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*「中継ぎACE」実際の各球団とは関係ありません *(プロローグ 裏切り) 240名前: ニーノ@山中グランドホテル投稿日: 2006/02/22(水) 01:08:34.92 ID:MXh2jVrV0 「ウー」 試合終了を告げるサイレンが塚本弘樹たちの夏を終わらせた。 全国高校野球選手権大会高知県代表明倫工業高校、創設1年目の野球部が甲子園に来れたのは奇跡に近い。 しかし、運はそこで尽きた。初戦大阪桐蔭戦先発の弘樹は桐蔭のエース辻内と投げあいの投手戦。 ドラフト目玉投手は150㌔近い速球で俺たちの打線を翻弄する。弘樹の速球はMAX144㌔、彼の前ではかすんでしまうがストレートには自信がある。 初回から内角をつくストレートで負けずに三振を奪っていた。しかし8回、延長戦の恐怖から四球でランナーを許しての桐蔭平田への初球だった。 甘く入ったチェンジアップをライトスタンドへ・・・・・・・そして投手交代、弘樹の夏は終わった。 241名前: ニーノ@山中グランドホテル投稿日: 2006/02/22(水) 01:17:29.88 ID:MXh2jVrV0 明倫工業はその日のうちに地元へと帰った。 『ストレートで押し続けていれば』 解散時の監督、部員、その他すべての声が聞こえぬように彼は家路についた。 食事もとらないまま自室に篭り、ベッド横になっている。 レベルの違いを感じさせられた。涙が出て甲子園の土を握り締める。 「弘樹・・・・あの楓ちゃんが来てるんだけど・・・」 申し訳なさそうに聞こえる母の声、弘樹も会うつもりはなかった。 しかしそういうわけにもいかない、加藤楓明倫工業野球部マネージャー、そして幼馴染。 楓とて悔しさは同じであろう。そう思うと彼は重い腰を上げ玄関へと向かった。 243名前: ニーノ@山中グランドホテル投稿日: 2006/02/22(水) 01:23:02.24 ID:MXh2jVrV0 「こんばんわ・・・・」 「なんなんだよ」 弘樹は無粋に答える。 「ちょっと歩こうよ・・・・」 ジャージ姿の楓はそのまま弘樹の手を引くと外に連れ出した。 「残念だったね」 「・・・・・・」 「でも甲子園生まれてはじめてみて楽しかったよ」 「・・・・・・」 「きっと後輩がまた甲子園に連れて行ってくれるよ」 「・・・・・・」 弘樹は何も答えず夏の夜道を歩き公園に出た。 「座ろうか?」 楓はそう言うと袖を引っ張って無理やりそこに座らせた。 244名前: ニーノ@山中グランドホテル投稿日: 2006/02/22(水) 01:33:04.99 ID:MXh2jVrV0 「何なんだよ」 弘樹の唯一出せた言葉。 「こんな時に言うのも何なんだけど」 楓は頬を赤らめる。そして無言で俺に抱きついて来た。 弘樹はその時の鬱憤を全て楓にぶつけてしまう。 数ヵ月後・・・・・・ 「第6回選択希望選手四国ブロッコリーゲーマーズ塚本弘樹、18歳投手」 弘樹は夢を見ているようだった。来季からセントラルリーグ参入の四国球団ブロッコリーゲーマーズからのドラフト指名。 「やぁったぁあぁぁぁぁぁぁぁ!」 声にならない叫びで俺は校長室を飛び出した。 この喜びを1番に伝えたい人に伝えるため。 246名前: ニーノ@山中グランドホテル投稿日: 2006/02/22(水) 01:40:40.96 ID:MXh2jVrV0 『これで変なうわさも解ける!』 実は最近、弘樹に告白したもう一人の人物がいる。それは2年の山本椎名野球部マネージャー。 実際に彼女は弘樹の事を好いていたがそれは片思い、以前に告白された時も弘樹は楓との事を説明し彼女も理解してくれた。 しかし、噂とは勝手なものですぐに他生徒へと広まり楓の耳にも届くこととなった。 楓は弘樹を信じた。しかし、疑心暗鬼は少しでも生まれる。ここ数ヶ月は二人も微妙な付き合いをしている。 だが弘樹はこの吉報を一番に楓に報告しこの状態を打開できると踏んでいたのだ。 247名前: ニーノ@山中グランドホテル投稿日: 2006/02/22(水) 01:47:37.05 ID:MXh2jVrV0 弘樹は急いで廊下を曲がる。そして、もっともあってはならない事を犯してしまった。 廊下の曲がり角にいた山本椎名と接触そのまま抱きついた状態で押し倒してしまう。 「せ、先輩・・・・」 「イタタタ、すまん・・・・あ!」 気まずい空気が流れ二人は動けなくなる。 「何やってるの・・・・」 そしてその場を楓に目撃されてしまう。 楓は無言でその場を走り去った。ひとつの恋が終わる。

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