闇は――動き出す――

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闇は――動き出す――



コンクリートと鋼鉄で構成されている工場は、徐々に濃くなる夜の闇によって暗さを増していた。
この時間帯は地平線の彼方へと消えていく太陽と、星の数が増える光景を窓から眺める事が可能となっている。
しかしその輝きは人々を安心させるものではなく、まるで何者かから監視されているような不気味さを感じさせるものだった。
最も、彼の場合はその空を見上げたところで何の感情も抱かないだろう。
外から入り込む風によって体が冷やされながら、所々が黒く焦げている白装束に身を包む一人の青年が荒れ果てた部屋を見渡している。
全てのグロンギの頂点に立ち、圧倒的かつ絶対なる強さと威圧感を内面に秘め、究極の闇と称される彼の名はン・ダグバ・ゼバ。
リントの道具を探すためにこの工場を訪れ、全ての部屋を見回ったものの興味に引かれる道具は見つからなかった。
最後に訪れた粉塵爆発によって荒れ果てたこの部屋には、自分と戦った甲蟹に酷似する姿をした異形に変身した男、自分の事を知っていると思われる一人のリントが残したかもしれない紙と鉄屑が複数散らばっている。
だがそれも彼の関心が動くほどの物でもなかった。
もしかしたらあの二人も、自分のように『仮面ライダー』と呼ばれるリントの戦士になる為の道具を所持していたかもしれないが、逃げられた今となっては確かめる術などない。
しかし、リントの方はともかくあの紫色の怪物は多少ながらも評価に値する。
少なくとも、全てを喰らう王と自らを称していながらほんの僅かな時間で酷く落ちぶれた牙王よりは楽しむことが出来た。
だがダグバにとってそれは些細な問題でしかなく、今は別の出来事に感心が向かっていた。
先程まで眠りについていた自分を強制的に目覚めさせた、強大なる力と灼熱。ほんの一瞬だけ、それはただの気のせいかと思った。
しかしその瞬間、太陽の如く眩い輝きよって視界を埋め尽くされ、続くように天空へと高く昇る銀色の巨竜が見えた。
あの時肌に突き刺さった感覚は、究極の闇へと姿を変えたクウガに匹敵するほどの物だった。
自身を満足させることが出来るのはあのクウガだけと思っていたが、あれに等しいほどの存在がこの会場の何処かにいるのか。
その考えに至った途端、ダグバの感情は次第に高まっていき、その表情からは笑顔が生まれていく。
最も、それに暖かみなどは一切込められておらず、獲物を嬲るときにのみ浮かべる氷山のように冷え切った物だった。
あの龍は二度に渡って戦いを繰り広げた本郷猛と名乗るリントの戦士が、初めて自分と戦うときに呼び出した龍に似ている。
しかし本郷は前に拳を交えた際に葬ったはず。
ということは、あれを呼び出したのは彼の仲間である一文字、風見、城戸の三人の中の誰か、あるいは別のリントなのだろうか。
何にせよ、このような何もない場所にこれ以上いたところで、何の収穫も得られないだろうし、如何なる強者とも出会えないだろう。

「頑張って僕を笑顔にしてね………」

ダグバは狂気に満ちた笑みを浮かべながら、この会場にいる全ての存在に対して言い聞かせるようにぽつりと呟く。
体に付着された埃を払い、床に散らばっている瓦礫と紙屑を踏みながら一歩ずつ足を進める。
無造作に踏み潰されたそれらは形を歪ませるか、音を立てながらあっけなく壊れるだけだった。
今の彼が欲するのはただ一つ、強者との出会いだった。まだ見ぬ参加者を求めるダグバの歩幅は自然と大きくなっていって、速度も速くなっていく。
そろそろ三度目の放送が始まるだろうが、彼にとってそれは感心を向けるほどのことでもない。
やがて工場の外に出るのと同時に、無意識のうちに再び唇を動かした。

「『仮面ライダー』達………」



【1日目 夕方】
【現在地:B-5】

【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】
[時間軸]:47話、クウガアメイジングマイティに勝利後。
[状態]:脇腹に刺し傷、額にヒビ(出血止まり済み)、胸部に蹴りによるダメージ、右肩に清めの音によるダメージ、全身に軽度のダメージ、二時間変身不可(グレイブ、グロンギ体)
[装備]:グレイブバックル
[道具]:基本支給品×3 ラウズカード(スペードA~9、ハートQ)、サバイブ『疾風』
【思考・状況】
基本行動方針:究極の闇を齎す。
1: 究極の闇を齎す。
2:強くなったクウガ、龍騎、響鬼、ライア(サソード)、ガドルと再戦 。
3:『仮面ライダー』と思われる一文字隼人、風見志郎、城戸真司と戦う。
4:究極の闇に匹敵する程の力の正体を突き止め、戦う。
5: 自分に楯突いた志村には容赦しない。
6:牙王にはちょっと失望。
7:リントの道具の力に興味。
※自身の戦闘能力に制限がかかっていることを何となく把握。
※志村が人間でない事を知りました。
※ハートのKが無くなっている事に気付き、志村が奪ったと思っています。
※工場内には首輪の部品、様々なチラシやら何やらが散乱しています。
※龍騎サバイブの気配を感じ取り、その正体は一文字、風見、城戸の三人の中の誰かだと推測しています。
※どこへ向かうかは次の方にお任せします。






研究所のロビーで、加賀美新は軽いストレッチで体をほぐしながら息を吐いた。
外は夕日が沈み始めるところで、この殺し合いの会場には場違いとしか思えないような穏やかな虫の鳴き声が耳に入る。
しかし加賀美はこの異質に満ちた島にいる以上、それを聞いても心を穏やかにすることなど出来なかった。
スマートブレインによって強制的に集められたと思われる大勢の人間が、この半日の間に命を落としているという事実もそうだが、それよりも深刻な事態が彼の前に存在している。
それは、ようやく再会を果たした戦友、風間大介がこの戦いに乗っているということだった。
その彼は今、自分と向かい合うように備えられたソファーに座り、両手を絡ませながら汚れた床を見つめている。

――俺は、戦うつもりだ……自分の為に。あの子の為にも…

加賀美は風間があの時言ってた言葉を、頭の中で思い浮かべる。

――君には、何も分からないだろう。愛する者を失った悲しみや、絶望などは…

この言葉から推測するに、以前影山によって誘拐されたように風間は常に一緒にいる少女、ゴンを自分のそばから無理矢理引き離され、人質に取られてしまっているのだろうか。
そんな彼女を救うために、風間はこの戦いに勝ち残ろうとしているのかもしれない。
加賀美がこちらを向いていることに気づいたのか、風見志郎は顔を上げて目を合わせる。

「………何だ?」
「いや、別に何でもないけど………」
「そうか」

風見の呟くような声に対し、慌てたような表情で加賀美は返答する。
それにあっさりと答えると、不意に風見はこの会場で始めて出会った男、立花藤兵衛の事を思い出す。
あの男は目の前で椅子に座る男のように、まるで自分のことを知っているかのような口を利いていた。最も、会って数時間という短い時間でただの肉塊と変わり果てたが。
この男の場合は立花とは少し違い、自分のことを『風間』という男と勘違いをしている挙げ句に、同情しているような態度を取る。
正直な話、それに苛立ちを覚えるが、この男は自身と同じゼクターと呼ばれる力を保持している。
だから戦力として利用するために行動を共にする必要があった。それにこの男の戦闘スタイルを把握する必要があるだろう。相手は自分よりゼクターの扱いに長けているだろうから、いざ実際に戦う時までに対策を練る必要がある。
首輪の効力による制限を利用する手もあるだろうが、それだけで勝てる相手ではないだろう。

「なあ風間、ちょっと良いか?」

風見が思案に耽っていると、加賀美は再び口を開く。

「今度は何だ」
「お前、さっき言ってたよな。あの子の為に戦うって」

その言葉によって、風見はこの戦いに優勝することによって取り戻そうとしている大切な妹、風見ちはるの笑顔が思い浮かんでいく。
自分が選ばれたショッカーの一員などと呼ばれて充足感を得ている間に、失ってしまったちはるの夢、幸せ、未来――
そして、それに気付くことが出来なかった愚かな自分――
否定したくなるような苦い現実に不快感を覚え、眉を歪めるが、それはほんの一瞬のことですぐに落ち着きを取り戻す。

「………それがどうした」
「お前があの子のことを大事に思ってるのはよく分かる。でも、こんなことを続けて本当にあの子は喜ぶのか………?」

この言葉は加賀美に対する不快感を強くするのに十分な威力を持っているが、風見はそれを堪えて唇を動かす。

「何が言いたい………?」
「何て言うか、上手く言えないんだけどよ………お前がこんなやり方を続けても、あの子が悲しむだけなんじゃないかって………」

加賀美は目の前で座っている風見の顔を見ながら思いを吐いた。
実際、もしもゴンが自分のために風間がこんな殺し合いに乗っていることを知ってしまったら、深い悲しみに沈んでしまうだろう。
ロビーの中に静寂が走り、ほんの僅かな緊張を加賀美は感じる。

「貴方もくどい……」

数秒の間が生じた後、先に口を開いたのは風見からだった。
彼はソファーから立ち上がると、その瞳を加賀美に向ける。

「それを聞いたところで私がこの戦いを降りるとでも思っているのか」
「そうじゃない。ただ、お前が罪を背負うことをあの子が望んでいるとは――」

そこから先を言葉にすることは出来なかった。
風見の手には機械的な外見の剣、デンガッシャーが握られ、殺気と共にその赤い刃が加賀美の額に突きつけられたからだ。
一筋の血が流れ、あと少しでも力を込めれば簡単に顔を突き破り、加賀美の命を奪うことなど容易なことだろう。
先程まで冷え切った瞳には怒りによる熱が込められていた。それはまるでお伽話に出てくるような地獄の業火を連想させる。
普段の風間からは考えられない態度に、加賀美はほんの僅かに圧倒されてしまう。

「先程も言ったはずだ、そんなのは綺麗事だと………! 私にはあの子が全てだって事も………!」
「でも、もしお前のそんな姿をあの子が知ったら――!」
「黙れ!」

研究所全体に響くほどの怒鳴り声を発するのと同時に、風見はより強い力で剣を握る。
それによって額の皮膚はより一層破れ、流れる血の勢いは増していく。

「もう一度だけ言っておこう。私はあの子が幸せになるためならばどんなことでもする! たとえこの手がいくら血で汚れようとも後悔しない! それが私のライダーとして戦う理由であり、それが私でもある!」
「風間……やっぱり、変える気はないんだな」

額の痛みのことなど気にかけないように、加賀美は風見に答える。

「なら俺ももう一度言う、お前を絶対に止めてみせる。その為に俺はお前に協力すると言った」

それを言う加賀美の瞳には強い意志が込められていた。
途端、僅かながらデンガッシャーを握る風見の力が弱くなっていく。

「お前に罪を重ねさせない……これが俺のライダーとして戦う理由で、これが俺なんだ」
――お前が……生き返ることに何の価値を持っているかは知らない。 だが、これだけは言える。死んだ人間が生き返ったとして、それは本当に幸せか?

一切の嘘偽りが感じられないそれを聞いて、風見はこの会場に連れてこられてから出会った二人目の男、葦原涼の言葉が不意に蘇る。

――スマートブレインと戦い、お前がお前として生きてやれ。たとえ生きるのが辛くても……俺たちは生きていかなくちゃいけないんだ

あの男も綺麗事としか言えないような事を言い、自分を止めようとした。
私は葦原やこの男とは違う。ちはるを救うためならばどんな汚れ役も買い、この会場にいる全ての人間を殺すつもりだ。
目の前の男を倒すことは今でも出来るはず。
しかし、デンガッシャーがこれ以上その額を突き破ることはなかった。いや、風見の腕がこれ以上動かなかったのだ。
覚悟はとっくに決めたはずなのに、何故。
頭の中に疑問が駆け巡っていくが、それが晴れることはない。
やがて風見はデンガッシャーを加賀美の額から遠ざけ、刃に付着した血液を払った。

「風間、お前………!」
「勘違いをするな。貴方は協力者、今死なれては困るだけだ」

喜んだような表情を浮かべる加賀美に対し、風見はあっさりと冷たく返す。
そうだ、この男とは一時的な協定を組んでいるだけで、決して仲間などではない。
そう自分に言い聞かせるとソファーに再び腰掛け、デンガッシャーを脇に置く。
加賀美も額の血を拭い、同じようにロビーに備え付けられた椅子に座り込んだ。





【現在地:B-7 研究所ロビー】

【加賀美新@仮面ライダーカブト】
[時間軸]:34話終了後辺り
[状態]:痛みはほぼ回復。脇腹に刺し傷、頭部に打撲、肩に裂傷、背中に複数の打撲、右足のダメージ回復
   強い怒りと悲しみ。新たな決意。 額から出血(痛みはあまり無く、動きに支障は無い)。
[装備]:ガタックゼクター、ライダーベルト(ガタック)
[道具]:基本支給品一式 ラウズカード(ダイヤQ、クラブ6、ハート6)不明支給品(確認済み)2個。
    放置されていたデイパック(基本支給品×2、ラウズアブゾーバー、V3ホッパー、首輪(一文字))
[思考・状況]
基本行動方針:桜井侑斗を始めとする協力者と合流する。
1:風間(風見)に同行する。風間(風見)と危険人物以外との戦闘は阻止する。
2:危険人物である澤田と真魚、バダー(名前は知りません)を倒す。
3:風間(風見)といずれは戦うことへの迷い。出来れば戦いたくない。
[備考]
※デネブが森林内で勝手に集めた食材がデイパックに入っています。新鮮です。
※首輪の制限について知りました。
※友好的であろう人物と要注意人物について、以下の見解と対策を立てています
味方:桜井侑斗(優先的に合流)
友好的:風間大介、影山瞬、モモタロス、ハナ(可能な限り速やかに合流)
要注意:牙王、澤田、真魚、バダー(警戒)
※風間大介(実際には風見志郎)が戦いに乗っていることを知りました。
※放置されていたデイパックの中身は確認していません。


【風見志郎@仮面ライダーTHE NEXT】
【時間軸:】THE NEXT中盤・CHIHARU失踪の真実を知った直後
【状態】: 疲労回復、全身打撲、中。両腕、腹部のダメージ回復。
【装備】:ハリケーン 、ホッパーゼクター+ゼクトバックルB、デンガッシャー
【道具】:基本支給品×2セット、ピンクの腕時計、ラウズカード(ハートJ、クラブJ)、FOX-7+起爆装置(残り3)
【思考・状況】
基本行動方針:殺し合いに勝ち残り、優勝してちはるに普通の生を送らせる。
1:研究室に設置したFOX-7を、最大の被害を与えることのできるタイミングで利用。
2:ショッカーに対する忠誠心への揺らぎ。
3:葦原涼が死んでいなかったことに驚きと僅かな安堵。
4:いずれあの男(加賀美)と決着を付ける。
【備考】
※モモタロスの死を受け止め、何か複雑な心境です。
※ホッパーゼクターを扱えます。
※FOX-7は基本的に、起爆装置を使った時にのみ爆発します。爆発の規模は使った量に比例します。
 起爆装置は全携帯が内蔵している専用アプリに起爆装置のコードを打ち込んで操作するもの。
 スイッチ式と時限式の両方の使い方ができます。
※加賀美のデイパックが二つになっていることにまだ気付いていません。





※研究所の研究室に、FOX-7が一つ仕掛けられています。
※カブトゼクターがこれからどこへ行くかは後続の書き手さんに任せます。

111:憎悪の声は歓喜する(後編) 投下順 113:Crisis(前編)
111:憎悪の声は歓喜する(後編) 時系列順 113:Crisis(前編)
106:龍哭(後編) ン・ダグバ・ゼバ 000:後の作品
108:男二人、虫二匹――――はぐれ虫 加賀美新 000:後の作品
108:男二人、虫二匹――――はぐれ虫 風見志郎 000:後の作品
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