹿馬鹿しい」の一言で切り捨てる存在もまた、求めてはいない。  それどころか、気付いて欲しい。俺は『鍵を持っている』に過ぎないと語っていることに。一人で鍵を解き明かすのは無理だというサインだ。  実際の所では解析の自信もあるが、同行者への欲に偽りは無い。頭は回れば回る程良いのだ。 『そこで、だ。……協力者を募りたいと思う。我々の結束なくして、脱出という悲願の達成は有り得ない』  今度は、伏せることなく本題を突きつける。馬鹿でも俺の言いたいことを察するに違いない。  また、脱出を望まず、純粋に殺しに乗っている者の存在は、敢えて無視しなければならない。 『こちらの現在地は――――君達も察しがついているだろう。……そう、放送局だ』  俺は『放送局』をやや強調して発音した。  この放送に当たって、『放送局』と『研究所』。これらのワードを、参加者達に意識付ける必要があった。  現在地としての放送局、鍵を解くがための施設としての研究所を示せば、この放送に対してアクションを起こす者の大半はこれらの施設へと向かう。  ――そして。少数の優れた者達が、真の合流地点へと気付く。  言葉の表面に踊らされる者達が向かうであろう二箇所でなく。  『鍵』を首輪の解除へと昇華させることが可能な設備を持ち。  俺の現在地、放送局から安全に向かえる範囲へ位置している。  ――会場においてただ一つ条件を満たす、『大学』の存在に。  少々話が先走ったが、後は研究所の名を放送の中に含めれば全てが上手くいく。 『ここから我々は――!?』  異変に気付いたのは、正に研究所の名を聴衆の脳裏に焼き付けようとした瞬間。  俺の姿を映していた筈のカメラから、ランプの灯が消えた。  反射的に調整器具へ視線を流す。モニターもまた、暗くなっている。  紛れも無く、放送が途絶えたことを示していた。 「どういうことだ」  声を荒げて俺は、元いたスペースへと踵を戻した。  パネルに接触をするが、反応の一切は見られなくなっている。  ならば、とスイッチを一度切り、再び起動。  数秒の沈黙が俺と放送室を襲い、空調音だけが弱弱しく室内を彩っていた。  俺は放送が失敗したと結論付けた。  放送局というワードの単発提示では、知恵者に研究所の選択肢を弾かせることができない。  それどころか、ただ俺の居場所を『放送局』とみすみす教えただけだ。  こうなってしまったからには、急いで此処を去る必要がある。  放送終了につき元の画面へと戻った携帯を掴み、デイパックを持ち上げると、入室の際跨いだ敷居へ向かう。  ――――その時、だった。 『いけませんよ~、そんなイタズラしたら。どうやら、社長さんもお怒りみたいです♪』  天井方面から響いてくる、嘲笑含みな女の声。一文字一文字が強調されている。  ――やかましい。それ以上のことを考えずに俺は躊躇せずドアの前へ立つ。  五秒程度待機すれば、認識音と共に道を開くはず……だった。 「何……?」 『勝手にお友達へ呼びかけちゃうおじさんには……罰を与えちゃいますよぉ』  罰……だと? ……「放送してください」と言わんばかりの用意をしておきながら、か?  完全に想定外――そう、今までの放送には、主催者側からの余裕が見て取れていたのに。  このタイミングで……唐突に、何故放送とはいえ介入する? (俺が、これを持っているからか?)  デイパックに眠る鍵を持つ俺が、放送することに問題があったのか? この場を発つと困るのか?  俺が自問自答に明け暮れる間にも、気色悪い女は続きを紡いでいく。 『あなたも参加者なら……罰ゲームの内容、分かりますよねぇ?』  『参加者なら』。参加者である証―― 「首輪……」 『正解で~す♪ ……ふふ、おじさんには、これから「あの二人」とお~んなじ目に、あってもらいまぁす』  俺に対して「あの二人」と言っているのだ。十中八九、三輪と禍木のことを指しているのだろう。  心の奥底から這い上がってくる死への恐怖心は、紛れもなく本物のソレだった。 「……………………」 『……なぁ~んて。ウソですよ、ウ・ソ。俯いてるとせっかくの凛々しいお顔が台無しです♪』  この言葉を聞いた時、俺はかつてない開放感と、行き場のない嫌悪感を同時に感じた。  加速していた胸中の鼓動が瞬時に落ち着き、上方のスピーカーを見やる。 『でも、イケナイことをしたことに違いはありません。なのでしばらく、ここで反省しててもらいます』  扉がいつまでもスライドしないのは、俺がここに閉じ込められることを意味しているらしい。 『お姉さんからのお叱りタイムはここまででぇす。心を入れ替えたら、しっかりゲームに参加してくださいネ。  あ、途中までの放送ですけど、ちゃ~んと皆さんに伝わってますから、ご心配なく♪』  ……この上なく不愉快な時間は、ここで終わりを告げた。  扉は閉ざされたまま、深い沈黙を守っている。  腰にはレバーさえ引けばすぐにでも変身可能な、ギャレンバックル。  強行突破する手もあるにはあるが、変身を使えば俺は二時間丸腰だ。  あくまでも俺の策は、戦力を温存した状態でここを出ることで成り立つ。  これは思惑を潰すがための挑発。安易に、乗るものか。 「とにかく、これ以上俺の邪魔立てはさせない……!!」 **状態表 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【1日目 現時刻:午後】 【現在地:G-3 放送局-3F、島内向け放送室】 【時間軸】:Missing Ace世界(スパイダーUD封印直後) 【状態】:悲しみ。顔・背中・腹部に打撲。生きる決意 【装備】:ギャレンバックル 【道具】:基本支給品一式、ラウズカード(スペードJ、ダイヤ1~6、9)、レトルトカレー、ファイズブラスター 【思考・状況】 基本行動方針:ゾル大佐への責任をとり、主催者を打倒する為、生き残る。 1:放送室からの脱出法を探る。変身は状況次第で使用。 2:信頼できる参加者と大学でトランク(ファイズブラスター)を解析する手筈を整える。 3:死神博士にゾル大佐の遺言を伝える。 4:アンデッドを死亡させたメカニズムの解明。 備考 ※自分の勘違いを見直しました。仮想現実と考えるのはやめることにしています。 ※牙王の生死を確認していませんが、基本的には死んだものとして考えてます。 ※ファイズブラスターを首輪解析に関連するツールだと考えています。 ※自身の知り得る参加者の立場について以下の様に位置づけています。(※付きに関しては名前を知りません) 味方(積極的に合流):志村純一 不明(接触の余地有):一文字隼人、城光、死神博士、※一文字隼人(R)、※ハナ 危険(接触は避ける):※東條悟、※牙王 ※放送室には個人で参加者の携帯、もしくは全島各所にあるスピーカーへの放送が可能な準備が整っています。 ※午後二時に各参加者の携帯へ向けて放送が行われました。 ※橘は自身の姿を映して放送を行ったつもりですが、主催者側の介入でスノーノイズが発生しています。ただし、音声はクリーンです。 ※放送室のロックがいつ解除されるかは不明です。後の書き手さんにお任せします。 |099:[[激突! 二人の王]]|投下順|101:[[藪をつついて黒龍を出す]]| |000:[[前の作品]]|時系列順|102:[[この言葉を知っている(前編)]]| |079:[[restart]]|[[橘朔也]]|105:[[病い風、昏い道(前編)]]| |088:[[LONG WAY HOME]]|[[スマートレディ]]|113:[[Crisis(前編)]]|

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