そういう・アスカ・腹黒え
彼女、緑川あすかはただずっと考えていた。
戦いに対する恐怖のこともだが、何よりも、「殺さなければならない相手」のことをずっと考えていた。
本郷猛─自分の婚約者を奪った男。絶対に殺さなければならない。
だが困った事がある。名簿にはその名前が2つあった。まあ、彼のところには前に何度も仕事の関係で取材したことがあったから、顔を見ればわかるだろう。
だけど、彼はスポーツ万能青年だ。誰かと協力しなければ絶対に勝ち目はない。今の支給品も微妙だ（剣みたいなものがあるが本当に剣なのか…?）
戦いに対する恐怖のこともだが、何よりも、「殺さなければならない相手」のことをずっと考えていた。
本郷猛─自分の婚約者を奪った男。絶対に殺さなければならない。
だが困った事がある。名簿にはその名前が2つあった。まあ、彼のところには前に何度も仕事の関係で取材したことがあったから、顔を見ればわかるだろう。
だけど、彼はスポーツ万能青年だ。誰かと協力しなければ絶対に勝ち目はない。今の支給品も微妙だ（剣みたいなものがあるが本当に剣なのか…?）
足音を立てないよう、そっと歩いていると、いいところに辿り着いた。ここまで、特に誰にも会わなかったのは幸運だ。
工場。ここなら何かいいものが手に入るかもしれない。隠れる場所もたくさんある。近くにガソリンスタンドがあるから、ここはきっとA-5エリアだろう。
喉は渇いているが、誰かから奪うまでに絶対に何かを飲んではいけない。減らしてはいけない。自分には、人より多く飲み物が支給された。だけどだめだ。飲み物や食べ物はとても貴重だ。
そんなことを考えながらこっそりと歩いていた。
すると、工場の中から謎の二人組が見えた。性別などは陰になってわからないが、何かを探しているようにキョロキョロしている。その手には、地図のようなもの。
地図に何か書いてあるのだろうか。とにかく、小さいものを探しているようには見えない。
見ていると、こっちに来た。隠れていても、あわてて隠れようとしてしまった。
「痛っ!!」
尻に何か刺さった。工場に落ちていた釘だ。何かに使えると思って取ってきたのが悪かったのか。
「誰かいるんですか?」
影の1人は男の声で何か言った。
「私は殺し合いには乗ってません。出てきてくれませんか?」
そう感じる。声がとても優しい。とても演技には思えない。
「もう1人…」
あすかは口を開いた。
「もう1人いるんでしょ? 誰?」
「ああ…ハナさんのことか」
「あの…ハナです。あなたは?」
ハナという女性の全身が少し見えた。暗くてもよくわかる凄く変な格好だ。まるで戦国時代のお姫様。
「緑川…あすかです」
男性はあすかを見てぼーっとしている。
「あの、あなたは?」
「あ、すみません。つい見とれてしまって…風間大介です」
あすかは特に嬉しくなかった。この間婚約者が殺されてとても悲しいときだ。
「あの…何か探してるんですか?」
あすかはなるべく女っぽい可愛い声で言った。これこそ演技だ。
「ええ。私の支給品は移動車両のありかが書かれている地図だったんです。この辺にバイクがあるみたいなんですけど…」
地図を見ると、ところどころに『バ』とか『車』とか書かれていた。『バ』や『車』の数が異常に多い。ひょっとしてこれは「ニセモノ」もあるんじゃないか?例えば、ミニカーとか。
「でも、流石に3人でバイクに乗るのはきついですね。もう1台、近くにあるみたいなので探しましょう」
「3人?」
「あ…ああ、すみません。どうですか? あなたも私たちと組みませんか?」
あすかはずっと大介の腕や足を見て、筋肉を確認し、
「はい。私でよければ…」
と答えた。これも演技の可愛い声だ。
大介の説明によると地図で一番近いのはここから数km離れた道路だ。
「あ、風間さん、ハナさん。本郷猛という男に気をつけてください。彼は私の婚約者を殺害した犯人です。トラックを手で持ち上げたり、すごいパワーの持ち主です」
「そうだ風間さん、緑川さん。私も危険人物を1人知ってるわ。『牙王』という男よ。『モモタロス』、『桜井侑斗』、『デネブ』はまあまあ信用できるわ」
「じゃあ私も言っておきますね。『天道総司』、『加賀美新』はまあまあ信用できます。『影山瞬』には気をつけてください」
いつの間にか、歩きながらの会話に変わっていた。そして、ガソリンスタンドでバイクを見つけた。レースで使うようなかっこいいバイクだった（大介はこのバイクを見たとき、少し懐かしい感じがしたという）。
「あと10分くらい歩けばもう1つのバイクです。取られていなければですけど。あ、バイクの使い方わかりますか?」
「だいたい…」
大介はあすかに対する口数が多いが、ハナに対してはあまり話しかけない。ハナはまるで空気のようだった。
「そうだ。さっき拾ったフルフェイスのヘルメットいります? これなら銃弾とかも少しは防げると…」
「いいんですか? ありがとうございます」
あすかはヘルメットを被った。1人だけ仮面を被っていると少し恥ずかしい。
「あすかさん、支給品は何でしたか? 使い方なども知っていれば教えるんですけど」
「あ、これです」
デイパックをあけると、持ち手に変なものがついた剣（?）とオロナミンCという飲み物が2本出てきた。ビンの表面はあまり冷たくない。
「風間さんは?」
「この地図と、斧です。今はハナさんが持っています」
「そういえば、ハナさんの支給品は?」
「洗濯ばさみと紙でっぽうよ」
「………」
どちらも武器の名前はついているが、それで人殺しはできないだろう。
「あと5分くらいで着きそうですね」
大介は話題をそらすために言った。一応、ドレイクのことは黙っておいた。
工場。ここなら何かいいものが手に入るかもしれない。隠れる場所もたくさんある。近くにガソリンスタンドがあるから、ここはきっとA-5エリアだろう。
喉は渇いているが、誰かから奪うまでに絶対に何かを飲んではいけない。減らしてはいけない。自分には、人より多く飲み物が支給された。だけどだめだ。飲み物や食べ物はとても貴重だ。
そんなことを考えながらこっそりと歩いていた。
すると、工場の中から謎の二人組が見えた。性別などは陰になってわからないが、何かを探しているようにキョロキョロしている。その手には、地図のようなもの。
地図に何か書いてあるのだろうか。とにかく、小さいものを探しているようには見えない。
見ていると、こっちに来た。隠れていても、あわてて隠れようとしてしまった。
「痛っ!!」
尻に何か刺さった。工場に落ちていた釘だ。何かに使えると思って取ってきたのが悪かったのか。
「誰かいるんですか?」
影の1人は男の声で何か言った。
「私は殺し合いには乗ってません。出てきてくれませんか?」
そう感じる。声がとても優しい。とても演技には思えない。
「もう1人…」
あすかは口を開いた。
「もう1人いるんでしょ? 誰?」
「ああ…ハナさんのことか」
「あの…ハナです。あなたは?」
ハナという女性の全身が少し見えた。暗くてもよくわかる凄く変な格好だ。まるで戦国時代のお姫様。
「緑川…あすかです」
男性はあすかを見てぼーっとしている。
「あの、あなたは?」
「あ、すみません。つい見とれてしまって…風間大介です」
あすかは特に嬉しくなかった。この間婚約者が殺されてとても悲しいときだ。
「あの…何か探してるんですか?」
あすかはなるべく女っぽい可愛い声で言った。これこそ演技だ。
「ええ。私の支給品は移動車両のありかが書かれている地図だったんです。この辺にバイクがあるみたいなんですけど…」
地図を見ると、ところどころに『バ』とか『車』とか書かれていた。『バ』や『車』の数が異常に多い。ひょっとしてこれは「ニセモノ」もあるんじゃないか?例えば、ミニカーとか。
「でも、流石に3人でバイクに乗るのはきついですね。もう1台、近くにあるみたいなので探しましょう」
「3人?」
「あ…ああ、すみません。どうですか? あなたも私たちと組みませんか?」
あすかはずっと大介の腕や足を見て、筋肉を確認し、
「はい。私でよければ…」
と答えた。これも演技の可愛い声だ。
大介の説明によると地図で一番近いのはここから数km離れた道路だ。
「あ、風間さん、ハナさん。本郷猛という男に気をつけてください。彼は私の婚約者を殺害した犯人です。トラックを手で持ち上げたり、すごいパワーの持ち主です」
「そうだ風間さん、緑川さん。私も危険人物を1人知ってるわ。『牙王』という男よ。『モモタロス』、『桜井侑斗』、『デネブ』はまあまあ信用できるわ」
「じゃあ私も言っておきますね。『天道総司』、『加賀美新』はまあまあ信用できます。『影山瞬』には気をつけてください」
いつの間にか、歩きながらの会話に変わっていた。そして、ガソリンスタンドでバイクを見つけた。レースで使うようなかっこいいバイクだった（大介はこのバイクを見たとき、少し懐かしい感じがしたという）。
「あと10分くらい歩けばもう1つのバイクです。取られていなければですけど。あ、バイクの使い方わかりますか?」
「だいたい…」
大介はあすかに対する口数が多いが、ハナに対してはあまり話しかけない。ハナはまるで空気のようだった。
「そうだ。さっき拾ったフルフェイスのヘルメットいります? これなら銃弾とかも少しは防げると…」
「いいんですか? ありがとうございます」
あすかはヘルメットを被った。1人だけ仮面を被っていると少し恥ずかしい。
「あすかさん、支給品は何でしたか? 使い方なども知っていれば教えるんですけど」
「あ、これです」
デイパックをあけると、持ち手に変なものがついた剣（?）とオロナミンCという飲み物が2本出てきた。ビンの表面はあまり冷たくない。
「風間さんは?」
「この地図と、斧です。今はハナさんが持っています」
「そういえば、ハナさんの支給品は?」
「洗濯ばさみと紙でっぽうよ」
「………」
どちらも武器の名前はついているが、それで人殺しはできないだろう。
「あと5分くらいで着きそうですね」
大介は話題をそらすために言った。一応、ドレイクのことは黙っておいた。
状態表
【風間大介@仮面ライダーカブト】
【1日目 深夜】
【時間軸:ゴンと別れた後】
【現在地:A-4道路】
【状態】:健康
【装備】:ドレイクグリップ、ドレイクゼクター
【道具】:支給品一式、移動車両ネタばれ地図、ハリケーン@仮面ライダーTHE NEXT
【思考・状況】
基本行動方針:脱出する
1.2人を守り、移動車両を探す
2.本郷猛、牙王を倒す
3.脱出派と合流
4.影山瞬に気をつける
※ハリケーンは使わずに、手で押しています
※ネタばれ地図には、バイクは『バ』、自動車は『車』と書かれています。ミニカーなどのニセモノもあると考えられます。一部抜け落ちありですが、大介たちはそれに気付いていないようです。
※ネタばれ地図には、誰かの支給品も書かれています。
【1日目 深夜】
【時間軸:ゴンと別れた後】
【現在地:A-4道路】
【状態】:健康
【装備】:ドレイクグリップ、ドレイクゼクター
【道具】:支給品一式、移動車両ネタばれ地図、ハリケーン@仮面ライダーTHE NEXT
【思考・状況】
基本行動方針:脱出する
1.2人を守り、移動車両を探す
2.本郷猛、牙王を倒す
3.脱出派と合流
4.影山瞬に気をつける
※ハリケーンは使わずに、手で押しています
※ネタばれ地図には、バイクは『バ』、自動車は『車』と書かれています。ミニカーなどのニセモノもあると考えられます。一部抜け落ちありですが、大介たちはそれに気付いていないようです。
※ネタばれ地図には、誰かの支給品も書かれています。
【ハナ@仮面ライダー電王】
【1日目 深夜】
【時間軸:劇場版・千姫と入れ替わっているとき】
【現在地:A-4道路】
【状態】:健康
【装備】:冥府の斧@仮面ライダーアギト
【道具】:支給品一式、洗濯ばさみ、紙でっぽう
【思考・状況】
基本行動方針:脱出する
1.2人と行動し、仲間を探す
2.本郷猛、牙王、影山瞬に気をつける
【1日目 深夜】
【時間軸:劇場版・千姫と入れ替わっているとき】
【現在地:A-4道路】
【状態】:健康
【装備】:冥府の斧@仮面ライダーアギト
【道具】:支給品一式、洗濯ばさみ、紙でっぽう
【思考・状況】
基本行動方針:脱出する
1.2人と行動し、仲間を探す
2.本郷猛、牙王、影山瞬に気をつける
【緑川あすか@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 深夜】
【時間軸:本郷を疑っている時（トラック事故は見た）】
【現在地:A-4道路】
【状態】:尻が少し痛い
【装備】:デンカメンソード@仮面ライダー電王、釘数本、フルフェイスのヘルメット
【道具】:支給品一式、オロナミンC2本（ぬるめ）
【思考・状況】
基本行動方針:本郷殺害後、脱出するか生き残る
1.2人と行動し、仲間を探す
2.牙王、影山瞬に気をつける
3.風間大介、ハナが使えない人間ならば殺害し、生き残りやすくなる
【1日目 深夜】
【時間軸:本郷を疑っている時（トラック事故は見た）】
【現在地:A-4道路】
【状態】:尻が少し痛い
【装備】:デンカメンソード@仮面ライダー電王、釘数本、フルフェイスのヘルメット
【道具】:支給品一式、オロナミンC2本（ぬるめ）
【思考・状況】
基本行動方針:本郷殺害後、脱出するか生き残る
1.2人と行動し、仲間を探す
2.牙王、影山瞬に気をつける
3.風間大介、ハナが使えない人間ならば殺害し、生き残りやすくなる
| 005:歪んでいる時間の道 | 投下順 | 007:流されやすい者達 |
| 前の作品 | 時系列順 | 013:仮面ライダーの称号 |
| 風間大介 | 023:クローズド・サーキット | |
| 緑川あすか | 023:クローズド・サーキット | |
| ハナ | 023:クローズド・サーキット |
