鬼飛蝗 二輪走

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鬼飛蝗 二輪走


おいおいおいおいおいおい、何だこれ。いや何だこれ。
確かにこんな物騒な場所で、おてんとう様の下思いっきり眠ってた俺もどうかと思うぜ。いくら疲れてたとはいえよ。
そんでもっていつの間にか日は暮れかけてるし、ちょっと無防備すぎるのもいけねえ。起こされなかったのが不思議なくらいだ。
しかし俺はこうやって襲われることもなくちゃんと生きてる。バイクだって、薄目を開ければちゃんと見えるし特に変わったところはねえ。

……俺の枕元で、こっちを覗き込むくしゃくしゃ頭の兄ちゃんがいることを除けば、よ。

誰だよ、俺はこんなやつまったく知らん。ていうかこいつ、絶対に俺が起きるの待ってるよな? 起きたほうがいいのか?
さっきから殺そうとかそういう物騒な動きがないのはありがたいんだがよ、頼むからそのキラッキラ光る刀は仕舞ってくれ。
たまに離れて俺の乗り物や荷物漁ったりしてるけど、チラチラこっちを見てやがるし隙がねえ。そんなに近くにいられたら動けるもんも動けねえって。

何もしないなら、何もしないでさっさとどっか行ってくれよ。


大地が微かにオレンジ色を帯びてきた頃、バダーの駆るジャングラーはようやく森林を抜け出した。
バギブソンの元となる一般車と勝手が違うこともあってか、思いの他給油に時間がかかってしまったが、無事にジャングラーは輝きを取り戻していた。

「……どっちへ行くか。」

呟いたバダーは地図を開き、難しい顔をして眼前の景色とそれとを交互に見比べた。彼にしては珍しく、何かを考えている風だった。
少し距離はあるが視界に道路があることから、現在地はちょうどドラグブラッカーに襲われたD-7エリアだということがわかる。

正直に言うと、悩んでいるのはこれからどちらへ進むか、である。

今の所、考えられるルートは二つ。真っ直ぐE-7エリアを突っ切って南へ向かうか、あるいは少し遠回りだが整備された道に乗っていくか。
どちらにせよ南へ行き着くことには変わりないのだが、どちらのルート上にもバイクの配置記号があるため捨て置けないというのが本音だ。
上を見上げ、夕焼け空にぽっかり口を空けている月を睨む。携帯電話で確認した時刻は、既に四時を大きく回っていた。
次の放送までもう時間がない、決めあぐねている内に狩るべきリントがいなくなってしまった……なんて、笑い話にすらならない。
また、いつガス欠が起こるかもわからない。リントとの交戦時に気兼ねなく走るためにも、出来うる限りそれ以外では燃料を控える必要がある。

「お前は……どう思う?」

バダーの頭上付近を旋回していた小さな相棒は、二度三度翻るように飛び回りジャングラーへと止まって、コンコンと車体を金色の角で叩いた。
角が指すほうへと行け、ということだろうか。

「……まぁ、そうか。」

さほど驚く様子も無く、むしろ予想通りと言わんばかりにヘルメットを被りエンジンを入れる。その隙にゼクターは器用に飛び跳ね、開いていたデイパックへと収まった。

おもむろにアクセルを大きく吹かし、ジャングラーはコーカサスゼクターの出した答えへと――――真っ直ぐ、E-7エリアへと向けて走り出した。



スピードを上げるにつれて、景色から徐々に緑色が減っていく。エリア同士の境界を越えた証拠である。
チラリと横目でバイクの配置場所を確認するが、何もない。辺りにリントや他の生物のいた気配はなく、その存在を訴えてくるのは吹き抜ける風だけだ。

(この分ならすぐに……)

すぐに南に着く、そう思った瞬間だった。

――――――――!!

突然不快なブザー音が響き渡り、ジャングラーの疾走を止める。恐る恐るヘルメットを外すと、ゼクターが不安そうな表情で覗き込んできた。
ブザーに紛れて柔らかな音声が聞こえてくるも抑揚が無く、まるでバルバのような女性のグロンギが読み上げているような音声だった。

――――――――ここは禁止エリアです。速やかに離れてください。

禁止エリア。
聞き覚えのある単語にバダーの瞳が動いた。確か、入ると首輪を剥がした時にように灰となる場所だったか。
自分が置かれた状況は理解出来たが、ここでひとつ疑問が生まれる。なぜ、この瞬間に警告がなり始めたのかだ。
このエリアに入ってしばらく経つ。今いる場所も、もうエリアの中腹にさしかかろうという所なのに。

(……、まさか!)

携帯を開き、時刻表示を見てバダーは愕然とした。時刻は、丁度五時になったところだった。
ゲゲル開始当初のアナウンスを信じるならば、禁止エリアは時間経過とともに増えていくしくみ。
ならば首輪が今警告を始めたのも、五時になったことでこのE-7が禁止エリアとして認識されたからだろう。

「チッ……」

すぐさま方向転換をし、全速力でジャングラーを走らせた。幸い近くの川を越えれば、目的とは逆方向になるがD-5エリアに出るはずだ。
嫌な倦怠感に体を包まれた所為か、肌を刺す風がやけに冷たい。
頬を伝う汗を拭うと、手の甲が薄っすらと黒く滲んでいるのが目に入った。
同時にチカチカと点滅する首元がジャングラーの目に映り、それら全てが少しずつバダーから冷静さを失わせていく。

次々と全身を襲う異常事態。その事をわかっていながら止められないのが、どうにも歯痒かった。

(走る前に気づくべきだったな……)

ヘルメットを叩いてきたコーカサスゼクターを掴み、ブレスへと嵌め込む。戦闘以外で使うのは好ましくないが、状況が状況だ。

―― HENSHIN ――

カブト虫の名を告げる電子音声を余所に、ベルトのボタンを半ば殴るような形で押す。

――CLOCK UP――

切り離された時間の中でも禁止エリアが有効なのかは知らないが、早く走り抜けられれば何でもいい。
より一層ジャングラーの速度を上げ、タイヤが巻きあげる水飛沫を弾きながら一息に川を飛び越えていく。ここに観客がいたならば、誰もが幻想的だと口を揃えて言う光景であろう。
前輪が地面についた瞬間、首輪のランプから光が消え失せ体が軽くなったのを感じた。
E-7エリアを抜け出した事で禁止エリアの効力も消えたのだ。

――CLOCK OVER――

元の時間に戻ると同時に変身が解け、ジャングラーごとバダーは地面に倒れこんだ。
よほど応えたのだろうか、体制を直そうともせず肩で荒い息を吐く。その姿はおよそゴの一員とは思え無いほど追い詰められたものだった。

「……次、は、ないな……」

この島に来てから始めて味わった命の危機。しかしバダーの顔に浮かんでいたのは、不釣合いな笑みだった。

――――グロンギという種族、とりわけバダーに言える事だが、彼らはどこか勝負師めいた価値観を持つ傾向がある。

人々を狩り、より上位の存在への挑戦権を争うゲゲルは元より、時間制限や殺害する人間の限定などの難易度の高い制約がいい例だ。
彼らはそうやって複雑なゲゲルを設定し、時には警察との戦いも交えたそれを突破することを最大の美徳とした。
また本来あるべき未来では、バダーはあと一人というところまでゲゲルを進めながら敗北し、命を落とした。それはなぜか?

最後の一人に、リントの戦士クウガを選んだためだ。

バダーは他のグロンギたちとは違い、自分からクウガに勝負を仕掛けた。わざわざゲゲル完遂まであと一人というタイミングで、だ。
理由は単純にクウガが強く、最後にギリギリの駆け引きを楽しみたいと思ったが為。
ゲゲル開始を言い渡されたその時、その瞬間も彼はコインを弄っていた。まるで、全ての決断を運に任せるギャンブラーのように。

その生死を賭けた焦燥感、一つでも間違えれば全てを失うそのスリル。それこそが、バダーがゲゲルに強く求めていた物だったのかもしれない。

「……?」

つんつん、と頬をつつかれる感触。目だけ動かすと、コーカサスゼクターが顔を動かそうと――――必死に別の方向を向かせたがっているようにも見えた。

「何だ?」

ゆっくり、うつ伏せの状態で振り向くとそこには。

「……ぉー、ーっ……」

そこには、自分と同じように寝転がっている男がいた。

しかも近くには探していたバイクの姿もあり……


そして、冒頭の場面に繋がる。

バダーとしては早くカブキに目覚めてもらいゲゲルを遂行したいのだが、いくら揺すっても起きる気配がない。
……自身の存在が彼に寝た振りをさせていることに気づけないのは、人間との価値観の違いから来るのだろうか。

(……退屈だ)

暇を潰せるような相手がいない以上、自然と意識はバイクの方に向かい、少しづつカブキから体が離れていく。
傍目にはただのバイクとしか見えないが、性能の面ではなかなか期待できそうだ。あくまで、一般に出回っている車両での話だが。
ジャングラーより小柄な分小回りも利きそうな上、ジャングラーでは成し得なかった『ある事』が出来そうなのもバダーを引き付ける一因となった。

(これなら……バギブソンになるな。)

バギブソン、バイクに金属片を差し込むことで変化させるバダー専用バイクである。
ガス欠が解決した後、その場で幾度か試したがジャングラーは何も答えなかった。以前なら、リントの姿でも変化は可能だったはず。
先のドラグブラッカーとの戦闘で偶然にも変身制限に気づいた事もあって、バダーはそれもハンデの一つと解釈した。

何せバギブソンがいつでも使えるのならば、バイクの扱いで自分の右に出るものなどそうはいないのだから。

(目覚めたら殺して……こいつを貰うか。)

ジャングラーを手放すのは惜しい気もするが、それを補って余りあるほどの代物が手に入るのだ。ここは潔く乗り換えたほうがいいだろう。
一通りバイクについて思いを馳せたら、今度は荷台に積んであるデイパックへと手が伸びた。別段欲しい物があるわけでもないが、暇潰し位にはなるだろう。
中身は妙な紙切れや鉄棒などガラクタにしか見えない物ばかりだったが、その中で一つだけ、バダーの興味を引くものがあった。

(これは……バグンダダか。)

グロンギ族のベルトに酷似した形にいくつのも玉で数を数えるゲゲルの道具。元は、ゲゲルの管理者が持っていたカウンターだ。
残っているリントの数を考えると少々多すぎるが、それでも自身に縁のあるものを見つけたバダーは悪い気分ではなかった。

(いざとなったら、昨日の兵隊たちを数えれば数は埋まるか……――――)

「よお、ようやく隙が出来たな。いいもんでも見つかったか?」

ヒヤリと首筋に冷たいものが走る。
その冷たさが汗によるものではなく、突きつけられた金属による物だと気づいたのは、後ろに立った男が再び口を開く直前だった。

「変な真似すんなよ、こんな玩具でもお前さんの喉をぶっ刺すくらいは出来るからな……とりあえず、そのそろばんもどきを戻せ。」

振り向くことも出来ず、促されるままにバグンダダを戻すと、押し当てられていた嫌な感覚がふっと消える。
それを確認した後、顔を後ろへ向けた。短いナイフを持ちながら立っていたのは、やはり先ほどまで寝ていた男――――カブキであった。
バグンダダを見つけた驚きで、バダーは少しの間カブキから意識を逸らしてしまった。恐らくは、その隙にでも距離を詰めたのだろう。

「なぁアンタ、一つ聞かせろ……俺が寝てる間、どうして何もしなかったんだよ?」
「……気が付いていたのか。」
「まぁな、アンタがいなかったらもう少し早く起きられただろうよ。」

くつくつと冗談めかして笑うカブキに釣られ、少しだけバダーの顔にも笑みが浮かぶ。しかしすぐに表情を切り替え、ナイフを手で払い除けた。

「このバイクは、お前のものだな?」
「は?」
「お前のものだな。」

だったらどうなんだよとぶっきらぼうに答えるカブキの視界に、小さな金色の影が映る。

「な……!?」
「バイクに乗れ。俺に勝ったら、教えてやる。」

瞬時に飛び込んできたコーカサスゼクターがカブキの目元を掠め、その僅かな間にバダーはバイクへと飛び乗る。
捲し立てられるエンジン音の隙間で体の輪郭が揺らぎ、全身を濃緑色の皮膚が包む。頭部に現れた触角が、飛蝗の如く存在を主張する。
グロンギとしての肉体を完成させ、バダーはハンドルを握る。ようやく戻ったカブキの目には、走り去る赤いマフラーしか映っていなかった。

「ちっ……あの野郎!」

ここまで露骨に喧嘩を売られて黙っているほどカブキは人間が出来ていない。すぐにバイクに跨って、エンジンを入れようとした。
が、ふと先ほどのバダーの言葉が引っかかり手が止まる。

「……そうか、これはバイクって言うのか……」

今の一瞬でも、はっきりわかることが二つある。
相手が自分よりバイクの扱いに慣れていることと、相手は自分を格下だと見下していることだ。
それは今カブキの目の前にある真っ赤なバイクと蹴落とされたデイパック、そしてさっきの虫が持ってきたこのバイクのものらしきキーが物語っている。

「あんの野郎……」

そう、バダーはジャングラーでなく、カブキの持っていたKAWASAKI ZZR250へと飛び乗ったのだ。大方、鍵はさっき漁っていた時にでも持ち出したのだろう。
目立った外傷のないバイクを捨ててまで、わざわざ傷だらけのバイクを選ぶのはどういうことか。

――――それは、見下されているからに他ならない。『お前ごときこのバイクでも十分だ』、と言われている様な物だ。

「……上等ッ!!」

音叉をフロントカウル角に響かせ、額へ押し当てる。炎と桜の花びらがその身を包み、カブキの体をまだらの鎧が染め上げていく。
ジャングラーのエンジンが暖まる頃には、花吹雪も晴れ、立派な歌舞伎の鬼がハンドルを握っていた。

「待ちやが……れ、ええええぇぇぇーっ!?」

歌舞鬼がアクセルを引いた瞬間、ジャングラーは稲妻のごとく走り出した。それもそのはず、いきなり操作を誤って最高速度全快にしてしまったのだから。
いや、厳密には操作ミスではなく、ジャングラーの性能が歌舞鬼の予想を遥かに上回っていただけなのだが。

「な、何だこりゃ!? あっちよりも物凄く早いじゃねえか!!」

風圧で持って行かれそうになる体を直し、ハンドルを切ってバダーの後を追う。
バダーもそれに合わせるようにスピードを調節して、歌舞鬼と並ぶような形へ持って行く。
バイクが並んだ瞬間に歌舞鬼が拳を放てばバダーは器用にそれをいなし、その間を縫うようにバダーが蹴りを放てば歌舞鬼の音叉剣がそれを防ぐ。
一通り戦闘が終わると二台は離れ、また近づいた瞬間に一進一退の攻防の嵐が、併走するバイクの上で繰り広げられる。
それでも運転するバイクの走行が乱れていないのは、流石というべきだろうか。

「ハッ!」

音叉剣をいったん引き、歌舞鬼は瞬時に発生させた鬼爪をバダーの喉笛目掛けて突き出す。至近距離、外す訳がない。
だがバダーは特に動じる風でもなく、爪の下から垂直に拳を当て攻撃を払い、そのついでに歌舞鬼の顎へとアッパーカットを決めた。
その衝撃でジャングラーの車体が大きく道を外れるが、すぐに車間距離を詰める。諸に入ったように見えたが、どうやら効いていないようだ。

「くっ、ちったぁやるようだな……だがこれならどうだ!」

勢いをつけてハンドルを持ち上げ、そのまま後輪で立ち上がるジャングラー。その体勢のまま歌舞鬼は車体を傾け、前輪をバダー目掛けて振り下ろした。
とっさに取り出したディスカリバーで進行を食い止めるが、舞い散る火花で視界を焼かれてしまう。沈む日の暗さに慣れていたから尚のことだ。

「ダリャァッ!」
「!?」

だからこそ、閃光の中から迫りくる刃にギリギリまで気づかなかった。
しかしバダーも素早く身をずらして剣をよけようとし、結果歌舞鬼の音叉剣はバダーの頬をほんの少し掠める程度に終わった。
歌舞鬼は地面に降り立ってからそのことに気づき、軽い舌打ちを漏らして振り向きざまに刀を振るう。
だが、その先に手ごたえはない。

「いない!? そんなバ……ガ――――ッ!!」

セリフの途中で歌舞鬼の背中に衝撃が走り、その身が崩れ落ちた。飛び上がったバダーの蹴りが、歌舞鬼の厚い装甲を穿ったのだ。
バキバキと嫌な音が響き、容赦なく意識を黒に染める。その間にもバダーは血を拭い、もう一度蹴りを浴びせ悠々と歌舞鬼の前から遠ざかっていく。

「な……」

歌舞鬼の頭が考えるのは、バダーの驚異的な強さの事ではない。たった一つの、シンプルな疑問だけだ。

(何がしたいんだあいつは……!!)

歌舞鬼には、バダーの行動がまったくもって理解できなかった。それでも消え入りそうになる意識を繋ぎ止めながら、必死にバダーの意図を探る。
荒野で寝ていた時も、先の攻防の刹那にも、そして今この瞬間も。止めを刺せるタイミングはそれこそ掃いて捨てるほどあったはずだ。

(だってのに止めをささねえ……いくらなんでもおかしいぜ。)

もはや見下している、という一言では説明できない。何か他の理由……バダーなりの狙いがあるとしか思えない。

遊ばれている? 違う。確かに手玉に取られているような感じはあるが、手の届かぬ距離ではない。見下しているとはいえ、油断も隙も見当たらないのがその証拠だ。
ならば試されている? それも違う。止めこそ刺されないが、先の蹴りには間違いなく殺意が込められていた。あれは演技で出せるようなものじゃない事は歌舞鬼もよくわかっている。

(クソッ、どれもあてはまらねえ!!)

音叉剣を杖代わりにしながら立ち上がり、きっとバダーを睨み付ける。それに気付いたバダーもバイクを止め、ヘッドランプを照らしつけた。


――――いつしか両者の間に、暗く冷たい雨が降り注ぐ。雨の光で煌く雫を見て、歌舞鬼はふと不思議な違和感を感じた。


きらりと一筋、音叉剣に弾かれて光が跳ね返った。それに照らされたバダーの目は歌舞鬼の方へと向いてはいたが、明らかに歌舞鬼以外の何かを見ていた。

(……何だ……あいつ、どこを見て……!?)

まさか。
激情に駆られた歌舞鬼が振り返った先には、先ほど奇襲に使ったジャングラーが横たわっていた。
雨粒が涙のようにフロントカウルを伝い、緑色の目が悲しげに光る。まるで意思を持つかのように、独りでに。
ライトは自分でなく、このバイクを照らしていたのか。歌舞鬼の独白を肯定するように、バダーはランプをちかちかと点滅させる。

(でも、なんでバイクを……)

その瞬間、歌舞鬼の頭を電流が駆け抜けた。


『たまに離れて俺の乗り物や荷物漁ったりしてるけど、チラチラこっちを見てやがるし隙がねえ。』
『このバイクは、お前のものだな?』
『バイクに乗れ。俺に勝ったら、教えてやる。』


点と点が今繋がった。バダーの行動は、すべてバイクに依存しているのだ。
バダーは、バイクに乗っている歌舞鬼と戦いたいのだ。どういう理屈でそうしたいかはわからないし、理解する気もないが。

「……はっ、ははは……」

どうしようもない笑いがこみ上げてくる体を持ち直し、持ち上げられた右手はバダーを指差す。雨でよく見えないものの、バダーは不敵な笑みを浮かべていたに違いない。

「……その挑戦、乗ってやるよ!!」
「来い、もう加減はしないぞ。」

歌舞鬼の叫びに短く答え、バダーは肘から装飾品を引きちぎる。それをキースロットルに差し込み、キーのように捻りを加えて奥にねじ込む。
雨粒を巻き込みながらフレームが歪み、その影響でヘッドランプも醜く潰れ辺りは再び夕暮れの闇に包まれる。

「よっ……と!」

歌舞鬼は起き上がらせたジャングラーに跨り、音叉剣で車体についた泥を払う。激しい雨で洗い流された分もあったためか、数度払っただけですぐに泥は落ちた。
妖しく光るジャングラーに睨まれたバダーのバイクは、もう完全にバギブソンへと変貌していた。

ふとその光に、歌舞鬼は懐かしい物を感じる。目の間にそり立つ角は、よくよく見るとどことなくあの野性味溢れる青年を髣髴とさせる形だった。

「……まさかな。」

その思いつきを考えすぎだと振り切り、歌舞鬼は目の前の敵に集中する。

数秒の静寂の後、ドルン、ドルンとアクセルを吹かす音。開戦の合図は、それで十分だった。

「らぁっ!」

いきなり速度全快で距離を詰め、音叉剣で攻める。振り下ろしたその先でディスカリバーと鍔迫り合いになり、互いの顔を火花で照らした。
その光で拳が眼前に迫っていることに気づき、歌舞鬼は剣の柄で防ぐ。お返しに回し蹴りを見舞うが、上体を軽く逸らしただけで避けられてしまう。

「チッ!」

ジャングラーの前輪で牽制し、一旦その場を離れる歌舞鬼。すぐさまバダーもハンドルを切り、それを追いかけた。
走りながら歌舞鬼は音叉剣を仕舞い、バダーが追いつけなくなるほどにさらに速度を上げる。
完全に変化を追えたバギブソンに光源はない。故にこの暗がりの中ではバイクの排気音、タイヤが大地を踏みしめる音で相手を探す必要が出てくる。

「だが、この雨の中ならあるいは!」

降りしきる雨粒がエンジンの音を掻き消し、抜かるんだ泥がタイヤの唸りを黙らせる。
こちらからもバダーの位置は掴めないが、問題ない。元々こちらから仕掛けるつもりはないのだから。
そして、後はエリア中を縦横無尽に駆け回って……

(……燃料を使い果たしたところを一気に、という辺りか。)

心の中で歌舞鬼の狙いを読んだバダーは、ひそかに微笑んだ。自分の勝利を確信したためである。
歌舞鬼は場所がわからない中走り回らせ、動けなくなったところを突くつもりなのだろうが、それは無理な話だ。

グロンギの聴力を持ってすれば雨など問題にならない。それを差し引いたとしても、歌舞鬼は決定的ともいえるミスを犯している。
それは、ジャングラーの光である。ジャングラーの目の輝きは、この雨の中でもよく届いており、歌舞鬼はそのことに気づいていないのだ。

(まぬけ、め)

雨粒を払い、こちらもさらにバギブソンの速度を上げる。速度も勝っている上、歌舞鬼の運転能力はそれ程でもないので道筋を読むのは簡単だった。
後輪で水溜りを弾き飛ばしながら光を追いかけ、岩に乗り上げたバギブソンは宙に浮かぶ。
車体をジャングラーのほんの少し前方に着地させ、ハンドルを切ってターンさせる。その場で停車し、何も知らず向かってくる歌舞鬼めがけディスカリバーを構えた。

「!? うおっ!」

間一髪、直前で見抜いて歌舞鬼は体を伏せるが、間に合わず右腕の継ぎ目に刃が食い込む。
それでもバイクを操作し、呻き声を漏らしながらも強引に引き抜く形で走り抜ける。
ディスカリバーの表面から、赤い血が雨に流されていく。直撃とはいえ右腕一本だけで済ませる辺り、歌舞鬼自身の戦いのカンは悪くないらしい。
じっくり時間をかければそれはそれで面白いゲゲルになりそうだが、生憎時間がない。変身制限まで、もう何分も残っていないのだ。

「潮時か。」

バギブソンを走らせ、もう一度歌舞鬼の前に回りこむ。今度は完全に止まらず、止めを刺すのには十分な速度で突っ込んだ。
歌舞鬼の面食らったような仮面に、剣を振り上げた自分の姿が見えた。その光景をバダーは自分の目にしっかりと焼け付ける。

「これで、一人目……だ!」

この島に来てからの、初めてのスコアに心を震わせながら――――バダーはディスカリバーを突き刺した。

「が……はっ!!」

その切っ先は吸い込まれるように腹部に収まり、歌舞鬼は顔を伏せた。当然、運転も出来ずジャングラーの前進は止まってしまう。
ふと肩に重さに感じたと思うと、いつの間にかコーカサスゼクターが乗っかっていた。戦いが終わったことを察知したのだろうが、いったい今までどこへ行っていたのか。
きっと、歌舞鬼は策を見透かされて、さぞかし悔しい思いをしていることだろう。鬼の仮面の上からで、表情が確認できないのが残念でならない。





「……ククッ」


しかし、そんな感情とは程遠い笑いがバダーの耳に入る。

聞き間違いだろうと思い、ディスカリバーをさらに捻じ込む……が、動かない。縦や横はおろか、引き抜くことすら叶わない。
その間にも、聞こえるはずのない笑い声は大きくなっていく。その声がどこから聞こえてくるのか、もはや探すまでもなかった。

「ハハハ……ハァーッハッハッハッ!!」

気がおかしくなったかとでも言いたげなバダーの視線に気づき、声の主は笑いを抑えながら言葉を発した。

「そこに、いるな?」

勢いよく顔を上げた歌舞鬼の仮面に表情はない。しかし、その口元は間違いなく笑っていた。

「ッ!?」
「逃がすかよ!」

柄を放したバダーの手を、歌舞鬼が放り投げた烈節が捉える。巻きつく際にコーカサスゼクターを叩き落としてしまったが、気づかれない。
剥ぎ取ろうと左手が拳を握った瞬間、もう一本の歌舞鬼の腕がそれを押さえ込む。
ご丁寧にも鬼爪が肉を抉り、両者の体を繋ぎ止めるするくさびとなっていた。

「うれしいぜ……ちゃんと、俺の目印を追いかけてくれてよぉ!!」

目印。何のことを言っているのかはすぐにわかった。
――――嵌められた。歌舞鬼がジャングラーのライトを消さなかったのは、ミスでもなんでもない、自分を騙す為の策だったのだ。

無計画に走り回ったように見せたのも嘘。刺された振りをして、隠し持っていた烈節で受け止めたのも嘘。
嘘に嘘を被せられたことで、バダーは自分の優位性を疑わなかった。
相手の手の内を読んでいた気になっていたが、読まれていたのは自分のほうだった。ここまで滑稽な事が、他にあるものか。

「ま、さっきの待ち伏せだけは驚いたぜ……けどな、」

両腕を引き寄せられ、互いの顔が近づく。顔に張り付いた雨粒に、それぞれの仮面が写るまでに。

「俺のことを見下した……」

突如歌舞鬼の口が大きく開く。その奥から届く熱気が、水飛沫で冷えた肌に染み渡る。


「……お前が悪いんだぜぇぇぇぇぇ――――ッッ!!!」


吐き出されたのは、視界を覆う灼熱の渦。それに包まれたバダーの意識が暗転するのも、時間の問題だった。


「……ぅ」
「お、起きたか? まだ動くなよ。」

生きている。目を開けてすぐ感じた疑問は、直後に押し寄せてきた痛みによって塗りつぶされてしまった。
痛みに耐えながら首を動かすと、派手に転倒しているバイク二台に、変身を解いてあぐらをかいているカブキの姿。そして、うろちょろとこちらを覗き込むコーカサスゼクター。
忠告を無視して上体を起こすも、顔に負った火傷が疼き少し後悔する。だが、それでもバダーは口を開いた。

「なぜ、殺さなかった?」
「おっと、それは俺が教えてもらう約束だぜ。」

まさかそれを聞く為だけに生かしておいたわけじゃないだろうな、と内心呟きながらバダーはゲゲルを説明した。
バイクから引き釣り下ろして轢き殺す。自分のルールに則った、ゲゲルの全容を。

「……ほぉー、どうりでさっき俺を待ってたのか。どうしてまたそんなことを?」
「ゲリザギバスゲゲルを成功させてダグバとのザギバスゲゲルを制する。それ以上、理由は要らない。」

見知らぬ単語の連発に苦笑いしながらも相槌を打つカブキに、バダーは次はお前の番だといわんばかりに睨み付ける。

「んで、何だっけ? 俺がお前を生かした理由だっけか?」

帰ってくるのは頷き一つ。心なしか、さっき戦っていたときよりも迫力がある気がする。

「別に、理由はねえよ。ただお前を生かしておいたほうが……」

一瞬だけ京介や、晴彦の顔が浮かんだ。生き残るということは、優勝するということは、いつか彼等を――――

「……この先、いろいろと楽になると思っただけだよ。」

押し寄せる感情全てを押し殺し、無理に不敵な笑みを浮かべる。
……今度は反応がない。永遠にも思える静寂の後に暗闇の中から返ってきた返事は、

「……変なやつ、だ。」
「お前さんには言われたくねえよ。」

抉りこむような突込み。瞬時に二人の視線が交差して、やがてどちらからともなく噴出し、今度は腹の底から笑ってしまった。

「お前はこれから……その、ゲゲル? ってのを進めんのか?」

今も火傷の痛みが駆け巡っているだろうに、バイクを立て直すバダーに問いかける。殺さないよう炎を加減したとはいえ、タフな奴だ。

「ああ。」
「……そっか。」
「……止めないのか?」
「止めるかよ、そのために殺さなかったんだから。」

バイクに乗った者しか狙わないなら、バイクに乗れない京介らはとりあえず安心だろう。
それでいて人数を減らしてくれるなら――――優勝を目指すためにも、好都合だ。例え、人間を見殺すことになろうとも。
カブキの瞳の中に、わずかな憂いが生まれる。異常がないか確認しながらも、バダーはその憂いを見逃さなかった。

「……お前は、他のリントとは違うんだな。」
「あん?」

バダーの口から、突然興味を引く発言が飛び出す。寝転がっていたカブキも跳ね起き、聞き漏らさないよう耳を傾ける。

「バイクに乗るリントは……皆弱いリントを守っていた。」
「リント……人間か?」

まるでカブキ以外にも鬼を知っているような口ぶりに、カブキの脳裏に、この島でも一度出会った一人の男が浮かぶ。
かつての仲間であり――――越えるべき壁であり――――おそらく、もう二度と相容れぬであろう敵。

「そいつってまさか……こう、紫色で、二本の角がニュッ、て」
「…………」

記憶を呼び起こし、カブキの言う特徴を持つリントを探す。紫色、ということは変身した姿だろう。
……そういえば、確かバイクを持つリントにそんなのがいたような気がする。一番最初に、しかももう半日以上前に出会ったきりだった所為か、思い出すのに時間がかかった。

「ああ、いた。」
「やっぱりか! そうか、お前がヒビキとねぇ……」

ヒビキ、というのが奴の名前か。その名を記憶に刻むバダーをよそに、カブキは一人うんうんと頷く。

「なあ、お前バイクに乗った奴を殺すんだろ?」
「ああ。」
「だったら、そいつ……ヒビキは残しといちゃくんねえか?」
「断る。」

即答だった。思わずバイクについていた肘から体勢を崩し、カブキは間抜けな格好ですっころんだ。

そんなカブキをまるで邪魔者を払いのけるように蹴飛ばして、バダーはバイクのエンジンを入れる。戦いであちこち傷ついているものの、使用する分には問題ないだろう。

「おい! 話はまだ……」
「嫌なら、俺より早く狩って見せろ。」

冷たく、それでいて覇気の篭った声でカブキを一蹴するバダー。ハンドルを握る寸前、何かを思い出したかのようにカブキに向き直った。

「……そうだ」
「何だよ?」
「禁止エリア……とやらには、気をつけろ。」

何を言っているんだ、カブキの呟きはバイクの廃棄音とバイクの駆動音で脆くもかき消されてしまった。

一瞬のうちに、その影はもう小さくなっている。これだけ距離が離れてしまうと、もう追いつくのは無理だろう。
走り去っていく後姿を見つめながらため息を一つ漏らすと、どこに行っていたのか今まで感じなかった疲れがどっと出た気がした。
今になって、刺された右腕が痛み出してくる。変身した装甲を貫くとなると、あの剣はよほどの名匠が打った業物なのだろう。

「ちくしょ、いつもならすぐ直るのによ……ん?」

静寂を満喫するのにも飽き、自分の荷物を集めようとすると、またもや言い知れぬ違和感がカブキの脳天を突き抜ける。
転がっている荷物は自分のデイパックと、音叉にさっき使った烈節、そしてさっきまで乗り回していたバイク。

「……あ」

繰り返そう。さっきまで乗り回していた、真っ赤な、あの野生児の面影があるバイク。
そしてデイパックの中にあるはずの、なんかよくわからないそろばんもどきが、ない。



「……あ゛ぁ~~~~~っっ!!!!」



【1日目 現時刻:夕方】
【現在地:D-6 南西部】
※D-6エリアを中心に五時から数十分にわたり雨が降りました。


【歌舞鬼@劇場版仮面ライダー響鬼】
[時間軸]:響鬼との一騎打ちに破れヒトツミに食われた後
[状態]:中程度の疲労、肩に裂傷、右腕に刺し傷、二時間変身負荷(歌舞鬼)
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈翠
[道具]:基本支給品×4(ペットボトル1本捨て)、歌舞鬼専用地図、音撃三角・烈節@響鬼、
    GK―06ユニコーン@アギト、ルール説明の紙芝居、インペラーのカードデッキ@龍騎、ジャングラー
【思考・状況】
基本行動方針:優勝し、元の世界に戻って魔化魍と闘う。そして最後は……
1:あんの野郎おおおお!!!
2:ヒビキに勝つ。割と急ぎで。
3:澤田(名前は知らない)にヒビキとの対決を邪魔した礼をする。
4:北崎はいつか倒す。
5:桐谷達が挫折したら自分が引導を渡す。
6:バダーは、参加者を殺すならば泳がせる。
【備考】
※カードデッキの使い方は大体覚えました。



闇夜に響く絶叫を聞き、バダーはバイクの上でひっそりと微笑んだ。
勝負には負けたが、死にはしなかった。それどころかまた新たな戦うリントを見つけることさえ出来た。
そして、最たる収穫は己の油断の発見。カブキとの出会いは、バダーにとってとても深い意味を持つ物になった。

(……負けない、はずだった。)

バイクの性能と運転技量、精神状態、そして当人の戦闘センス。どの要素を取っても勝っており、確実に勝てる戦いだったはずだ。
だというのに――――結果は、策にはまり見事な敗北。それも、一時は殺害寸前まで追い詰めたのに、である。

(見下す、か)

最初から気を緩めず、本気でかかっていればあのような幼稚な策には嵌らなかっただろう。
……ゲゲル開始から今まで、戦いはあれどまともな戦果はない。人ですらない畜生のあの黒龍は論外だ。
残された人数もそれほど多くない。いつの間にか、ゲゲル失敗の影に追われ無意識のうちに焦っていたのだろうか。

(……もう、躊躇は、しない。)

ゲゲルに必要な道具は、もう十分すぎるほどに揃った。明日の夜明けまでに、バグンダダの玉をいくつ弾けるだろう。
当面の目標はバイクを持つリントと、ヒビキという名の戦うリント。カブキにはああ言った物の、実際会ってどうするかは正直半分半分といったところだ。
それこそ、そのときコイントスで決めてもいい。有無を言わさず襲い掛かってきた場合を除いて、であるが。

(……熱いな。)

この火傷は、いわば自分への覚悟の証。新たな決意を胸に、バダーはさらにバイクを加速させていく。


雨は、いつの間にか上がっていた。


【1日目 現時刻:夕方】
【現在地:E-6 東部】


【ゴ・バダー・バ@仮面ライダークウガ】
【時間軸:ゲゲル実行中(31-32話)】
【状態】全身にダメージ、上半身全体に火傷、右足にダメージ、二時間変身不能(グロンギ体)、一時間半変身不能(コーカサス)
【装備】KAWASAKI ZZR250、ライダーブレス&ゼクター(コーカサス) 
【道具】基本支給品、車両配置図、ラウズカード(ダイヤの7・8・10)、ディスカリバー、バグンダダ
【思考・状況】
基本行動方針:リントではなく自分の「ゲゲル」を完遂する。
1:南へ下ってゲゲルを続ける。
2:クウガ、イブキ、ガタック、ドレイク、歌舞鬼はいずれ自分で倒す。
3:響鬼にわずかな興味。歌舞鬼に取っとくかどうかは気分次第。
4:(スマートブレイン勢力も含めた)「ライダー」の探索と殺害。
5:グロンギ族に遭遇しても、このゲゲルを終え、ゲリザギバス・ゲゲルを続行する為に殺す。
6:禁止エリアには気をつける。
※バダーは「乗り物に乗った敵を轢き殺す」ことにこだわっています。
 選択の余地がある状況ならば、上の条件に合わない相手は殺せる場合でも無視するかもしれません。
※「10分の変身継続時間」と「2時間の変身不能時間」についての制限をほぼ把握しました。
※用意されたすべてのバイクが出そろったため、車両配置図は詳細地図としての価値以外なくなりました。
 しかしバダーはその事を知りません。
※風見志郎の事を風間大介だと勘違いしています。
※コーカサスの資格者に選ばれました。
※KAWASAKI ZZR250はバギブソンに変化します。またジャングラーは変化しませんでした(通常バイクのみ変化可?)。
※禁止エリアに入ってから全身が灰化するまで、少し時間があるようです。


115:『いつか』が終わる日 投下順 117:セカンドディール(第三回放送)
115:『いつか』が終わる日 時系列順 117:セカンドディール(第三回放送)
101:藪をつついて黒龍を出す ゴ・バダー・バ 000:後の作品
109:Traffics(終編) 歌舞鬼 000:後の作品

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