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…とか考えてたら、少しだけ顔が綻んでた様だ。
「…ふーん」
少し間を開けて、さっきと同じように言った。
「な、なんだよその目つきっ!…こっち、見んなよっ!」
「うん?ほら、意外とお前って献身的だな~とか思ってさ。…ってか、なに照れてんの?」
俺は白々しく、ちょっとニヤニヤ顔で聞いてみる。
まぁ、さっきからそう言う風だったかもしれないけど。
「っ…!」
…案の定、傘を開いて先に行く様子だ。
「ん?行くの?…じゃ、また明日な。」
俺は苦笑顔で見送ろうとしたが、一歩あいつが踏み出したところで、くるりとこっちを向く。
あいつは、一瞬言葉に詰まったように、俯いた。

そして、口を開いた。
「…そんなこと言うなら、さっさと入れ!」
「え?…入れてくれんの?じゃ、お言葉に甘えちゃおうかなー。」
一瞬、俺はアイツの言葉にびっくりして、ボーっとしてしまった。
でも、普段こんな事を言わなさそうなあいつがこんな事を言ってくれるのも珍しい。
断る理由も無いし、差した傘へと俺も入る。
「ば、馬鹿っ!そんなくっつくな…!」
何故か焦ったように、少しだけ、あいつが俺を押す。
もちろん、濡れて、堪ったもんじゃない。
「でも、これ以上出たら濡れるし…」
「…っ…」
やっぱり苦笑しつつ言い返すと、納得したのかそれ以上は何も言わなかった。
顔は真っ赤だったけれど。
「…──」
確かに、ちょっと狭かった。
あいつの肩と俺の肩がくっつきあうぐらいに。
でも、寒空に、少しだけそこが暖かかった。