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修斗と兄ちゃん(6)

著者不詳

ビチャ。
兄の口から含み切れなかった白い液体が零れ落ちる。
「ケホッ・・・変な味。でも癖になるかも」
咽ながら小声で何か呟いている兄。飲み込んだ液の味に酔いしれているようだ。
「・・・飲んじゃだめって言ったのに・・・」
「・・・ごめんね」
見つめてくる。
「だめって言ったのに!!」
怒鳴りつけた。顔を見ることが出来なかった。
兄を汚してしまった事が恥ずかしくて、悔しくて。

「おいで、背中ポンポンしてあげるから」

優しい声。
恐る恐る目を合わせるとニッコリと微笑んでくれた。気持ちが揺らぐ。


結局僕は、背中ポンポンという誘惑には勝てなかった。


兄の膝にまたがり顔を見ないで良いようにしがみ付く。
「・・・許した訳じゃないんだからね」
「うん。ごめんね修斗。」
ポン ポン
心地良い。
「でもね、嬉しかったんだよ。修斗が気持ちいって思っくれてる証拠のようなものだから」
「・・・だからって」
「うん?」
「だからって、おしっこ飲むなんておかしいよ」
リズミカルに打たれていた手が止まる。同時にクスクスと笑い声が漏れていた。
「わっ・・・笑うことないじゃんか!!」
「ごめんごめん。そっか修斗はおしっこが出たと思ったんだ」
「え?・・・あっ」
みるみる顔が赤くなっていく。兄の口元についていたそれは
予想と違い、白く、ドロドロとした液。知識としては知っている。

精液。

余計に顔が見る事が出来なくなった僕は兄の肩に顔を埋めた。


兄の手が背中を打つ音だけが部屋中に響く。
「前は何でも一緒だったのにね」
沈黙を破るのはいっつも兄だ。
「父さんも母さんも見分けが付かない時もあったっけ」
「・・・何いきなり」
「ん~?変わったなーって思って。」
「初めて自分と違う所を見つけた時は不思議で仕方なかったなー」
「なんで一緒じゃないの?って」
僕も同じ事を考えた事がある。違う所が多くなるのがいやだった。
だから一生懸命兄の真似をしたり一緒の部分を探したり。
それでも一つ、また一つと真似出来ないことが増えるのが悔しかったのを覚えている。
違いが出るのは仕方が無い事なのに。だって人間だから
「なにもかも一緒の人なんて居る訳ないよ・・・」
「そうだね。だからもっと知りたいと思った」
「一緒のところ、違うところ、修斗の事何でも知りたい。全部知りたい」
「・・・兄ちゃん?」

「・・・大好き・・・」

ぎゅっ!っと抱きしめられる。兄の胸の鼓動が聞こえる。
抱きしめられてるからかな?なんだか胸が苦しい。


「にぃちゃん・・・」
僕が声をかけると兄は慌てて手を解いた。
「ごめん苦しかった?」
「大丈夫。ねぇ兄ちゃん」
「ん?」
「・・・さっきまでの事も僕の事が知りたかったから?」
「うん」
「好きだから?」
「うん」
「せ・・精液・・・飲んだのも?」
「うん」
質問が終わると今度は僕が兄を抱きしめた。
トクン・・・苦しい。
「やっぱり良く分からない。」
「そっか・・・」
兄の声はとても寂しそうだった。
「でも、兄ちゃんの笑顔とか背中ポンポンしてくれたりとか・・・大好き」
抱きしめた手を緩め目を合わせ微笑む。
いつも僕を落ち着かせてくれるように。

「だから僕に兄ちゃんの事教えて」


「しゅう・・んっ・・・」
喋ろうとした兄の口を塞ぐ。恐る恐る舌を入れ、絡めた。
重ねた唇からこぼれる水音に喉を鳴らず音に。酔いしれた。
「ん・・ぅんっ・・・はぁ・・しゅうと?」
「兄ちゃんとのキス・・・気持ちいい。」
寂しげだった兄の顔が驚きに、そして少しはにかんだ笑みに変わる。
初めて見せたその笑みは今までのどの顔よりも素敵だと思う。
そして思った
「兄ちゃん。あの・・・」
「あの・・・僕でも兄ちゃんを気持ちよくさせてあげられる?」
兄が驚いたように見つめてくるので慌てて弁解を考える
「あっ!えっと、だから」
「できるよ」
「あ、うん。だからね・・・え?」
「修斗がしてくれると嬉しいな」
穴があったら入りたいと言うのはこういう時なんだろう。
自分で言っておきながら恥ずかしくて死にそうになる。

それにしても

耳元で囁くなんて卑怯だ。