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雨降りの街。
流石にこの季節に、雨に濡れたままかえるわけにも行かず、俺は雨宿りしていた。
──正確には、俺たちか。
つまり、隣の、クラスメイトと一緒に。
特に会話も無く、並んで軒下に立って居る。

「あー、雨上がんないなー…」
降りしきる雨の空を見上げて、そして、俺の方が背が高い所為か、少しだけ見下げる様に隣へと目線を向ける。
「…」
応えは返ってこなかった。
下を向いて黙って口をつぐんで居るだけだ。
…まぁ、こいつはいつもこんな感じで、クラスでも大体一人で居る事が多い。
だけど、今一よくわからないのは、こいつは傘を持ってるのに何故か先に帰らない。
会話もないし、聞いてみる。
どうせ、返ってはこないだろうが。

「つーか、傘持ってるなら入れてくれりゃあいいのにさ。相々傘で。」
「だ、誰が悲しくてお前なんかとそんなことッ!」
ちょっと冗談も込めて聞いてみると、予想外に反応が返ってきた。
ざあざあと降る雨にも負けないくらいの大声で、こっちを見上げて、何故か顔を赤らめちゃったりしつつ。
直ぐにまた、俯いてしまったけれど、耳まで真っ赤にして少し可愛い。
俺はまた、降る雨の方に目線を向ける。

「ふーん…」
別に、自意識過剰のつもりもないけれど、なんとなく解ったような気がした。
「な、なんだよ…なんか、文句…」
声に俺が横目で見ると、俺の言い方がひっかったのか、やっぱり少しだけ赤らめた顔でこっちを見上げていた。
「だったら俺なんかほっといて先帰りゃいいのに。」
「それは…そんなこと、出来るわけないだろっ」
俺が当然のこと、と言う風に言うと、やっぱりあいつは何故か否定で返す。
しかも、俺が顔を向けると、あいつは直ぐにまた俯いてしまったりして。
意外と、可愛いやつだなと思った。