男二人、虫二匹――――はぐれ虫

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男二人、虫二匹――――はぐれ虫


気がつくと、どうやってきたのかもわからない、そんな場所に来ていた。

どこにでもあるような住宅街の真ん中にある、ありふれたアスファルトの道路。視界の脇に移る赤い色は、日本人なら誰でも知っているであろう東京タワーだ。
その影からひょっこりと現れた朝焼けとともに、夜明け独特の香りが鼻の奥をくすぐった。とても心地よい感覚に包まれながら、冷静に今の状況を観察する。
見覚えはない……いや、微かに懐かしいような記憶がある。ひどく不安定でうまく頭が回らないけど、確かここは――――

「俺とお前が、初めて会った場所だな。」

ああ、そうだ。
声のした方に振り返ると、一瞬太陽のような強い光に視界を奪われる。やがて目がそれに慣れてくると、見覚えのある懐かしい姿が見えてきた。

青く輝く二つの複眼に、雄雄しくそびえたつ真っ赤な一本角。またそれに沿うようにして、右手の指を天に向かって掲げる仕草。
自分の知る限り、その姿を持ち、そんな大胆不敵な立ち振る舞いをする奴は広い世界を見回してもたった一人しかいない。

「お前……」
「よう、相変わらず元気そうだな。」

カブトの装甲のなかから現れたのは、やはりあの天の道を往く男だった。
以前見たのとまったく変わらないその微笑に、思わず安堵した。何せ、もう二度と会えないと思っていたのだから。

「天道……風間が見たのって、やっぱりお前だったんだな!」

風間の名を聞いた瞬間、天道の顔色が曇る。まるで、何か言いにくい事を隠しているかのように。
そういえば、その風間はどこにいるのだろうか。辺りに自分と天道以外の人影はない……いや、そもそも自分はなぜここにいる?
先ほど、殺し合いにのった風間を止めるために協力すると誓ったはずだ。こんなところに来た覚えはないし、呼ばれた覚えもない。

今自分が置かれている状況の、何もかもが不可解すぎる。首筋に感じる冷たい金属の感覚が、頭の中の気だるさを一瞬で吹き飛ばした。

「……!」


まさかと思い振り返った先には、誰もいなかった。


「天道! オイ天道どこだ!!」

届かないとわかっていながらも、叫んだ。夢なら夢で、言いたいことを言わせてくれ、こっちはあいつに言いたいことが山ほどあるんだ。
散々偉そうにしておきながら、一人で勝手に死にやがって。絶対追いつくって行ったのに、一人で勝手に手の届かないところへ行きやがって。
太陽の輝きが色濃くなり、何も見えなくなっていく。手足の感覚や意識が薄れていく中、ひどく優しげな声が耳に届いた。

「加賀美――――生きろ、そして、ひよりを頼んだぞ。」


「……あ……れ、俺……」
「起きたか? いつ襲われるのかわからないというのによく寝られるものだな。」

加賀美が目を開けると、風間――――風見がほのかに湯気の香るコーヒーを差し出していた。どうやらいつの間にか眠っていたらしい。
そのコーヒーを受け取りながら、夢の内容を思い出そうと考える……が、殆ど思い出せない。子供の頃ならよく思い出せたものだが、今となってはそれも難しい。

……ただ、何かとても大切な事を託された、気がする。

「あれ、お前コーヒーなんて入れられたっけ?」
「……それくらい、私にも出来る。」

そうか、と返事をしつつコーヒーを啜る。程よい苦味が残った眠気を覚まし、周りの状況に感づく程度の余裕を与えてくれた。
研究室の中がほんのり赤く染まっているのだ。その光を辿っていくと、窓辺から真っ赤な夕日が差し込んでいる。

「風間、今何時だ?」
「五時を回った辺りだ。お前が寝ている間、特に変わったことはなかった。」
「……そうか、ありがとな。」

突然礼を言われ、風見は訝しげな表情をした。その表情を読み取ったのか、加賀美がコーヒーを飲み干して立ち上がる。

「今五時ってことはさ、四時間近くお前はここで見張っててくれたんだろ?」
「ああ。」
「その間、お前は俺を置いてどこかに行ったり、最悪殺す事だって出来たわけだ。違うか?」

違わない、と風見は心の中で呟く。しかし、それをしなかったのは単なる彼の気まぐれに過ぎない。
加賀美に寝ていた間の放送を伝えなかったのも、伝えればまず間違いなくそこに向かうと思ったからだ。それも、無理やりにでも自分を連れて行こうとするだろう。
ただ、それを断るのは酷く面倒だと思った、それだけのことだ。しかし、加賀美はそれを変な方向へと勘違いしていく。

「でも俺はこうやって生きてる……つまりさ、少しは俺のこと信じてくれたって事だろ。だから、ありがとう。」

加賀美の一切裏のない純粋なその言葉に、風見はコーヒーを飲み干し、カップを置く音でだけ答えた。


物陰から、二人の様子を見つめる小さな赤い影。主を失ったカブトゼクターだ。
加賀美の様子を伺いに飛んできたのだが、特に手を貸す必要はなかったようだ。ただ、あの男がドレイクの資格者であると勘違いしているようだが。
低く頷き、立ち去ろうと旋回すると、そこに二つの影が割り込む。ガタックゼクターとホッパーゼクターだ。
友と出会えた喜びか、ガタックゼクターの無機質の瞳は何も移さない。ホッパーゼクターはというと、特に何も反応を見せていない。

二つのゼクターを見比べた後、ふとカブトゼクターが天井を見上げる。

――――?

それに釣られてガタックゼクターも見上げた、その瞬間。

――――!!

その一瞬の隙を突いて、カブトゼクターが二機の間を掻い潜り、研究所の外へと飛びぬけていった。
完全に不意を付かれたガタックゼクターは、ホッパーを置いて全速でそのあとを追いかける。無論、加賀美と風間に気づかれないようにだ。

扉を抜けた所で、カブトゼクターがこちらに突進してくる光景が見えた。紙一重で避けるが、当てる気がなかったのはガタックゼクターにも理解できる。

――――ついて来るな。
言葉を発せないゼクターだからこその感情表現。戦いの神の名を冠するガタックゼクターでさえも、怯まずにはいられないほどの気迫が込められていた。
一瞬の戸惑いの後、ガタックの顎が震える。承諾の合図を見届けたカブトゼクターは、どこへともなく飛び去っていった。

当面の目標は、天の道の後継者を探すか……主を失い、一人はぐれ虫は夜を往く。

【1日目 夕方】
【現在地:B-7 研究所ロビー】

【加賀美新@仮面ライダーカブト】
[時間軸]:34話終了後辺り
[状態]:痛みはほぼ回復。脇腹に刺し傷、頭部に打撲、肩に裂傷、背中に複数の打撲、右足にダメージ
   強い怒りと悲しみ。新たな決意。
[装備]:ガタックゼクター、ライダーベルト(ガタック)
[道具]:基本支給品一式 ラウズカード(ダイヤQ、クラブ6、ハート6)不明支給品(確認済み)2個。
    放置されていたデイパック(基本支給品×2、ラウズアブゾーバー、V3ホッパー、首輪(一文字))
[思考・状況]
基本行動方針:桜井侑斗を始めとする協力者と合流する。
1:風間(風見)に同行する。風間(風見)と危険人物以外との戦闘は阻止する。
2:危険人物である澤田と真魚、バダー(名前は知りません)を倒す。
3:風間(風見)といずれは戦うことへの迷い。出来れば戦いたくない。
[備考]
※デネブが森林内で勝手に集めた食材がデイパックに入っています。新鮮です。
※首輪の制限について知りました。
※友好的であろう人物と要注意人物について、以下の見解と対策を立てています
味方:桜井侑斗(優先的に合流)
友好的:風間大介、影山瞬、モモタロス、ハナ(可能な限り速やかに合流)
要注意:牙王、澤田、真魚、バダー(警戒)
※風間大介(実際には風見志郎)が戦いに乗っていることを知りました。
※放置されていたデイパックの中身は確認していません。



【風見志郎@仮面ライダーTHE NEXT】
【時間軸:】THE NEXT中盤・CHIHARU失踪の真実を知った直後
【状態】: 疲労回復、全身打撲、中。両腕、腹部にダメージ中。
【装備】:ハリケーン 、ホッパーゼクター+ゼクトバックルB、デンガッシャー
【道具】:基本支給品×2セット、ピンクの腕時計、ラウズカード(ハートJ、クラブJ)、FOX-7+起爆装置(残り3)
【思考・状況】
基本行動方針:殺し合いに勝ち残り、優勝してちはるに普通の生を送らせる。
1:研究室に設置したFOX-7を、最大の被害を与えることのできるタイミングで利用。
2:ショッカーに対する忠誠心への揺らぎ。
3:葦原涼が死んでいなかったことに驚きと僅かな安堵。
4:いずれあの男(加賀美)と決着を付ける。
【備考】
※モモタロスの死を受け止め、何か複雑な心境です。
※ホッパーゼクターを扱えます。
※FOX-7は基本的に、起爆装置を使った時にのみ爆発します。爆発の規模は使った量に比例します。
 起爆装置は全携帯が内蔵している専用アプリに起爆装置のコードを打ち込んで操作するもの。
 スイッチ式と時限式の両方の使い方ができます。
※加賀美のデイパックが二つになっていることにまだ気付いていません。




※研究所の研究室に、FOX-7が一つ仕掛けられています。
※カブトゼクターがこれからどこへ行くかは後続の書き手さんに任せます。

107:香川教授の事件簿 投下順 109:Traffics(前編)
106:龍哭(前編) 時系列順 111:憎悪の声は歓喜する(前編)
090:肯定/否定――my answer 加賀美新 112:闇は――動き出す――
090:肯定/否定――my answer 風見志郎 112:闇は――動き出す――
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