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21歳新米OL、課長に恋しちゃったの(4)   http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1140092719/

123 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 21:34:59.28 ID:yHWm9Xl20

  そして当日。
  ちょっぴり雲がかかってる程度の、まぁ運動するには返って丁度いい空模様。

  「ジャージよし、お弁当よしっと……」
  少し寝不足でぼんやりしている頭ながらも支度を整えていく。
  「あ、いかん。ジャージ値札付いたまんまだ」
  チョキンっと。

  そして鏡の前で最終チェック。
  眉毛オッケー、髪型……なんかちょい浮いてるなぁ。
  ブラシとドライヤーを取り出し、短めの髪にグイグイ押し当てる。

  よし準備オッケー。それじゃいってきまーす!

124 名前: マユミ ◆Z2KySTSpOo 投稿日: 2006/02/17(金) 21:41:52.91 ID:yHWm9Xl20

  本日グラウンドを貸してくださっている桜中学校。
  これまたお貸しくださっている、更衣室代わりの教室でジャージへと着替える。

  「うわお」
  私がグラウンドに出る頃には開会式が目前になってた訳だけども、
  そこに並ぶ人、人、人の山に思わず声が出てしまった。

  やっぱり、彩華堂てデカい会社なんだなぁとしみじみ。

125 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 21:45:28.66 ID:yHWm9Xl20

  えっと課長、課長、室尾課長っと……
  人の山を見渡し、憧れの君を探してみるけれどさすがに見当たらない。
  ざっと見渡しただけでも3~400人はいるもんなぁ。

  いやいや、でも愛さえあればっ!!
  ……ゴメン、やっぱ無理。

  仕方無いので、適当な所に紛れ込んで開会式に臨む事にした。

126 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 21:51:18.79 ID:yHWm9Xl20

  「お~い、木戸さ~ん」
  開会式を終えキョロキョロしていると、どこからか私を呼ぶ声が。
  「あ、大泉君」
  黒いTシャツに紺のジャージ下と言ういでたちで、手を振りながら向かってきた。

  「いやぁ、探した探した。もしかして来てないんじゃないかって」
  「ゴメンゴメン、ウチの課どこなのか分からなくって」
  もうちょっと早く来るべきでした、反省反省。

  そして大泉君の後について人ごみの外へと出て行く。
  ……課長いたーーーーーーーーーーっ!!

127 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 21:57:45.51 ID:yHWm9Xl20

  「木戸君おはよう、姿が見当たらないから心配したよ」
  「お、おはようざいます!」

  アディダスの白いジャージの上下にこれまた白のスニーカー。
  はぁ、まぶしいなぁ……それにスラッとしていてス・テ・キっ、はぁ。
  ってか心配してくれてたのですね、もうそのお言葉だけでワタクシは、ワタクシはっ!!

  「あ、見つかったの?」
  ふと聞きなれない女性の声。ん?

128 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 22:03:17.87 ID:yHWm9Xl20

  声の出所、課長の後ろの方を見ると知らない女性が。
  そして振り向いた課長へと手を振る。
  「そういえば木戸君にはまだ紹介してなかったね」

  いや、いいですから、検討ついてますから。
  ……などと言える訳も無く、黙って課長の後ろについていく。

  そしてその女性の前で課長が立ち止まり、私の方に向きなおして一言。
  「紹介するよ、彼女ウチのカミさんなんだ」
  「始めまして、いつも主人がお世話になっております」

  そんな、頭下げないでくださいってば。

129 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 22:08:50.98 ID:yHWm9Xl20

  「始めまして、木戸と申します」

  課長が36歳だから30代前半ぐらいだろか……
  肩のところですぱっと切りそろえた黒髪、ほっそりとしたアゴ、くりっとした柔らかな瞳、
  すらっとした指、白いカーディガンに白いスカート……何気にお揃いって訳かぁ。

  気がついたら課長と二人、並んで、腕組んで、向こうの方へ……

  ダメ、やっぱり……勝ち目、無いや。

130 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 22:12:18.81 ID:yHWm9Xl20

  一生懸命走る室尾課長、現在3位。やっぱりカッコいい。はぁ。

  「木戸さん木戸さん」
  「何?」
  この声は、大泉君か。
  「ほらもう並ばないと、次出るんでしょ」
  「うん」

  「木戸さん、頑張って」
  応援なんてしないでくださいよ、奥さん。

131 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 22:16:27.86 ID:yHWm9Xl20

  パーンッ!
  空砲の音がした、走らなきゃ。

  このコーナー曲がったらウチの課の連中が見えてくるな。

  よりにもよって、最前列ですかお二人さん。並んで手を振って。

  応援なんていいから、お願いだから、これ以上……あっ


  ズザザザッ!

132 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 22:22:09.93 ID:yHWm9Xl20

  「木戸君、大丈夫か?」
  ビリの列に並んで体育館座りしている私の所に課長がやって来た。
  「膝すりむいてるじゃないか!ほら、こっち来て」
  そして私の手を握り、本部テントの方へと連れて行く。

  「ああ君、悪いけど救急箱を……ありがとう」
  白い、救急箱が運ばれてきた。
  「ほら、そこに座って」
  「はい……」

  パイプ椅子に、課長と向き合って座った。

133 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 22:28:01.59 ID:yHWm9Xl20

  「ごめん、ちょっと裾まくってもらえるかな」
  言われるままにジャージをまくり、右足を膝まで露わにさせる。
  課長が消毒液を脱脂綿に染み込ませ、血のにじむ膝にそっとあてる。

  手にまだ、さっきの課長の手のぬくもりが残っている。
  丁寧に、私の怪我を治療してくれている。
  ちょっぴりドジだけど、いつも真面目で、かっこよくて……

  「あ、ご、ごめん!痛かった?」
  お願いだから……
  「ほら、これで涙を拭いて」
  これ以上、優しくしないでください……

134 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 22:35:44.35 ID:yHWm9Xl20

  次の競技に出るため本部テントを後にした課長を見送って、
  一人パイプ椅子の上に座り、ぼーっとしていた。

  「マユミさん大丈夫だった?派手に転んでたけど」
  あ、ローズガーデンの……開発室の人達も来てたんだ。
  「うん、大……丈夫」
  喉の奥ら辺に力を入れて、涙をこらえる。

  「あの、そちらの席に行かせてもらってもかまいませんか?」
  「いいよ。みんなもマユミさんの事心配してるし、おいでよ!」
  さすがに今はあの席には戻れないしね。

  あの人の前では……泣き顔なんて、絶対見せられないし。心配もされたくないし。

135 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 22:56:21.30 ID:Kh8at6MhO
(携帯から失礼。VIP臭いと表示され書き込み出来なくなってしまいました。
お待ち下さっている皆様、申し訳ございません…)

137 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 23:25:37.67 ID:Kh8at6MhO
(とりあえず携帯から頑張ってみます)

  「派手に転んでたけど大丈夫?」
  「うわ、膝んとこ穴空いてるじゃん」
  「ほらほら、クッキーあるから一緒にたべよ?」

  やっぱりこの人らと一緒にいると、ほっとするな~でも何か足りないような…

138 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 23:30:13.27 ID:Kh8at6MhO

「そう言えば志穂さんは?」
うん、肝心な人がいなかった。
「会社でお留守番。志穂ちゃんもチーフだし色々忙しいのよ、あれでも」
そうなんだ、ちょっとがっかり。

まぁでもここならリラックス出来るし、気持ちが落ち着くまでお邪魔させてもらっちゃおっと。
出なきゃならない競技も無いし。

139 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 23:38:05.15 ID:Kh8at6MhO

「…でね、タマゴ爆発させちゃったんだって」
「確かにやりそうですね~、志穂さんなら」
クッキーやら、もなかやらをつまみながら薔薇っ子達とダラダラお喋り。

と、そこへ毎度見慣れた大きい体。
「やっぱりここだったか」
「あ、大泉君」

140 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 23:46:21.41 ID:Kh8at6MhO

  「ねね、彼だれ?」薔薇っ子の一人がツンツンつつきながら、コソッと聞いてきた。

  「ウチの課の人ですよ、同期の」
  「ふ~ん、ただの同期なの?」
  「ただの同期です」ほらそこ、つまんなそうな顔しないの。
  「で、どしたの」
  ビニールシートに手をつき振り向きながら、ぽっこりお腹を見上げる。
  「いや、そろそろ閉会式だから迎えに来たんだよ。また迷子になられてもアレだし」

141 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/02/17(金) 23:48:00.31 ID:ByOHa7+zP
(励ましの言葉ありがとうです&志穂さんは携帯からお疲れさまです。
でもなんでVIPに書いてるのにVIP臭いが出るんだろう?私の認識不足かなぁ?)

143 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/17(金) 23:57:16.38 ID:Kh8at6MhO
(>>141ありがとう。
何やらPCからの書き込み全般に規制がかかってるぽい。よく分からないけど)

  「迷子ってアナタ…」
  「これはアレね」
  「うん、アレだわ」
  薔薇っ子達が円陣を組んでヒソヒソ…そして、声を揃えて――
  「志穂ちゃんの呪いよ!」
  「んなアホな」
  速攻ツッコミを入れる私。

  「ほら漫才やってないで帰るよ」
  ありゃ、私も一緒にされちゃってるよ。
  「それじゃまたね~」
  「またいつでも遊びにおいで~」
  でも薔薇っ子達のおかげで、大分落ち着いたかな。

144 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/18(土) 00:08:14.89 ID:stfpiCJJO

  大泉君の後ろについて歩いて行く。
  …まぁついていけば大丈夫だよね。

  「ところでさぁ」
  「ん?」
  前方をゆく大きな背中が、振り向かず前を向いたままで話しかけてきた。
  「打ち上げするみたいだけどどうする?課長の発案なんだけど」

  そりゃ行くに決まって…あ、そうだよ、あの人も来るんじゃ…
  「…奥さんは先に帰るみたいだよ」
  「行く行く!」
  そう言う事ならモチのロンよ!

145 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/18(土) 00:15:41.99 ID:stfpiCJJO

  …ちょい待て、何でそこであの人の事が出てくる。まさか、バレて……?

  「……ねぇ、大泉君」
  「何?」
  今度は肩越しに振り向きながら返事を返す。

  「……」
  黙っている私を肩越しに見つめている。気が付いたら二人とも立ち止まっていた。

  「……何でも無い」
  「そっか」
  そして何事も無かったように歩き出す。
  まぁ大泉君なら……もしバレてたとしても大丈夫か。

146 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/18(土) 00:28:33.71 ID:stfpiCJJO

  閉会式を終え、着替えを済ませてそそくさと駅に向かい電車に飛び乗った。

  車窓からビルの谷間に沈んでいく夕日が見える。

  会社の側のいつもの居酒屋かぁ……
  こういう所、ホントワンパターンな人なんだよなぁ……ふふっ
  でも……どうすればいいんだろ。
  やっぱり諦めないとダメなのかなぁ……課長も迷惑……だよね……

  夕日が、少しにじんで見えた。

147 名前: マユミ ◆mWaYx4UM2o 投稿日: 2006/02/18(土) 00:38:47.45 ID:stfpiCJJO

  会社の最寄り駅に着いた……はいいんだけども、打ち上げまで2時間近くあるや。

  仕方なくブラブラとその辺を散策してみる。
  信号を渡り、角を曲がって……
  ふと、大きな石にはめ込まれた金属製のプレートが目に止まった。

  彩華堂株式会社。
  そう言えば志穂さん出てきてるんだっけ。
  社員証定期入れに入ってるし、寄ってこっと。