著者不詳
雪原に立つ唐松の姿に
僕は貴方の孤高さを思い出します。
雪原を渡り行く吹雪に
僕は貴方の清冽さを思い出します。
ピシリと凍った朝の空気が
路傍に立ち尽くす僕の頬を打ち付けて行く。
こんなにも冷たく、
こんなにも透き通って静かな雪たち。
こんなにも凍りつき、
こんなにも鋭利に尖って流れる風たち。
流れ行く風たちは貴方の元に僕の言葉を届けてくれるだろうか?
貴方はその声に耳を傾けてはくれるだろうか?
できるなら、あのとき僕は貴方の熱に溶かされてしまいたかった。