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著者不詳
空を切り取ったのは、分厚いコンクリートの壁。 閉ざされた箱庭で、少年は独り、胸を焦がす。 月を射る瞳。 肉欲に咽ぶ体。 日毎に爛れゆく純潔。 兄が求めるのが、この体だけでも構わない。 この体越しの、誰かの影に愛を呟いていたとしても。 音も無く開かれる扉。 静寂を食む鼓動。 いらっしゃい兄さん、今日も僕を好きにしてね……
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