出るか?モモ獣人の必殺技!

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出るか?モモ獣人の必殺技!


「言っとくがなぁ!俺に前フリはねぇぞ!最初から最後まで、徹底的にクライマックスなんだよ!」
「ちゅちゅ~ん。勘弁してくれよう。オレにはもう何がなんだか……」
目の前に広がる光景を遠目で確認したとき、海堂直也はまず最初にチンピラのケンカかな、と思った。
街灯一つないさびれた林道である。
周囲を照らすものと言えば僅かな月明かりのみで、左右に伸びる木々の群れはその身を真っ黒に染め上げどこまでも闇を広げている。
乱暴な声でやかましくがなり立てているのは全身を真っ赤な衣装に包んだ人間、のような背格好をした見たこともない怪人。
胸ぐらを掴まれ怯えたようにちゅんちゅん鳴いているのが、こちらも多少くすんではいるが全身真っ赤のさつまいものような姿の、やはり怪人。
どう見ても、どちらも人間ではあり得ない。

だからといって海堂と同じオルフェノクなのかと言うとそれも違うように思える。あんな派手な色をしたオルフェノクは見たことがない。
一度死んだ人間の中である特定の因子を持った人間だけがなる存在。様々な動物の特性と強大な力を持った人類の進化系、それがオルフェノクであるとされている。
もっとも、そこまで大仰な話になると海堂にはいまいちぴんとこない。もともとむらっ気があり気の向くままに暮らしてきたのだ。
人類の上位に立つべき存在と言われても、そんなことで命令された通り手当たり次第に人間を襲う気にはなれなかった。
だから、まぁ、海堂は従わないことにした。オルフェノクになりたての頃の話である。
木場勇治、長田結花といった同居人を放っておけなかったというのもある。あいつらは甘ちゃんで危なっかしくて自分がいないとどうなるか分かったものじゃない。
少なくとも、海堂自身はそう思っている。
ともかく、海堂たち三人は自分を中心に紆余曲折を経ながらも今日まで何とか戦ってきたのだ。
今回このような催しのために自分たちを無理やり誘拐した巨大企業、スマートブレインの魔の手から。



「ちゅちゅ~ん。ああ、兄さん助けてくれよぉ。ただでさえ何がどうなってるのか分からないのに、こいつがオレをいじめるんだよぉ」
赤鬼、よくみると何か角みたいなのが生えてるし一応そう呼ぶことにする、の手を振り払ってさつまいもがこちらににじり寄ってくる。

「ああ!?こんな暗ぇ中で穴ぼこ掘ってやがった奴が何言ってやがる!おかけでつまずいちまっただろうが!」
「だからそれについちゃ悪かったってぇ。心細かったからつい……」
「うるせぇっ!オレは今気が立ってるんだよ!」
海堂の足元で助けを請うように蹲ったさつまいもは、近くで見るとモグラにとてもよく似ていた。
そこでぴんときた。なるほど穴掘りか。やはりこいつはモグラなのだ。はい、俺様天才。
思えばモグラはちゅんちゅん鳴くものだったような気もする。
「ま、ま。落ち着けって。けんかしてる場合はじゃな~いだろうが。ちゅうか俺様に全部話してみ。な?」
勝手に気を良くした海堂は見ず知らずの他人のけんかを仲裁することにした。この前照夫という少年を助けてえらく誉められたことも関係しているかも知れない。

「あぁん!?何だてめぇは!?今まさにコーヒーをこう、ぐぐぅっと飲み干そうとした瞬間に、こんなとこ連れてこられた俺の気持ちがぁ!お前には分かるってのか!」
怒声を投げつけながら赤鬼が平べったい小綺麗な剣を海堂の目の前に突きつける。気づかなかったがずっと持っていたらしい。
まぁまぁまぁと手をかざして早口に赤鬼をなだめながら海堂は浴びせられる言葉を分析する。
自分の足にすがりついてる巨大モグラのためにもこの場を収めなくてはならない。
だいじょうぶ、俺様超知性的。
つまりこの赤鬼は混乱しているのだ。いきなり誘拐されたとあっては無理もない。
心なしか目もとが潤んでいるようにも見える。同情を誘うつぶらな瞳だ。
海堂は確信した。こいつは悪いやつなんかじゃない。情を持って説得すればきっと分かってくれる。
共にスマートブレインを倒す、のはいきなりはちょっとしんどいので何なら一緒に家に帰るだけでもい。
とにかく、真心だ。愛情だ。

そう考えた海堂は、全霊の愛を込めて赤鬼の頬をビンタした。


「馬鹿ぁ」
「おわっ!何しやがる!?」
叩かれたところを押さえながら赤鬼がばたばたと後ずさる。全身で慌てているこ
とを表現しているかのようだ。
驚くのも仕方ないと言えるがこれは赤鬼を冷静にさせるためには必要な行為だ。時には荒療治も必要なのだ。
何、ここで混乱した頭に畳み掛けるように説得すれば赤鬼も血の気が引いて晴れて仲間入りとなる。
「痛いか。痛いなら良く聞け。いいか俺達はな……ってあれぇ危なぁい!?」
そうはならなかった。
「ア・タ・マきた~~もう!もう我慢できねぇ!何なんだよ一体!俺の訳分からなさは最高にクライッマックスだぜぇっ!」
あろうことか赤鬼は海堂の説得もむなしく剣を振り上げ襲いかかってきた。あり得ない。
「うおっ!おっ!ちょやめ!やっめ!」
重厚な風切り音と共に降り下ろされる攻撃を、右に左に大袈裟な動作でかわす。よけるのに邪魔になったモグラは蹴飛ばした。
耳を掠める剣風にひやりとした快感を覚えつつも、海堂は説得をあきらめてはいなかった。

「待てっちゅ~てるだろうが!俺様に心を開き……」
「うるせぇ!行くぜ行くぜ行くぜぇっ!」
海堂は説得をあきらめた。我ながら状況に即した的確な切り替えの速さだ。
もとよりこいつとは相容れない、そういう運命だったのだ。悲しいがそう割りきる他ない。
赤鬼が一際大きな振りを空ぶった隙に思い切り飛び退いて距離をとる。
そうして海堂は心なし体を丸めると赤鬼目掛けて真剣な表情をとった。
「へっ、やるじゃねぇか!何だか楽しくなってきやがったぜ」
集中し、オルフェノクの力を解放しようとする。海堂の皮膚から浮かび上がるように蛇の異形が姿を現した。
「ようし分かった!特別に見せてやろうじゃねぇか!」
うって変わって陽気になっている赤鬼の言葉には構わず蛇を模した灰色の異形、スネークオルフェノクへと姿を変えた海堂は前方の敵へ猛然と走り出した。
「分からない奴には……」
一息に距離を詰め。
「八つ当たりで考えた俺の必殺技!パート……!」
「お仕置きだぁ!」
がら空きになっていた赤鬼の胴を掴むとあさっての方向へ向けて天高く放り投げた。



「ああ~~あ~~~~」
綺麗に宙を舞った赤鬼は水泳でもしているかのように手をばたばたともがかせながら、星明かりの中どこぞへと消えていった。
「ありゃあだめだな~。ちょっと期待外れだったぁ。俺様反省」
変身を解いた海堂が赤鬼の飛んで行った方向を手で仰ぎ見ながら呟く。
思いのほか気持ち良く吹っ飛んで行ったが、それぐらいの方が反省しやすいだろう。
「殺しあえぇなんて言われたくらいで簡単に言う通りにするか。おい、お前、だいじょぶか」
いつの間にかそばでちょこんと小さくなっていたモグラに手を振る。かなりひどく汚れているが、これといった怪我はないようだ。
「助かったよぉ、兄さん。あんた強いんだねぇ」
「あ?あったりまぇだろうが。ほれ、褒めたいならもっと言って良いぞ。ほれ」
素直に誉められて悪い気はしない。というか、とても良い気分だ。
「いや~~助かったよほんと。俺はもうおしまいかと」
「うんうん、俺様にまっかせない。ちゅうか、お前は一体なんなの?」
満面の笑顔で頷きながら、海堂は同時に質問も行う。
オルフェノクにはとても見えないモグラの化け物はえっへんとばかりに胸を張って答えた。

「オレはモグラ獣人!ゲドンを倒すためにアマゾンと一緒に戦う、正義の獣人だよぉ!」


「あ~良く分からん。何だぁ、ゲドンって?」
聞いたことのない言葉に戸惑った海堂は、手を耳に当てて分からないことをアピールする。
「悪事ばっかり働くそりゃあもう酷い連中さぁ!オレもゲドンに作られたんだけど、あんまり酷いから裏切ったんだ」
「なるほど、ちょっと分かった。苦労したんだな、お前も」
つまりは、犯罪組織のようなものだろう。それもスマートブレインのように表は出ないタイプの。海堂はそのように理解した。
「そうなんだよぉ、いや兄さん話せるね。さっきのあいつもきっとゲドンの新獣人だよ。早くアマゾンに知らせないと」
「アマゾン?誰だそりゃ。そんなやつはここにはいねーぞ」
一人で狼狽しはじめたモグラに海堂は言った。
ちゅ、と不思議そうな顔をするモグラに説明する。スマートブレインのこと。現在の状況のこと。そして与えられた道具と携帯電話の名簿機能のこと。
もっとも状況に関しては海堂も五十歩百歩だ。見せしめに殺された二人の映像を見せたらモグラは青くなって震えていた。
「分かったか。も一度確認してやったが。アマゾンなんて名前は載ってなぁい。分かったらあきらめろ。な」
確認に取り出した携帯電話をしまいながら海堂が言う。恐怖映像に加え頼りの人物がいないと知ったモグラは目に見えてしょぼくれていた。
「そんなぁ……アマゾォン……」
ちゅーん、と悲しげに一鳴きする。その様子が海堂の心をざらつかせた。
んー、とかあー、とか言いながら手をぶらふらさせる。



そして、こらえきれなくなったかのように乱暴に頭をかきむしると海堂は抱き締めんば
かりの勢いでモグラの肩を掴んだ。

「ようし、分かった!俺様が、何とかしてやる」
「ちゅ!?ほ、本当かい!?」
「とりあえず、できるとこまで」
「いやぁ、俺は嬉しいよ!こんないい人に会えるなんて俺はよっぽどついてるんだなぁ!」
「うむ、そうやって喜ばれると俺様も嬉しい。とりあえずあれだ。獣人か?危険だってことは良く分かった。さっきの奴にもっかい会ったらとっちめてやる。他の連中にも伝えてやる」
「おお~!」
見上げるモグラの小さな瞳からは今や不安の色は完全になくなった。代わりに冷静に今後の方針を話す海堂への尊敬の念に満たされている。
「よし、そうと決まったら歩くぞ。ここは暗くて寂しくてかなわん。お前は俺に~ついてこい!」
「あいよ!見てろよ、ゲドン。それに、スマートブレイン!」
海堂が無意味に跳びはねながら走り、モグラはその後ろをわたわたと追いかける。
人間以上に人間らしい感情を持った二人の人外の道行きがこうして始まった。
根拠など一切持たずとも、少なくとも今だけはその足取りに希望が溢れていた。




モモタロスは暗い暗い森の中、柔らかい腐葉土に上半身を突っ込んだ姿勢で足だけばたばたともがかせていた。
「ん~~ん~~んん~~!!」
誰の手も借りずに自力で抜け出すには、もう少し時間がかかりそうだった。

状態表


【1日目 深夜】
【F-7 森の中】
【モモタロス@仮面ライダー電王】
【時間軸】28話開始時辺り(牙王戦終了辺り)
【状態】いら立ち。不可解な状況への混乱
【装備】ディスカリバー@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式(不明支給品×2)
【思考・状況】0:ぬ、抜けねぇ!?
1:何とかして状況を把握する
2:モグラ獣人と海堂への借りをかえす
※支給品を細かく確認していません。よって携帯電話の内容もまだ見ていません。



【1日目 深夜】
【F-7 道路】
【海堂直也@仮面ライダー555】
【時間軸】34話前後
【状態】健康 オルフェノクに2時間変身不能
【装備】なし
【道具】支給品一式(不明支給品×3)
【思考・状況】
1:モグラ獣人と一緒に行動してやる。できる範囲で。
2:モモタロスに会ったらとっちめる
3:モモタロスの危険性を会った奴に伝える
※モモタロスを獣人だと誤解しています


【1日目 深夜】
【F-7 道路】
【モグラ獣人@仮面ライダーアマゾン】
【時間軸】ゲドン崩壊前
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式(不明支給品×3)
【思考・状況】
1:海堂についていく
2:アマゾンに会いたい
※モモタロスを獣人だと誤解しています
※携帯電話の内容を自分の目で確認してはいません

010:犀虎の十分間 投下順 012:「誰か」のためのライダー
010:犀虎の十分間 時系列順 012:「誰か」のためのライダー
モモタロス 024:桃の木坂分岐点
海堂直也 029:駆ける海堂
モグラ獣人 029:駆ける海堂
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