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堪らなくもどかしくなって、俺は弟を抱きかかえ、ベッドから下ろした。 興奮にふらつく足で俺にもたれかかり、熱い吐息を漏らしている。 「さあ、これ以上続けたいんなら……わかるだろう?」 腕を組んでにやりと笑う俺を見上げる弟。その頬の赤さは興奮と、これから自分が行う行為への羞恥、或いは 期待が混ざり合ったものだろう。 俺は、きゅっと下唇を噛んでズボンに手を掛ける弟の動きを制止した。 「違うな。…昨日、教えただろう?」 弟は一瞬だけ不思議そうな顔をして、すぐに俺の言っている事の意味に気付き、くるっと回り、俺に背を向けた。 か細い背中が羞恥に震えている。だが、逆らうことなどできはしない。 弟もまた、それが己の望む快楽への最善手であると知っているからだ。 弟は背中を向けたまま、静かにズボンに手を掛けた。 それを見て俺も、静かにズボンに手を掛けた。 開放を待っていた俺の欲望が、脈動はそのままに姿を現す。…弟のそれに比べると、やはり、グロテスクだ。 弟は震える喉で深呼吸をした後、下着も一緒にパンツをずり下げた。 膝下の辺りまで、しゃがむことなく、そう、立位体前屈のような状態で。 「そう、そのままストップ」 言いながら俺は、弟の腰に手を廻した。腰から尻へのなだらかな曲線を、両手でがっしりと固定する。 「ちょ・・・え、兄ちゃん、まさか・・・駄目、駄目だよ!まだ心の準備が・・・」 却下。 俺は滾る欲望の狙いを定め、一気に、突き通した。 弟が、声にならない叫びを上げる。くず折れそうになる体を支えようと、その両手は壁を探してせわしなく彷徨っている。 「あ・・・ッ、んああっ!」 ゆっくり、慣らすように、弟の中に侵入してゆく。 まだ抽送も始まっていない。 「にい、ちゃ・・・こん、な・・・!」 せめて少しでも痛みが緩和できるようにと、弟の前に手を伸ばす。 硬度を保ったまま…否、ともすれば硬度を増したそれは、だらしなく液体を滲ませ、それだけで弟の射精が近いことを教えてくれた。 睾丸から筋、亀頭にかけての窪みを指でなぞる。肩を震わせ声を殺そうとする弟の背中が、じんわりと汗ばんでいる。 「何だ?お前は兄貴を置いて一人だけ気持ちよくなるつもりかよ?」 そう仕向けているのは自分だ。矛盾したことを口走っているのはわかっているが、とまらない。 潤滑油で滑りがよくなったそれを握りこむ。そのまま上下に、乱暴に…しかし強弱をつけながら、扱いた。 自慰とは勝手が違うものだな、などと思っているうちに、弟の体が徐々に硬直してゆく。 繋がったままの俺の欲望も、自らの行為と弟の痴態に興奮し、潤滑油を分泌していた。 徐々に抽送を開始する。 爛れそうに熱い直腸に欲望を打ち付ける。 眩暈がするほどの快楽が、脊髄を舐めて往く。 リズミカルな、肉を打ち付ける音と俺のうめき声、弟の艶声混じりに俺を呼ぶ声だけが、聴覚を支配する。 「も……っと…んッ!あ、あッ!にい、ちゃん…!」 お互いの快楽が、肉欲が、渦を巻いて溶け合って、上り詰めて行く。

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