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<h2>智(3)</h2> <p align="right">著者不明</p> <p> 五分ほどそうしていただろうか、智がそっと話だした。<br> 「・・・にぃ」<br> 「ん?」<br> 「ごめん、僕」<br> 「ちょっと刺激が強すぎたな」<br> 俺は右腕を智の下から引き抜くと、しずかに智の頭をなでてやった。<br> 「僕だけ気持ちよくって、、にぃは、、」<br> 「俺か?ん~、今日は智を感じられたからな」<br> 身体を起こし、智を再び見下ろす格好のまま言った。<br> 「でも、」<br> それでも言い募る智に軽く口づける。<br> 「気にすんなって。今は智が満足するのを見てて十分嬉しいんだって。<br> 満足できたんだろ?」<br> 「うん、とっても」<br> そう言った智に満面の笑みがこぼれ、この笑顔があればいいやと本当に<br> 思わずにはいられなかった。</p> <p>「下着んなか、気持ち悪くないか?」<br> 「うん、実はちょっと。。。」<br> 「俺が拭いてやろっか?」<br> 「いいよ、もうっ、はずかしいっ」<br> そういって智は俺の身体を押しどけると、すばやくベッドからすべりでた。<br> 「僕、シァワー浴びてくる」<br> そそくさと部屋を出て行く智を見送りつつ、『一線を越えたのだな』と<br> ぼんやり思っていた。<br> 『俺に後悔はあるだろうか?するだろうか?』そうした思いが頭の隅を掠める。</p> <br> <p>「にぃ、いっしょに入らない?」<br> 戻ってきてドアから顔を覗かせている智を見たとき、俺には少しも後悔の<br> 念が無いことを実感できた。<br> 「ひさしぶりに、一緒に入るか」<br> 俺はベッドから離れ、智が待つドアの向こうに向かって歩きだした。</p> <p>そうだ、俺は智を好きなんだ。</p>
<h2>智(3)</h2> <p align="right">著者不明</p> <p> 五分ほどそうしていただろうか、智がそっと話だした。<br> 「・・・にぃ」<br> 「ん?」<br> 「ごめん、僕」<br> 「ちょっと刺激が強すぎたな」<br> 俺は右腕を智の下から引き抜くと、しずかに智の頭をなでてやった。<br> 「僕だけ気持ちよくって、、にぃは、、」<br> 「俺か?ん~、今日は智を感じられたからな」<br> 身体を起こし、智を再び見下ろす格好のまま言った。<br> 「でも、」<br> それでも言い募る智に軽く口づける。<br> 「気にすんなって。今は智が満足するのを見てて十分嬉しいんだって。<br> 満足できたんだろ?」<br> 「うん、とっても」<br> そう言った智に満面の笑みがこぼれ、この笑顔があればいいやと本当に思わずにはいられなかった。</p> <br> <p>「下着んなか、気持ち悪くないか?」<br> 「うん、実はちょっと。。。」<br> 「俺が拭いてやろっか?」<br> 「いいよ、もうっ、はずかしいっ」<br> そういって智は俺の身体を押しどけると、すばやくベッドからすべりでた。<br> 「僕、シァワー浴びてくる」<br> そそくさと部屋を出て行く智を見送りつつ、『一線を越えたのだな』と<br> ぼんやり思っていた。<br> 『俺に後悔はあるだろうか?するだろうか?』そうした思いが頭の隅を掠める。</p> <br> <br> <p>「にぃ、いっしょに入らない?」<br> 戻ってきてドアから顔を覗かせている智を見たとき、俺には少しも後悔の念が無いことを実感できた。<br> 「ひさしぶりに、一緒に入るか」<br> 俺はベッドから離れ、智が待つドアの向こうに向かって歩きだした。</p> <br> <p>そうだ、俺は智を好きなんだ。</p>

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