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著者不詳
やっぱり兄さんは家をでるんだろうか。なんだか絶望的な気持ちに なってきた。 「アパートの話は?」 自分でもちょっと恥ずかしいくらいに声が震える。 「ん?それか、まだ決めたわけじゃないんだけどな」 家から会社までだって全然遠くないのに、なんで家をでちゃうの? 「家を、出たいの?」 もう、なんでか涙が次から次に沸いてきて、ちょっとしたパニック。 「そういうわけでもないんだけどな」 僕は顔を上げることもできず、ぐしぐしと涙をこすり続けた。 「じゃぁ、なんで!」 恥ずかしさを紛らわせようと、ついつい声が大きくなちゃった。 「まず落ち着けって」 「うん、ごめんなさい」 僕は自分が幼いってことをわかってる。そしてこうして泣いている。 兄さんにはさっぱり思っていることをちゃんと伝えられない。 僕は兄さんを困らせてばかりいる。それを僕は恥じている。 兄さん、僕が恥じて泣いているってことがわかってもらえてる?
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