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ダブルライダーVSカブトムシ男!!」(2008/06/01 (日) 21:46:40) の最新版変更点

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「ここは…」 男が瞼を開くと、そこは建物の一室だった。 ぼんやりとした視界の先には見慣れた人間―――ショッカーとの熾烈な争いを共にした戦友がいた。 いつ終わるかわからない、先が見えない戦い。その中で、おやっさん、滝を始めとした少年仮面ライダー隊 そして 「一文字…」 戦いに疲弊した自分の、唯一、心休める居場所が彼らのいる場所だった。 「目が覚めたのか本郷?」 ああ、と頷くと一文字はニッと笑った。 「喉渇いてるだろう。ほら、コーヒーだ。おやっさんのより旨くはないけどな」 コーヒーの入った紙コップを差し出され、本郷はそれを喉を鳴らして一気に飲み干し、一息つくと今度は彼が笑みを浮かべた。 「確かにおやっさんのコーヒーのほうが旨いな」 「だな。…ところで本郷、おやっさんも此所へ連れ…」 「おやっさんが!?」 おやっさんの名が出てきたことにより一文字が話し終わる前に、本郷が怒声にも似た驚愕の声を上げる。 それを宥めるかのように一文字は本郷の肩に手を乗せ、続きを話し出した。 「その様子だとお前も実際に見てないんだな。だが、確実におやっさんは参加させられている。 ケータイってのがあるだろ?それに参加者の名簿が載っていたんだ。」 一文字が小さな長細い物体を見せると、本郷はポケットの膨らんでいる部分に手を入れ、彼の持っている物と同じ長細い物体を目の前に持ってくる。 「それを開いて、本のマークが付いたボタンを押せば良い。」 「開く…?」 この小さな箱が開くというのか。注意深く見ると確かに側面には凹みがあり、それを境に2つの薄い板が繋がっているということは元々開く仕組みになっているのだろう。 「なるほど…だが一文字。何故これの使い方を知ってるんだ?」 「ん。お前が倒れてるのを発見して、運んでからずっと暇だったんでな。何をしようか悩んでいたらコレから声が聞こえてきたんだ。 それでどう扱うのか分からず弄っていたら、開いたってわけだ。」 「声、何か放送があったのか?」 「参加者の内の誰かだと思うが…ここから逃げようとして殺された……」 「なにっ!?!」 「その二人は俺達と同じように変身したんだが、な。全く違う仮面ライダーだった。」 途中からだけどケータイの画面で映像を確認することが出来た。と一文字は続けた。 なるほど、この携帯は様々な用途を持ち合わせる便利な道具のようだ。これは無くすわけにはいかないな。 死んだ二人のことだが変身したとなると自分達の他にライダーもいるようだ。そのライダー達は自分達のように殺し合いを止めようとするだろうか…? 否 会場で集められた中には怪人は少なく、寧ろ人間―――仮面ライダーに変身する可能性のあるものが多かった。ならば仮面ライダーにも殺し合いをするようなものがいるということだろう。 × × × ゴ・ガドル・バは歩いていた。 携帯から音声が聞こえてきたときは扱いに悩んだ。 が、この時代に復活してからの記憶にゴ・ジャーザ・ギがノートパソコンを使っていたのを思いだし、それと同じように扱えるかと推測したところ見事に開くことが出来たのだった。 放送の内容を確認し、二人死んだ。というのは自分の生存出来る可能性が上がったということでしかない。 彼は歩く、そして自分の首に嵌められている首輪を千切り取ってやろうかと手を掛けたが…やめた。首輪を付けているということはこれには裏がある可能性がある。 外すわけにはいかない。ガドルは首輪に掛けたその手を下ろす。 そこでふと気づく、この首輪は戦いの中でも使えるのではないか―――? 戦いのさなか、いや初めにでも良い。相手の首輪をもぎ取ってしまえば何らかのアクシデントがあるのではないか。そうすることで自分の負担は軽くなる。 戦っていいのか―――? ゲゲルの順番はまだ回ってきていない。それなのにリントを殺してはルールに反するのではないか。 少し戸惑ったがガドルは首を横に振った。 例外。今回ばかりは別なのだ。ゲゲルとは違って自分に課せられた条件は何もないのだから。 それで良いのか―――? 彼のプライドが異を唱えた。ゲゲルでなくとも自分に条件を課さなくては。彼は考えた。そしてすぐに結論に到った。 1.リントの戦士―――そう、クウガやケータイに映った者と似たような力を持つリントを殺す。 2.1に該当しない者でも自分に危害を加わえるのであれば容赦無く殺す。 3.自分と同じ種族以外のリントでない者も殺す。 共闘などは必要無い。戦いは己の力により勝たなくてはならない。食料は相手から奪えば良いと思って、デイバックは捨てた。 中には青い背景に金色の鷹が描かれたカードが入っていた気がするが、使い方の分からない物をわざわざ持ち運ぶ必要などない。 ふとガドルは足を止め、近くのビルを見上げた。その中の一室だけ明かりが付いている。 リントがいるのだろうか。ガドルはゆっくりと明かりの付いていた一室に向かってビルの中に入っていった。 × × × 本郷と一文字はデイバックの中身を確認していた。食料は一通り有り、少しずつ消費していけば困ることは無いだろう。 「これはなんだ?」 一文字が手にしているのは銀色の細長い筒状のもの。凹みが有り、開けそうなのだが本来の持ち主ではない彼等はその扱い方を知らない。 「あと、これか」 次に本郷が取り出したのは腕に嵌める物なのか奇妙な形をしたブレスレット。カードを入れるためのスリットが有り、開けば扇状とまではいかないが若干開く。 「使い方が分からないと、どうにもならんな」 「全くだ。大体カードを使うなんて奇術師じゃあるまいし」 ふと、一文字にマジマジと自分が見つめていることに気付いた本郷はどうした。と聞くと彼は驚くべきことを口にした。 「…やっぱりお前、本物の本郷だな」 本物?自分に偽物がいたのだろうか? 「どういうことだ?」 真剣に聞き返した本郷に今度は一文字が目を丸くする。 「ショッカーライダーがいただろ。ゲルショッカーが俺達を真似て作った改造人間達が」 「ショッカーライダー?ゲルショッカー?一体それは…」 そこまで口にして本郷は気付いた。自分が覚えている最後の戦いは地獄大使と決着を着け、ショッカーが滅んだまでで一文字の言うショッカーライダーも、ましてやゲルショッカーなども知らない。 ならば何故、目の前にいる一文字はそれを知っているのか?それは 「俺達は別の時間から集められたというのか…」 「別の時間…?本郷何を言ってるんだ?」 自分の推測は間違っているはずがない。何も知らない者からすれば確かに想像を超え過ぎて滑稽な話に思えるだろうが。 そうでなければ話の辻褄が合わなくなってしまう。どちらも嘘を付いてないところを見ると、そうとしか考えられないのだ。 「…一文字、少し、いや、かなり戸惑うかもしれないが聞いてくれ。俺達は―――」 違う時間から集められたんだ。 そう口にしたが、その声は突如崩れ落ちたドアにより掻き消されることになった。 即座に二人は扉が外れた入口から飛び退き、突然の訪問者をその視界に捕らえた。 それは体を黒い鎧と同じく黒い毛で包んだ異形の戦士。 額には雄々しき角が生え、首には首輪。胸には小さく鋭利な装飾品が付いている。 カブトムシを模した異形の戦士は、2人に向けて覇気を持って喋る。 「明かりが付いていたと思えば、リントか。」 「…生憎リントが何かは知らんが、お前は一体何物だ」 本郷がガドルに問う。今の本郷に戦う意思はない。自分達も知らない未知の仮面ライダーがいるということは目の前の怪人も仮面ライダーである可能性も否定出来ないからだ。 「俺の名はゴ・ガドル・バ。…貴様達はただのリントか…それともクウガのようなリントの戦士か」 ガドルが質問に答えて新たに問い掛けをする。次に一文字がまたしても出てきた知らない言葉について言及した。 「クウガ…クウガという者も俺達と同じように変身するのか?」 言い終わる瞬間、ガドルの赤い目が朱く光り、途端に吹き荒れた殺意が彼等のいる部屋を覆った。 「『俺達と同じように』…?ならば貴様達はただのリントではないわけか。」 グッとガドルは腰を落として構えた。更に後ろ脚から前脚へ重心を移動させ、間を一気に詰める。本郷に自分の拳が当たる距離まで詰め寄ると、前脚で自分にブレーキを掛けてその勢いを腰の回転へと活かす。 次いでその捻りを拳を打ちだす力へ変え、右ストレートをキメる。 一連の行動に『無駄』の二文字はなく、並の人間なら反応出来たとしても避けれずに絶命するのがオチだろう。だが彼は違った。彼はその速さに付いていった。 迫る拳。その拳を殺さずに彼は半身になっていなした。そして勢いを付けていたガドルに更に勢いを付けてやる。 するとガドルは自分の体を止めきることが出来ずに、窓を大袈裟に割ってビルから落ちていった。 「おやっさんを助ける前にやることが出来たな本郷!」 「ああ、行くぞ一文字!」 二人は頷き、割れたガラスの前、どこまでも続く暗闇の前へ並び立つ。肩幅ほど脚を開き、背筋を伸ばす。 深呼吸。 夜の冷たい風を体に受け、彼等は構えた。 本郷猛と一文字隼人、いや仮面ライダー1号と仮面ライダー2号。 ショッカーが、ゲルショッカーが恐れた二人は殺意と欲望が渦を巻くこの世界でおやっさんと合流し、無事に戦いを止めることが出来るのか。 それは誰にも分からない。 ただ今は目の前の怪人を倒すのみ。 『ライダァ…』 本郷は左手を腰に付け、右手で半円を描き 一文字は両手で半円を描く。 『変身!!』 本郷は右手を腰へ、左手を斜めへ勢いよく突き出し 一文字は両手を脇に固め、拳を握り締めた。 『トォ!!』 ベルトの風車が回り、姿を変えた二人は深い夜の闇へと跳躍した。その大きな赤い目を爛々と輝かせ、その黒い体は闇に紛れていく。 本郷と一文字もまた異形の戦士だったのだ。 音も無く、軽やかに着地した二人は闇夜に駆け巡る風を全身に浴びる。 本郷…技の1号ライダーの銀色のグローブが、悪を許さない正義の心の如く輝きを放ち 一文字…力の2号ライダーの赤色のグローブが、悪を滅する炎の如く燃え上がる。 そして、ダブルライダーに人間の血が通っていることを表す赤いマフラーがなびいていた。 「………」 それを待ち構えていたガドルは悠然と立っていた。二人と同じ赤い目を青色に変化させて。 【本郷猛@仮面ライダー】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:G-3西側 水族館へ続く道】 【時間軸:ガラガランダ戦後。ショッカー首領からショッカーの壊滅を聞いた後】 【状態】変身中 【装備】無し 【道具】ラウズアブゾーバー 【思考・状況】 1.目の前の怪人を倒す。 2.おやっさんの捜索 3.この狂った戦いを止めさせる。 備考:本郷は参加者達(少なくとも自分達)は違う時間軸から集められたことに気付きました。 【一文字隼人@仮面ライダー】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:G-3西側 水族館へ続く道】 【時間軸:ゲルショッカー壊滅直後】 【状態】変身中 【装備】なし 【道具】V3ホッパー 【思考・状況】 1.本郷と協力して目の前の敵を倒す。 2.おやっさんの捜索 3.この戦いを止めるため自分達以外の協力者を捜す。 【ゴ・ガドル・バ@仮面ライダークウガ】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:G-3西側 水族館へ続く道】 【時間軸:ゴ・ジャーザ・ギのゲゲルを開始後】 【状態】青の力を発動中 【装備】なし 【道具】なし 【思考・状況】 1.目の前の二人を倒す。 2.リントの戦士を倒す。 備考:デイバック(中身は通常支給品とスペードのJのみ)は放送局から水族館に続く道の間にあります。 ゴ・ガドル・バは自分にルールを課しているため、抵抗しないただのリントには攻撃しません。 変身は突撃直前にしました。 |019:[[想いを鉄の意志に変えて]]|投下順|021:[[戦士(前編)]]| |018:[[吼える]]|時系列順|021:[[戦士(前編)]]| ||[[ゴ・ガドル・バ]]|028:[[それぞれの場合/NEXT STAGE]]| ||[[本郷猛]]|028:[[それぞれの場合/NEXT STAGE]]| ||[[一文字隼人]]|028:[[それぞれの場合/NEXT STAGE]]|
*ダブルライダーVSカブトムシ男!! 「ここは…」 男が瞼を開くと、そこは建物の一室だった。 ぼんやりとした視界の先には見慣れた人間―――ショッカーとの熾烈な争いを共にした戦友がいた。 いつ終わるかわからない、先が見えない戦い。その中で、おやっさん、滝を始めとした少年仮面ライダー隊 そして 「一文字…」 戦いに疲弊した自分の、唯一、心休める居場所が彼らのいる場所だった。 「目が覚めたのか本郷?」 ああ、と頷くと一文字はニッと笑った。 「喉渇いてるだろう。ほら、コーヒーだ。おやっさんのより旨くはないけどな」 コーヒーの入った紙コップを差し出され、本郷はそれを喉を鳴らして一気に飲み干し、一息つくと今度は彼が笑みを浮かべた。 「確かにおやっさんのコーヒーのほうが旨いな」 「だな。…ところで本郷、おやっさんも此所へ連れ…」 「おやっさんが!?」 おやっさんの名が出てきたことにより一文字が話し終わる前に、本郷が怒声にも似た驚愕の声を上げる。 それを宥めるかのように一文字は本郷の肩に手を乗せ、続きを話し出した。 「その様子だとお前も実際に見てないんだな。だが、確実におやっさんは参加させられている。 ケータイってのがあるだろ?それに参加者の名簿が載っていたんだ。」 一文字が小さな長細い物体を見せると、本郷はポケットの膨らんでいる部分に手を入れ、彼の持っている物と同じ長細い物体を目の前に持ってくる。 「それを開いて、本のマークが付いたボタンを押せば良い。」 「開く…?」 この小さな箱が開くというのか。注意深く見ると確かに側面には凹みがあり、それを境に2つの薄い板が繋がっているということは元々開く仕組みになっているのだろう。 「なるほど…だが一文字。何故これの使い方を知ってるんだ?」 「ん。お前が倒れてるのを発見して、運んでからずっと暇だったんでな。何をしようか悩んでいたらコレから声が聞こえてきたんだ。 それでどう扱うのか分からず弄っていたら、開いたってわけだ。」 「声、何か放送があったのか?」 「参加者の内の誰かだと思うが…ここから逃げようとして殺された……」 「なにっ!?!」 「その二人は俺達と同じように変身したんだが、な。全く違う仮面ライダーだった。」 途中からだけどケータイの画面で映像を確認することが出来た。と一文字は続けた。 なるほど、この携帯は様々な用途を持ち合わせる便利な道具のようだ。これは無くすわけにはいかないな。 死んだ二人のことだが変身したとなると自分達の他にライダーもいるようだ。そのライダー達は自分達のように殺し合いを止めようとするだろうか…? 否 会場で集められた中には怪人は少なく、寧ろ人間―――仮面ライダーに変身する可能性のあるものが多かった。ならば仮面ライダーにも殺し合いをするようなものがいるということだろう。 × × × ゴ・ガドル・バは歩いていた。 携帯から音声が聞こえてきたときは扱いに悩んだ。 が、この時代に復活してからの記憶にゴ・ジャーザ・ギがノートパソコンを使っていたのを思いだし、それと同じように扱えるかと推測したところ見事に開くことが出来たのだった。 放送の内容を確認し、二人死んだ。というのは自分の生存出来る可能性が上がったということでしかない。 彼は歩く、そして自分の首に嵌められている首輪を千切り取ってやろうかと手を掛けたが…やめた。首輪を付けているということはこれには裏がある可能性がある。 外すわけにはいかない。ガドルは首輪に掛けたその手を下ろす。 そこでふと気づく、この首輪は戦いの中でも使えるのではないか―――? 戦いのさなか、いや初めにでも良い。相手の首輪をもぎ取ってしまえば何らかのアクシデントがあるのではないか。そうすることで自分の負担は軽くなる。 戦っていいのか―――? ゲゲルの順番はまだ回ってきていない。それなのにリントを殺してはルールに反するのではないか。 少し戸惑ったがガドルは首を横に振った。 例外。今回ばかりは別なのだ。ゲゲルとは違って自分に課せられた条件は何もないのだから。 それで良いのか―――? 彼のプライドが異を唱えた。ゲゲルでなくとも自分に条件を課さなくては。彼は考えた。そしてすぐに結論に到った。 1.リントの戦士―――そう、クウガやケータイに映った者と似たような力を持つリントを殺す。 2.1に該当しない者でも自分に危害を加わえるのであれば容赦無く殺す。 3.自分と同じ種族以外のリントでない者も殺す。 共闘などは必要無い。戦いは己の力により勝たなくてはならない。食料は相手から奪えば良いと思って、デイバックは捨てた。 中には青い背景に金色の鷹が描かれたカードが入っていた気がするが、使い方の分からない物をわざわざ持ち運ぶ必要などない。 ふとガドルは足を止め、近くのビルを見上げた。その中の一室だけ明かりが付いている。 リントがいるのだろうか。ガドルはゆっくりと明かりの付いていた一室に向かってビルの中に入っていった。 × × × 本郷と一文字はデイバックの中身を確認していた。食料は一通り有り、少しずつ消費していけば困ることは無いだろう。 「これはなんだ?」 一文字が手にしているのは銀色の細長い筒状のもの。凹みが有り、開けそうなのだが本来の持ち主ではない彼等はその扱い方を知らない。 「あと、これか」 次に本郷が取り出したのは腕に嵌める物なのか奇妙な形をしたブレスレット。カードを入れるためのスリットが有り、開けば扇状とまではいかないが若干開く。 「使い方が分からないと、どうにもならんな」 「全くだ。大体カードを使うなんて奇術師じゃあるまいし」 ふと、一文字にマジマジと自分が見つめていることに気付いた本郷はどうした。と聞くと彼は驚くべきことを口にした。 「…やっぱりお前、本物の本郷だな」 本物?自分に偽物がいたのだろうか? 「どういうことだ?」 真剣に聞き返した本郷に今度は一文字が目を丸くする。 「ショッカーライダーがいただろ。ゲルショッカーが俺達を真似て作った改造人間達が」 「ショッカーライダー?ゲルショッカー?一体それは…」 そこまで口にして本郷は気付いた。自分が覚えている最後の戦いは地獄大使と決着を着け、ショッカーが滅んだまでで一文字の言うショッカーライダーも、ましてやゲルショッカーなども知らない。 ならば何故、目の前にいる一文字はそれを知っているのか?それは 「俺達は別の時間から集められたというのか…」 「別の時間…?本郷何を言ってるんだ?」 自分の推測は間違っているはずがない。何も知らない者からすれば確かに想像を超え過ぎて滑稽な話に思えるだろうが。 そうでなければ話の辻褄が合わなくなってしまう。どちらも嘘を付いてないところを見ると、そうとしか考えられないのだ。 「…一文字、少し、いや、かなり戸惑うかもしれないが聞いてくれ。俺達は―――」 違う時間から集められたんだ。 そう口にしたが、その声は突如崩れ落ちたドアにより掻き消されることになった。 即座に二人は扉が外れた入口から飛び退き、突然の訪問者をその視界に捕らえた。 それは体を黒い鎧と同じく黒い毛で包んだ異形の戦士。 額には雄々しき角が生え、首には首輪。胸には小さく鋭利な装飾品が付いている。 カブトムシを模した異形の戦士は、2人に向けて覇気を持って喋る。 「明かりが付いていたと思えば、リントか。」 「…生憎リントが何かは知らんが、お前は一体何物だ」 本郷がガドルに問う。今の本郷に戦う意思はない。自分達も知らない未知の仮面ライダーがいるということは目の前の怪人も仮面ライダーである可能性も否定出来ないからだ。 「俺の名はゴ・ガドル・バ。…貴様達はただのリントか…それともクウガのようなリントの戦士か」 ガドルが質問に答えて新たに問い掛けをする。次に一文字がまたしても出てきた知らない言葉について言及した。 「クウガ…クウガという者も俺達と同じように変身するのか?」 言い終わる瞬間、ガドルの赤い目が朱く光り、途端に吹き荒れた殺意が彼等のいる部屋を覆った。 「『俺達と同じように』…?ならば貴様達はただのリントではないわけか。」 グッとガドルは腰を落として構えた。更に後ろ脚から前脚へ重心を移動させ、間を一気に詰める。本郷に自分の拳が当たる距離まで詰め寄ると、前脚で自分にブレーキを掛けてその勢いを腰の回転へと活かす。 次いでその捻りを拳を打ちだす力へ変え、右ストレートをキメる。 一連の行動に『無駄』の二文字はなく、並の人間なら反応出来たとしても避けれずに絶命するのがオチだろう。だが彼は違った。彼はその速さに付いていった。 迫る拳。その拳を殺さずに彼は半身になっていなした。そして勢いを付けていたガドルに更に勢いを付けてやる。 するとガドルは自分の体を止めきることが出来ずに、窓を大袈裟に割ってビルから落ちていった。 「おやっさんを助ける前にやることが出来たな本郷!」 「ああ、行くぞ一文字!」 二人は頷き、割れたガラスの前、どこまでも続く暗闇の前へ並び立つ。肩幅ほど脚を開き、背筋を伸ばす。 深呼吸。 夜の冷たい風を体に受け、彼等は構えた。 本郷猛と一文字隼人、いや仮面ライダー1号と仮面ライダー2号。 ショッカーが、ゲルショッカーが恐れた二人は殺意と欲望が渦を巻くこの世界でおやっさんと合流し、無事に戦いを止めることが出来るのか。 それは誰にも分からない。 ただ今は目の前の怪人を倒すのみ。 『ライダァ…』 本郷は左手を腰に付け、右手で半円を描き 一文字は両手で半円を描く。 『変身!!』 本郷は右手を腰へ、左手を斜めへ勢いよく突き出し 一文字は両手を脇に固め、拳を握り締めた。 『トォ!!』 ベルトの風車が回り、姿を変えた二人は深い夜の闇へと跳躍した。その大きな赤い目を爛々と輝かせ、その黒い体は闇に紛れていく。 本郷と一文字もまた異形の戦士だったのだ。 音も無く、軽やかに着地した二人は闇夜に駆け巡る風を全身に浴びる。 本郷…技の1号ライダーの銀色のグローブが、悪を許さない正義の心の如く輝きを放ち 一文字…力の2号ライダーの赤色のグローブが、悪を滅する炎の如く燃え上がる。 そして、ダブルライダーに人間の血が通っていることを表す赤いマフラーがなびいていた。 「………」 それを待ち構えていたガドルは悠然と立っていた。二人と同じ赤い目を青色に変化させて。 【本郷猛@仮面ライダー】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:G-3西側 水族館へ続く道】 【時間軸:ガラガランダ戦後。ショッカー首領からショッカーの壊滅を聞いた後】 【状態】変身中 【装備】無し 【道具】ラウズアブゾーバー 【思考・状況】 1.目の前の怪人を倒す。 2.おやっさんの捜索 3.この狂った戦いを止めさせる。 備考:本郷は参加者達(少なくとも自分達)は違う時間軸から集められたことに気付きました。 【一文字隼人@仮面ライダー】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:G-3西側 水族館へ続く道】 【時間軸:ゲルショッカー壊滅直後】 【状態】変身中 【装備】なし 【道具】V3ホッパー 【思考・状況】 1.本郷と協力して目の前の敵を倒す。 2.おやっさんの捜索 3.この戦いを止めるため自分達以外の協力者を捜す。 【ゴ・ガドル・バ@仮面ライダークウガ】 【1日目 現時刻:深夜】 【現在地:G-3西側 水族館へ続く道】 【時間軸:ゴ・ジャーザ・ギのゲゲルを開始後】 【状態】青の力を発動中 【装備】なし 【道具】なし 【思考・状況】 1.目の前の二人を倒す。 2.リントの戦士を倒す。 備考:デイバック(中身は通常支給品とスペードのJのみ)は放送局から水族館に続く道の間にあります。 ゴ・ガドル・バは自分にルールを課しているため、抵抗しないただのリントには攻撃しません。 変身は突撃直前にしました。 |019:[[想いを鉄の意志に変えて]]|投下順|021:[[戦士(前編)]]| |018:[[吼える]]|時系列順|021:[[戦士(前編)]]| ||[[ゴ・ガドル・バ]]|028:[[それぞれの場合/NEXT STAGE]]| ||[[本郷猛]]|028:[[それぞれの場合/NEXT STAGE]]| ||[[一文字隼人]]|028:[[それぞれの場合/NEXT STAGE]]|

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