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聖夜」(2006/02/07 (火) 21:37:13) の最新版変更点

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*聖夜 72ポインツ(*´ω`) ---- 「お兄ちゃん…」 少年は、待っていた。 いや、少年と呼ぶには少し語弊があるかもしれない。 決して年令的なものではなく。 プラチナの髪にエメラルドグリーンの瞳、雪のように白い肌。 そして…背中には白銀に輝く小さな翼。 そう、彼は人で言う天使という存在なのだろう。 その天使の少年は、待っていた。 高い高い雲の上で、仕事に行った兄の帰りを。 毎年この日になると、天使は忙しい。 サンタを信じる子供だとか、永遠の愛を誓う恋人だとか… そのすべての人間に、平等に『幸せ』を運ばなければならない。 彼の兄もまた、その重要な仕事を担う役割を持った天使だった。 「お兄ちゃん、遅いなぁ…」 時刻は、地上でいうところの0時前。 そろそろ日付が変わる。 「今日はお仕事頑張って、一緒にあそぶって約束したのに…」 天使の少年の心は、不安でいっぱいだった。 何か良くない事があったのかなぁ、それとも、僕とあそぶのがいやなのかなぁ… 不安は悲しみに変わり、少年の目からは涙が溢れる。 涙は結晶になり、そして地上に降り注ぐ。 聖なる夜に。少年の翼の色と同じ、白い白い、小さな雪のかたまりとなって… 「メリークリスマス」 どのくらい泣いていたのだろう。 少年が泣き伏せていた顔をあげると、そこにはおだやかな顔をした天使が居た。 「お前の涙のおかげで、たくさんの人が幸せになったよ。 おかげで、仕事が早く終わった。 って言っても、予定より大分遅れてしまったけど…ごめんな」 少年は無言で首を横に振り、兄へと抱きつく。 「お帰りなさい、お兄ちゃん。」 「ただいま、いい子で待ってたんだね。ご褒美だよ…」 そう言って、少年に優しいキスをする。 時刻は、1時を少しまわったところだ。 地上にはまだ雪が降り、暖かい笑い声と静かな静寂に包まれている。 何処かで、小さな子供が呟いた。 「サンタさん、来ますように…」 それを聞いた天使の少年はこう返す。 「いい子で待っていれば、きっと幸せな事が起こるよ…」 Happy Merry X'mas....

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