05122009
 久しぶりのC級オーディオ、さて今回は.....
 某K工業大学、K教授ご依頼の一品です。
 昭和30年代より前かもしれません。当時のオーディオマニア涎ものの一品です。
 マニュアルに刻印された誉れ高き印....当時の日本を象徴する歴史的な一品でしょう。

 

 VICTOR SSL-88Tです。オールトランジスタで構成されたステレオシステムで、プレーヤー、AM,FMラジオ、TAPE制御端子、外部入力付きの一品です。
 外観はこちら.....レトロな印象ばっちりです。


 症状は....電源が全く入りません....で、お預かりしたのが昨年の夏頃....約10ヶ月ほど手を付けておりませんでした....いや、手を付けてはいたのですが...(ゆっくりでいいとの言葉に甘えていたのと、実際超多忙でしたので.....)

 背面の写真はこちらです。


 中を取り出してみると....それはそれは悲惨な状態でした。
コンセントを差し込むのも恐ろしい....回路基板は砂状でしかも固着したホコリで回路全体が埋もれています。
 数十年分のすす払いをかねて刷毛で払い落とし、次いで洗浄剤と綿棒でこすり落とし....最後はベビコンブロワーでホコリを吹き飛ばし...それでも足りずに綿棒で.......基板に触れる(電源を流す覚悟ができるまでに...orz...)事ができるまでに長い時間がかかりました。
 次いで、電源入れるとヒューズが飛ぶ....と言う事で回路検証を始めました。


 まだ薄汚れてはいますが.....まずは電源回路からチェックします。幸いな事に本体回路図は残っておりましたので、これを見ながら検証.....基板が取り外せません......コネクタ等はいっさい使用しておらず、内部回路結線の色分けも根拠が無さそう....しかも、最短距離(回路的には理にかなってはいるのですが(苦笑))の直接配線で安易にラインをカットできない...

 この辺の難しさが祟りました........別の意味で難しかった....OrZ....

 電源回路の後段ブロックコンデンサやダイオード等の分離できるパーツから外してチェックし、使用できそうなものは残すという手法で....まるで、高齢者の歯科残存術的に作業を繰り返しました....

 そして、ついに見つけた諸悪の根源の総大将....写真をご覧頂くとお分かりになるかと思いますが、ブロックコンデンサの底にバツ印の亀裂が入っています。つまり、コンデンサは既に崩壊済み....内部でしっかりショートしておりました.....恐ろしい、あまりにも恐ろしい状態です....


 容量が2200uFの25Vですが、いまどき新品の代替部品を探すのはさすがに困難....と、言う事で、電源の整流直後のケミコンであった為、手持ちの3300uF,50Vにケーブル延長の上交換しました(写真中の横に寝かせてある茶色の物体...両面テープで回路フレームに接着し、クロテープで補強してます....)。
 容量が違うため、回路に変動が起きないか不安ではありましたが、特に問題は無さそうです。

 こちらは作業中の写真です。通電中なのでランプが光っているのが確認できると思います。


 とりあえず、通電ならびに音出し完了で、メインアンプ部は殆どそのままの状態にしております。ハンダ面は殆どやせてはおらず、使用頻度は10年も無かったようにお見受けできます。
 アンプ部のケミコンも目視による劣化や割れが見られず、音出しも左右ともに正常、ラジオもAM,FMともに動作を確認したため、不用意なパーツ交換を避けました。
 以後はオーナーにお返しして継続して使用していただき、問題が生じた時点で対応する事にしました。その間にパーツを探しておきます。
 K先生、本当に長い事お待たせしました。