「知也【2】」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

知也【2】」(2006/01/14 (土) 14:22:08) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

<h2>知也(2)</h2> <p align="right">著者不明</p> <p>「何だよ、怖いのか? 兄貴如きが、怖いのかよ?」<br> 「そっ、そんなことない!」<br> <br>  そう挑発すれば、弟はカッとしたのか、すぐさまそう返してきた。<br>  尊敬できない兄に怯えている自分が許せないのだろう、その耳が赤く染まっていた。<br> <br> 「へぇ……怖くないんだ?」<br> <br>  弟との距離を詰めていく。<br>  一歩一歩、そのたびに、弟の表情に含まれる怯えが強くなるのが分かった。<br> <br>  目の前まで来たとき、弟はそのつんとした唇を僅かにふるわせ、俺を見上げていた。<br>  じっとこちらを見つめるその様は、行き場を無くした獲物のようで、俺の加虐心をそそる。<br> <br>  軽くその細い肩を叩くと、弟はいとも簡単に後ろへ倒れ込んだ。<br>  そこには俺のベッドがある。<br>  くしゃくしゃにまるまった布団の上へ倒れ込んだ弟は、怯える小動物の目をしていた……。</p> <p>「兄貴……」<br> <br>  弟の口からこぼれた言葉は、珍しく弱々しく、よけいに俺の感情を高ぶらせる。<br>  まだ発育途上の弟は、ほっそりとした体をベッドに投げ出して、じっと俺の動向を探っている。<br>  まるで期待しているようにも見えるその無防備さに、俺は思わず唾を飲んだ。<br> <br>  肩に手を掛け体重を載せると、その重さと痛みに弟の表情が歪む。<br>  痛いよ……とか細い声が聞こえた気がしたが、俺はそれが聞こえなかったふりをして、もう片方の肩もベッドに押しつけた。<br>  完全にベッドに縫いつけられた弟は、驚きの眼差しで俺を見ている。<br>  無駄に生意気で知識の豊富なこいつは、俺のやろうとしていることに気づいているのかも知れなかった。<br>  けれど、それが現実と結びつかずに脳内でオーバーヒートを起こしているのだろう。<br>  それならば好都合だと、俺は弟の足の間に自分の足を割り込ませ、そこを無理矢理に開いてやった。<br> <br> 「……! な、やめろよ兄貴!」<br> <br>  自分の取らされた体制に、弟は声を荒げた。<br>  無理矢理に開脚された両足は、閉じようとして力を込めてくるが、<br>  さすがに小学生に力負けする俺でもない。<br>  逆に、開ける限界まで、その足を開いてやった。<br> <br> 「どうしたんだよ。兄貴如きに勝てないのか?」<br> <br>  そう言ってやると、弟は悔しそうにその顔を歪めた。</p>
<h2>知也(2)</h2> <p align="right">著者不明</p> <p>「何だよ、怖いのか? 兄貴如きが、怖いのかよ?」<br> 「そっ、そんなことない!」<br> <br>  そう挑発すれば、弟はカッとしたのか、すぐさまそう返してきた。<br>  尊敬できない兄に怯えている自分が許せないのだろう、その耳が赤く染まっていた。<br> <br> 「へぇ……怖くないんだ?」<br> <br>  弟との距離を詰めていく。<br>  一歩一歩、そのたびに、弟の表情に含まれる怯えが強くなるのが分かった。<br> <br>  目の前まで来たとき、弟はそのつんとした唇を僅かにふるわせ、俺を見上げていた。<br>  じっとこちらを見つめるその様は、行き場を無くした獲物のようで、俺の加虐心をそそる。<br> <br>  軽くその細い肩を叩くと、弟はいとも簡単に後ろへ倒れ込んだ。<br>  そこには俺のベッドがある。<br>  くしゃくしゃにまるまった布団の上へ倒れ込んだ弟は、怯える小動物の目をしていた……。</p> <br> <p>「兄貴……」<br> <br>  弟の口からこぼれた言葉は、珍しく弱々しく、よけいに俺の感情を高ぶらせる。<br>  まだ発育途上の弟は、ほっそりとした体をベッドに投げ出して、じっと俺の動向を探っている。<br>  まるで期待しているようにも見えるその無防備さに、俺は思わず唾を飲んだ。<br> <br>  肩に手を掛け体重を載せると、その重さと痛みに弟の表情が歪む。<br>  痛いよ……とか細い声が聞こえた気がしたが、俺はそれが聞こえなかったふりをして、もう片方の肩もベッドに押しつけた。<br>  完全にベッドに縫いつけられた弟は、驚きの眼差しで俺を見ている。<br>  無駄に生意気で知識の豊富なこいつは、俺のやろうとしていることに気づいているのかも知れなかった。<br>  けれど、それが現実と結びつかずに脳内でオーバーヒートを起こしているのだろう。<br>  それならば好都合だと、俺は弟の足の間に自分の足を割り込ませ、そこを無理矢理に開いてやった。<br> <br> 「……! な、やめろよ兄貴!」<br> <br>  自分の取らされた体制に、弟は声を荒げた。<br>  無理矢理に開脚された両足は、閉じようとして力を込めてくるが、<br>  さすがに小学生に力負けする俺でもない。<br>  逆に、開ける限界まで、その足を開いてやった。<br> <br> 「どうしたんだよ。兄貴如きに勝てないのか?」<br> <br>  そう言ってやると、弟は悔しそうにその顔を歪めた。</p>

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー