太陽背負う闘神

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太陽背負う闘神


 木々が生い茂る森林の中、それらとは不釣合いな程丁寧に舗装され、耐久力を増している道路を進む男が二人。
 緑と緑の間を縫う様に吹き抜ける風の心地よさも相まって、平時ならばこれ以上無い散歩のコースと言えるかも知れない。
 だが今現在、彼らにはその様な猶予など持ち合わせていない。
 何の為、誰の為に戦うべきなのか。戦いという行為自体正しいものなのか。
 この森に足を踏み入れる前と同じ思考を、正面から見て右側の青年――加賀美は再び巡らせていた。
 簡単に答えが出る筈も無い。それでも一つだけ、自信を持って自分自身に言い聞かせる事が出来たことがある。
 ――この戦いは、絶対に阻止しなくちゃいけない。
 (天道だってそう思っている筈だ……)
 時には協力して困難を打ち破り、時には対立して全力でぶつかり合う。そうやってここまで来た戦友ならば、間違い無くこの様な戦いは認めない。
 その確信を幾度と繰り返し胸に潜め、森を練り歩く加賀美。
 一方左側、100人見れば100人が人外と判断するであろう特徴的な黄金の顔に、黒装束の大男――デネブは、舗装路から逸れると樹木の根元を掘り出した。
 「またかよ……」
 加賀美は思わず溜息をついた。二人が出会った山を下った時に始まり、この森でもただひたすらに食材を捜し求めるデネブ。
 この様な局面でも堂々と見せるその食への執着振りに、加賀美は一人の青年を思い出さずにはいられない。
 「あれだけ山で採ったんだから十分だろ」
 何を今更、といったタイミングで遂にツッコミを入れる加賀美。
 「もし侑斗が誰かと一緒にいたら、あれだけじゃ足りなくなるかも知れないじゃないか!」
 二度目の溜息をつく。更に間もなくして、大きな欠伸が押し寄せて来た。左手で口元を覆いつつも、大きく開けた口でゆったりとした吸息。それに続けて、やや短めの呼息。
 連動する様に分泌された涙を拭い、次いでこの場を歩いている事実に激しい後悔の念にかられる加賀美。
 たまたま辿り着いた駅から西南に広がる森林地帯。その存在をぼやかなければ、デネブがそれを聞きつけなければ、今頃彼らは駅でゆっくりしていた筈だったのだ。

 ――――電車が6時から運行を開始し、水族館と大学へ通じることを知った二人だが、どちらへ向かうかで意見が分かれた。
 「水族館に行こう!加賀美!!」
 「いや、何でそうなるんだ……」
 「魚を侑斗に見せるんだ!」
 加賀美は頭を抱える。ここにその人物がいないと言うのに、水族館へ行ってどうするというのか。
 大体、今は水族館見学などしている場合では無い。そう断言する加賀美だが、デネブは中々納得しない。
 「加賀美こそどうして大学の方へ行きたいんだ?」
 「そ……それは」
 いざ聞かれると咄嗟に言い返せないのが加賀美である。
 「き……北にある大学や研究所になら、脱出しようとする他の人達が集まっているかも知れないだろ?」
 ぎこちなく並べられた言葉で、デネブを止めることなど不可能である。
 「他の人なら街の方が多いに決まっているだろう、加賀美!!」
 (街つっても脱出や仲間集めに役立つような施設は……)
 マップで市街地に点在する施設を眺めるうちに、「放送局」の三文字を目にする加賀美。
 放送局の電波塔をジャックし、自信に満ち溢れた名乗りをあげそうな男の事を心にしまい込みつつ、再びデネブとの口喧嘩を続けていく。

 それが収まったのは5分位後のことだろうか。二人が同時に時刻表の張り紙に再び目を通し、6時から水族館、大学の両方から列車が彼らの元へやってくることを知ったからである。
 始発から30分後に到着する二本の電車に、彼らは期待することにしたのだ。

 「そうなると、結構時間あるよなぁ……」
 それまでの空き時間に仮眠でもとろうか、と加賀美が考えた直後。

 『電車が動くまではまだ時間があるから、その森に行こう、加賀美!!もしかすると侑斗がいるかも知れない!!!』
 ぼやきをしっかりと聞きつけたデネブに押し切られ、現在に至る。

 (それにしても……)
 視界の隅で黙々と地面を掘るデネブに向けて。
 「どんだけ採れば気が済むんだよ!」
 動きのキレを増し続けるデネブの後姿に、加賀美は恐怖を覚えるのだった。
 そんな主の思いを理解したのか、ガタックゼクターがデネブの後頭部を小突き始めていた。


 この場所から一刻も早く離れた方が良いのは間違い無いことだ。
 面識のあるオルフェノクと遭遇し、それを生かしたままにしてしまった。
 もし奴と再び見えれば、あの男は何を仕出かすかが本当に読めない。
 自分がオルフェノクだなんて気付かれたら最後、少しずつではあるが確実に積み上げられて来ている真魚の信頼も一瞬で崩壊するだろう。
 最後の最後まで、彼女には自分を信じてもらわなければならない。
 そう、少なくともその瞬間までは、彼女は俺の物で無くてはならないのだ。
 ……と、ここに来て今の自分が考えていることが、もっとも憎たらしいあの失敗作が既に世に無い少女へと向けていた感情に近いものだと気付く。
 そう思うと嫌気が差して、腰に巻いてあるベルトを地面に叩きつけたい衝動に駆られた。
 しかし、その思考はあっさりと停止させられる。
 「…………澤田……くん?」
 ベルトを剥ぎ取ろうとした右手の動きが止まり、憎しみで満ち溢れているであろう自身の表情を必死で抑えつける。
 見せ掛けの笑顔を急いで作ると、何も無かったかの様に自身に追従する少女へと振り返る。
 「どうしたの?風谷さん」
 「さ……澤田くん、なんか怒っているみたい……だったから……もしかして、私のせい……なのかな…って」
 どうやら背後からもハッキリ感じとれるレベルだけの怒気を発していた様だ。
 笑みを決して崩さない様に気をつけて、真魚の瞳に焦点を合わせる。
 「いや……殺し合いを楽しんでいる化け物達が、風谷さんみたいな何の罪も無い人を襲って来ると思うと、つい腹が立ってね」
 徐々に言葉を強くしながら、真剣な顔つきへと切り替える。自分も「化け物達」の一人なのだが。
 「そんな心配してくれたなんて……ありがとう」
 単純だ。良い意味でも悪い意味でも、心の透き通った連中と生活して来たのだろう。

 「あ……あの」
 「まだ何かある?」
 動かしかけた足を止め、再び応対する。
 「えっと……その……名前で呼んでもらえますか?」
 名前で呼んでくれる人が誰もいないこの環境が辛いのだろう。
 自分がこの場において絶対的な信頼を得ている事実を把握しながら、僅かに微笑んでやる。
 「分かったよ……真魚ちゃん」
 歩き出すが、先程までと明らかに変化した一点に気付く。後ろから聞こえる足取りの軽さだ。
 少しは精神的な負担を軽くしてあげられたのだろうか。
 ……少なくとも、自分への信用が確固たるものになったのは間違い無い様だ。
 目の前に広がる目的地を見渡す。溢れるばかりの緑の中に、必ず非力な参加者がいる。
 それを討てば、直に放送が流れる筈だ。自分が目標へ向かって着実に前進している事実を、一刻も早く噛み締めたい。
 そう思った時には、既に森林へと足を踏み入れている自分がいた。


 森林内を探索し始めて、既に一時間以上が経っている。
 既に中央より北東、このエリアを抜けると駅前へ出てしまう。
 予め村上から聞かされていた通りなら、始発が午前六時。三十分後には大学と水族館を発った列車が到着する筈だ。
 携帯に記された現在時は05:40。誰かしら列車を利用しようという奴がいてもおかしくは無いが――

 「――………!………!」

 思考中の脳へと飛び込んで来た一筋の絞られた怒声らしきそれが、近辺に参加者がいることを示した。
 急いで背後に目をやる。真魚はきょとんとした顔でそれに反応。まだ気付いてはいないらしい。
 五感発達というオルフェノクの特性のおかげで自分は気付くことができたという訳だ。
 これを逃す訳にはいかない。真魚に声を掛けておく。
 「誰かがこの先で戦っているみたいだ。しばらくここで待っててくれ、真魚ちゃん」
 少しだけ深刻ぶった顔をして、そう伝える。次の瞬間には、デイパック片手に走り出す。黙って待っている娘では無いのは分かっている。
 ある程度の時間が経っても自分が戻らなかったり、大きな物音を聞いたりすればすぐに動き出すだろう。
 だからその前に終わらせる。こんな場所に潜んでいる参加者など、たかが知れている筈だ。


 そう念じながらたどり着いた先にいた参加者は二人。ごくごく普通の社会人に見える男と、人間のそれとは違う顔付きの大男。
 海堂直也といい、奇妙な人外と共闘するのが人間や人であろうとする参加者間で流行っているのだろうか?
 それなら自分と真魚が組んで――いや、一緒にいるのも納得がいく。
 自分は人間では無い。木場勇治達の様に人間の心を持っているつもりも無い。
 人間と異形の組み合わせという点なら共通という訳だ。
 もっとも、あのモグラやこの大男と同じ土俵で扱われたくは無いのだが。

 「君も参加者なのか?」
 「……ああ」
 よくもまあ平然と聞いてこられる。少々呆れながら、ポケットからカイザフォンを取り出し、上部を百八十度回転させる。
 「君、桜井侑斗って男の子を知らないか?侑斗は…………」
 敵である参加者にこの質問。まだ自分の様な殺し合いに乗った人間とは会っていないのか。
 更に「さくらいなんとか」とやらの紹介を始める大男。理解に苦しむ行為だ。
 カイザフォンにコードを打ち込む。腰に装備済みのベルトを見てか、相手も意図には気付いた様だ。青年の方が口を開く。
 「ま、待ってくれ……」
 話し合いたい、とでもいったところか。しかし待つつもりは毛頭ない。
 「変身……」

 ――Complete――

 体中を駆け巡る黄金の光線、次いで強化スーツに包まれる感覚。慣れると悪くはない。
 右腰に手を延ばし、ブレイガンを引き抜く。メモリーを差し込み、黄金の光刃を形成させた。
 「俺達に、戦うつもりなんて無いっ!」
 「だったら、さっさと死んでくれ」
 話を聞くつもりも無ければ、暇も無い。ブレイガンを振り下ろそうとするが、
何処からか沸いてきた青い物体に阻止された。
 「加賀美、逃げよう!」
 「デネブ、お前は先に逃げろ。俺は後から追う」

 大男の方の提案に対しそう返した、意を決した表情の青年の掌中に収まる青。そのフォルムは鍬型虫を彷彿とさせた。

 そして腰にはベルト。……昆虫型のメカにベルト……

 まさか――
 「変身っ!」

 電子音に続いて鎧が相手を包む。この光景を目にするのは二度目だ。
 この島で最初に刃を交えたあの男。奴も付き従えていた昆虫――兜をベルトへと装備して変身していた。
 そして眼前に立つ存在。腰部、カラーリング等を見た限りでは、奴と対を為す存在としか思えない。
 もし実力も同程度ならば、普通にぶつかっては分が悪い。本気を出す前に潰すしか無い。
 「で……でも……」
 見かけと声に似合わない大男の反応を耳にしながら、カイザフォンのEnterキーをタッチする。
 ――そこで動作を終了、足元の爆風から後方へ逃れる。
 爆風の主は敵の両肩に固定されたキャノン。紅い奴が持っていた銃とは桁違いの威力だ。
 爆音のお陰でチャージ音が気付かれなかったのは幸いだった。
 「クロックアップならすぐに追いつける、早く行けぇ!」
 後退して行く大男。囮になるつもりらしいが、すぐに終わらせる。ブレイガンのトリガーを引き、光の着弾を確認。
 ブレイガンを振りかぶりながら駆ける。自身が光へと溶け込んでいく感覚の中、腰の鍬型へと懸命に右手を動かす敵の姿が目に入る。
 そのアクションが示す意味を理解。――間に合うのか?

 ――間に合え。

 ――――間に合え。

 (――――――間に合えっ!!)

 ――Cast Off――

 黄金と化していた体は元の漆黒に戻り、装甲諸共吹き飛ばされた。


 「変身っ!」
 加賀美新は、右手に掴んだガタックゼクターを、迷い無くベルトへと叩き込む。

 ――HENSHIN――

 ベルトを起点に形成される鋼の鎧が、加賀美の体を包む。
 両肩に二門ずつ装備された砲口――ガタックバルカンは、今にも砲撃を始めんばかりに唸りを上げている。
 「で……でも……」
 走り出せないデネブ。敵を目の前にして、仲間を置いて逃げることなど彼にできるだろうか。
 ガタックは力強く肩を張り、足腰は踏ん張りを利かせる。同時に咆哮を上げ、放たれる光弾。
 それに合わせ、澤田――カイザは後方へステップ。僅かに生まれた隙に、ガタックが叫ぶ。
 「クロックアップならすぐに追いつける、早く行けぇ!」
 デネブはようやく理解する。加賀美が自分を先に逃がそうとしたのかを。
 山中でデネブが彼から聞いた話の中に「クロックアップ」がある。
 彼の所属する組織であるZECTが開発したライダーシステム。その特徴の一つ、超高速移動を可能にする機能。
 確かにその機能を使えば後からでも追いつく事が可能だ。
 「わ……分かった」
 ほんの僅かな時間、デネブが退いていくことを認める為にガタックは後方を振り返る。その一瞬が命取りだとも知らずに。
 カイザブレイガンから放たれた光弾が、ガタックの体をその場に固定する。
 ブレイガンを振りかぶりながら光と化したカイザが、ガタックへと迫る。
 この局面を脱する方法が一つしか無いことに、ガタックは気付く。
 右手を滑らせながら、ガタックゼクターのホーンに指を掛け。
 (――――間に合え!!)

 間髪置かず、反対へと倒されるホーンに連動する電子音。
 ――Cast Off――

 雄雄しく競りあがる二本の角。輝くのは鮮やかな蒼色。
 ――Change Stag Beetle――

 四散した装甲は大気を震わせ、光と化した十字の騎士をも吹き飛ばす。
 「――ッ……!」

 ガタックの背を、姿を現したばかりの太陽の放つ木洩れ日が照らす。
 まるで親友を見守るかの様に、だ。
 「闘いの神」。そう呼称されるライダーが纏うのは、青空の如き澄み渡った蒼。
 青空――ある時は太陽と共に輝き美しき夕日を再現し、またある時は漆黒の闇となって太陽と真逆の道を進む――即ち、太陽に唯一対抗し得る存在である。
 太陽の視線を背中に受け止め、両肩から二振りの曲刀――ガタックカリバーを取り出す。
 吹き飛ばされたカイザが立ち上がり、ブレイガンから光弾を連射する。
 果敢に飛び込むガタックの握るカリバーがそれらを立て続けに叩き落し――
 「うりやぁぁぁぁあ!」
 カイザの眼前で跳躍し、両刀に時間差を与えた上で続けて振り下ろす。カイザはブレイガンを斜めに構え、その連続攻撃を捌ききり――
 ――否。先に弾かれた右手の一本――プラスカリバーが弧を描き、カイザの左側へ突き進む。そのまま、防御が間に合わなかったことを示す火花が、左腹部から飛び散る。
 着地した次の瞬間には、正面から切り込むガタックが、再びカリバーを振るう。
 再度飛び散る火花。今度は左のマイナスカリバーがカイザの装甲を切り刻んだのだ。
 一見荒削りで、隙が多く見えるガタックの攻撃。だがカイザに、澤田にとって、その攻撃パターンは予測し難いものがある。
 目の前の敵――ガタックと、同タイプのライダー――カブトが、これと真逆の洗練されたカウンター・スタイルで戦闘を行っていたのも大きい。
 そのギャップがカイザを苦しめ、短期間で両者の優劣を決定的なものへしようとする。
 カイザがそれを認められる筈も無い。メモリーをブレイガンから抜き取り、光弾で足止めをしている間に背部のポインターに差し込む。
 足首へとポインターを取り付けたところで腰部のカイザフォンへコード入力を行おうとする。が、ここまでの動作を無事に行えた事の方が奇跡なのだ。
 腰へ伸びるカイザの手の動きを断ち切るかの様に電子音声が鳴り響く。

 ――Clock Up――
 次の瞬間にはガタックが消えていて、

 「何っ……!?」
 体中を駆け巡るのは鋭い痛覚。

 ――Clock Over――
 その痛みの中で、ようやくガタックの位置を把握するカイザ。
 真後ろ、だ。何か別の動作に入るつもりだったらしく、両肩にカリバーが戻されている。加えてガタックの明らかな動揺が見て取れた。
 (これも首輪の制限……か)
 何れにせよカイザにとって最大の好機であることは間違い無い。振り向きざまに右拳、一歩踏み込んで左脚を連続で叩き込む。
 防ぎきれず、樹木に叩き付けられるガタック。すかさずカイザフォンにコードが入力される。

 ――Exceed Charge――
 黄色のライン上を、ベルトから発生した黄金が伝わっていく。


「クロックアッ…………」
 左腰をタッチしようとする動きは、形振り構わず乱射されたカイザブレイガンに阻止される。

 (――回避できないなら、受け止めるしか無い!!)
 正面からぶつかることを決意したガタック。
 プラスとマイナスの両カリバーを組み合わせ、構成された重ね鋏にエネルギーが満ち溢れる。

 ――Rider Cutting――

 覚悟を固め待ち受ける鋏の正面に突き刺さるのは、黄金の円錐。
 「…………フンッ!」
 忌ま忌ましい出来損ないの動きを模造するかの様な跳躍。
 カイザの両足が揃えられ、先端に輝きを帯びながら円錐を押し込もうとする。

 カリバーを構えているガタックの両腕には大きな負荷が掛かる。
 激突し合う円錐をカイザが押し込んだからだ。

 飛び込んだカイザの脚部を襲う負担。
 円錐を押し込んだことで対抗する一撃の重みを直接感じたのがその原因だ。

 二つの必殺技のぶつかり合う境界面ではスパークが発生し、場の空気を震わせ続ける。
 数秒の激突が引き起こす輝きは、その僅かな時間が永遠に続くことを望ませる程に美しい。
 が、美しい物が長続きすることが許される試しは無い。
 「うりぃやぁぁぁぁぁぁ!!」
 ガタックという仮面を通して辺りへ伝わる加賀美の叫びに次いで、円錐諸共カイザが吹き飛ぶ。
 カイザが地面に叩き付けられると、その衝撃でカイザギアが弾け飛び、澤田の苦痛に歪む表情が露になった。


 「もうこんなことは止めてくれ!ライダー同士殺し合う必要なんて無いっ!!」
 澤田にとって幸運だったのは、ガタックがこれ以上の追撃を加える気が無いにも関わらず接近してきたことだ。
 この距離ならば、澤田は首輪を狙えるのだ。完全に戦闘能力を奪ったと思い込むガタックに微笑みかけると、澤田の顔が、体が、変化を開始する。
 オルフェノクの力を使うのに不安が無いタイミングという訳では無い。しかしこの機会を逃せば、澤田が獲物を仕留めることは叶わない。
 何せ、まだガタックは変身制限の半分も消費していないのだ。カイザギアを使用させる様な状況は作り出せない。

 決意を固め一瞬で変化を完了したスパイダーオルフェノクの姿に、ガタックの動きが止まる。
 「灰色」の怪人を前にして。

 スパイダーが起き上がりながら右手で得物を突き出す。言うまでもなく狙いは首輪だ。
 無理矢理それを剥がそうとするのと同様の衝撃を首輪に与えることで、誤作動を狙っているのだ。
 「――――ッ!」
 軌道から、狙いが首輪であることにガタックも気付く。
 明らかな違和感を感じさせたクロックアップの件も含め、普段の自分との相違点――首輪に危害が加えられる危険性を察知したガタックが身を捩る。
 狙いこそ外れたものの、盛大な火花を散らしガタックが後ずさる。
 そこへ逆袈裟の型で切り付けるスパイダーの一撃に、遂に倒れ込むガタック。
 一歩ずつ近づくスパイダー。しかしその獲物が、倒れたままで突然横を向く。
 スパイダーとガタックの視線の先に浮かぶ答えは、一つだった。
 ――肩で息をしながら、驚愕した表情でスパイダーを見据える少女。
 それがガタックの砲撃音に釣られてやって来た風谷真魚だとスパイダーが気付くより早く、彼女がその場に倒れ込む。

 立ち上がったガタックが、真魚に近付こうとするのを認めて間もなく、スパイダーが飛び掛かった。
 ガタックからすれば、人助けを妨げられた結果となる。
 怒りに燃えて再び握ったカリバーでスパイダーの得物をたたき落とすと、二条の孤を描いて複数回切り付ける。
 スパイダーの倒れ込んだ位置は真魚の手前。
 (手は出させない!!)
 力強い決意と共に、ゼクターのボタンを一回、二回と親指で叩くガタック。
 そのタッチが三回目を迎えようとした瞬間。

 『かがみいいいぃぃぃぃ!!!』

 拡声器による増幅声。声の主は言うまでもない。デネブである。
 (最初から罠だった? それとも、別の参加者か?)
 いくつかの考えが浮かんでは消え、その間にスパイダーの変身が解ける。
 ガタックが動作を再開しようとして間もなく――それを断念した。
 見てしまったのだ。少女の前に懸命に立ち塞がる少年の姿を。そしてそれに、一つの姿が重なる。

 ある少女を守ろうとそれまで見せてきた「完璧な強さ」をかなぐり捨て、彼女を守ることを叫びながら誓う端麗な青年の姿だ。

 眼前の瞳に宿る秘密――澤田の真意をガタックは知らない。
 彼が自分や仲間を襲ったのも加賀美にとっては揺るぎ無い事実だ。
 それでも確信する。目の前の男が少女を襲うことは無い、と。
 腰のボタンに手を添えて、高速移動を開始するガタック。
 自分が無責任な奴だと加賀美は思う。
 それを心の隅に寄せて、全力で疾走する。大切な仲間を、守る為に。


 日の出により深淵から解き放たれ、本来の生命感溢れる姿を取り戻した森の中を歩く異形、風のエル。
 身体の各部には激戦の証である傷跡や、戦利品であるこびりついた人間の血液が生々しく輝く。
 森の雰囲気は、エルにとって決して悪いものでは無かった。
 エルの愛する主。彼の眠る聖域にどこと無く似ているのだ。
 しかし血の味を覚えたエルにとって、生命の息吹を吹き込まれただけの空気の味はとても薄いものだ。
 エルは満足出来ず、新たな血を求める。それもただの血では無い。

 ――片腕をもぎ取られても、最後まで悪に屈すること無く立ち向かった人間、立花藤兵衛。

 ――劣勢の中でも決して退かず、鋭い牙でエルの身に深い傷跡を残したアギトの一種「ギルス」。

 純粋な力量だけでは計れない彼らの「強さ」。
 それを持つ参加者達を紅く染めて得られる「命」の輝き。
 望む血液の条件に見合う参加者を探し、エルは徘徊を続ける。
 最後の血を啜っておおよそ二時間が経過していた。
 ――そんなエルに、好機が訪れる。


 「…………ハァ、ハァ……加賀美、大丈夫かな……」
 人間のことを心配する台詞とは余りにもミスマッチなその風貌。
 ガタックとカイザの戦いから離脱してきたデネブであった。
 舗装路とはいえ、二人分のデイパックを抱えての全力疾走。
 流石のデネブでも疲労の色は隠せず、足をその場に落ち着かせる。
 三、四本離れた木陰に潜むエルが笑う。その血が魅せる味を、楽しみにして。
 手の甲に、もう一方の手先で描かれる印。横、斜め、横――Z字型に刻まれたそれが、狂喜の再開を示す合図となった。
 木陰から飛び出し、文字通り風となる。デネブが足音に気付いた時には、舗装路に踏み込んだエルが、自慢の爪を振るっていた。
 「……ええっ、うわっ!!」
 突如現れた爪に必死で身を捻るデネブ。デイパックからは、彼の集めた自然の幸が零れだす。
 なんとか間合いをとって、指先からマシンガンの如く銃撃を行うデネブだが、
 狙いの定まらない射撃でエルを正確に捉えることは出来ず、良い様に弄ばれるだけだ。
 デネブが突き飛ばされると、デイパックの中身が次々と散乱した。
 その中には、デネブが加賀美と出会うきっかけとなった拡声器の姿もある。
 (あれで……)
 加賀美に助けを求めようか、などと考えるデネブだが、考えを改める。
 余計な心配をかければ、それを原因にガタックが敗れ去るかも知れない――。
 また下手に拡声器を使えば、別の危険な参加者をおびき寄せてしまうかも知れない――。

 ほんの僅か、それでもデネブには長く感じたその時間。考えた一つの手段を実行に移す。
 指先からの射撃でエルを威嚇し、拡声器に走る。
 デネブが話すと決めた言葉は、「加賀美、こっちにきちゃ駄目だ」。
 勢い良く掴んだ拡声器のスイッチを入れ、大きく息を吸う。
 「かがみいいいぃぃぃぃ!!! こっちに……ってうわあぁぁぁぁ!!」
 エルが最後まで叫ばせる筈も無かった。加賀美の名を叫んだ時点で拡声器は弾き飛ばされ、デネブも続け様に突き飛ばされる。
 (は、早く続きを言わないと)
 しかし拡声器はエルを中点としてデネブの正反対。再び手にするのは絶望的だ。
 ……もっとも、叫びきったところで離れた場所のガタックが起こす行動に変わりは無かっただろうが。
 エルは笑いながら倒れたデネブを蹴り飛ばす。仰向けに、俯せにされては転がされるデネブ。
 しかしエルに止めを刺すつもりは毛頭ない。あくまでも獲物の「強さ」を見なくては、その血に価値が無いからだ。


 スローモーションで吹く風、それに揺れる木々の枝葉が、一秒毎に輝きを増す太陽の光に照らされた塵さえもが、走れと呼び掛けている。
 そのエールに答えながら、ガタックは走り続けていた。
 疲労の蓄積が、数歩毎に動きを鈍らせている。通常より早い電子音声に合わせて戻った時の流れは、精神的にガタックへと揺さ振りをかける。
 (間に合うのか……)
 いや、間に合わせなければいけない――そう刻んで足に鞭打つ。
 ほんの数分の疾走が、マラソンを走っている気分にまでなってしまう現状が、加賀美には辛くて堪らない。


それでも止まらなかった彼への褒美だろうか――――やがて加賀美の視線の先には、未知の異形と、それに甚振られるデネブの姿が。
 生きていてくれた――復活を遂げる気力に身を任せ、加賀美が仮面を通して叫ぶ。
 「デネブーーーーーーッ!!」

 「か、加賀美……なんで……」
 お前が呼んだからだろ、という心からのツッコミを抑え、ガタックがゼクターのボタンを連打する。



 ――ONE――
 戦いを必ず止めることと、

 ―――TWO―――
 殺し合いを続ける「悪」を討つことと、

 ――――THREE――――
 罪無き存在を守ることを誓って。

 「ライダーキック!!」
 そして仲間を――デネブを救う為に、

 ―――――Rider Kick―――――
 闘神が、跳躍した。


 「何だと……」
 エルがデネブから足をどけ、両腕を重ねて防御態勢に入るよりも、早く。
 「ハァッ!!」
 渾身の一撃がエルの左側面へと叩き込まれ、その身をスパークさせる。
 その隙にデネブがエルから離れると、ガタックがカリバーを両手に構え、斬撃を浴びせようとする。
 「旨い……血を……ヨコセ」
 強き者を認めたエルが、強風を巻き起こす。堪らず吹き飛び、倒れ込むガタック。
 そのまま至近距離へと接近し、洗練された爪を先頭に右手で脇を突こうとするエル。それを前にして、ガタックの身に異変が起こる。
 「何っ……うっ……」
 電子音を鳴らしベルトを離れるガタックゼクター。続けて、叫ぶ間もなく加賀美の脇腹に突き刺さる手刀。
 それをエルが抜き取ると、合わせる様に加賀美が俯せに倒れた。長い十分が終わりを迎えたのだ。
 「僅かの間だが楽しかった……シネ……ッ――」
 爪を口元に運び、笑いながらそれを舐めるエルを背後から襲う衝撃。
 ようやく戦線に復帰したデネブの指先から一斉に行われた射撃である。
 無防備に振り向いたエルに次々と突き刺さるデネブの想い。その内のいくつかが、一際大きなエルの悲鳴に似た叫びを引き出し、その場から立ち退かせる。
 ただの直撃ではこの様な結果は引き起こせない。
 「いくつか」の着弾地点。それらはギルスの牙によって傷付けられたり、クウガのボウガンが撃ち抜いた部位であった。
 間接的とはいえ、二人の仮面ライダーがデネブ達を救ったのだ。
 勿論、デネブはそれを知りはしないのだが。

 「よ…よく分からないけど、今の内に加賀美を……」
 あの銃撃でエルが去ったのはデネブにも予想外の展開だった。
 応急処置を済ませると、顔を近付けながら加賀美に問い掛けるデネブ。
 「加賀美……動けそうか?」
 「あー……ちょっとキツイ」
 「よし、だったら……俺に任せろ!!」
 「え……って、痛い、痛い!!だから肩に担ぐなって!!」
 「駅に戻るまでの辛抱だ、加賀美。少し頑張れ」
 これ以上言っても無駄だと理解した加賀美は、おとなしくデネブに身を委ねることにした。
 日の出まもない太陽に加賀美は誓う。
 「俺なりのやり方で戦いを止めて見せる」と。

 ――それで良い。お前は、お前の道を進め――

 太陽から聞き慣れた声が加賀美の耳を打つ。声の主との合流が近い印だと明るく考えるが、それは叶わない願いだ。


 午前五時五十五分。加賀美はまだ、現実を知らずにいた――


状態表


■チーム「おかあさんといっしょ」
【デネブ@仮面ライダー電王】
【1日目 早朝】
【現在地:D-9 森林部北東出口付近】
【時間軸】:28話開始時辺り(牙王戦終了辺り)
[状態]:中程度の疲労。体全体に小規模の負傷。 二時間能力発揮不可。
[装備]:拡声器 (損傷度合いは未確認です)
[道具]:基本支給品一式 ファイズアクセル 不明支給品x1
[思考・状況]
1:駅に戻って加賀美を手当てする。
2:加賀美とともに、殺し合いに反発する仲間と合流(侑斗優先)
3:牙王の名前がある事に疑問
【備考】
※能力発動時以外は指からは一切の銃弾類は出せません。また、その事に気づいていません
※朝穫りたけのこと山菜はちゃんとデイパックに収まりました。新鮮です。
※拡声器による発言がD-9エリアに響きました。別エリアに届いているかは不明です。


【加賀美新@仮面ライダーカブト】
【1日目 早朝】
【現在地:D-9 森林部北東出口付近】
[時間軸]:34話終了後辺り
[状態]:大程度の疲労。脇腹に刺し傷。ガタックに二時間変身不能。
[装備]:ガタックゼクター、ライダーベルト(ガタック)
[道具]:基本支給品一式 ラウズカード(ダイヤQ、クラブ6、ハート6)不明支給品(確認済み)2個。
[思考・状況]
1:駅で手当てをする
2:デネブとともに、殺し合いに反発する仲間と合流、スマートブレインを倒す。
3:なんで変身が……?
[備考]
※デネブが森林内で勝手に集めた食材がデイパックに入っています。新鮮です。
※首輪の制限について知りません。

※友好的であろう人物と要注意人物について,ある程度の見解と対策を共有しています。
味方:天道総司、桜井侑斗(優先的に合流)
友好的:風間大介、影山瞬、モモタロス、ハナ(可能な限り速やかに合流)
要注意:牙王(警戒)



 「血だ……血だ……」
 風のエルは歓喜する。少量ではあるが新たな血を得たこと。
 仲間を想う「強さ」が、血を極上のものへと仕立て上げるという事実を知ったこと。
 全力で戦える間隔も掴めて来ていたエル。次に狙う獲物の条件は――ただ一つ。

 【風のエル@仮面ライダーアギト】
【1日目 早朝】
【現在地:E-9 森林部D-9との境】
[時間軸]:48話
[状態]:頭部にダメージ。全身に大程度の負傷・行動原理に異常発生。二時間能力発揮不可。血の味を覚えた。アギトの力に畏怖。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式 不明支給品(未確認)1~3個。
[思考・状況]
1:優勝して還る。
2:「仲間」を持つ「強き者」を狙う。
3:帰還した時には、主に未知の力を報告。
4:人を殺すことに、快楽を覚えた。
5:アギトの力、及びそれに似た力を持つ者との戦闘は避ける。
[備考]
※デネブの放送は距離と精神的動揺から聞こえていません。
※首輪の制限時間について考え始めました。



 風谷真魚が目を覚ます。何故意識を失っていたのかを確かに理解したままで。
 まもなく、自身を抱えている二本の腕の存在に気付く。
 「澤田くん……」
 その顔には恐怖しか刻まれていないことを澤田は悟った。
 自分の目の前にいる男が倒した筈の怪人が、男の向かった先で戦っていた。
 自分ならどう反応するだろうか、と澤田も思う。
 「どうしたの? 真魚ちゃん……」
 「…………ま」
 「これが無かったら、危なかったよ」
 澤田が指差す先に視線を誘導させられながら、真魚は無機質なベルトを視界に収める。
 (これって………)
 灰色の怪人と戦っていた蒼い戦士の腰部にあったそれ。
 そこから今の真魚に導き出せる答えは一つ。
 数時間前倒された灰色の怪人と良く似た姿の怪人と、蒼のライダーに変身した澤田が戦った――それ以外のパターンなど、考えたくも無かった。
 真魚は深い理由も無く、ポケットに手を入れる。黒く縮れた紙が見せてくれる映像は、何一つ変わらない。
 二度戦いを自身の目で見て、真魚は確信する。
 澤田くんに頼るだけじゃ、生き残れない――――自分も戦う必要がある、と。
 そんな真魚の心情も知らずに、澤田が心の緊張を解く。自分には何の役にも立たないと思っていたベルトのお陰で、オルフェノクである事実を誤魔化せたのだ。
 放送が近い。それで真魚の反応を見てみるのも、一興だ――。


【1日目 早朝】
【現在地:E-9 森林部内道路】
【澤田亜希@仮面ライダー555】
[時間軸[:34話・真理再生前
[状態]:中程度の疲労。体の各部に軽い打撲。 カイザ、スパイダーオルフェノクに2時間変身不能
[装備]:カイザギア(全装備付属済)
[道具]:基本支給品、通話発信可能な携帯電話、不明支給品×4(澤田と天道の二人分・本人確認済み)
   ライダーベルト(カブト)、ディスクアニマル(アカネタカ)
[思考・状況]
1:参加者を皆殺しにして自分が完全なオルフェノクであることを証明する。
2:風谷真魚を殺すのは最後の仕上げ。先に他の参加者を殺す。
3:なるべくオルフェノク態で戦う事を避けるためカイザギア以外の変身装備が欲しい。
[備考]
※能力制限等のルールについて、あらかじめ大まかに知らされています。
※第一回放送を聞き損ねたため、禁止エリアを知りません。
※澤田の携帯電話は特別仕様のため、通話の発信機能が生きています。
 現在の所、通話可能な相手は主催者(村上社長・スマートレディ)のみです

【現在地:E-9 森林部内道路】
【風谷真魚@仮面ライダーアギト】
[時間軸]:31話・サイコキネシス発現後
[状態]:健康、精神的ショック。激しく動揺。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式x2(真魚・天道)、コルトパイソン@クウガ(小消費)
      不明支給品(本人確認済み)、首輪(天道)
[思考・状況]
1:澤田についていく。なるべく離れたくない
2:生き残る為には、自分も戦うしか……
3:怪物だらけのこの世界に対する恐怖。
4:帰りたい。でも、どこに帰ればいい……?
[備考]
※サイコメトリーで見えた灰色のモンスターの正体は天道=カブトだと思っています。
※制限もしくは心理的な理由で超能力が不完全にしか発揮できません。
 現状では、サイコメトリーで読めるのは断片的なイメージだけです。
※灰色の怪物(海堂)と赤い怪物(モグラ)は殺し合いに乗っていると思っています。
※青いライダー(ガタック)に変身していたのは澤田だと思っています。


038:蜂の乱心!! 投下順 040:Riders Fight!(前編)
038:蜂の乱心!! 時系列順 040:Riders Fight!(前編)
029:駆ける海堂 澤田亜希 052:イプソ・ファクト(前編)
029:駆ける海堂 風谷真魚 052:イプソ・ファクト(前編)
033:ワインディング・ロード 加賀美新 052:イプソ・ファクト(前編)
033:ワインディング・ロード デネブ 052:イプソ・ファクト(前編)
034:不屈 風のエル 052:イプソ・ファクト(前編)
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