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貴之と貴司(5)

著者不詳

もう僕はためらっている場合じゃなかった。行動あるのみ!
兄さんの手を引っ張る。前屈みになった兄さんはキョトンとしてる。
僕はギュッと目を閉じ、次の瞬間兄さんにキスしていた。
マンガとかテレビで見るみたいに激しいのなんて、恥ずかしくってむり。
それでも僕は兄さんの唇を強く感じた。
唇を離すとき、ちょっと舌で兄さんの唇をなめてみる。さっき飲んでいた
ワインの味かな。ちょっぴり甘い香りに頭がぼーっとなりそう。
「ご、ごめんなさい」
とてもドキドキしてたけど、なんだちょっとだけ落ち着いてきて、兄さんの
びっくりしている顔をみたら、とっても悪いことをした気持ちになってき
ちゃった。
「なんで謝る」
はっとさせられるような、静かな落ち着いた声が僕に振り下ろされ、体を
切られるようなキュッとした痛みがどからか体中に拡がる。
この声は兄さんが怒っている証拠だ。どうしよう。