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洋平と拓也(1)

焼きそばパソ氏

カーテンが引かれ、薄暗い室内。
その隙間から、一筋の光が漏れている。
外はいい天気なのに、室内はしっとりしている。
最初にやろうと言ったのは、洋平くんだった。
「ねぇ、セックスごっこ、してみよう」

お姉ちゃんの部屋から、大き目のぬいぐるみを2つ持ってきた。
「じゃあ、俺男の人やるから、拓也女ね」
「うん」
やるのはぬいぐるみ達。
僕たちはそれを見ている人だ。
もちろん、動かしているのは僕と洋平くんなんだけど。
「男の人、おっぱい触ってる。やらしー」
「こいつエッチだね」
くまさんの手が、うさぎさんの胸のあたりをもこもこと撫でる。
でも、本当はこの2人は人間なんだ。
「こんどはお股だよ」
「女の人もちんちん触ってる」
「恥ずかしいやつら」
「うん」
「ねぇ」
「なに?」
洋平くんが、ぬいぐるみを動かす手を止めて僕を見る。
「セリフとか言った方がいいんじゃない」
「え?」


「アーンとかイヤーンとか言った方がいいんじゃない」
「でも…恥ずかしいよ…」
ほっぺたがカアァと熱くなる。
だって、男の人はたぶんあんまり喋らない。
僕だけセリフ言うのなんて、不公平だよ。
「いいから」
「でも…」
「ほら、続き」
「なんて言えばいいの?」
「アハーンとかウフーンとか言えばいいんだよ」
「あ、あはーん…」
「……なんか違うな」
「うん…」
しょうがないよ、だって本当はどんなか知らないんだもん。
「映画のエロシーンっぽくやればいいかも」
「外国のやつ?」
「そうそう、やってみるぞ」
「うん」
くまさんがうさぎさんのおっぱいを揉む。
「…あっ…あぁんっ」
「そうそう、そんな感じ」
恥ずかしい。すごく恥ずかしい。
洋平くんはそんな感じって言うけど、きっとすごく変だよ。


「っはぁ、あん…」
「あぁ……んっ、いやっ…あぁっもっともっとぉ…」
なんで、嫌なのに「もっと」って言うんだろう。
「…あっ、あっ…んっ…」
だんだん変な気持ちになってきた。
くまさんの手が触れたところと、同じところがひくひくする。
家には誰もいないけど、僕も洋平くんもひそひそ声だ。
だって、恥ずかしいことしてるから。
セックスごっこなんて、いけないことしてるから。
こっそり2人で悪いことをしてるんだと思ったら、背中がぞくぞくした。
「……ゃ」
「…くや」
「たくやっ!」
「えっ!?」
びっくりした。
呼ばれてることに全然気づかなかった。
「なに黙りこんでるんだよ」
「あ、ごめん」
「しっかりしろ」
「うん」


くまさんがうさぎさんのお股をさする。
「ほら、気持ちいいだろ…?」
「ぁ…いいっ…気持ちいいっ…」
僕もなんだか気持ちイイ気がする。
心臓がすごくしくしくして苦しい。
心臓じゃないところもしくしくする。
「ちんちん入れるぞ」
「っあん…ちんちん気持ちいいっ…!」
こんなこと言うかな。
でもなんて言えばいいのかわからない。
「…っはぁ…あんっ!もっとぉ…!」
「あっ…あぁ…は、はぁ…」
「…ぁ…よ、ようへいくんっ…」
「なんだよ」
思わず洋平くんを呼んじゃったけど、どうしよう。
えっと、あのね、
「洋平くん、僕心臓がしくしくする」
しくしくして、すごく苦しい。
「恥ずかしいからだろ、エッチだからだよ」
「う、うん、そうかな」
恥ずかしいな。
でも、本当はもっと別のところもしくしくするんだよ。
洋平くん、ぼく別のところもしくしくする。
「ほら、早く続き」
「……うん」
でも、それを言ったら洋平くんは僕が嫌いになるかもしれない。
もっと恥ずかしい奴だって思うかもしれない。
そう思うと悲しかった。
だから、僕はそれ以上なにも言わなかった。


その後すぐにお姉ちゃんが帰ってきた。
僕たちはセックスごっこをやめてゲームをした。
でも僕はずっとしくしく苦しいままだった。