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その日以来2人が話す事は無くなった。
2人とも互いを気にしながらも避けるように行動し、その姿は周りが見ても不自然であった。
そんな事が続いたある日、日直だったコウは職員室からの道、あの教室の前で立ち止まった。

そういえば、あの日はセイちゃんが日直だったっけ…
セイちゃん…もう話す事もできないの?

ガタン…
目の前の教室から音がする。コウは今にも零れそうな涙を堪えてその教室の扉を開けた。
そこにはセイが机に腰を掛け外を見つめていた。
「セイちゃん!!」
それを見るとコウはいてもたっても居られず、思いきりセイに抱きついていた。
「セイちゃんごめんね。あんな事言ってごめんね。」
セイは何も答えない、それでもコウの口からは言葉が止まらなかった。
必死にごめんねと続けるコウを見て、セイの口から少し笑いが漏れた。
「あやまるのはオレの方なのに、コウってばおかしい」
「おかしいのかな…?」
「おかしいよ」
「うん、セイちゃんが言うんだからおかしいんだよね」
いつしか教室からは笑い声であふれていた。

「あのさ、コウ…」
「まって。たぶんね、今いっしょの事考えてると思うんだ」
そう言うとコウは目を瞑り顔を少しセイに近づけた。
それは初めてのコウからのおねだり。セイはそれを見て黙って唇を重ねた。
「ん、はぁ…ぅんっ。…セイちゃんだいすきぃ」
セイは何も言わずに再び唇を重ねる。それでコウは満足だった。
好きという言葉を言ってはくれない、でもその分キスで返してくれる。
今はそれが分かってるから、コウはセイの気が済むまでその気持ちを受け止め続ける。

クチュ、チュパ…
放課後
2人きりの教室から水音が漏れる。