指し手二人(後編)

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指し手二人(後編)



 背部を襲う衝撃に、クロックアップを止めざるを得なかった。
 どの道利用価値のほとんど無い二人だ。首輪を外すまでは勝手に泳がせておけば潰し合うだろう。
 今は女の変化した虎と新たな来訪者の相手が優先だな。
 振り向いて来客の姿を確認する。緑の複眼に、同様の配色の左右否対称装甲。姿はライダーに近い。
 向かって右側――左手にはボウガン。右手が弦を引き絞るのを確認。そのまま発射してきた。
 正確な射撃だが……故に迎撃も容易。左腕を横に振るい叩き落す。
 安心する間も無く向かってくる虎。右甲の細剣で迎撃。

 ――――早い!?

 振り切ることなく右腕の動きが停止し、カウンターで二段蹴りを浴びる。
 侮っていた。威力にこそ欠けているが、命中精度と攻撃速度ではこちらが劣る位かも知れない。
 ようやく振り終えた左の大刀を振り直す。やはり避けられる。しかし今度は一撃では無い。
 人間やライダーの時に比べると機動性で劣るが、右足を思い切り振り上げる。
 無防備な腹部を蹴り飛ばす事に成功。次は「緑」のライダー――否、「赤」のライダーに向き直る。
 色が変わったということは、スペックや戦闘パターンも変化しているのだろう。
 外見は逞しくなり、手元から銃が失せていることから考えて肉弾戦仕様。
 力量を計るのには最適な戦闘法だ。受けて立つ。

 「うぉぉぉぉ!」
 振るわれた拳を右手で受け止める。迷いの感じられない拳。既に自分と虎、どちらが連中の敵味方かは把握済みということになる。
 密着した所へ飛び掛ってくる虎。あくまでもこちらだけに狙いが絞られている。
 大剣による威嚇で虎を怯ませ、細剣で赤の胸板へ斬撃。
 血飛沫が飛び散っていること、赤の痛み様からを考えるに、装甲を纏っているのではなく、純粋な「変身」。
 ならば変身を解かせるまでもなく、痛めつければ勝利は掌中におさまる。
 虎が離れた瞬間、最大限の力で逆袈裟に切り付けると、赤が血と火花を纏いながら大きく吹き飛んだ。
 しばらくは戦線復帰できまい。これでまた、一対一だ。

 虎の戦い方は非常に面倒だ。痛烈な一打こそないが、決定的な一撃を受けない立ち回り。
 時間切れになってもこちらの負けだということを忘れてはならない。

 何度目になるか分からない牽制のぶつけ合いの最中、再び色を変化させたライダーが接近を続けていた。
 銀の鎧に紫の縁取り、右手には重く構えた紫金の剣。

 その緩やかかつ重厚な歩みから、一撃に賭ける確かな重みを感じ取る。
 受けて立つ。それを崩すことで、完全な勝利を得る為に。

 鍔迫り合いの形になる。赤から腕力が上がっているのを実感するが、それでもこちらが優位。
 右手を重ねて、更に押し込む。虎に対する防備が甘くなるが、やむを得まい。
 確実に弱まっている抵抗。出血も止まっていない。
 力任せに押し込む。衝撃と共に、完全に打ち勝った事を確信。

 ――いや、違う。紫はブラフ……か。

 青に変わったライダーが、剣から変化した棒で肩を叩く。しかし、威力が低い。
 腕力が低下したということは、別の部分が強化されたことを意味する。
 一瞬で視界の外まで飛び上がったということは、強化されたのは跳躍力。

「チィ……………ッ!」

 必要以上に目で追ったのが誤算だった。側面に強烈な圧迫感。虎の渾身の一撃だと把握。
 追撃に備えて防御。背後で青が両腕を広げて構えているが、まだ攻撃までには時間が――――

 ――――無かった。一気に駆け寄り、天への飛翔。その回転の中で赤へと変化し、蹴りこんで来る――――

「おりやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 一本取られた。正直にここまで足掻いたのは評価したい。威力も十分だろう。
 胸部で衝撃を吸収。発生した電撃はこちらの脚部へ移動。
 同様に飛び上がり、前方一回転。勢いをつけ――

「おりぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 そのまま衝撃を返す。横転し、愚かな人間の姿へと戻るライダー。
 虎の方も粘ったが…………悲しいかな、二度目のクロックアップには十分な時間が経過した。
 高速で移動し、立て続けに切りつける。袈裟から逆袈裟へ、更にもう一方で薙ぎ払う。
 案外簡単にこちらも変身が解ける。所詮他の参加者など、この程度だ。
 これで目的は達成となる。後は出てくるのを待つのみだ――――本命が。

「そこの君……仲間を殺されたくなければ、出てきたまえ」


 角から北條が姿を出す。完全敗北とは正にこのことだ。絶望を通り越して笑みすら浮かべる。

「何か……御用でしょうか」
「非戦闘要員にも関わらず離脱していなかったということは、君の方こそ用があったのではないかな」
「話が早いですね。……そこの二人を見逃して頂きたい。……私の代わりに」

 地に伏せながら光が、気を失う寸前だった五代が耳を疑う。

「君を手元に置くメリットについて聞きたいところだが……」
「首輪を外すお手伝いをさせて頂きたいのです」

 ワームから人間の姿に戻り、乃木の口元が微笑を浮かべていた。

「良いだろう。ただし君が使えないと判断した時、その場で俺が首輪のサンプルにしてやる」

 北條はそれを「ミスさえ侵さなければ殺されない」と解釈する――また、乃木もそう解釈させた。
 「首輪について調査した」記憶をも完全にコピーするワームの擬態能力を、北條は構想の中に入れ様が無いのだから。

「構いません。そうならない自信がありますので……」

 二人の顔から、笑みが無くなることはなかった。そう、二人の指し手が新たな駒をそれぞれ得ただけなのだから。

状態表


【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【一日目 朝】
[時間軸]:43話・サソードに勝利後
[B-7 研究所]
[状態]:健康。王蛇、カッシスワームに2時間変身不可。
[装備]:カードデッキ(王蛇)
[道具]: 携帯電話、その他基本支給品×2(乃木、イブキ)
[思考・状況]
1.北條透を見定める。使える人間と判断した時点で殺害し擬態、そうでなければ首輪のサンプルにだけする。
2.ゲームの早期決着。
3.参加者の中でもZECTの諸君は早めに始末を付けたい
※備考
※ライア・ガイのデッキが健在の為、王蛇のデッキには未契約のカードが2枚存在します。
※ユナイトベントは本編で再現された3体の場合しか発動しません。
※ワーム状態は第二形態の為フリーズが使用できません。通常のクロックアップのみ可能です。
※人間体での高速移動は行えません。
※変身にかけられた時間制限をほぼ正確に把握しました。
※天道について知っている訳では無いので、「カブトの資格者」が死んだことを知りません。


【北條透@仮面ライダーアギト】
【1日目 朝】
【現在地:B-7 研究所】
[時間軸]:最終話
[状態]:精神的に大きな疲労。
[装備]:なし。
[道具]:携帯電話・地図・マグライト
[思考・状況]
1:乃木を利用しつつ首輪を調べる
2:城光及び未確認生命体四号を現状味方と認識。救出に若干の期待。
3:長田結花を保護すべき民間人と認識。
3:友好的な参加者と合流、敵対的な参加者を警戒。
4:無事に戻った暁にはスマートブレインを摘発する
※備考
※首輪の外見についてほぼ正確に把握しました。

※研究所のロビーに、トランシーバー一つと結花のデイパック(基本支給品、ゼクトマイザー)が隠されています。


◆◆◆

 研究所から少し離れた民家。「竜巻」により難を逃れた結花とイブキ。
 疲れからか、眠りに落ちた結花を見守るイブキの顔にも笑顔は無い。
 無力だった自分。その為に危険へと身を晒した仲間。そして乃木が結花へ発した言葉――。
 本当はトランシーバーで連絡を取りたかったイブキだが、相手に渡っている可能性から踏み切れずにいた。
 今の自分にできることが目の前の少女を守ることだと心に刻むことしかできない鬼の姿は、微量の無力感を醸し出していた。

【和泉伊織(威吹鬼)@仮面ライダー響鬼】
【1日目 朝】
【現在地:C-7北部 研究所南の民家】
[時間軸]:35話付近
[状態]:多数箇所に負傷、腹部に裂傷(小程度)。威吹鬼に1時間30分変身不可。
[装備]:変身鬼笛・音笛、音撃管・烈風、陰陽環
[道具]:携帯電話、北條のデイパック[地図・携帯電話・マグライトを除く基本支給品、ディスクアニマル(アサギワシ)]、「竜巻」(HONDA Shadow750)
[思考・状況]
基本行動方針:戦いを止める。
1:長田結花を庇護対象の未成年者と認識。安全を確保する。
2:北條、城光に対する心配
3:デネブって人、どこにいったんだ?
3:友好的な参加者と合流。
※備考
※陰陽環の式神(火の鳥)は使用者から数メートルの距離までしか飛べません。また殺傷性能が低く制限されています。
※なぜか変身しても服が消えません。
※研究所から脱出する際、北條のデイパックを回収しました。中身は未確認です。
※乃木の言葉から長田結花が人間なのか疑問に持ち始めました。

【長田結花@仮面ライダー555】
【1日目 朝】
【現在地:C-7北部 研究所から南の民家】
[時間軸]本編第41話終了直後(武装警官を一掃する直前)
[状態]小程度の負傷、睡眠中、人間への不信感・憎悪(軽度)、ファムに1時間30分変身不可
[装備]無し
[道具]ライダーブレス(ケタロス:資格者不明)、トランシーバー
[思考・状況]
基本行動方針:木場、海堂と合流する
1:城光が心配だ。
2:「人間ではない」城光に若干の好意。「人間」の「警官」北條には強い警戒心。
3:イブキさん……(どきどき)

※敵対的であろう人物と友好的であろう人物について,ある程度の共通見解が生まれました。
敵対的:風のエル、剣崎一真、「白い怪物」、橘朔也(優先的に排除)
友好的:風谷真魚、日高仁志、桐矢京介、木場勇治、海堂直也
要注意:金居、桜井侑斗、葦原涼(警戒)
ただし、友好的な相手に対する方針は統一されていません。

◆◆◆

「……ここは……」
「気付いたか。大人しくしていろ。負傷具合が酷い」

 反論しようとしたところで、体中を襲う痛みの感覚が蘇る。
 北條と乃木の取引によって、平然と見逃された二人。

「そうだ、あの男の人は?」
「研究所に今もいるだろう」

 その発言から現在地が研究所で無いことを判断する五代。

「拾えるものは拾っておいた。…………舐められたものだがな」

 傍らのデイバッグを光が指差す。五代の装備がそこには転がっている。平然と乃木がそれらを回収させた、ということになる。

「ありがとうございます……あいつを、倒さないと……」
「無茶は止めることだな。認めがたいが、容易に討てる相手ではない」


 乃木の絶対的自信に腹を立てる光。現状唯だ一つだった首輪解除の道も閉ざされた。
 一方の五代も嘆く。他人の犠牲によって生かされ続けている自分に。
 二人に共通するのは、ここで立ち止まってはならないということだ。
 それを承知しているが故に、戦意は決して失わない。それぞれの目が見据えるものは――

【城光@仮面ライダー剣】
【1日目 早朝】
【現在地:B-7 研究所西の民家】
[時間軸]:40話、トライアルについて知った後
[状態]:膝などに軽い擦り傷。空腹。腹部に裂傷(中程度)。タイガーアンデッドに1時間30分変身不能。
[装備]:カードデッキ(ファム)
[道具]:基本支給品・トランシーバー・ラウズカード(スペードQ/K)
[思考・状況]
基本行動方針:このゲームから脱出し、金居とは正統なバトルファイトで決着をつける。
1:首輪解除にもっとも近い道を選ぶ。
2:長田結花を心配。
3:他の参加者とは必要以上に関わる気はない。邪魔ならば排除するが基本的に放置。
4:剣崎の死、北條の言葉、乃木との戦闘から首輪制限下における単独行動の危険性を認識。
※備考
※結局食物は入手できませんでした。
※五代とは情報交換をしていません。

【五代雄介@仮面ライダークウガ】
【1日目 朝】
【現在地:B-7 研究所南の民家】
[時間軸]:33話「連携」終了後
[状態]:全身打撲、負傷度大、疲労大程度、クウガに1時間30分変身不可。
[装備]:警棒@現実、コルトパイソン、ホンダ・XR250(バイク@現実)
[道具]:警察手帳(一条薫)
[思考・状況]
基本行動方針:絶対殺し合いを止め、みんなの笑顔を守る
1:北條(名前は知らない)を救出。
2:参加者
3:白い未確認生命体を倒す。
4:金のクウガになれなかったことに疑問。
5:ダグバを倒す。
6:城光に協力
※第四回放送まで、ライジングフォームには変身不能
※ペガサスフォームの超感覚の効果エリアは1マス以内のみです
また、射撃範囲は数百メートル以内に限られます。
※ドラゴン、ペガサス、タイタンフォームには変身可能。ただし物質変換できるものは鉄の棒、拳銃など「現実に即したもの」のみで、サソードヤイバーやドレイクグリップなどは変換不能。
※葦原涼の「未確認生命体事件」の終結を聞き、時間軸のずれに疑問を持ちました
※光とは情報交換を行っていません。


050:指し手二人(前編) 投下順 051:戦いの決断
050:指し手二人(前編) 時系列順 051:戦いの決断
050:指し手二人(前編) 五代雄介 061:コントラスト
050:指し手二人(前編) 北條透 066:リング・オブ・ローズ
050:指し手二人(前編) 長田結花 066:リング・オブ・ローズ
050:指し手二人(前編) 城光 061:コントラスト
050:指し手二人(前編) 和泉伊織 066:リング・オブ・ローズ
050:指し手二人(前編) 乃木怜治 066:リング・オブ・ローズ
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