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ばけつ氏
「そっか、疲れたんだな。」 「ん・・・もういいや。だいたい洗えたし。」 「ばっか、全然洗えてないだろ。貸せよ、兄ちゃんが洗ってやるから。」 「・・うん。ごめんねおにいちゃん。」 「いいよ、気にすんな。」 「うん!ありがと!」 「ほら洗うぞ。はい、手ぇ挙げてー。」 折れそうな首や、細くて白い腕を丁寧に洗う。 ちょっと力を入れたらどこもかしこも折れたり傷ついたりしそうだ。 脇の下にタオルが入ったとき、急にカズが 「ひやっ!」 と言って、身を引いた。
「な?どした?」 顔を見ると赤くなって半笑いになっている。 「ほ~カズはくすぐられるのが苦手なのか。へ~~~。」 ニヤニヤしながらカズの脇に手を伸ばす。 「や!いやだってば!にいちゃんのバカー!」 ゲラゲラ笑いながらも逃げられないカズは、必死で身をよじって抵抗した。 「あはははは!!!いやーーー!もう助けてー!」 「カズ、笑いすぎだろ。そんなにくすぐったいか?」 今度は笑いすぎて涙目だ。 やっぱ小学生だなぁ・・。 ハアハアと息をしながら 「だってぇ!にいちゃんが!」 と脇を両手でカバーしながら必死で腰をズラしていく。 あまりにも子供っぽいその行動におかしくなり、ニヤニヤしながら 今度は無防備な首筋をつーっと撫でてやった。
「や・・・っ・・!」 首筋に手をかけると、先ほどの笑い声には程遠い色気のある声がかえってきた。 自分でも驚いたのか、脇をすぼめたまま顔を赤くしてうつむいている。 「・・・カズ・・・おいで。」 「・・・・?」 「にいちゃんの膝の上に来いよ。その方が洗いやすいし。」 「・・・え・・・・。」 俺はカズの返事も聞かず、カズの腰に手を回し両足を下からすくうお姫様抱っこのような 態勢であぐらをかいた俺の膝の上にストンと下ろした。 「な?こうしたらくすぐっても逃げられないだろ?」
「・・・・!やだっ!ずるいよにぃちゃん!!」 「あはは!ウソウソ。ほら、さっさと身体洗って出るぞ。」 「はぁ~い。もうくすぐるの、なしだよ!」 「お前が勝手にゲラゲラ笑ってるだけだろ。にいちゃんは何にもしてないぞ。」 そう言いながら、タオルを持った手はせわしなく身体の各部を洗い続ける。 「だってにいちゃんが手を入れるんだもん!」 「バーカ。それくらい我慢しろっつーの。」 「ぷぅ。我慢できないんだもん。」 可愛らしくほっぺをふくらましたカズに、 「ほら背中洗うぞ。俺の方、向けよ。」 と言って両足を広げさせ、俺の膝の上で向かい合って座らせた。
背中をゴシゴシと洗っていると、 「あの・・・あの検査ね・・・。」 と、おずおずとカズが話しかけてきた。 「ん?何?」 「おにいちゃんも・・・誰かに・・・・・・?」 うつむいたまま、言いにくそうに小声での質問。 どういう意味だ? 「・・・なんで?」 ピタリと手を止めて、うつむいているカズを上から見下ろす。 「その・・・誰かとしたの・・・?・・・・さっきのやつ・・・。」 カズの質問の真意が分からなかったが、 「・・・・いいや。自分でやって病気だって気がついたんだよ。」 と、返事をした。 「・・・したことも・・・されたことも・・?」 「あ?ああ。ないよ。急にどうした?」
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