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ショタヨルという名の星【1】」(2006/01/31 (火) 16:42:13) の最新版変更点

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<<航星日誌 宇宙暦53908.4 植民惑星からの救難信号を受信した>> 「動力炉のパーツがない?」  小型宇宙艦の少年艦長リュカは、惑星ショタヨルのオペレーターに尋ねた。 『はい、地球本星に…呼びかけて…るのですが、物資が届くま…保つかどうか……』  通信機からの声は雑音が混じっていてうまく聞き取れない。 「ベータくん、この船の予備パーツのリスト出して」 「こちらです」  少年型アンドロイドの副長ベータがデータパッドを差し出す。 「亜空間制御プラグはまだ余ってるな……よし、お分けしましょう」 『本当で…か!ありがとうござ…ます!』  リュカはショタヨル星の座標を聞き、通信を切った。 「変ですね。その座標の星に入植した記録はないのですが」  ベータが首をかしげる。 「たまに記録漏れがあるんだ。そういう星は気づかれるまで地球からの支援が届かない。  動力炉が暴走したら大変だ。最短コースで向かおう」  リュカはコース変更をコンピュータに指示しながら言った。  このとき、彼らは自分たちが恐ろしい罠にかかるとは、星屑ほども思っていなかったのである。  目的地への到着をコンピュータが告げた。 「植民基地が一つだけ。人数もそう多くないようですね」  ベータが惑星をスキャンする。 「着陸ビーコンが出ています。降りますか?」 「ああ、降下シークエンス開始」  誘導に従って着陸すると、迎えに来たのはみな思春期前後の男の子だった。 「ようこそショタヨルへ。僕がここのリーダーのイヴァンです」  そう自己紹介したのも、12歳くらいの少年である。 「リーダーって、大人の人は?」 「いません。いや、いなくなった」  イヴァンの話によると、近くの恒星からの特殊な放射線を浴びて、植民者達はことごとく死に絶えてしまったのだという。  しかし、Y染色体を持つ男子ならば、大人になるまでは生きていられるのだそうだ。 「短期間の滞在なら被害はありません。それに、遺伝子工学でこの問題も解決しつつあります」 「ですが、その前に動力炉が壊れてしまっては元も子もなかった」 「持ってきていただいた亜空間制御プラグは早速取り付けます」 「あなたたちは基地で休んでいてください。ささやかながらお礼のパーティーも用意しています」  少年たちが口々に言う。 「じゃ、お言葉に甘えるか」 「リュカさんは先に行っていてください。私はこの放射線症の話を聞いてみたい」 「わかった」  基地のホールで開かれたパーティーに出席していたのも、やはり少年たちばかりだった。  リュカはきょろきょろと姿を現さないベータを探しながら、もてなしの料理を食べ歩く。 「ベータくん遅いな。興味を持ったらとことん調べる癖があるからなぁ……」 「どうですか?ベテルバーグさん。ショタヨル産の野菜の味は」  イヴァンが話しかけてくる。 「ええ、おいしいですよ。この赤いのはなんです?食べると身体が熱くなるような気がするんですが」 「ふふ……食べたね?」 「ふきゃっ」  イヴァンがいきなりリュカの頬をなでた。普通に触られただけなのに、やけにくすぐったい。 「一種の媚薬なんだよ。ほら、もう抑えられなくなって来るよ」 「あ、ああ」  リュカは足の力が抜けて、床に座り込んだ。チンチンはすでにビンビンになっている。 「楽しもう……ここで永遠に」

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