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21歳新米OL、課長に恋しちゃったの(3) http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1140092719/
51 名前: マユミ ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/17(金) 01:27:47.04 ID:yHWm9Xl20
さすがに鈍感な私でも分かる。
これ……やっちまったぁ!!
「あ、あの、そ、その指輪……」
「ああ、これね」
そう言って事も無げに左手の甲をこちらに向けて小さいダイヤが一列に並ぶ指輪を見せる。
「お・と・こ・よ・けっ」
「も~、いつからそんな生意気な事言えるようになったのよぉ!」
「あ、いた、やだぁ、やめてぇよぉ~!」
再び活気が戻った。
あ~心臓に悪ぅ。
52 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 01:34:24.02 ID:yHWm9Xl20
隣に座る女性が肘で私を突付いてきた。
「禁句でしたか、アレ……」
「ええ……かなり、ね」
あれは珍しく志穂ちゃんも混じっての飲み会の事だった。
ある一人の部下が言った。
『志穂ちゃん結婚しないのぉ?』
それに答えて志穂ちゃん、グラスになみなみと注がれたワインを一気に飲み干し。
『ぅおとこなんてぇぇぇぇっ!!!!!!』
ビールジョッキで20杯、チューハイ15杯、日本酒おおよそ5合を飲み干した志穂ちゃん。
周囲の席にいるカップル達にからみまくり、あげくのはてにその店を出入り禁止になりましたとさ。
……と、隣の女性語る。
53 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/02/17(金) 01:37:41.91 ID:QWEGoKkmO
布団の中でこのスレを見つけてしまい、ケータイで1から読んでたんですが、どうしても眠いです。本当におやすみなさい。願わくば朝まで残ってることを~
志h…マユミたん、がんばってねー
54 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 01:38:16.66 ID:yHWm9Xl20
「すごいんですね、色々と……」
「ええ、すごいわよ、色々と……」
色々と想像を超えてくれるわねぇ、志穂ちゃん。
「さてっと」
すっと志穂ちゃんが立ち上がった。
「それじゃみんな、ぼちぼち片付けてぇ~」
「は~い」
そして私を除く他のメンバーも一斉に立ち上がり、各々カップを流しに持っていったり
散乱した銀紙を片付けたりと作業を始めた。
55 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 01:43:10.95 ID:yHWm9Xl20
(>>53ありがとうございます、ゆっくりお休み下さいね)
えっと、私も何か手伝わなきゃ、んと……
右往左往している私の肩を誰かがポンと叩いた。
「ほ~らっ、お客さんは余計な気使わなくていいから」
振り向いたら、すぐ側に志穂さんの顔があった。
「え、でも……」
「い~のっ」
そう言って小首をかしげ微笑む志穂さん。
可愛らしいんだけど……生きた伝説なんだよなぁ、この人……
57 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 01:50:08.41 ID:yHWm9Xl20
「それよりもマユちゃん、書類とサンプルの説明するから私の部屋に来て」
そう言いながら、また手を握ってパタパタ走ってく。
……てかマユちゃんてあなた、その呼ばれ方したの小学校以来なんですけど。
「この書類が保安手続き用、そしてこちらが……」
でもこうやって仕事してる姿を見てるとやっぱりチーフ、河部志穂なんだよなぁ。
「先方にはこの瓶とパンフレットを……ん?なぁに?」
「あ、いや、志穂さんやっぱりチーフなんだなぁって」
「ふふ、当たり前じゃない……で、このパンフレット末尾に添付されている用紙を……」
可愛いし、すごい人だけど……なんだかつかみ所の無い人だなぁ。
58 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 01:57:18.65 ID:yHWm9Xl20
「以上で説明を終わりますが、何か質問は?」
「はい、先生」
あ、つい言っちゃったよ。まぁ……
「何でしょうか?マユミ君」
……こういう人だから問題無いか。
「ちょっと聞いたんですけど、業務時間以外は肩書きで呼ばない取り決めだとか」
「ええ、プライベートの時間にまで仕事引きずりたくないし」
「あの……」
う~ん、こんな事言っちゃってもいいもんなんだろうか。
「なぁに?」
上目遣いで顔を覗き込んでくる……うん、問題無いか。
「私も、志穂さんって呼んでいいですか?」
「おけ!」
即答ですか、それも笑顔で。
59 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 02:01:12.57 ID:yHWm9Xl20
「って言うかさっき私の事志穂さんて呼んでたじゃない~」
「いや、あれはついノリで」
「呼びやすい呼び方でいいよ、上司と部下って訳でも無いし」
「は~い」
……
……って言うか、何でまだ上目遣いで覗き込みますか。
「あの、志穂さん」
「ん~?」
「私の顔に何か?」
「ん~、ついつい見とれちゃった」
は?
60 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 02:06:07.81 ID:yHWm9Xl20
「何かね、若い頃にそっくりだなぁって……」
「へ?」
「……って、そんな事よりほら、早く帰らないと室尾さんに怒られちゃうよ!」
今度はパッと立ち上がり私にサンプルと書類を押し付ける。
……確かにもう16時半近い。さすがに長居しすぎたなこりゃ。
「それでは失礼しま~す」
「また遊びにおいでねぇ~!」
「は~い」
つくづく変わった人だったなぁ……割と好きなタイプではあるけど。
にしてもそっくりねぇ……私も年取ったらああなんのか!?
ま、悪くは無いかもしんないけど。
61 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 02:10:56.03 ID:yHWm9Xl20
「ただいまぁ~」
「お帰り、お疲れ様」
営業2課に帰ってきた私を大泉君が出迎えてくれた。
「はい、サンプルと書類」
「えっと……」
「心配しなくても志穂さんが付箋付けてくれてるから」
「志穂さ……ん?」
あ、いかん。
「いや、ほら、河部チーフ。書類の説明を付箋に書いて貼り付けてくれたの」
「ほ~ら、言ったとおりでしょ大泉関」
香苗が何やら勝ち誇ったように言った。
「この子だったら薔薇組に違和感無く溶け込むって」
62 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 02:14:52.34 ID:yHWm9Xl20
「香苗行った事あるの?あそこ」
「うん、私は馴染めなかったけどね。あそこの空気には」
まぁ確かに、根本的に志穂さんとはかみ合いそうに無いしこの子。
「と、言う訳で大泉関よろしくね。カプチーノ」
「はいはい」
ぼやきながら大泉君がドアから出て行く。
「カプチーノ?」
「そ。二人で賭けてたの。マユミが馴染んでくるかどうか」
63 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 02:18:46.30 ID:yHWm9Xl20
「ほい、お待たせ」
「サンキュ~」
大泉君が両手に紙コップを持って帰ってきた。
そして一方を香苗が受け取る……さすがに物を貰う時は上機嫌らしい。
「はい、木戸さんも」
「へ?」
もう一方の紙コップを私へと差し出す。
「いいの?」
「うん、折角だから」
「ホントいいヤツだね~お母さん嬉しいよ~」
ずずっ
ブレンドコーヒー、砂糖ミルク多めか……あ。
64 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 02:22:33.21 ID:yHWm9Xl20
「そういえば課長は?」
「出先から直帰するって」
大泉君が即答する。
「そっか」
「何、課長に用でもあったの?」
自席ですっかりくつろぎモードの香苗がふんぞり返ってこぼす。
「そういう訳じゃ無いけど、いないな~って」
「ま、いてもいなくても大差無いでしょあの人の場合」
ちょっと、そういう言い方……
「そういう言い方は無いだろ、アレでも一応上司なんだから」
ん?声に出ちゃった?
「はいはいそうですね、大泉関君」
ああ、大泉君か。
65 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 02:26:08.72 ID:yHWm9Xl20
「さてっと」
空っぽになった紙コップを机に置き、香苗が立ち上がった。
「それじゃぼちぼち帰りますかぁ」
あら、喋ってる間にもうそんな時間。
「香苗、今日の分の仕事終わったの?」
「うん、ちょちょいのちょいってね」
まぁそれなら別にかまいませんが。
「それじゃ、お先。お疲れ様~」
机を片付ける私達を尻目に大泉君がタイムカードを押し出て行く。
「お疲れ~」
「おつ~」
66 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 02:31:28.44 ID:yHWm9Xl20
「そんじゃ私も帰るわね~」
「は~い、おつかれ~」
そして香苗も出て行き……
はぁ、一人……か。
周りに人の気配が無いのを確認して、課長の席に近づいていく。
そして、からっぽの椅子の背もたれにそっと手を置き……
「好き……です……」
小さくつぶやいた。
机の上に散ってた消しゴムかすをゴミ箱に入れ、置きっぱなしになっている紙コップを手に取り
椅子を机の中に戻す。
67 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 02:34:25.82 ID:yHWm9Xl20
――お疲れ様でした。
心の中でつぶやき、無人の机へと小さく頭を下げる。
課長……室尾、誠課長……
はぁ……
やっぱり……あなたの事が、大好きです。
カシャッ
タイムカードを押し、からっぽの部屋に向かいもう一度。
――お疲れ様でした。
119 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 21:13:31.93 ID:yHWm9Xl20
(保守ありがとうございました、それでは再開します。受験生の皆さん、頑張ってくださいね)
「私んとこはバツしといて」
「はいはい」
回覧板に張り付いている書類に記入。私はマルで香苗はバツっと。
ん~と、次は……
「ほいよ、大泉君」
『第87回運動会開催のお知らせ』
一番上にこうデカデカと書かれた紙が綴じられた回覧板を、近所にいた大泉君に回す。
120 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 21:18:31.24 ID:yHWm9Xl20
「でもさぁ」
机の上に体を乗り出し、回覧板を一枚一枚めくっているお向かいさんに顔を突き出す。
「一体どこでやるの?」
「ここから駅4つ先の中学校のグラウンド借りてやるみたいだよ」
「はぁ、そりゃまた本格的ねぇ」
感心している私をよそに、ぼそっと一言。
「……てかここに書いてるし」
いやゴメン、課長がマルしてんの見て条件反射で私もマルしちゃいました。
121 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 21:25:16.72 ID:yHWm9Xl20
「北村さんもたまには出たら?」
「何が嬉しくて、休みつぶしてそんなの出なきゃならないのよ」
あいも変わらずばっさりと。
「ねぇ、マユミ」
「いや……私出るし」
ガタンッ
あ、イスからずり落ちた。
「いたた……二人ともよくやるわねぇ」
「まぁこういうレクリエーションに顔だすのも大事なことだし。ね、木戸さん」
私の場合はもうちょっと不純な動機なんですけどね、いやほんとゴメン。
122 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 21:29:10.77 ID:yHWm9Xl20
「どうだっていいと思うけどねぇ」
履き捨てるように言いながら、香苗がイスに座りなおす。
「まぁまぁ」
そしてそれをなだめる大泉君。
それにしても、課長どんな格好で来るのかなぁ……
いやそれ以前にスポーツとか大丈夫なのかしら、結構ドジな人だし。
さて来月の第三日曜日、晴れるとよいのですが。
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