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☆12歳小学生、志穂とチョコレート☆(3)   http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1139489730/

106 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 21:41:27.36 ID:q7cw4tyB0

  そして3時間目、4時間目と時間は流れていき……
  キーンコーンカーンコーン
  「きりーつ、れーい、ちゃくせーき」

  「はぁ~、今日はカレーかぁ……」
  「志穂ちゃんニンジン苦手だもんねぇ~」
  机を給食ポジションに動かしつつ祈る。
  ニンジンあまり入りませんようにあまり入りませんように……っ!!

  ポトッ
  「お、なんだこりゃ?」

107 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 21:44:35.30 ID:q7cw4tyB0

  「チョコじゃね?ほら今日は……」
  「開けてみようぜぇ~」
  「さんせ~い!」

  騒がしいわねぇ、バカ男子共……ん?あの手に持ってるのは……

  「くそっ、結び目固ぇな……」

  !!!!!
  そのチョコに触るんじゃねぇウジ虫どもがぁっ!!!!!!!

108 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 21:49:42.77 ID:q7cw4tyB0

  「ちょっと、それ私のっ!!」
  「何だよ、証拠あんのかよぉ?」
  「名前書いてねぇしなぁ」

  「うるさいっ!!」
  チョコを持ってる上杉目がけて突っ込んでいく。

  「武田ぁ、受け取れよっ!」
  ポーン
  「おっし上杉ナイスパス!」

109 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 21:55:27.42 ID:q7cw4tyB0

  ブチッ……

  「コォォォォ……」
  息を深く吐き、全身の筋肉を弛緩させる。
  「憤っ!」
  そして床を蹴り一足で武田を射程距離に捉える。

  「な!?」
  ダンッ、戸惑う武田へと更に一歩踏み込み……
  それと同時に腰を捻り、拳を作った右手を外転させつつみぞおち目がけて……

110 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:01:41.17 ID:q7cw4tyB0

  ドゥンッ!!
  地を蹴り生じた剄力を、余す事なく拳へと伝達させ突き上げる!!
  「おごォッ!!」

  タンッ
  さらに左足を、踏み込んだ右足に揃えるようにし、その動きに連動させ
  腰を回転させつつ左掌底でアゴを……
  ズガッ!!
  撃ち上げるッ!!
  「あギッ!!」

111 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:04:11.36 ID:q7cw4tyB0

  武田が大きく弧を描いてすっ飛んで行く。
  少林寺3日目の私を怒らせるからこういう事になるのよっ!!><

  そしてチョコも一緒にすっ飛んで行って……
  ぽーん
  窓の外へ……

  「あっ!!」

112 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:08:03.64 ID:q7cw4tyB0

  急いで窓に駆け寄り、下を覗きこむ。
  地面の上にちょこんと薄ピンクの包み。

  トコトコトコ
  そこにポチがやってきた。
  あ、ポチってのは時々学校に遊びに来るワンちゃんの事だよっ!

  ……ってそれどころじゃなぁぁぁぁいっ!!それに触るなワンコぉぉぉぉっ!!

113 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:11:07.07 ID:q7cw4tyB0

  大急ぎで教室から飛び出し、階段を駆け下りる。
  タッタッタッタ

  そして上履きのまま玄関を飛び出し教室の真下目指して走る。

  ……よかった、ポチがクンクンしてるけどまだ無事――

  パクッ

  ――このド畜生がぁぁぁっ!!

114 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:13:33.50 ID:q7cw4tyB0

  トコトコトコトコ
  ……あれ、ポチがこっちに向かって歩いてきたよ?
  あ、チョコ持って来てくれたんだね、いい子いい子。
  ナデナデ。

  クゥ~ン……
  カァ~……

  ん?

115 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:16:22.87 ID:q7cw4tyB0

  バサッバサッバサッ!
  黒い塊がポチ目がけて飛んできて……

  キャインッ!
  あろう事か私のチョコをクチバシで咥えて飛んでっちゃったの!!

  「クゥ~ン……」
  「よしよし、仇は私がとってあげるからね」
  カラス許さねぇ!!

116 名前: ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:17:31.10 ID:q7cw4tyB0
(15分ほど休憩します)

117 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/02/10(金) 22:23:18.58 ID:PjwwKGz7P
  お疲れ様だお。

120 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:31:58.48 ID:q7cw4tyB0
(>>117ありがとうございます)

  「まてぇぇっ!!」
  「カァ~」
  カラスを追いかけ、上履きのまま学校の外へと。

  ドスッ、バキッ
  カラスに意識が集中しているせいで通行人にぶつかりまくりだけど気にしない。
  そして気がついたら大通り。

  ……あ、歩道橋の手すりにとまった!

121 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:34:41.05 ID:q7cw4tyB0

  とは言え、普通に行っても逃げられるわね……

  あ、これ使えるかも。
  ガコッ
  その辺にあったゴミバケツのフタを手に取ったの。

  そろり、そろり……
  ヤツに感づかれないように、身をかがめ歩道橋を一段一段登っていく。
  色々と視線が痛いけど気にしない。

122 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:40:15.23 ID:q7cw4tyB0

  歩道橋の階段のちょうど中間辺りまで来た……
  相変わらずヤツは、真上の手すりでくつろいでいる。

  (ここからなら、届きそうね……)

  ゴミバケツのフタの縁を持ち、体を捻って……
  「えいっ!」
  びゅっ!

123 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:43:10.91 ID:q7cw4tyB0

  しゅるるるる……
  ゴミバケツのフタが回転しながらカラス目がけて飛んでいく。

  「カァッ!?」
  不意打ちに驚き、カラスが声をあげる。

  ガインッ!バサッ!バサバサッ!
  ちぃっ、外したかっ!!だが……

  ぴゅぅぅぅ……ぽすっ

  チョコは落ちた!!

124 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:45:48.16 ID:q7cw4tyB0

  階段の手すりから身を乗り出し、下を覗きこむ。
  トラックの荷台に落ちたみたいだね、チョコ。

  歩道橋を大急ぎで駆け下り、トラックの元へと駆け寄る。

  コンコン。
  う~ん、運転手さんいないっぽいや……
  しょうがないから勝手に探させてもらおっと。

125 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:48:44.99 ID:q7cw4tyB0

  「よいしょっとぉ!」
  後輪に足を掛け、荷台へとよじ登る。

  え~と、確かこの辺だったような……
  ガサゴソガサゴソ

  邪魔だなぁ、この箱……えいっ!
  ガラガラガシャーン!

  きゃー!

126 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:51:11.60 ID:q7cw4tyB0

  いたた、荷物崩れちゃった><
  ……あ、チョコ発見!
  カラスのせいで大分ボロボロになっちゃってるよラッピング……

  ブルンッブルルルルッ!

  え?何!?

  ブロロロロロォォォォォォ……

  きゃぁぁぁっ!!走り出したぁぁっ!!

127 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 22:58:48.69 ID:q7cw4tyB0

  運転席後ろの窓から覗き込んだら、いつの間にか
  運転手さん帰ってきてるし!志穂ぴんち!!

  ドンドンッ!
  「止めてー!」
  「ぅお~れ~が~ぁぁああや~ぁらな~ぁきゃぁ~」

  ドンドンドンッ!
  「とーめーてーっ!!」
  「あ~ヨイショォッ!!がま~ぁん~ざ~ぁぁあか~ぁぁぁ」

  ――運ちゃんの一人サブちゃんメドレーは、その後3時間ほど続けられた。
  「サブちゃんのバカァーーーーーっ!!」

128 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 23:05:04.06 ID:q7cw4tyB0

  「はぁ……はぁ……」
  すっかり日が暮れ、星がまたたき始めた小学校の校門の前に
  ぼろぼろの薄ピンクの包みを手にした少女が、これまたぼろぼろの上履きを履き立っていた。

  「やっと着いたぁぁぁっ!!」
  「ワンワンッ!」
  「ポチぃっ!!」
  もう誰もいない校庭を、一匹の犬がしっぽを振り振り走ってくる。

  「すっかり……日、暮れちゃったね」

129 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 23:08:51.18 ID:q7cw4tyB0

  とぼとぼ……
  薄暗い廊下を一人、歩く。
  もうみんな帰っちゃったろうなぁ……

  とぼとぼ……
  あ~あ、今日はさんざんな一日だったなぁ……

  とぼ……
  あれ、教室電気ついてるや。最後の人消すの忘れたのかなぁ……

  ガラガラッ
  「遅かったじゃん、お帰り!」

130 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 23:15:05.44 ID:q7cw4tyB0

  ――え?どうして……?
  「なかなか帰ってこないから心配したよ~、うわ、上履きボロボロじゃん」

  ――私の事……待ってて……?
  「大丈夫?怪我とかしてない?……ん、この包みは?」
  「え、あ、これ、その、」

  ――ヤダ、涙が……
  「渡そうと思って、あ、やだ、こんなボロボロ、イヤだよね……」

131 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 23:20:06.49 ID:q7cw4tyB0

  少年がうつむき抱え込んでいる薄ピンクの包みをサッと奪い取る。
  「あ……」
  「俺に……で、いいんだよね?」
  コクン、少女がうなずく。

  ビリビリッ
  「うわ、うまそ~!」
  6つあるハート型の茶色い塊の内の一つを無造作につまみ上げ、
  ひょいと口に放り込む。
  「んっま~い!!」

  そして一緒に入っていたカードを手に取り、じっと見入る。

132 名前: 志穂 ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/10(金) 23:27:02.51 ID:q7cw4tyB0

  一瞬の静寂。そして……
  「ありがとう」
  少年が少女を真っ直ぐ見据え、優しく告げる。

  「ひっく、ごめんねっ、こんなっ、ぐちゃぐちゃでっ」
  「おいおい泣くなよ~……!?」
  涙を拭こうと近づいた少年に少女が飛びついた。

  「ずっとっ、ずっとっ!好ぎでじだっ!!」
  そっと優しく髪を撫でる、手。
  「俺も、前から……」


  ~完~