闇の中では

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闇の中では


嘗て其処はリゾート地と呼ばれていたのだろうか。
微かに潮の香りのする風が吹き抜けている。
綺麗に舗装されたアスファルトや、つい最近まで手入れされていたのであろうコンクリートの壁が空虚な空間に映えていた。
そして其処に降り注ぐ朝の白い太陽の光が、アスファルトの一成分である骨子や硝子片に反射している。
其処だけを見てしまえば、キラキラと光り、綺麗で幻想的な街なのだろう。
それ程までに、その空間は綺麗だった。

そんな表通りから裏へ一本入った路地に、男が呆然と立ち尽くしていた。
影の差した白い壁に背を預けているその男――東條は、しきりに何かを呟いている。
傍から見ればその状況は異様なものなのだろう。
当の東條はまっすぐと視線を正面の壁へと向けていたが、その目は何も見ていなかった。
時々頬を撫でる生温い潮風には眉を顰めながらも、東條は闇だけを見つめている。
「僕は英雄にならなくちゃいけないんだ」
先刻から繰り返されるその言葉は、もう呪いめいてさえいた。
虚ろに闇を映す瞳には、彼の正面にある白い壁さえ、黒く染まって見えていた。

闇に染まりつつある思考の端、東條は先刻の青年との戦闘を思い出していた。
デストクローを弾く灰色の大剣。
白の装甲を打ち抜いた赤い閃光弾。
自分を吹き飛ばした赤の光。
そして、その青年が自分に掛けた言葉。
『英雄じゃない』
強い口調で己を否定され、東條はその否定を、否定した。

首から上だけを、表通りの方へと向ける。
其処にはキラキラと光るアスファルトがあったが、それは東條の闇を和らげることも無く。
“英雄”という言葉を発し続けて大体30分は経過した頃、東條は背を預けていたコンクリートの壁から離れる。
走ったり戦闘したりと蓄積されていた疲労も幾分か軽くなった為か、口許は笑みの形に歪められていた。
先刻東條と木場が戦闘を行ったのが今東條がいる場所から東へ1エリアずれたくらいの場所だろう。
北へ進んでしまえば其処はとっくに禁止エリアと指定されている場所である。
幸い地図上の禁止エリアだけは把握していた。
西や南に行ったとて、特に目立った施設は無いだろう。
それなら東へ戻り、また先刻の彼と戦うのも悪くない。
東條は思案しながら口元の笑みを一層に深めていた。
ふらりと、そんな言葉が合うような覚束ない足取りで東條は歩みを始める。
向かう先は先刻木場と戦った海岸沿い。

キラキラと光るアスファルトに東條自身の影が差し、光は闇に消えていった。
闇の中ではどんなに明るい色だって、黒に染まっていくものだ。


状態表

【東條悟@仮面ライダー龍騎】
【1日目 朝】
【現在地:G-2 市街地】
【時間軸:44話終了後】
【状態:ダメージ大。疲労中程度。1時間30分変身不可(タイガ)。】
【装備:タイガのデッキ、ガイのデッキ】
【道具:基本支給品×2、特殊支給品(未確認)、サバイブ烈火@仮面ライダー龍騎、芝浦の首輪】
【思考・状況】
基本行動方針:全員殺して勝ち残り、名実共に英雄となる
1:『ある程度の力を持つ参加者を一人でも多く間引く』
2:できれば最後の仕上げは先生(香川)にしたい
3:殺した奴の首輪をコレクションするのも面白い。積極的に外す 。
4:木場(名前は知らない)に自分が英雄であることを知らしめたい。
備考
※東條はまだ芝浦の特殊支給品(サバイブ烈火)を確認していません



056:枯れぬ策謀 投下順 058:混沌
053:知略と決意のとき 時系列順 058:混沌
049:すべてのうつくしいものから 東條悟 065:終わるのは遊び、始まるのは戦い(前編)
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