蜂の乱心!!

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蜂の乱心!!


壊れかけた戸に背中を預け、夜の海を眺める青年がいる。
優しげな表情。しかしその瞳の奥には灰色の光が宿っている。
青年、木場勇治が海を見る理由は特にない。ただなんとなく、だ。
本当ならすぐさま移動したかったが影山の希望によりほんの少しの休憩。
変身できない影山は倉庫の中に、オルフェノクとして戦闘能力を有する木場が見張りをするのは当然といえた。
見張りといっても木場自身疲労はあるので飾りに近い。
闇に目を凝らす事も気を張り続けることも億劫になるほどで、だから木場は海を眺めていた。

あと5分ほどしたら移動しよう――

今こうして休んでいる間にも殺し合いが進んでいるかもしれない。
否、進んでいるのだ――と、木場は認識を改める。現に影山は有無を言わさず襲ってきた。
こうして一緒に休息を取れている事自体奇跡に近い。
この奇跡を無駄にしない為にも一刻も早く仲間を集めるべきなのだ。
だが疲労があるのも事実。無理をしては元も子もない。だから、あと5分。

(ってなんだか朝起きたくない子供の言い訳みたいだな…)

言い訳じみた自分の思考に思わず苦笑する。
笑える余裕があるだけ、こうして海を眺める暇があるだけ自分は幸運なのだろう。
ゲームに参加させられた時点で既についていないがそこには目をつぶる。
この幸運を生かしたい。そう思っていた矢先だ。小さな流れ星を見たのは――


障害物のない海上。
夜だからこそ映える光。
そしてオルフェノク特有の優れた五感。
様々な条件が重なり、偶然にも木場には見えた。地上に落ちる小さな、小さな流れ星が。

(流れ星…落ちたのかな?)

最初は木場も珍しい物が見れたな、程度の認識だったが2度3度と同じ現象が相次ぎ流石に気づく。

(あそこで戦闘が起きてる!信じられないけど、流れ星を呼び寄せて攻撃しているとしか考えられない…)

デイパックから取り出した地図をマグライトで照らし、流れ星が落ちたであろう場所を推測する。
その様子を怪訝に思ったのか奥で休んでいた影山も木場の広げた地図を覗き込んだ。

「どうした?何かあったのか?」

影山の言葉を無視して木場は思考する。


(恐らくG-4エリア…オルフェノクの力で駆け抜ければそう時間はかからないはずだけど…)

問題はある。変身制限があるためいつまでオルフェノクでいられるのか。また、どれだけの時間で再び変身できるのか。
そもそも今から行った所で間に合うのか、という根本的な問題もある。無駄に時間を過ごすだけかもしれない。
木場が思いつくだけでもこれだけの問題点があるのだ。だが、それでもなお…

「影山、俺は今から戦いを止めにいく。できれば一緒について来て欲しい」

木場は止めに行く事を選択する。きっと彼なら、乾巧なら無謀な状況でも止めにいくはずだ。

「別に俺はいいけどよ…どこに向かうつもりなんだ?」

そう言われて木場は今から向かおうとしている地点を地図上で指し示す。

「遠いだろ!?それとも何か当てがあるのか?バイクとか、車とか?」
「いや…」

当てはある。バイクや車等といった機械ではなく、最も信頼できる当てが…

(できれば使いたくはないが、今はこれ以上の手がない…)

オルフェノクの紋様を顔に浮かばせ、肉体が灰色の強固な肉体へと変わるのを感じる。
影山の知る木場勇治はいなくなり、代わりにチェスのナイトのような魔人、ホースオルフェノクが現れた。

「この脚で、駆け抜ける」

疾走態となり驚きの表情を浮かべる影山とデイパックを背中に乗せ、ホースオルフェノクは夜の砂浜を駆け抜ける。

ホースオルフェノクに落とされないよう必至に踏ん張りつつ影山は考える。

(実際に変化する所をみると…ワームと大して変わらないんだな、オルフェノクって)

木場から話は聞いており、ワームの擬態等を目にした事があってもやはり人が異形の姿に変化する事には抵抗がある。
抵抗というよりも、恐怖か、もしくは軽蔑といった感情の方が強いかもしれない。

(こいつも人間を欺いたりしてきたのか…?)

不意に、以前シャドウのメンバーに擬態したワームと木場の姿が重なる。
実際には木場は欺かれてばかりの日々だったのだがそこまで理解できるほど影山は木場を知らない。
戦いを止める、というのも偽りか?あの時自分にトドメを刺さなかったのも利用する価値があると判断してか?

(仮にそうだとしても…逆に俺がお前を利用してやる!それが俺の…)

兄のように慕った男から常に言い聞かされてきた言葉を心の中で呟こうとした刹那、わずかに聞こえた爆発音。

「おい、木場!おい!」

木場に伝えようとするが木場は心ここにあらず、といった感じだ。
無我夢中で走っており、今の爆発音も聞こえてないのかもしれない。

(まぁ…いいか。下手に面倒な事に巻き込まれるのもな…ってなんで空が見えるんだ?あ、街。あ、木場、あ、砂…)

「まぁ、こうなる気はしてたけどな…くそっ、いってぇ…」
「俺だって予想はしてたよ…はぁ、せめて制限時間が分かれば終わる頃にスピードを緩められたんだけど…痛い」

顔や腹を抑えつつ、木場と影山は夜の砂浜をとぼとぼと歩く。
制限によりオルフェノクとしての力が唐突に無くなり、全力疾走していた木場は制御できず盛大にずっこけたのだった。
背中に乗っていた影山も例外ではなく受身も取れずに顔面から砂浜へと突っ込み、ちょっと泣いた。
とんだ目にあった二人だが目的地である市街地は既に近く、足の砂浜は砂利道に、砂利道からコンクリートへと変わっていった。

街灯もまばらな街中を歩きつつ、感覚を研ぎ澄ませるが誰もいる気配はない。

「本当に戦闘があったのか、って感じだな。綺麗なもんじゃねぇか」
「見間違いじゃないはず…だけど。もしかしたら別のエリアかもしれない」

別のエリアへ向かおうか、と思っていた矢先に唐突に開かれる視界。
地面にはクレーターのようなものがいくつもあり、まだ煙が燻っている様な場所もあった。

「すげぇもんだな…」
「あぁ、ただ、誰もやられてはいないみたいなのは幸い、かな」
「…すげぇってのは、まぁこの戦いもそうだがこんな市街地奥の戦闘をよく見れたな、ってことさ」
「…何が言いたい?」
「別に?流石オルフェノク、って言いたいだけさ」

二人に嫌なムードが広がる。影山が木場の機嫌を損ねて良い事などないのだが、恐怖を認めたくないためか、つい口が悪くなる。
そう、恐怖だ。このゲームにはこれほどの攻撃を仕掛ける者が。また、その攻撃を凌ぎ切り生き長らえる者がいるのだ。
果たして自分がこの場にいたとしたら、果たして生き延びる事ができただろうか?正直影山にはその自信はなかった。

「ともかく、折角市街地まで来たんだ。誰かいないか探索してみよう」

木場が無理に明るく提案する。この嫌なムードのせいもあるが、木場もまた恐怖していたのだ。

――少し時は遡り、怪人チーム

牙王とゴルゴスを率いて早速研究所へと向かおうとする死神博士に異議を唱える者が二人。

「腹が減った」
「腹が減った」

歴戦の兵、死神博士とはいえ流石にこの言葉には呆れた。

「貴様達、状況がわかっていないのか?」
「うるさい…食いたい時に食うんだよ…俺は」

牙王の言葉に思わず頭に手を当てる。相当の自信家か、あるいはアホだ。

「ワシも血が欲しいのだ。そこの食いしん坊の血でもいいが、できれば若い人間の血の方がいいからなぁ…」
「どっちが食いしん坊だか…血の吸いすぎでそんな身体になったんじゃないのか?」
「これは元々だ!」

牙王も牙王ならゴルゴスもゴルゴスだ。下手に実力があるだけに手が負えない。

「あぁ、わかったわかった。貴様らの言い分を飲もう、と言いたいがゴルゴスよ。
 貴様、血が欲しいと言ったがどうする気だ?」

ここは市街地だ。探せば食料等は見つかるだろうし牙王の方は問題ない。
問題はゴルゴスだ。まさか肉屋を探して生肉から血を絞り取れ、とでも言うのだろうか。

「ふん、適当に参加者か、あるいは死体でも捜してくれるわ!」

別に他の参加者や死体に何しようが死神博士には本来なら関係はない、が。
もしも遠くまで勝手に行かれて合流が遅れる、なんてことになると研究所に向かうのが更に遅れる。
研究所は他の施設より明らかに魅力的だ。今こうしている間にも他の参加者が向かっているかもしれない。
一刻も早く研究所を手中に収めたかった。

「ふむ、30分だ。30分したらこの病院に集合だ。それでいいな?」
「30分!?貴様、このゴルゴス様にそんな縛りを設けるとはいい度胸だな!」
「ハッ…自信がないのか?30分の間に血を補給する自信が…」
「なにぃ!?」

牙王の煽りに思わず感謝したくなってしまった。こう言われてはゴルゴスも引くわけにはいかないはずだ。

「いいだろう!30分したらこの病院前に集合だ、それでいいな!」

案の定ゴルゴスはカッカした様子で夜の街へと消えていく。30分は妥協に妥協をした結果なのだ。
それに文句を言われて下らぬ話し合いを続けられては困り者だったのだが、牙王のおかげですんなりと決まった。
粗暴な割りに誰かを率いていたのかもしれない。牙王は思ったよりも使えるか?

「それより飯だ…コンビニでも探すぞ…」

飯の事しか頭にないのか。一瞬でも牙王を評価した自分を死神博士は恥じた。
『コンビニ』なるものがなんだかわからんがとりあえずは牙王に付いて行く事にする。
そうして歩くうちにふと嫌な考えが浮かんだ。

こんな勝手な奴らが30分という約束を守るのだろうか――

          *   *   *


「遅い!」

病院前で吼えるのは死神博士でも牙王でもなく、ゴルゴスその人であった。
人間の一人や二人すぐに見つかると思っていたため30分という制限を呑んだが結局誰とも会わなかったのだ。
そうして苛立ったまま律儀に約束を守り病院前まで帰ってくれば誰の姿もなく結局待つことにしたのだが…
待つこと5分、10分と経つうちに苛立ちはピークに達した。もはや、限界だ。

「このゴルゴス様が約束をわ・ざ・わ・ざ守ってやったというのに奴らときたら!
 多少まずそうでも構わん!奴らの血を吸ってくれる!」

怒り心頭の赤い悪魔は再び夜の街へと消えていく。
木場と影山がこの場で恐怖するほんの10分前の出来事だった…

――牙王と死神博士がその時何をしていたのかと言えば――

商品棚から目に付いたものを奪い、開封し、食らう。
それこそ弁当だろうがパンだろうがスナック菓子だろうが、見境無く全てを平等に、牙王は食らう。
市街地エリアに存在するコンビニの内の一つに、牙王と死神博士は居た。
コンビニとはこういう店なのか、と納得している死神博士をよそに牙王はさっそく食事を始めた。
どれだけ時間が経ったのかもわからないが、食事は一向に終わりそうにない。本当に食らい尽くす気ではないだろうか?

「呆れて物も言えんわ…」

付き添いの死神博士が飲食したのものといえばお茶一本のみだ。
普通はそうだ。こんな状況で自らの欲望に忠実に従う等どうかしている。
こんな自制できない奴とは本来なら一緒に行動したくはないが状況が状況なのでやむを得ず、だ。
ふと思い出したように時刻を確認してみればゴルゴスとの約束の時間であった。

「おい、それくらいにしておけ。そろそろ動かんと間に合わん」
「知るか…あんな奴いくら待たした所で問題ない…」

そう言いつつ4個目の牛丼弁当を開封し、食らう。
そんな牙王を見て苛立ったが、考え直し予定を変更する。

(今更急いだ所で既に誰かが研究所に居座っている、か…ならば奪えばいい。それだけの事だ)

それならば、と死神博士もおにぎりを開封し、食べる事にした。
約束の時間は既に過ぎていたがもはや気にする事はやめた。

「…美味いな」

予想外の美味さに思わず声に出してしまう。そんな反応を見て牙王はニヤリと笑うのだった。

――こうして、ゴルゴスは無視された――

怒り心頭のゴルゴスは街を行く。
仮に獲物となる者を見つけてもすぐに殺しては腹の虫が収まらない。
じわじわとなぶり殺しにし、生きたまま吸血しながら苦しむ獲物の表情を楽しむのだ。
内なる怒りとは反対にゴルゴスは笑みを浮かべている。楽しみでしょうがない、といったように…


          *   *   *

G-4エリアの探索を終えた木場と影山の二人は次の探索場所を西ではなく南を選んでいた。
というのも影山の一方的な提案であり木場はそれに従っただけなのだが。

影山は木場に伝えていない事がある。砂浜をホースオルフェノクの背に乗り駆け抜けていた時に聞こえた爆発音。
誰かがいるのは明らかだったが、殺し合いに乗った者である可能性がある事を考えると接触は避けたかった。
爆発音の事を言えば木場がそちらへ行こうとするのは容易に想像できる。だから爆発音の事は伏せ南下する意図だけを示した。

そうして市街地を探索し始めてどれだけの時間が経ったのだろうか。
途中で誰かと遭遇する事も、あるいは何かを発見することもなくただ時間だけを消費していた。
気づけば輝く星は見えなくなり、空は白く染まりつつある。太陽が顔を見せるのもそう遠くはないだろう。
探索を切り上げ、二人は海が見える場所で休憩をする事にした。
ここが普通の世界なら恋人達の憩いの場所となるのだろうが…男二人しかいない今では寂しい印象しか与えない。

「はぁ…」

穏やかな海を見つめる木場からため息がこぼれる。
戦闘に間に合うとは思っていなかった。頭ではわかっていたのだが…
それに市街地に来れば誰かしらと会えるのではないか、という期待もあった。
これからどうするべきか。ただここで来るともわからない参加者を待つのか。
ぼんやりと考えていると軽く目眩がした。今更ながらまともに休んでいない自分に気が付く。
どこかでしっかりと休息するべきだな、そう思っていた矢先。


木場と影山は爆風に吹き飛ばされた。
怪我をしなかったのは偶然なのか、それとも相手が狙ってやったのか。
影山の方を見ればこちらもおなじく大した怪我はしていないようだ。
顔を合わせ、お互い頷く。殺し合いに乗った相手なら、やる事は一つだ。
素早く立ち上がりファイズフォンに変身コードを打ち込む。

―――Standing by―――

「来い!ザビーゼクター!」

主の声に応じて飛来したザビーゼクターが右手に収まる。
ファイズフォンを明るくなりつつある空へと掲げ、ファイズドライバーに装着する。
ザビーゼクターを左手のライダーブレスへと装着させる。

「変身!」
「変身!」

―――Complete―――
―――HENSHIN―――

フォトンストリームが木場の全身を巡り黒と銀のスーツを形成する。
蜂の巣を思わせるアーマーが影山の全身を包み込む。
変身が完了し、二人で背後の襲撃者を睨む。
少し離れた場所に『ソレ』は、いた。
巨大な赤い岩に人の上半身が生えた、なんとも珍妙な襲撃者が。

「貴様ら両方仮面ライダーか!面白い、叩き潰して俺様の血肉としてくれるわ!」
「仮面…ライダー?」
「マスクドライダーシステムだから仮面ライダー…か。ふざけてるな」

苛立ちを隠さずザビーがゴルゴスへと突撃する。
左手を振り上げ突き出した時には目の前にいたはずのゴルゴスは消えうせていた。

「何!?」

目標を失いキョロキョロと辺りを見回すザビー。
あの巨体でそう素早く動けるとは思えないが、まさかのクロックアップか!?と考えていると嘲笑う声が空から聞こえた。

「馬鹿が!上だ!」

悪魔の岩石が今にも押し潰さんと迫る。虚を衝かれたザビーは咄嗟に動く事ができない。
このままいけば蜂蜜の代わりに赤い血を撒き散らし蜂の巣はぺしゃんこになるだろう。
だが、ザビーは一人ではない。
後方で様子を見ていたファイズはゴルゴスに浮遊能力がある事を確認すると、
ファイズフォンをバーストモードへと変形させ、赤い光弾をゴルゴスへと乱射する。
ゴルゴスが怯んだ隙にザビーはファイズの元へと走る。

「あぶなかったね」
「お前に助けられなくても対抗手段くらいある。それよりさっさと撃てよ」
「はぁ…わかったよ」

赤い光弾がゴルゴスへと何発も叩き込まれていく。
だが怯んだのも初めのうちだけですぐに体勢を立て直し、ファイズとザビーの元へと突っ込んでくる!

「くっ、なんてタフなんだ!」
「単純にお前の銃が使えないだけだろ…くるぞ!」

ファイズとザビーはそれぞれ左右に転がりゴルゴスの体当たりをかわす。
ゴルゴスは空中で旋回し、動きの鈍いザビーへと狙いを定め再び突っ込む!
こうして何度も繰り返し獲物の体力を奪い、最後にゆっくりとトドメを刺す。
そう考えていたゴルゴスの意に反しザビーは逃げず、立ちふさがるようにゴルゴスと対峙する。

「馬鹿め、受け止めるつもりか?押し潰してくれるわ!」
「言ったろ、対抗手段はあるってな。俺を舐めるなよ!」

右手を左手に装備されたザビーゼクターへと添え…180度回転させる!

「キャストオフ!」

――CAST OFF――
電子音声と共に身体を護っていたアーマーは弾け飛び、ゴルゴスへと直撃する!

「ぐばぁっ!」

予想外の攻撃にゴルゴスは溜まらずザビーから距離を取る。

―CHANGE WASP―
ゴルゴスへカウンターの一撃を加え、ザビーはしてやったり、といった感じに上機嫌だ。

ファイズとザビーは並び立ち、牽制の赤い光弾を放ちつつゴルゴスの出方を伺う。

「えぇい、いい加減うっとおしいわ!」

岩石のような下半身の口からエネルギー弾が発射され、ファイズとザビーを襲う。
二人が先ほどまで立っていた場所には煙が立ち、火力の高さを物語る。

「最初の攻撃もあれか…よく無事だったな、俺達」

改めてゴルゴスの恐ろしさをザビーは体感していた。

一方のファイズはゴルゴスと射撃戦を繰り返している。
ファイズの方は命中力はあるが威力がない。連射して威力の低さを補うがそれでも焼け石に水だ。
ゴルゴスの方は火力があるが命中力がない。元々悪い上に浮遊しながらの射撃だ、まともに狙えない。
飛び道具のないザビーは射撃戦には参加せず作戦を練る。いかにしてゴルゴスに一撃を加えるか。

(もう一度キャストオフしても怯ませるのがやっと。怯むのも…状況によるがあと一度といったところか?
 その一度で決められる強力な一撃が必要だ)

銃撃戦を繰り返すファイズを見つめつつ思考する。

(仕方ない、華を譲るか)

――PUT ON――

先ほどと同じようにザビーゼクターを180度回転させ、元の位置に戻す。
身体の周りを覆うようにアーマーが形成され、再びザビーはマスクドフォームとなった。
そして駆け出す。この作戦にはファイズとの連携が欠かせない。その為の意思疎通を図る為に。

(まだか…!)

ファイズは銃撃戦を行いつつ、待つ。
ゴルゴスが痺れを切らしこちらの攻撃に構わず突撃してくることを。
突撃してくれば先ほどのザビーの再現というわけではないがカウンターの用意がある。
左腰のファイズショットはいつでも取り外せるようにしてある。
今はただ、待つ。こちらの攻撃は補充できるが相手のほうはどうだろう?いずれは弾切れがあるはず。
根気強く、攻撃にも気を配りつつファイズは待ち、そしてその時はきた。
痺れを切らしたゴルゴスが突進してきたのだ。

(よし!)

ファイズフォンをすかさずファイズドライバーへとセットし、ミッションメモリーを引き抜く。
左手にファイズショットを装備しミッションメモリーをセット、『Enter』を押し込む。

――Exceed Charge――

低く構え、左手を後ろに引く。ゴルゴスはもう目前だ。

(もらった!)

グランインパクトが炸裂する!まさにその瞬間ファイズは何かに吹き飛ばされた。
ゴルゴスではない、ゴルゴスに吹き飛ばされたのなら後ろに飛ばされるはずだ。だがファイズは横に吹き飛ばされた。

「大丈夫か!?」

もちろんザビーだ。ザビーの位置からだとファイズショットは丁度死角にあたり、まさかカウンターの用意があるとは思っていなかったのだ。
ザビーのパーフェクトミッションのためにファイズの力は欠かせない。だからファイズを救う為に身を挺して助けたのだが。

「何をするんだ!せっかく攻撃の用意をしてたのに!」
「助けたのにその言い草か!お前の攻撃なんかどうでもいいんだよ!俺の作戦に従えば、それでいいんだよ!」

ゴルゴスそっちのけで言い争いを始めてしまう。その言い争いは熱を帯び、二人の身体はまるで燃え上がるかのように…
否、本当に燃えているのだ。

「な、なんだこりゃ!?」
「液体が、燃えてる!?」

ファイズとザビーの身体には赤い液体が付着し、そこから発火しているのだ。

「馬鹿どもめ!そのまま燃え尽きるがいい!」

そう、ゴルゴスは痺れをきらし体当たりを仕掛けた。だがただそれだけではない。
ファイズが何か仕掛けてくるのは予想できていたため、別の攻撃も同時に行なっていたのだ。
まさに直撃、という瞬間に岩石の口から赤い液体を撒き散らした。
ファイズだけ狙ったつもりだがそこにザビーが自ら飛び込みまさに飛んで火に入る夏の虫となったというわけだ。

火を纏った二人はすぐさま海へと飛び込み、消火する。
海中から抜け出し砂浜にあがるとファイズは膝をついてしまう。
ザビーの方はマスクドフォームになっていたおかげか火炎によるダメージはほとんどない。
だがファイズは直にその火炎を身に受け、もろにダメージを受けていた。
それにまともな休憩をしていないため元々の体力の低下もあり、フラフラだった。

「おい、大丈夫か?俺のパーフェクトミッションにはお前の力が不可欠なんだからしっかりしてくれよ?」
「はぁ…はぁ、わかってる、よ」

砂浜へとあがる最中に既にファイズへと作戦は伝えておりあとは実行に移すだけだ。
ファイズは右足にファイズポインターを装着し、タイミングを計る。

「フラフラのようだな…このままトドメを刺してくれるわ!」

ゴルゴスがトドメの一撃とばかりにファイズへと突撃してくる。
その両者の間にザビーが乱入し、素早くザビーゼクターを180度回転させる。

「まずい!」

ゴルゴスはザビーの意図を把握し、上空へと逃げようとするが…

「キャストオフ!」


――CAST OFF――
二度目のキャストオフは再びゴルゴスへと襲来し、ゴルゴスを怯ませる。

「これしきで…「今だ!」!」

ゴルゴスの言葉を遮りザビーが合図する。ザビーの後ろからファイズが飛び出し、右足から伸びる赤い光がゴルゴスを捕らえる。

「つぁぁぁーーっ!」

円錐状の赤い光とともにファイズはゴルゴスの岩石へと蹴りこんだ!

「ぐぎゃぁぁっ!」

必殺の一撃を受けたゴルゴスはそのまま海へと墜落した。浮かび上がる様子は、ない。

「ふぅ…なんとかなったな。これこそパーフェクトハーモニー…完全調和だ」

自分の作戦が上手くいったことに喜ぶザビーをよそに、ファイズはそのまま倒れこむ。
驚いたザビーがすぐさま支える。

「おい、本当に大丈夫か?」
「ちょっと、キツイ、かな…」
「まったくしょうがないな。まぁ、ゆっくり休め」

ザビーがファイズを支えつつ、二人の戦士は海岸を後にする――


「どこにいくつもりだ…貴様ら…」

背後から、聞きたくなかった声が聞こえてくる。
恐る恐る振り返ると怒りに震えるゴルゴスが海からゆっくりと浮かび上がってきた。
ダメージは確かにあるようだ。岩石にあった顔の一つが今は彫刻の顔のようになってしまっている。

「俺様の顔の一つを潰して…無事に逃げられるとでも思っているのか?」

ザビーとファイズは再び構える、が。ファイズの方はフラフラで、いつ倒れてもおかしくはなかった。
そんな様子のファイズを見てザビーは思考する。

(まずいな…もう一度木場に決めてもらいたかったんだが、この状態だとどうもあと一発が限界か?
 いや、そもそもその一発を決められるかどうか…あの岩石野郎は攻撃しようとすると空に逃げられる。
 空に逃げられないように一瞬でも怯ませられればいいんだが、もうキャストオフは通じないだろう。
 木場にはゴルゴスを怯ませられる手段がない…どうする?)

すぐさま攻撃してくると思っていた二人だがゴルゴスは以外にもその場で両手をゆっくりと何かをかき混ぜるように動かすだけだ。

「何をするつもりだ…?」

「ブラック・オン・ゴォォルド!」

両手を広げゴルゴスが叫ぶ。すると明るくなりはじめた空は暗く…
空だけではない。足元の砂も。はるか彼方の水平線も。ゴルゴス自体も暗闇へと紛れていく。

「な、なんだこれは?」

暗闇。
自分が立っているのか、倒れているのか。現実なのか夢なのかもわからない暗闇。
お互いの姿が見えるのだけが救いだろうか。ファイズとザビーは背中合わせに寄り添い、ゴルゴスの襲撃に備える。
だがゴルゴスの襲撃はこない。ただひたすらに、暗闇だけ。


ファイズは、木場は恐怖する。
暗闇に恐怖する。この暗闇は、自分の心を現しているようで。
過去に何度もこの暗闇に飲まれた事だろうか。その度に抗い、抜け出してきた。
だが、抜け出しただけでこの暗闇は未だに自分の心の根っこの部分に根付いているのだ。
この暗闇の元凶はホースオルフェノクなのだろうか、それとも木場勇治なのだろうか。
自分自身のはずなのに、わからない暗闇。その心の暗闇のようで、木場はこの暗闇に恐怖する。
(俺は…もう二度と飲まれたりしない、絶対に!)
心を強く持ち、倒れそうな身体に鞭打って神経を研ぎ澄ませる。
自分を見ている何者かを、木場は暗闇の中で確かに感じ取っていた。


ザビーは、影山は恐怖する。
心に恐怖する。この暗闇にどこか、安堵を覚えている自分の心に。
何故安堵を覚えるのだろうか。暗闇とは本来恐怖の対象であり、事実今も恐怖しているはずなのに。
有り得ない、確かにこの世界に来る前から失敗を重ねてきた。何も上手くいかなかった。
だから?見捨てられるかもしれない恐怖を味わってきたから、この暗闇に親近感を感じ安堵を覚えるのか?
なら、関係ない。ザビーである限り、誰も見捨てたりはしない。わかっている。わかっているから…
(俺の目の前から、消えろ。こんな、こんな!)
暗闇のどこからか、自分を見ている自分がいるような、そんな錯覚がした。


音も無く、ファイズとザビーにゴルゴスは忍び寄る。
ゴルゴスは生き物とは暗闇を本能的に恐れると知っている。
だからこそ時間をかけ、恐怖でいっぱいになった頃合を見計らい空からザビーとファイズを押し潰そうとしたのだが…
ファイズが咄嗟に支え一瞬ゴルゴスの動きが止まった。その一瞬のせいでザビーも襲撃に気づけた。

「馬鹿な!?この暗闇の中で、こうまで咄嗟に反応できるとは!」

ゴルゴスが驚きと、そしてほんの少し別の感情を込めて叫ぶ。

「俺は、俺は負けられないんだ!戦いを止めるために、こんな所で…!」

ぼろぼろの身体のどこにそんな力が残っていたのだろうか、ファイズは一人でゴルゴスを支えている。

「負けられないんだ!」

ついにはゴルゴスの方が力負けをし、ぶん投げられた。その一撃のせいか暗闇はすぐになくなり、辺りは以前の光景を取り戻す。
そして力を使い果たしたのかファイズも地に伏せる。

投げ飛ばされたゴルゴスはすぐに起き上がるとファイズにトドメを刺さんと再び上昇しはじめる。
その様子を黙ってみている影山ではない。

「木場!起きろ!決めるぞ!」

木場を叱咤激励しつつ左手のザビーゼクターを180度回転させる。

――PUT ON――
3度ザビーは強固な鎧に包まれる。

「キャストオフ!」

――CAST OFF――
すぐさまザビーゼクターを180度回転。3度のキャストオフ。かなりの酷使だが、構っていられない。

「クロックアップ!」

――CLOCK UP――
風も、波も、上空のゴルゴスも、起き上がろうとするファイズも、全ての動きが遅くなる。
キャストオフにより身体から弾き飛ばされたアーマーも例外ではない。ゆっくりと、ザビーから弾かれ飛んでいく。
その弾き飛ばされたアーマーを足場代わりに飛び上がり、ゴルゴスの背後へとたどり着く。

「今はこれで限界、だが充分!」

――CLOCK OVER――
ザビーゼクターを右手で押し込むところで時間は再び流れ出す…


「ふん、今更驚きもせんわ」

サビーの身体から放たれた鎧の破片を手で払いのける。当てがはずれライダーは絶望していることだろう。
ファイズは片膝をつき、こちらを見上げている。そしてザビーは…

「何!?黄色いライダーがいない…!?」
「後ろだ!ライダースティング!」

――RIDER STING――
蜂の針の一撃が、ついにゴルゴスへと向けられた!

ファイズは自分の目を疑った。いや、これも作戦なのだろうか。

ザビーの意図は瞬時に理解した。強引にゴルゴスへと飛び移り、ライダースティング。
そしてその衝撃でゴルゴスは高度を落とすはず、そこへすかさず追撃のクリムゾンスマッシュ。
完璧な作戦。今できる最高の攻撃なのだ。


だから…今落ちてくるべきなのはゴルゴスであり決してザビーではない。


悲鳴をあげて砂浜へと叩きつけられるザビー。その衝撃からか変身は解けてしまう。

影山のスーツの背中には、酷い切り傷が――

(背中…?)

嫌な予感がして、上空のゴルゴスから、陸へ、顔を覗かせ始めた太陽に照らされ、輝く市街地へと目を向ける。
太陽の光を受け、輝く『牙』をもったライダー、そして死神のような男がそこにはいた。

「ふん…約束の場所にいないと思ったら…中々楽しそうな事してるな、赤いの…」
「ゴルゴスだ!えぇい、誰が助けろ等と言った!こいつらは俺様の獲物だぞ!手出しをするな!」
「助けられたのに、随分な言い草だな…」

牙王と死神博士が病院前へと姿を現したのは約束の時間から1時間は過ぎた頃だった。
流石にゴルゴスに悪い事をしたと思い死神博士の提案でゴルゴスの探し始め、ようやく見つけた所がまさにこの時だった。

「赤いの…さっさと終わらせろ…」
「ふん、言われなくても!」

牙王とゴルゴスが言い合いをしているが死神博士の興味はそんなものより影山の周りを飛ぶザビーゼクターへと注がれていた。

(ワシの知らぬ技術のようだな。首輪の解析に役立つかもしれぬ。できれば回収して調べてみたいものだが…)

ファイズは倒れた影山の許へと駆け寄り、抱き起こす。

「おい、影山!しっかりしてくれ!」

何度か揺すると目をあけた。どうやら命に別状はないようだ。

「木場…お、俺は…」

「影山、ここは退こう。すぐに治療しないと」

影山を抱え、すぐにファイズは逃げ出そうとするが…

「逃がすと思ったのか、貴様!」

ゴルゴスが吼える。牙王の方はガオウガッシャーでポンポンと自分の手を叩くばかりでさほどやる気はなさそうだ。
ファイズも影山を下ろし再び身構える。ファイズアクセルが手元に無い事をこれほど恨んだ事はない。

「影山、なんとか…一人で逃げてくれ」

影山はその言葉に素直に頷けない。背中の傷もそうだが、全身疲労によりまともに動けそうにない。
この状況で逃げる事は、不可能。さらに言うならファイズ一人でこの状況を打破する事も、不可能。
生き残りたい、生き残るためには?影山の決断は早かった。

「頼む!俺を、俺を仲間にしてくれ!」

「一体、君は何を言っているんだ?」

木場には理解できない。つい先ほどまで戦っていた相手と、命を奪おうとしていた相手の仲間になる?
わけがわからない、錯乱しているのだろうか。

「頼む!何でもするから!だから、頼む!」

ついには土下座までして頼み込む。木場はどうしていいのかわからず、ただ影山を見下ろしていた。

「…ククク…そうか、そうまでして生き残りたいか…いいだろう、ワシらの仲間にしてやろう」
「死神!こいつは俺様の獲物なんだぞ?どうするか決めるのは俺のはずだ!」

死神博士の提案にゴルゴスが反発する。ゴルゴスの言い分はもっともではあるが。

「ワシはこいつを仲間にする。牙王。お前はどうしたい?」
「…ハッ、好きにしろ…だが荷物持ちがいるのは悪くない」
「1対2。決まりだゴルゴス。諦めろ」
「ふざけるな!」

ファイズは考える。もしかして今のうちに逃げられるんじゃないか、と。
だが牙王だけは視線をこちらから逸らしておらず、容易には逃げ出せそうにない。

「赤ダルマ…お前は俺に貸しがある…その借りを返せ…2倍でな」
「牙王貴様ぁぁ~っ!待て、2倍だと?」
「…こういうことだ」

――FULL CHARGE――
ガオウガッシャーの先端から『牙』が飛び出し、ドリルのように回転する。
ガオウガッシャーを横殴りにするとそれに続くように『牙』も動き、気を抜いていたファイズを切り裂いた。
突然の攻撃に声も出せず、変身の解けた木場はそのまま海へと沈んだ。
「き、貴様!俺様の獲物を!」
「お前の食事に付き合う暇はない…ってことだ」

変身を解き、饅頭を食べながら牙王はゴルゴスを適当にあしらっている。
一方の死神博士は放置されていたデイパック二つを回収し、影山の側へと落とした。

「え、えっと…」
「喜べ、お前は我々の仲間になったのだよ。おめでとう」

座り込んでいた影山の背中の傷を杖でつつく。

「~~っ!」
「そうかそうか、転げまわるほど嬉しいか!」
「は、はい!嬉しいです!」

砂だらけになり、涙目になりながら影山は思う。とんでもない事になった…、と。


状態表


【影山瞬@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:H-4海岸】
【時間軸:33話・天道司令官就任後】
【状態】:全身に疲労。背中に裂傷。ザビーに2時間変身不可。
【装備】:ザビーゼクター、ブレス
【道具】:支給品一式×2、ラウズカード(◆J)、不明支給品(確認済)
【思考・状況】
基本行動方針:生き残り、脱出する。
1:死神博士、牙王に協力するフリをして隙あらば逃げる。
2:ゴルゴスとは二人っきりにならないよう注意する。
3:自分に使用可能な武器・変身ツールの確保。
4:木場、死んじまったのかな…。
※午前1時過ぎの時点でG-2のガソリンスタンドに乗り物はありませんでした。
※不明支給品は彼に戦力として見なされていません。
※木場は死んだものと思っています。

(腑抜けたものよ…)

死神博士は失望していた。ライダーとは、こんなものだったろうか。
命が危なくなれば敵に尻尾を振り、平気で仲間を裏切るような存在だったのかと。
いや、この男だけが格別に駄目なのだ。そう思い込むことにする。

(こいつが知る情報と技術…そうだな、あとは兵隊程度の働きは期待しようか…)

死神博士が影山への視線は、どこまでも冷たかった。

■チーム「死神博士の憂鬱」
【死神博士@仮面ライダー(初代)】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:H-4海岸】
【時間軸】:一号に勝利後。
【状態】:若干疲労、擦り傷程度の傷多数 
【装備】:鞭
【道具】:基本支給品、デスイマジンの鎌@仮面ライダー電王
【思考・状況】
基本行動方針:打倒本郷、及び一文字。この殺し合いをショッカーの実験場と化す。
1:牙王、ゴルゴス、影山を利用して戦いを有利に進める。
2:もし牙王が裏切った場合は、ゴルゴスを焚きつけて潰し合わせる。
3:仮面ライダーを倒す。
4:ゾル大佐?そいつは後回しでいい!
5:首輪を外す方法を研究する。その為にも研究施設へ向かう。
6:影山の情報、ゼクターの技術を可能な限り把握する。
※一文字隼人(R)の事を一文字隼人(O)だとは信じていません。
※流れ星は一戦闘に六発まで使用可、威力はバイクがあれば割と余裕に回避できる程度。
 尚、キック殺しは問題なく使えます。
※変身解除の原因が、何らかの抑止力からではないかと推測しています。


【牙王@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:H-4海岸】
【時間軸】:最終決戦前。
【状態】:健康、2時間変身不可(ガオウ)
【装備】:ガオウベルト
【道具】:マスターパス、基本支給品、ランダム支給品(内容不明)、リュウガのデッキ、コンビニから持ってきた大量の飲食料
【思考・状況】
基本行動方針:全て喰らい尽くした上で優勝
1:おもしろいじゃねえか。
2:クソジジイと赤いダルマと影山は俺の手下だ。
3:煩わしい首輪を外させる。用が済んだら、3人を食う。
4:ガオウライナーを取り戻して村上も喰う。
※会場のどこかに時の列車(予想ではガオウライナー)が隠されていると推測しています。


【十面鬼ゴルゴス@仮面ライダーアマゾン】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:H-4海岸】
【時間軸】:本編13話前後
【状態】:全身に軽い疲労、2時間能力発揮不可
【装備】:ガガの腕輪
【道具】:基本支給品、ランダム支給品(不明)
【思考・状況】
基本行動方針:打倒仮面ライダーアマゾン、主催者への報復
1:この3人(死神、牙王、影山)を利用する。
2:アマゾンを見つけ次第殺す。腕輪を奪う。
3:血が吸いたい。隙をみて影山を襲うべきかどうか。
4:牙王、死神博士に苛立ち。赤いライダー(ファイズ)にも苛立ち。
※岩石の9つある顔のうち一つが潰されました。


気がつくと砂浜の上で寝そべっていた――
確か赤い岩石と戦って、『牙』にふき飛ばされて――
あぁ、そういえば影山は無事だろうか――

戸惑いはしたが、今なら少しわかる。

死にたくなんて、ないもんな――

ふと、右手に違和感を感じて横目で確認すると、ファイズギアが目に入った。

吹き飛ばされて…気失ってたのに…離さなかったんだ――

ファイズギアを握り締めている自分に苦笑する。
これがなければ生き残れない。そう、木場もまだ、死にたくない。

これからどうしよう…えーっと、赤い岩石と牙に死神の…いや、というかここは――

必至に頭を動かそうとするが、動かない。身体も心も、休息を欲しがっている。

寝たらおわり…ってわけじゃないよな…多分――

波の音が疲れきった心に心地よい。そのまま木場は、眠りについた。

【木場勇治@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:H-3孤島】
【時間軸:39話・巧捜索前】
【状態】:睡眠中。全身に疲労。背中等に軽い火傷。ファイズに2時間、オルフェノク態に30分変身不可。
【装備】:ファイズギア
【道具】:無し
【思考・状況】
基本行動方針:主催者及びスマートブレインの打倒、脱出
1:海堂、長田、加賀美の捜索
2:首輪の解除
3:死神博士、ゴルゴス、牙王に警戒
4:影山をできれば助けてやりたい
5:事情を知らない者の前ではできるだけオルフェノク化を使いたくない

037: 投下順 039:太陽背負う闘神
037: 時系列順 039:太陽背負う闘神
007:流されやすい者達 影山瞬 046:かげやまのなく頃に~仕切り直し編~
007:流されやすい者達 木場勇治 049:すべてのうつくしいものから
025:牙と知恵 Devil-Action 十面鬼ゴルゴス 046:かげやまのなく頃に~仕切り直し編~
025:牙と知恵 Devil-Action 死神博士 046:かげやまのなく頃に~仕切り直し編~
025:牙と知恵 Devil-Action 牙王 046:かげやまのなく頃に~仕切り直し編~

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